『Echoes of Aincrad』ダンジョンが単調と言われる理由|ランダム生成でも反復感が消えない構造をSteamレビューから分析
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ランダム生成でも反復感が消えない構造をSteamレビューから分析
「ランダム生成のダンジョンなのに、なぜか同じことの繰り返しに感じる」。『Echoes of Aincrad』をプレイした人の間で、そうした声が目立っています。本作は自分だけのアバターでアインクラッドを冒険できる、シリーズでも異色の一作として期待を集めていました。実際に戦闘やキャラクリエイトを楽しむ声がある一方で、ダンジョンとクエストの反復感を指摘する評価も少なくありません。
発売直後のSteamレビューは全体で賛否両論、日本語レビューに限るとやや不評という状況が続いています。本作のダンジョンは、同じマップを一度攻略すると新鮮味が薄れやすいという課題に対応するため、プレイするたびに構造が変わるランダム生成を採用した設計です。にもかかわらず、実際のプレイでは似た体験の繰り返しに感じられるという評価が集まっているのが実情です。
この記事では、ダンジョンやクエストの反復性について確認できる情報を独自に整理したうえで、「ランダム生成そのものではなく、生成に使われる部屋・敵・報酬の種類が不足していることが本質的な問題」という分析軸を中心に掘り下げます。攻撃力の上昇のような縦方向の成長と、戦術の選択肢が増える横方向の成長という切り口で、なぜランダム生成が反復感の解消につながらなかったのかを見ていきます。
目次
要点発売後にダンジョンの反復性が指摘されている
『Echoes of Aincrad』のダンジョンは、プレイするたびに部屋の配置やボス部屋までのルートが変化する仕組みです。しかし発売後の受け止めを確認すると、フロアの構成パターンが少なく、敵の種類やクラフトできる装備の幅も限られているため、構造が変わっても実際にプレイヤーが行うことはほとんど変化しないという指摘が目立ちます。クエストの内容や敵モデルの使い回しも重なり、ゲーム全体で反復感が強調されているというのが現状です。
本編で舞台になるのは、浮遊城アインクラッドの第1層と第2層に限られます。草原と荒野を中心とした限られた環境の中でランダム生成を機能させる必要があるため、部屋や敵のバリエーションが不足すると、その影響がそのまま反復感につながりやすい構造になっています。以下、確認できた内容を項目ごとに整理していきます。
基本情報原作者アバターでアインクラッドに入り込むアクションRPG
『Echoes of Aincrad』は、川原礫氏によるライトノベル『ソードアート・オンライン』のうち、シリーズの原点にあたる《アインクラッド》編を題材にしたシングルプレイ向けアクションRPGです。これまでのSAO関連ゲームと異なり、主人公はキリトではなく、容姿や装備を自由に変更できるプレイヤー自身のオリジナルアバターです。片手剣や両手斧といった武器種、能力値の割り振り、ソードスキル、パートナーの装備や行動方針を組み合わせて、自分なりの戦闘スタイルを作れる点が特徴になっています。
ゲームオーバーになるとセーブデータが削除される「デスゲームモード」も収録されています。原作の「ゲーム内で死亡すると現実でも死亡する」という緊張感をシステムに落とし込んだやり込み向けの要素で、通常はメインストーリークリア後に解放されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | PS5・Xbox Series X|S2026年7月9日/PC(Steam)2026年7月10日 |
| 対応機種 | PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)。プレイ人数1人のソロ専用 |
| 開発・販売 | Game Studio Inc.が開発、バンダイナムコエンターテインメントが販売 |
| ジャンル | アクションRPG。オリジナルアバターでアインクラッドを冒険 |
| 本編の範囲 | アインクラッド第1層・第2層まで |
| Steam価格 | 通常版8,910円/デラックス版11,440円/アルティメット版14,960円 |
| 拡張コンテンツ | エキスパンションDLCを2026年12月31日までに配信予定(Steam表記) |
※価格・配信予定は本記事公開時点のSteamストア表示にもとづきます。PC版の推奨スペックや設定は、この後のFAQでもあわせて紹介しています。
設計意図同じ場所でも新鮮に感じてほしいランダム生成ダンジョン
本作のダンジョンには、進入するたびに部屋の接続やボス部屋までのルートが変化する「ランダム生成」の仕組みが取り入れられています。開発元へのインタビューでは、固定されたフィールドは一通り探索すると新鮮味が薄れやすいことを踏まえ、何度挑戦しても新鮮な気持ちで探索できるダンジョンを目指してこの仕組みを採用したという趣旨の説明がされています。
ランダム生成そのものは、ローグライクやハクスラ系の作品で広く使われている手法です。部屋の接続、敵の位置、宝箱、イベントなどが変化すれば、同じダンジョンでも毎回異なる判断が求められます。固定マップに比べて少ない物量でプレイ時間を伸ばしやすく、装備収集を軸にした周回型のRPGとも相性のよい設計です。広大な浮遊城を舞台にした本作も、この仕組みで探索の繰り返しに変化を持たせようとしたと考えられます。ただし、発売後の受け止めを見る限り、狙った新鮮さは十分に実現できていないというのが実情です。
検証フロア構成と敵の使い回しが目立つ理由
実際にプレイした人の声を確認すると、ダンジョンの反復感はマップが変わっても、その中で行うことがほとんど変わらないことに起因しているようです。複数の区画を進んで中ボスを倒したあとに、似た構造のフロアを再び攻略する場面が繰り返されるという指摘や、ダンジョンの構成パターンが実質的に数種類しかなく、色味を変えただけのように感じるという厳しい声も見られます。本編がアインクラッド第1層・第2層に限られる分、草原と荒野を中心とした少数の環境しか登場せず、探索の変化に乏しいという指摘も重なっています。
敵のバリエーションについても、イノシシやオオカミなど同じ基本モデルを流用した敵が繰り返し登場するという声が多く見られます。色違いや能力を一つ追加した程度の個体が大半を占め、ボス戦でも道中で何度も戦った敵を強化しただけのような相手が登場するケースがあるという指摘です。ランダムダンジョンを成立させるには、地形と敵の組み合わせによって異なる攻略が生まれる必要がありますが、敵の種類や行動パターンが限られていると、部屋の配置が変わっても戦闘方法そのものは変化しません。結果として、ランダム生成が新しい状況を作る仕組みではなく、既存の戦闘を長く繰り返させる仕組みに見えてしまっているようです。
分析軸縦の成長と横の成長という違い
キャラクター育成にも、反復感を和らげられなかった理由がありそうです。本作では能力値の割り振り、武器の作成と強化、EX-MODによる効果付与、パートナーの育成などが可能で、一見すると幅広いビルドを組めるように見えます。しかし実際の成長は数値の上昇に偏っているという指摘があり、新しい武器を作っても、能力値を上げても、戦闘中に行うこと自体は大きく変わらないため、育成によって新しい攻略が開放される感覚が弱いという評価です。
これは、縦方向の成長と横方向の成長の違いとして整理すると分かりやすくなります。攻撃力が100から120に上がるのは縦方向の成長です。敵を倒す速度は上がりますが、戦い方そのものは変わりません。一方、新しい回避手段、敵を拘束する能力、地形を利用した攻撃、パートナーとの特殊な連携といった選択肢が増えるのは横方向の成長です。プレイヤーが選べる戦術そのものが広がるため、同じ敵や地形でも異なる攻略が可能になります。『Echoes of Aincrad』ではこの横方向の変化が乏しく、装備を更新しても同じ行動をより高い数値でこなす構造になりやすいようです。
設計面クエスト・報酬・探索ルートにも共通する物足りなさ
単調さを指摘されているのはダンジョンだけではありません。多くのクエストがアイテム収集、敵の討伐、目的地への移動、ボス撃破といった定型的な内容に集中しており、進めても目的の性質がほとんど変わらないという声があります。ミッションを開始し、敵を倒して素材を集め、町へ戻って装備や能力値を強化し、次のミッションへ向かうという流れ自体はRPGとして一般的ですが、クエストの内容や戦闘方法に変化が乏しいため、進めるほど同じ作業を繰り返している印象が強くなるという指摘です。
探索の報酬設計についても課題が挙がっています。宝箱やマップ踏破で得られる報酬が弱く、隅々まで探索する動機につながりにくいという声、素材はあちこちで手に入るもののクラフトできる装備の違いが戦い方に大きく影響しないため、時間をかけて集める価値を感じにくいという指摘です。ランダム生成ダンジョンでは本来、「次の部屋に何があるか分からない」という期待感が探索の原動力になりますが、宝箱の中身や敵・部屋の構成に大きな変化がなければ、未知の場所へ進む意味は薄れてしまいます。加えて、広大なアインクラッドを歩いているように見せるビジュアルの一方で、実際の移動範囲はクエストごとに区切られ、進行ルートも比較的直線的という指摘もあり、サイドクエストも敵の討伐やアイテム収集が中心で新しい発見が生まれにくいという声が見られます。
数字で見るSteamレビューの内訳|全体は賛否両論、日本語は「やや不評」
Steamストアで確認できるユーザーレビューの内訳は次のとおりです(本記事公開時点)。
| 集計対象 | 評価 | 件数・好評率 |
|---|---|---|
| 全言語 | 賛否両論 | 4,615件中、好評約49% |
| 英語レビュー | 賛否両論 | 2,442件中、好評約53% |
| 日本語レビュー | やや不評 | 356件中、好評約29% |
| 簡体字中国語レビュー | やや不評 | 326件中、好評約29% |
出典:Steam公式ストアページのユーザーレビュー集計(本記事公開時点、変動あり)。
全言語・英語レビューはいずれも「賛否両論」で、好評率はおおむね50%前後です。一方、日本語・簡体字中国語のレビューは「やや不評」で、好評率は3割弱にとどまります。反復的なクエスト、敵の使い回し、物語やキャラクター描写の弱さ、本編が2層に限られる点を問題視する厳しい評価がある一方、ダンジョンやクラフト、探索報酬には課題があるとしつつも、ストーリー、音楽、英語音声、SAOらしい世界観には好意的な評価もあり、評価にはばらつきが見られます。
評価されている点自作アバターでアインクラッドに入り込める独自性
本作最大の魅力は、自分で作成したキャラクターとして、アインクラッドのデスゲームに参加できることです。キリトたちの物語を追体験するだけでなく、原作で描かれた世界の一人として、正式サービス開始前のベータテストからデスゲーム化するまでを体験できます。戦闘では通常攻撃、強攻撃、ガード、回避、パリィ、ソードスキルを使い分け、AIパートナーと連携して敵と戦う構成で、武器ごとに攻撃範囲や操作感が変わるため、自分に合った武器を探す楽しみもあります。
探索の直線性は問題視しつつも、戦闘システムやパートナーとの連携、物語、環境表現については一定の評価を与える声も見られます。クリアまでの時間の目安として、メインストーリーはおよそ35時間前後、残ったサイドコンテンツを含めるとさらに5〜10時間程度というプレイヤーの声もあります。「ソードアート・オンラインの世界に自分自身が入る」という作品の根幹部分は、過去のシリーズ作品にはなかった魅力であり、それだけにダンジョン・クエスト・敵・報酬のバリエーション不足で、攻略が作業的になってしまう点は惜しまれます。
今後エキスパンションDLCで狙いが生きてくるか
ここまで見てきた反復感は、ランダム生成という仕組み自体が悪いわけではありません。ランダムに並べ替える部屋・敵・目的・イベント・報酬の種類が少なく、構造が変化してもプレイヤーの行動がほとんど変わらないことが、反復感につながっていると考えられます。素材が十分にそろえば、同じ仕組みのままでも印象は大きく変わる可能性があります。
Steamストアの表記では、エキスパンションDLCが2026年12月31日までに配信予定とされています。本編クリア後に楽しめる完全新規のサイドストーリーで、新たな仲間、新しい出会い、さらなる探索、より強力な敵との戦いが含まれるとされています。ここで新しい階層、敵、ダンジョンパーツ、イベント、装備ビルドといった「素材」が追加されれば、ランダム生成を採用した本来の狙いが生きてくる可能性があります。
FAQよくある質問
『Echoes of Aincrad』のダンジョンが単調と評価されている理由は、ランダム生成を採用したこと自体ではありません。ランダムに並べ替える部屋・敵・目的・イベント・報酬の種類が少なく、構造が変化してもプレイヤーの行動が変わらないことが、反復感につながっていると考えられます。定型的なクエスト、敵モデルの使い回し、探索報酬の弱さ、数値上昇が中心のキャラクター育成が重なり、ゲーム全体で同じ体験を繰り返す印象が強まっているのが現状です。
開発元が目指した「何度でも新鮮な気持ちで挑めるダンジョン」と、プレイヤーが実際に感じた「同じ構造と目的の繰り返し」には、明確なギャップが生まれています。ただし本作には、自作アバターでアインクラッドを冒険できる独自性があり、物語や音楽、パートナーとの戦闘を評価する声もあります。2026年内に予定されているエキスパンションDLCで新しい階層・敵・ダンジョンパーツ・イベント・装備ビルドが追加されれば、ランダム生成を採用した本来の狙いが生きてくる可能性があります。



