DLSS Multi Frame GenerationがRTX 40で非公式解除|NVIDIAのブロックを即日で回避、4X生成も対応

(更新: 2026.9.9)
DLSS Multi Frame GenerationがRTX 40で非公式解除|NVIDIAのブロックを即日で回避、4X生成も対応

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NEWS / DLSS MULTI FRAME GENERATION / 2026年9月6日
DLSS Multi Frame GenerationがRTX 40で非公式解除
NVIDIAが対策しても即日で回避、いたちごっこの実態を整理
NVIDIAが「GeForce RTX 50シリーズ専用」と位置づけているDLSS Multi Frame Generationが、非公式ツールによってRTX 40シリーズでも動くようになりました。NVIDIAがドライバー側で対策を打った直後、モッダー側が数時間で回避策を出す一幕もありました。何が起きているのか、どこまで分かっていて何が分かっていないのかを整理します。
正体はReShade形式の非公式MODNVIDIAの対策を数時間で回避このMODはRTX 40のみ、RTX 30は別MODが対応導入は非推奨、公式対応の予定なし

出典:VideoCardz「Modders discover unlock for DLSS Multi Frame Generation on RTX 40, NVIDIA blocks it, modders immediately unlock it again」Tom’s Hardware「NVIDIA app update fails to block unofficial DLSS Multi Frame Generation on RTX 40 series」(著者Zak Killian、2026年9月4日公開)、開発リポジトリGitHub「MFGAdaUnlock-RenoDx」(いずれも2026年9月6日確認)。個人モッダーによる非公式・実験的な改造であり、NVIDIAからの公式コメントは確認できていません。

最初にお断りしておくと、これは当サイトで別途扱っている「DLSS 5(ニューラルレンダリング機能、NBA 2K27から流出したDLLがRTX 40やAMD Radeonでも動作した一連の騒動)」とは技術的に別の話です。今回の主役はDLSS 5より前から存在する「Multi Frame Generation(1回の描画で複数枚のフレームを生成する機能、以下MFG)」で、NVIDIAは現行のRTX 50シリーズ専用機能として位置づけています。名前が似ているため混同しやすいのですが、別の機能・別の非公式MODの話としてお読みください。

2026年9月上旬、このMFGをGeForce RTX 40シリーズでも動作させる非公式ツール「MFGAdaUnlock」が登場しました。NVIDIAはドライバー配信の仕組みを使って対策を打ちましたが、モッダー側は数時間のうちに回避策を含む更新版を公開し、複数のゲームで機能を復旧させています。

この記事では、何が起きたのかという経緯を時系列で整理したうえで、MFGAdaUnlockの仕組み、対象GPUとテストされたゲームタイトル、そしてなぜNVIDIAが対策してもすぐに回避されてしまうのかという技術的な背景まで踏み込みます。あわせて、レイテンシ増加が報告されている一方で具体的な数値は公表されていないという現状と、一般ユーザーがこのMODに手を出すべきではない理由も明記します。

1正体ReShadeアドオン形式の非公式MOD「MFGAdaUnlock」NVIDIA公式のRTX40対応拡大ではない
2経緯NVIDIAの対策(310.9)をv0.4で数時間後に回避その後もv0.5〜v0.6.1と更新が続く
3対象本MODはRTX 40のみ、RTX 30は別MODが担当Cyberpunk 2077・Resident Evil 9等で動作報告
4読者への結論導入は非推奨、買い替え判断も変わらず理由は後半で解説
目次

経緯MOD登場、NVIDIAの対策、そして即日の回避

発端は2026年9月上旬、モッダー「dashdogy」氏が『サイバーパンク2077』向けにMFGの制限を外す個人プロジェクトを公開したことでした。これをきっかけに、コミュニティ主導の別プロジェクト「MFGAdaUnlock」(GitHubリポジトリ名はMFGAdaUnlock-RenoDx)が短期間で複数のゲームへ対応範囲を広げ、GeForce RTX 40シリーズでも3X・4X・6Xのフレーム生成が動くようになりました。

これに対しNVIDIAは、2026年9月3日ごろ、DLSS-Gの内部プロバイダーを「310.9」というバージョンへ差し替えるOTA(ネットワーク経由の追加配信)更新を配信しました。この更新では、フレーム生成処理内部で使われる時間的な処理(temporal kernel)の名称やデータの並び方(descriptorレイアウト)が変更されており、結果として既存のMFGAdaUnlockは動作しなくなりました。

ところがモッダー側の反応は早く、GitHub上の記録によると、2026年9月3日中(日本時間では9月4日未明)には早くも「v0.4」がリリースされ、310.9プロバイダーへの対応、Ada世代向けの時間位置補正の復旧、3X・4X時のフレームペーシング(フレーム間隔)の乱れ、310.9環境で見られた重複生成フレームの問題への対処が行われています。開発は止まらず、9月4日中だけでv0.5・v0.5.1・v0.6・v0.6.1と立て続けに更新が公開され、Vulkan対応やDLSS 5との併用時の互換性確認、ReShadeアドオン自体の不具合修正が加えられました。X(旧Twitter)上でモッダーコミュニティの動向を追っているSebastian Castellanos氏も、NVIDIAのOTA配信で既存MODが動作しなくなったことをまず報告し、その直後に「もう誰かが対応版を出した」として、NVIDIAとモッダーのいたちごっこをおもしろがる投稿をしています。

仕組みMFGAdaUnlockは何をしているのか

MFGAdaUnlockは、NVIDIAの正規のDLSS-Gコード自体をメモリ上でパッチし、RTX 50シリーズ向けに設けられている制限を外してAda Lovelace(RTX 40シリーズ)アーキテクチャ上で動かす、という仕組みのツールです。ゲームや代替のフレーム生成手法を使うのではなく、NVIDIA純正のDLSS-G処理そのものを流用している点が特徴です。GitHubのプロジェクト説明では「ディスク上のファイルは書き換えず、パッチはすべてメモリ上にのみ適用される」と明記されており、ReShadeのアドオンという形で配布されています。

NVIDIAはMFGをRTX 50シリーズ専用とする理由として、Blackwellアーキテクチャに搭載された専用のオプティカルフロー生成ハードウェアを挙げていましたが、RTX 50シリーズにはソフトウェアベースのオプティカルフロー処理も併せて導入されています。モッダー側はこのソフトウェア処理の経路がAda Lovelace上でも動作しうると見て、ハードウェア側の制限を回避する形でMFGを有効化したとみられます。

NVIDIAがRTX 40シリーズへの対応を発表したわけではありません

MFGAdaUnlockが動作しているのはNVIDIA公式の対応拡大ではなく、有志モッダーによる非公式な改造です。NVIDIAは現時点でもMFGを「GeForce RTX 50シリーズ専用」の機能と位置づけたままで、RTX 40シリーズへの正式対応を発表・示唆した事実は確認できていません。

対象範囲対応GPUとテストされたゲームタイトル

MFGAdaUnlockが対応するのはGeForce RTX 40シリーズに限られます。GitHubのプロジェクト説明では、より古いGeForce RTX 30シリーズ(Ampereアーキテクチャ)は対象外であることが明記されており、理由としてDLSS 4のコード内にAmpere向けの処理が含まれていないことが挙げられています。ただし2026年9月7日、この「Ampere向けの処理が無い」という部分を自前で用意した別のプロジェクトが公開され、RTX 30シリーズでもMFGが動くようになりました。MFGAdaUnlockとは開発者も方式も別で、そちらはNVIDIA純正のDLSSGランタイムを同梱したうえでAmpere向けの演算カーネルを供給する作りです。詳細はRTX 30でMFGを動かす非公式MODの検証記事にまとめています。動作確認が報じられているのは『サイバーパンク2077』『Resident Evil 9(バイオハザード9)』『Forza Horizon 6』の3タイトルで、GitHub側のプロジェクトページにはこの他にも『S.T.A.L.K.E.R. 2』『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』『Alan Wake 2』『黒神話:悟空』『スターフィールド』『インディ・ジョーンズ 大いなる円環』など、20本以上のタイトルで動作報告があるとされています。ただし、この一覧はプロジェクト側の自己申告にもとづくもので、報道メディアが個別に検証した結果ではない点には注意が必要です。

技術的背景なぜNVIDIAが対策してもすぐ回避されるのか

今回のいたちごっこが短時間で決着している背景には、MFGAdaUnlockの実装方式そのものの性質があります。このツールはNVIDIAが配布するDLSS-Gのファイルを書き換えるのではなく、実行中のメモリ上にある処理を都度パッチする方式を採っています。そのため、NVIDIA側がドライバーやOTA配信でコードの内部構造(関数名・データレイアウトなど)を変更しても、モッダー側はその新しい構造を解析してパッチの当て方を更新するだけで対応できてしまいます。ゲーム本体やドライバーそのものを改造しているわけではないため、変更が必要な範囲が狭く、修正のサイクルが速く回る構造になっているといえます。

また、NVIDIAが今回使った「OTA」という配信手段自体、フルのドライバーアップデートを経ずにDLSS-Gの内部処理だけを素早く更新できる仕組みです。NVIDIA側にとって迅速な対策を打てる利点がある一方、変更点がDLSS-G周辺の狭い範囲に限られるため、モッダー側にとっても解析すべき差分が把握しやすいという側面があります。今回はNVIDIAの対策からモッダーの回避策リリースまでが数時間というごく短い期間で完結しており、この方式でいたちごっこを完全に断ち切ることの難しさを示す事例になっています。

リスクレイテンシ増加の報告はあるが数値は不明、導入は非推奨

MFGAdaUnlockの利用に関しては、レイテンシ(操作から画面反映までの遅延)が増加するという報告がユーザーから寄せられています。ただし、具体的なfps数値やレイテンシのミリ秒単位の計測結果は示されていません。どの程度体感に影響するレベルなのかは、現時点で公表されている情報からは判断できません。

一般ユーザーが導入することはおすすめできません

MFGAdaUnlockはNVIDIAが検証・承認したソフトウェアではなく、出所の異なる第三者製のツールです。ゲームプロセスのメモリを直接書き換える方式のため、動作の安定性に懸念があるほか、マルチプレイタイトルではアンチチートシステムに検知される可能性も否定できません。GitHub側のプロジェクト説明でも「NVIDIAとは無関係であり、利用は自己責任」と明記されています。NVIDIA製品の利用規約に抵触する可能性もあり、その場合はNVIDIA公式のサポート対象外になることも考えられます。こうした理由から、この記事では入手方法や具体的な導入手順は紹介していません。

補足DLSS 5との違い

冒頭でも触れたとおり、今回のMFGAdaUnlockと、当サイトの別記事で扱っているDLSS 5(ニューラルレンダリング)の非公式MOD騒動は、名前は似ていますが別の機能・別のプロジェクトです。Multi Frame Generationは1回の描画結果から複数枚のフレームを補間生成してフレームレートを底上げする機能で、NVIDIAはRTX 40シリーズ以降(無印のフレーム生成)、RTX 50シリーズ(3X/4X/6Xの多段階生成)という形で世代ごとに対応範囲を分けています。一方のDLSS 5は映像そのものの描き方に関わるニューラルレンダリング機能で、NVIDIAはこちらをRTX 50シリーズ専用の新機能として位置づけています。どちらも「RTX 50シリーズ専用とされる機能が非公式MODでRTX 40シリーズでも動いた」という構図は共通していますが、対象となっている技術も、開発しているモッダーのプロジェクトも別物です。

FAQよくある質問

MFG(マルチフレーム生成)はRTX 40シリーズでも公式に使えるようになったのですか
いいえ。今回の件は非公式ツール「MFGAdaUnlock」による個人開発の改造であり、NVIDIAが公式にRTX 40シリーズへの対応を発表したわけではありません。NVIDIAはMFGの3X/4X/6Xを引き続き「GeForce RTX 50シリーズ専用」の機能としています。
これはDLSS 5のRTX 40対応MODと同じ話ですか
いいえ、別の話です。DLSS 5は映像のレンダリング方式に関わるニューラルレンダリング機能、MFGはフレームを補間生成する機能で、技術的にも開発しているモッダーのプロジェクトも異なります。どちらも「RTX 50専用機能を非公式MODでRTX 40に移植した」という構図が似ているため混同されがちです。
NVIDIAはこのMODにどう対応していますか
2026年9月3日ごろ、DLSS-Gの内部プロバイダーをバージョン310.9へ更新するOTA配信を行い、既存のMODを動作しなくしました。ただしモッダー側は数時間のうちに対応版(v0.4)を公開し、機能を復旧させています。NVIDIAからの公式コメントは確認できていません。
RTX 30シリーズでも使えますか
このMODでは使えませんが、別のMODなら動きます。MFGAdaUnlockの対応はGeForce RTX 40シリーズ(Ada Lovelace)に限られ、DLSS 4のコード内にAmpere(RTX 30シリーズ)向けの処理が含まれていないことが対象外の理由として挙げられています。ただし2026年9月7日に公開された別プロジェクト「DLSSG SM86」が、そのAmpere向けの処理を自前で用意してRTX 30シリーズでのMFGを実現しました。上限は4Xで、レイテンシや長時間の安定性は未計測です。RTX 30でMFGを動かす非公式MODの検証記事で内容と導入リスクを整理しています。
レイテンシは悪化しますか
レイテンシが増加するという報告はユーザーから出ていますが、具体的なfps数値やミリ秒単位の計測結果は公表されていません。体感への影響の程度は、現時点の公開情報からは判断できません。
自分でも導入して試すべきですか
おすすめしません。NVIDIAが検証・承認したソフトウェアではなく、ゲームプロセスのメモリを直接書き換える方式のため、動作の安定性やアンチチート検知のリスクがあります。NVIDIA製品の利用規約に抵触する可能性もあるため、この記事では導入方法は紹介していません。

総括まとめ|非公式MODのいたちごっこ、公式対応の予定はなし

2026年9月6日時点

NVIDIAがGeForce RTX 50シリーズ専用としているDLSS Multi Frame Generationが、非公式ツール「MFGAdaUnlock」によってGeForce RTX 40シリーズでも動作するようになりました。NVIDIAが2026年9月3日ごろにドライバー内部のプロバイダーを更新して対策したところ、モッダー側は数時間のうちに回避策を含む更新版を公開し、その後も更新を重ねています。

この構図が繰り返されるのは、MFGAdaUnlockがディスク上のファイルを書き換えるのではなく、実行中のメモリ上でNVIDIA純正のコードをパッチする方式を採っているためです。変更範囲が狭いぶん、NVIDIA側の対策に対してモッダー側も素早く追従できてしまいます。

なお、これは当サイトの別記事で扱っているDLSS 5(ニューラルレンダリング)の非公式MOD騒動とは別の話です。対象となっている機能も開発しているプロジェクトも異なるため、混同しないよう注意してください。レイテンシ増加の報告はあるものの具体的な数値は公表されておらず、NVIDIAからの公式コメントも確認できていません。ゲームプロセスのメモリを書き換える方式である以上、安定性やアンチチート検知のリスクも否定できないため、一般ユーザーがこのMODを導入することはおすすめしません。RTX 40シリーズを使っている場合は、これまでどおり公式に対応しているフレーム生成機能を使う運用が現実的です。

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