DLSS 5がRTX 40シリーズでも動作、正体はリークDLLの非公式MOD|RTX 4090で130→82fpsに低下【2026年9月】
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ただし正体はリークDLLの非公式MOD、RTX 4090のControlで130fps→82fps
出典:VideoCardz「Leaked DLSS 5 already working with RTX 40 series」、TweakTown「DLSS 5 mod also works on RTX 40 series GPUs, RTX 4090 tested with Control using custom-patched DLSS 5 DLL」、Overclock3D「Modder brings DLSS 5 to RTX 40 series GPUs with leaked DLL file」、Tom’s Hardware「DLSS 5 has already been ported to work on RTX 4000 Series graphics cards」、Wccftech「Modder Makes NVIDIA DLSS 5 Neural Rendering Work On GeForce RTX 40 Series Through A Simple CUDA Binaries Swap」(いずれも2026年8月29日〜30日確認)。改造版DLLを使った個人モッダーによる非公式・実験的な検証結果であり、NVIDIA・Take-Two Interactive・Remedy Entertainmentいずれからも本件についての公式コメントは確認できていません。
NVIDIAのDLSS 5は「GeForce RTX 50シリーズ専用」の機能として発表されており、RTX 4090やRTX 4070シリーズなどRTX 40シリーズを使っている人にとっては指をくわえて見ているしかない機能のはずでした。ところが2026年8月末、海外のテック系メディアに「リークされたDLSS 5、すでにRTX 40シリーズで動作」という趣旨の見出しが並び、まるでNVIDIAが対応を広げたかのような話題になっています。
実際に起きたのは、RTX Remixコミュニティのモッダー「Uncle Burrito」氏が、『NBA 2K27』の早期アクセス版から見つかった未公開のDLSS 5用DLLを個人で改造し、GeForce RTX 4090・RTX 4080上で実験的に動作させたという出来事です。中身は、本来Blackwell(RTX 50)向けにコンパイルされていたCUDAバイナリを、Ada Lovelace(RTX 40)互換のバイナリへ差し替えるという力技で、『Control』でのテストではニューラルレンダリングを有効にするとフレームレートが130fpsから82fpsまで落ち込んでいます。
この記事では、見出しの「動いた」が指す実態はNVIDIA公式の対応拡大ではなく非公式MODであることを最初に整理したうえで、性能数値を計算根拠まで踏み込んで確認し、最後にRTX 4070・RTX 4070 Ti・RTX 4080シリーズを使っている人の買い替え判断がこれで変わるのかどうかまで踏み込みます。
目次
経緯Uncle Burrito氏がBlackwell向けDLLをAda Lovelace互換に改造
きっかけは2026年8月下旬に発覚した『NBA 2K27』の早期アクセスビルドからのDLSS 5用DLL「nvngx_dlssnr.dll」の流出です。この経緯自体は前回の記事で詳しく取り上げていますが、要点だけ振り返ると、ゲームファイルの中に未発表のNeural Rendering用DLLが同梱されているのが見つかり、コミュニティの開発者が数時間で『Control』へ組み込んで動作を確認した、という流れでした。ただしこの時点でのDLLは、GeForce RTX 50シリーズのGPUでのみ動作する仕様になっており、RTX 40シリーズは対象外とされていました。
この状況を変えたのが、RTX Remixコミュニティで知られるモッダー「Uncle Burrito」氏です。同氏はnvngx_dlssnr.dllの中身を解析し、Blackwell(RTX 50)アーキテクチャ向けにコンパイルされたCUDAバイナリの部分を特定しました。DLLがAda Lovelace(RTX 40)で動かなかったのは、このCUDAバイナリがBlackwell専用の命令セットで書かれていたためです。Uncle Burrito氏は、この非互換なバイナリをAda Lovelace互換のバイナリへ独自に差し替えるパッチを作成し、GeForce RTX 4090・RTX 4080上でDLSS 5のニューラルレンダリングを実際に動かして見せました。テストに使われたのは『Control』で、主人公ジェシー・フェイデンが登場するシーンで検証が行われています。
実態見出しの「動いた」が意味しないこと
海外メディアの見出しだけを見ると、まるでNVIDIAがDLSS 5の対応範囲をRTX 40シリーズへ広げたかのように読めてしまいますが、これは誤解です。今回の実装はUncle Burrito氏個人による非公式な改造であり、NVIDIAが検証・承認したものではありません。使われているDLL自体も、まだ告知されていない未完成の状態でゲームファイルから抽出されたものです。NVIDIAは2026年8月時点でも、DLSS 5の投入計画を「2026年秋・GeForce RTX 50シリーズ専用」のまま変更していません。
整理すると、今回の出来事は3つの要素に分けられます。ひとつ目は『NBA 2K27』からリークされた未完成のDLLファイルという土台、ふたつ目はそれをUncle Burrito氏が個人の技術力でAda Lovelace向けに改造したという成果、みっつ目はNVIDIAの公式方針そのものは一切動いていないという事実です。この3つを混同すると「RTX 40でもDLSS 5が使えるようになった」という誤った理解につながります。実際に起きているのは、NVIDIAが用意していないハードウェア向けに、有志が力技で動作の道を切り開いた、という状態にすぎません。
性能RTX 4090のControlで130fpsから82fpsへ
Uncle Burrito氏が『Control』で行ったテストでは、DLSS 5のニューラルレンダリングを無効にした状態で約130fps、有効にした状態で約82fpsという結果が計測されています。海外メディアの中には、無効時のフレームレートを「約135fps」とやや異なる数値で伝えているところもあり、細かい数値には多少のブレがあります。
低下率の表記にも注意が必要です。130fpsを基準に(130-82)÷130で計算すると、低下率は約37%になります。一方、82fpsを基準に130fpsへの伸び率として(130-82)÷82で計算すると、数値上は約58%という大きな値になります。海外メディアの中にはこの後者の計算方法で「58%の性能低下」と表記しているところもありますが、これは通常の低下率の算出方法とは基準が異なる点に注意してください。いずれの計算方法をとっても、GeForce RTX 4090という現行世代の上位モデルでも、ニューラルレンダリングを有効にすると無視できない負荷がかかることに変わりはありません。
対象範囲RTX 4080でも動作確認、ただし数値は未公開
Uncle Burrito氏の改造パッチは、RTX 4090に加えてGeForce RTX 4080でも動作することが確認されています。ただしRTX 4080単体でのフレームレート数値は今のところ公開されておらず、RTX 4090以外の環境でどの程度の性能低下になるかは分かっていません。また改造コミュニティでは、他の開発者による追加の互換パッチ制作も並行して進んでいると伝えられており、対応するGPUやゲームタイトルは今後さらに広がる可能性があります。
いずれにせよ、現時点で公開されている性能データは、Uncle Burrito氏個人が『Control』の特定のシーンで計測した1件の実験結果にとどまります。他のGPU・他のゲームタイトル・他の環境での再現性は検証されておらず、この数値をGeForce RTX 40シリーズ全体の性能傾向を代表するものとして扱うことはできません。
注意一般ユーザーが試すことはおすすめできません
今回使われているnvngx_dlssnr.dllは、NVIDIAが公式に検証・配布したファイルではなく、『NBA 2K27』のゲームファイルから抽出された未完成のライブラリです。出所不明のファイルを導入すればドライバーやOSの動作が不安定になるリスクがあり、ゲームやNVIDIAソフトウェアの利用規約に抵触する可能性も否定できません。現状はキャラクターモデルへの適用に限られた実験段階で、フレームレートも大きく落ち込むため実用性はほとんどなく、NVIDIAが最終的に配布する正式版とは処理内容も異なります。こうした理由から、この記事では改造版DLLの入手方法や導入手順は紹介していません。
公式方針NVIDIAの2026年秋・RTX 50専用という方針は変わっていない
NVIDIAは2026年3月のDLSS 5発表時から一貫して、投入時期を「2026年秋」、対象を「GeForce RTX 50シリーズ」としており、2026年8月末の時点でもこの方針に変更はありません。今回のMODが話題になったからといって、NVIDIAがRTX 40シリーズへの対応を検討しているという公式な発表や兆候は確認されていません。
海外テック系メディアの中には、今回のMODが動作してしまったこと自体が、RTX 50シリーズ限定という制約は技術的な必然ではなく意図的な線引きだったことを示している、と指摘する声もあります。実際、Uncle Burrito氏が行ったのはCUDAバイナリの差し替えという比較的シンプルな改造であり、GPUアーキテクチャをまたいでゼロから作り直すような大掛かりな作業ではありませんでした。
ただし、この記事ではその見方を断定はしません。むしろ注目すべきは、現役世代の上位モデルであるRTX 4090で改造してもなお、フレームレートが約37〜39%(計算基準によっては58%)も落ち込んだという事実です。RTX 50シリーズ向けに最適化されたAI処理を、世代の異なるRTX 40シリーズへ力技で移植すればこれだけの負荷がかかるということでもあります。非公式の改造でようやく、しかも大きな性能低下つきで動くという現状は、公式のRTX 50限定という制約が実務上まだ揺らいでいないことを裏付けています。
買い替え判断RTX 4070・RTX 4070 Ti・RTX 4080ユーザーへの影響
当サイトではRTX 4070(無印)・RTX 4070 Ti・RTX 4080・RTX 4080 SUPERそれぞれについて「2026年でも現役か」を検証した記事を公開しており、いずれも「DLSS 5はRTX 50シリーズ専用でRTX 40シリーズは非対応」という点を買い替え判断の軸のひとつに挙げています。
今回のMODの登場は、この結論を変えるものではありません。むしろ、有志のモッダーが個人で技術を尽くしてようやく実験レベルで動かせた、しかも性能を大きく犠牲にしてようやく動いた、という経緯そのものが、RTX 40シリーズでDLSS 5を実用的に使う手段が現状存在しないことを裏付けています。RTX 4070・RTX 4070 Ti・RTX 4080シリーズを使っていて、DLSS 5対応タイトルの映像品質を重視するのであれば、これまでどおりRTX 50シリーズへの買い替えを検討するという判断基準に変わりはありません。逆に、フレーム生成が中心のDLSS 4.5の性能で満足しているのであれば、今回のニュースを理由に急いで買い替える必要もありません。
読者の判断影響を受けるのは誰か、いま何をすればいいか
今回のニュースを踏まえて、多くのPCゲーマーが取るべき行動を整理します。
- ほとんどのプレイヤーが該当します。GPUの買い替えも、今回の改造版DLLやMODを自分で導入することも不要です
- RTX 4070・RTX 4070 Ti・RTX 4080シリーズを使っていても、今回のニュースによって買い替え判断の軸が変わるわけではありません
- 正式版のDLSS 5は引き続きNVIDIAアプリ・ドライバー経由の更新で2026年秋にRTX 50シリーズへ届く見込みです
- GeForce RTX 4090・RTX 4080を所有していて、改造コミュニティの検証動向を追っている人(現状は非公式・実験段階です)
- 今回の性能数値をSNS等で見かけて「RTX 40でもDLSS 5が使える」と誤解しそうな人(正しくは非公式改造による実験結果です)
- RTX 50シリーズへの買い替えを検討していて、ニューラルレンダリングの負荷感をつかみたい人(ただし今回の数値は非公式実装での参考値です)
手元の環境で今からできることは特にありません。RTX 40シリーズを使っている場合は、正式版DLSS 5が使えない前提で引き続き運用し、フレーム生成が中心のDLSS 4.5を活用するのが現実的です。
FAQよくある質問
総括まとめ|非公式MODが動いただけ、公式方針も買い替え判断も変わらない
NVIDIAが2026年3月に発表したDLSS 5は、RTX 50シリーズ専用の機能として位置づけられていますが、2026年8月末、RTX Remixコミュニティのモッダー「Uncle Burrito」氏が、『NBA 2K27』から流出した未公開DLLを改造し、GeForce RTX 4090・RTX 4080上でDLSS 5のニューラルレンダリングを実験的に動作させたことが明らかになりました。
海外の見出しだけを見るとNVIDIAが対応を広げたように読めますが、実態はUncle Burrito氏個人による非公式な改造であり、NVIDIAが公式に検証・承認したものではありません。『Control』でのテストでは130fpsから82fpsへとフレームレートが低下しており(計算基準により約37〜39%、あるいは約58%と表記されることもあります)、現役世代の上位モデルであるRTX 4090でも軽くない負荷がかかることが分かります。
一般のPCゲーマーがこの改造を真似する必要はありません。NVIDIAは2026年8月時点でも、DLSS 5の投入計画を「2026年秋・GeForce RTX 50シリーズ専用」のまま変更しておらず、RTX 4070・RTX 4070 Ti・RTX 4080シリーズを使っている人の買い替え判断もこれまでと変わりません。手元の環境でできることは特になく、正式版の発表を待つのが現実的な対応です。




