Forza Horizon 6 のロードが遅い→2秒に短縮|AMD Advanced Shader Delivery 徹底解説【2026年版】
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——RX 9070 XT 実機6タイトル検証で Forza Horizon 6 ロード 48秒→2秒、1% Low FPS +33% 改善を観測
本記事は2026年5月25日の Public Preview 開始時点の情報です。その後 2026年6月11日、Microsoft は ASD を Xbox Insider 限定から Xbox PC App の一般提供(GA 相当)へ拡大しました。これによりXbox Insider Hub「PC Gaming Preview」への参加は不要になっています。以下の本文・早見表・セットアップ手順は5月25日時点の記述のままですが、現在は Windows 11 24H2・Xbox Gaming Services 37.113.11003.0 以降・Adrenalin 26.6.1 以降の3条件を満たせば、Insider 登録なしで対象タイトルを起動するだけで ASD が有効になります。
1分で結論|Advanced Shader Delivery on AMD|早見表
- 正式名称:Advanced Shader Delivery(ASD)|Public Preview|GA ではない
- 対応 GPU:RDNA 1 / 2 / 3 / 3.5 / 4 の全世代(RX 5000〜9000 シリーズ + 各種ノート向け iGPU)
- 必須環境:Windows 11 24H2 以降 + Xbox Gaming Services 37.113.11003.0 以降 + Adrenalin 26.6.1 以降(Xbox Insider Hub 登録は6月11日に不要化)
- 配信制約:Microsoft Store / Xbox PC App 配信版のみ|Steam 版では機能しない
- 実機効果(海外検証 RX 9070 XT):Forza Horizon 6 ロード 48秒→2秒(1% Low FPS +33% 改善)、The Outer Worlds 2 ロード 172秒→9秒。6タイトル中、明確な改善が見られたのは4本で、2本は効果薄・不明瞭
- NVIDIA / Intel 状況:Intel は Precompiled Shader Distribution で先行、NVIDIA は Auto Shader Compilation で別実装|業界三本柱化が進行
2026年5月25日、Microsoft の DirectX 開発チームが Advanced Shader Delivery(以下 ASD)の AMD 向け Public Preview 開始を発表しました。3月の GDC 2026 でアナウンスされた次世代シェーダーカクつき根絶技術が、わずか2ヶ月で AMD 環境において実地検証段階に入った形です。Microsoft 公式は同時に RX 7600 + Ryzen 7 5800 構成で Forza Horizon 6 のロード時間が 90秒→4秒(95%短縮)という実測も提示しました。
同日、海外の独立検証では RX 9070 XT + Ryzen 7 9800X3D というハイエンド構成で6タイトルが個別に計測され、Forza Horizon 6 で 48秒→2秒、The Outer Worlds 2 で 172秒→9秒という劇的な短縮が確認されています。さらに Forza Horizon 6 では 1% Low FPS(フレームレート下限)が +33% 改善。これは平均 fps ではなく「カクつき頻度」を直接表す指標です。ただし6タイトル全てで同じ効果が出たわけではなく、明確な改善が確認できたのは4本、残り2本(Silent Hill f・Ninja Gaiden 4)は改善が見られない・不明瞭という結果でした。
本記事は 5月18日の Microsoft 公式発表(RX 7600 環境)と 5月25日の海外実機検証(RX 9070 XT 環境)を明確に分けて整理し、Steam 版で使えるのか・Adrenalin を最新にアップデートしただけで動くのか・NVIDIA / Intel 側の動向はどうかまで踏み込みます。日本語の関連報道は 5月18日の公式発表ベースの記事が中心で、5月25日公開の実機6タイトル検証を扱った日本語記事は本日時点で確認できていません。RX 7000 / 8000 / 9000 ユーザー、特に Forza Horizon 6・The Outer Worlds 2 を Xbox PC App でプレイ中の方は、今夜から導入判断ができるよう手順まで網羅しました。
01 / 公開情報Public Preview の正式条件と「すぐには誰でも使えない」事実
まず Microsoft 公式発表(DirectX Devブログ 5月25日付)から正式情報を整理します。「Public Preview = 誰でもボタン1つで有効化できる」と誤読されがちですが、実際は4条件すべて満たす必要があります。読み飛ばしやすい部分なので最初に明示します。
| 項目 | Public Preview 詳細 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年5月25日(DirectX Devブログ) |
| 区分 | Public Preview(GA = General Availability ではない) |
| 対応 GPU アーキテクチャ | RDNA 1 / RDNA 2 / RDNA 3 / RDNA 3.5 / RDNA 4(全世代) |
| 対応 GPU 製品ライン | Radeon RX 5000 / 6000 / 7000 / 8000 / 9000 シリーズ|Ryzen 5000〜9000 系の iGPU 全般 |
| 必須 OS | Windows 11 24H2 以降 |
| 必須 Xbox Gaming Services | 37.113.11003.0 以降 |
| 必須 AMD ドライバ | Adrenalin 26.6.1 以降 |
| 必須 Insider プログラム(5月25日時点) | Xbox Insider Hub「PC Gaming Preview」参加 ※6月11日に不要化 |
| 配信プラットフォーム | Microsoft Store / Xbox PC App 配信版のみ |
| Steam / Epic / GOG 対応 | 対応外(同タイトルでもストア別に別実行ファイル) |
Adrenalin 26.5.2(5月18日配信)は RDNA 3 / RDNA 4 向けに ASD 対応を追加した最初のドライバでしたが、その後のアップデートで RDNA 1 / RDNA 2 にも対応が拡大され、現在の必須バージョンは Adrenalin 26.6.1 以降です。ドライバを入れるだけでは ASD に必要な前提条件の1つを満たすにすぎず、自動有効化はされません。Windows 11 24H2・Xbox Gaming Services 37.113.11003.0 以降・Xbox Insider Hub の PC Gaming Preview 参加の3つが揃って、はじめて Public Preview の対象になります。セットアップ手順は §05 で順を追って解説します。
3月の GDC 予告 → 5月の Public Preview 開始という縦の連続性
ASD は 3月の GDC 2026 で Microsoft が初公開したシェーダーカクつき根絶技術です。当時は「2026年後半に段階的展開」というスケジュールが示されており、本記事の Public Preview 開始(5月25日)はその第一弾に当たります。発表から実機展開までわずか2ヶ月という早さで、Microsoft が DirectX 改革に本腰を入れていることが伝わるロードマップです。
同時期に Intel は Precompiled Shader Distribution Service(PSDS)を Arc 向けに先行実装、NVIDIA は GeForce Experience の Auto Shader Compilation で独自路線を歩んでおり、業界三本柱で「シェーダーカクつき問題の根絶」に向かっている状況です。AMD はその第二の柱として、Microsoft の OS レベル統合という最も汎用性の高い形で参加した形になります。
02 / 実機6タイトル検証RX 9070 XT + 9800X3D 構成で Forza Horizon 6 が 48秒→2秒
同日5月25日前後、海外の検証メディアが RX 9070 XT + Ryzen 7 9800X3D 構成で6タイトルを計測した結果を公開しました。Microsoft 公式の発表(RX 7600 + Ryzen 7 5800 構成)とは別の独立検証で、ハイエンド GPU でも同等以上の効果が出ることを示しています。
| タイトル (Microsoft Store / Xbox PC App 版) | ASD 無効時のロード | ASD 有効時のロード | 改善率(観測) |
|---|---|---|---|
| Forza Horizon 6 | 約 48 秒 | 約 2 秒 | 約 96% 短縮 |
| The Outer Worlds 2 | 約 172 秒 | 約 9 秒 | 約 95% 短縮 |
| Avowed | 約 174 秒 | 約 38 秒 | 約 78% 短縮 |
| Hogwarts Legacy | 約 71 秒 | 約 31 秒 | 約 56% 短縮 |
| Silent Hill f | 従来通り | 変化なし | 改善なし (オンザフライコンパイル課題残存) |
| Ninja Gaiden 4 | 従来通り | フレームレート変動あり | 効果不明瞭 |
数値は海外の検証メディアが2026年5月26日前後に公開した独立検証の実測値。検証環境:PowerColor Red Devil Radeon RX 9070 XT + Ryzen 7 9800X3D + 64GB DDR5-6200 + Windows 11 24H2 + Adrenalin 26.6.1 + Xbox Insider Hub「PC Gaming Preview」参加。6タイトル中、明確なロード短縮が確認できたのは Forza Horizon 6・The Outer Worlds 2・Avowed・Hogwarts Legacy の4本で、Silent Hill f は改善が確認できず、Ninja Gaiden 4 は効果が不明瞭でした。同タイトルでも Steam 版・Epic 版は対応外のため、計測対象は Microsoft Store / Xbox PC App 配信版のみ。出典:Tom’s Hardware
Forza Horizon 6 で 1% Low FPS が +33% 改善
海外の検証で特に注目されたのが 1% Low FPS(フレームレート下位 1% 平均)の改善です。Forza Horizon 6 で 54fps → 72fps(+33% 改善)を観測。1% Low は「カクつきの頻度と深さ」を直接表す指標で、平均 fps が変わらなくてもこの値が伸びれば体感のスムーズさは大きく上がります。ただしこの明確な改善が確認できたのは6タイトル中 Forza Horizon 6 のみで、Avowed・Hogwarts Legacy はほぼ変化なし、Silent Hill f は改善が見られず、Ninja Gaiden 4 は効果が不明瞭という結果でした。1% Low の改善幅はタイトルによって大きく差が出る点に注意してください。
2回目以降の起動も「ほぼ即時」
従来のシェーダーキャッシュ方式は 初回起動だけ長く、2回目以降は短縮される動きが一般的でした。ASD は事前に GPU 固有の Pipeline State Object(PSO)バイナリを丸ごと配信するため、初回起動から既に短縮されているうえ、ドライバ更新やゲーム更新でキャッシュが飛ぶ「カクつきリセット」現象も起きにくいのが大きな違いです。プレイ頻度の少ないタイトルほど効果を体感しやすくなります。
Microsoft 公式は別途、RX 7600 + Ryzen 7 5800 構成で Forza Horizon 6 が 90秒→4秒(95%短縮)という実測を 5月18日時点で提示しています。これは海外検証(48秒→2秒)とはハードウェア構成も検証日も別です。「ASD は RX 9070 XT クラスでしか効かない」「Microsoft の数値が誇張」といった誤解は不正確で、ローエンド寄りの RX 7600 でも 95% 短縮が観測されている点を押さえてください。ただしロード時間の短縮率はタイトルによって差が大きく(Forza Horizon 6 のような 95〜96% 短縮から、Silent Hill f のように改善が確認できないケースまで幅があります)、GPU・CPU 構成だけでなくゲーム側の実装にも左右される点に注意してください。
03 / なぜシェーダーカクつきが消えるかPSO precompile の仕組みと 1% Low FPS が伸びる理由
ここで「なぜ ASD でカクつきが消えるか」のメカニズムを整理します。技術的にはシンプルで、GPU 固有のシェーダーバイナリを Microsoft Store 側で事前ビルドして配信するという発想です。
従来方式|ユーザーの PC で初回コンパイル
ゲーム配信は「中間表現」のシェーダー(DXIL)で行われ、各ユーザーの GPU・ドライバ・OS の組み合わせに合わせて初回起動時または描画中にコンパイルされていました。これが従来のロード長時間化・描画中スタッタの主因で、特に DirectX 12 タイトルで顕著に観測されてきた問題です。
ASD 方式|Microsoft 側でビルド → ストア配信
Microsoft Store と Xbox PC App が、ユーザーの GPU 種別を判定して該当する PSO バイナリ(Pipeline State Object)を事前ダウンロードします。ゲームバイナリと別に .psobinary 形式で配信され、初回起動時にはコンパイル工程をスキップ。AMD の RDNA 1 / 2 / 3 / 3.5 / 4 ドライバが共通フォーマットを受け入れる仕組みです。
描画中スタッタ消失の根本理由
従来のスタッタの大半は「描画開始直後に未コンパイルのシェーダーが要求されてフレームが詰まる」ケースでした。ASD ではゲーム起動時点で必要な PSO がほぼ全て展開済みになるため、描画中の動的コンパイルが理論上は激減します。Forza Horizon 6 ではこれが 1% Low FPS の +33% 改善として実際に観測されましたが、海外検証では他タイトルで同程度の改善が出ない例もあり、ゲーム側の実装(シェーダー数・描画パイプラインの複雑さ)によって効果に差が出ることも分かっています。
シェーダーコンパイル由来のスタッタは ストレージ速度・メモリ容量とは無関係な GPU 側の処理時間に起因します。NVMe Gen5 SSD や 64GB RAM に投資してもこのカクつきは消えません。シェーダーコンパイル対処ガイドで解説した「初回プレイ前に意図的にプリコンパイルを走らせる」「ドライバキャッシュを温める」といった対処は依然有効ですが、ASD が普及すればこれらのワークアラウンドそのものが不要になります。
04 / Steam 版で使えるのかASD は Microsoft Store / Xbox PC App 配信版のみ|誤読防止
本記事で最も誤読されやすいポイントを独立セクションでまとめます。結論から書くと、Steam 版・Epic Games Store 版・GOG 版では ASD は機能しません。同じタイトルでもストア別に別実行ファイルで配信されているため、Microsoft Store 経由でインストールした実行バイナリのみが PSO バイナリの恩恵を受けます。
Microsoft Store / Xbox PC App 配信版
Forza Horizon 6・The Outer Worlds 2・Sea of Thieves・Halo Infinite・Forza Motorsport・Microsoft Flight Simulator 2024 等の Microsoft Store / Xbox PC App 配信版が今回の Public Preview 対象。Xbox Game Pass for PC 経由でインストールしたタイトルも同じ Microsoft Store ベースなので、ASD の恩恵を受けます。Game Pass ユーザーには特に大きな朗報です。
Steam / Epic Games Store / GOG 版
同じ Forza Horizon 6 や The Outer Worlds 2 でも、Steam 版・Epic 版を起動する場合は ASD は機能しません。これは技術的な制約というより、ASD が「Microsoft Store がゲームバイナリと PSO バイナリを束ねて配信する」仕組みに依存しているためです。Steam 側で同等の事前配布を実装するには Valve が別途インフラを構築する必要があり、現時点でアナウンスはありません。
ASD の効果を狙って Steam 版を Microsoft Store 版に買い直すのは慎重に判断すべきです。Microsoft Store 版はセーブデータの互換性・MOD 対応・コントローラー設定の引き継ぎ・Steam フレンド機能との連携で Steam 版に劣る場面があります。「Xbox Game Pass for PC 経由でプレイ予定」「初回ロードの長さが致命的なタイトル」に限って Microsoft Store 版を選ぶのが合理的です。Steam 側で同等の機能が実装される時期は未定で、現状は シェーダーコンパイル対処ガイドのワークアラウンドで凌ぐ運用が現実的になります。
05 / セットアップ手順 4ステップPublic Preview を今夜から試す具体的な手順
ここからは実際の有効化手順です。前述の通り Adrenalin を入れただけでは動かないため、4ステップすべてを順番に実行してください。所要時間は環境にもよりますが、トータルで15〜30分程度です。
Windows 11 24H2 以降であることを確認
確認方法:「設定」→「システム」→「バージョン情報」→「Windows の仕様」欄で「バージョン 24H2」以降になっているかチェック。それ以前(23H2 等)の場合は Windows Update から 24H2 への更新が必要です。Windows 10 では ASD は動作しません。これは MSI X870 等の最新環境であっても同じで、OS 側の API 対応が前提になります。
Xbox Insider Hub をインストールし「PC Gaming Preview」に参加(※6月11日以降は不要)
2026年6月11日以降はこのステップ自体が不要になりました。ASD は Xbox PC App の一般提供に移行しており、Insider Hub への登録なしで対象タイトルを起動すれば有効になります。参考として5月25日時点の手順を残しておくと、手順:Microsoft Store で「Xbox Insider Hub」を検索 → インストール → 起動 → 左メニュー「プレビュー」→「PC Gaming」を選択 → 「参加」をクリック、という流れでした。
Xbox Gaming Services を 37.113.11003.0 以降に更新
確認方法:Microsoft Store の「ライブラリ」→「更新プログラムを取得する」を実行。Xbox Gaming Services が更新対象に含まれていれば自動で 37.113.11003.0 以降に上がります。手動でバージョン確認したい場合は、Windows PowerShell を管理者で開き Get-AppxPackage Microsoft.GamingServices を実行。Version 欄を確認できます。
Adrenalin 26.6.1 以降にアップデート
手順:Adrenalin 26.5.1 を経由している環境なら、Adrenalin アプリ右上「更新」から最新版(26.6.1 以降)へ進めます。クリーンインストール環境の場合は DDU(Display Driver Uninstaller)で既存ドライバを除去してから導入するのが安全です。26.6.1 より古いドライバでは RDNA 1 / RDNA 2 の ASD 連携 API が未実装のため、必ずバージョンを確認してください。
4ステップ完了後は 対応タイトルを Microsoft Store / Xbox PC App から再ダウンロードまたは更新するだけで OK です。PSO バイナリはゲームバイナリと一緒に降ってくるため、ユーザー側でフラグを立てたり設定を変更したりする必要はありません。次回起動から ASD が有効になり、ロード時間とスタッタの両方で効果を体感できる設計になっています。
06 / 対応GPU一覧RDNA 1〜4 全世代 / 自分のグラボが対応かを瞬時に判定
対応 GPU を Radeon デスクトップ・モバイル・iGPU(APU 内蔵)の3カテゴリで整理します。RDNA 1(RX 5000 シリーズ)以降は全世代が対応済みで、自分の手持ち GPU がどの世代かを確認する材料として活用してください。
| アーキテクチャ | デスクトップ GPU | モバイル GPU / iGPU | ASD 対応 |
|---|---|---|---|
| RDNA 4 | Radeon RX 9070 XT / 9070 / 9060 XT / 9060 | (順次展開) | 対応 |
| RDNA 3.5 | — | Radeon 880M / 890M / Ryzen AI 300 シリーズ iGPU | 対応 |
| RDNA 3 | Radeon RX 7900 XTX / 7900 XT / 7800 XT / 7700 XT / 7600 XT / 7600 | RX 7000M シリーズ / Radeon 780M / 760M(Ryzen 8000 系 iGPU) | 対応 |
| RDNA 2 | RX 6950 XT / 6800 XT / 6700 XT / 6600 XT 等 | RX 6000M / Radeon 680M / 660M | 対応 |
| RDNA 1 | RX 5700 XT / 5700 / 5600 XT 等 | — | 対応 |
当初は RDNA 3 以降限定でしたが、AMD は ASD 対応を 2020〜2022年発売の RDNA 2 世代(RX 6000 シリーズ)、さらに 2019年発売の RDNA 1 世代(RX 5000 シリーズ)まで拡大しました。RX 6700 XT や RX 6800 XT を含む Radeon 全ラインで恩恵を受けられるため、ASD 目的だけで GPU を買い替える必要はありません。前述の3条件(Windows 11 24H2・Xbox Gaming Services・Adrenalin 26.6.1 以降)さえ満たせば、手持ちの Radeon でそのまま ASD を利用できます(6月11日以降 Xbox Insider Hub 登録は不要)。
07 / NVIDIA / Intel の対応業界三本柱化の現状とロードマップ
ASD は OS レベルの仕様ですが、各 GPU ベンダーは並行して独自路線でシェーダーカクつき問題に取り組んできました。現時点では 3社が異なるアプローチで並走している状況で、今後は ASD への統合・併存・棲み分けがどうなるかが焦点になります。
| ベンダー | 主要技術 | 配布方式 | 対象 |
|---|---|---|---|
| AMD | Advanced Shader Delivery(ASD・Microsoft 連携) | Microsoft Store / Xbox PC App 経由で PSO バイナリ配信 | RDNA 1〜4 全世代 / Public Preview 開始(本記事) |
| Intel | Precompiled Shader Distribution Service(PSDS) | Intel ドライバ更新時にプリコンパイル済みシェーダーをダウンロード | Arc B-series(Battlemage)・Core Ultra 内蔵 Xe2/Xe3 / 先行運用中 |
| NVIDIA | Auto Shader Compilation(NVIDIA App 統合) | NVIDIA App 経由でバックグラウンドで事前コンパイル | GeForce RTX 全世代 / DLSS / Reflex と統合的に運用 |
PSDS は 2026 年 3 月から運用中
Intel は 2026 年 3 月に Precompiled Shader Distribution Service を Arc 向けに正式提供開始しています。ASD とは違い「ドライバ更新時にシェーダーをまとめてダウンロード」する方式で、Microsoft Store 経由ではないため Steam 版でも恩恵を受けられる点が大きな特徴。一方で対応タイトルは Intel が個別に作業する必要があるため、ASD ほどの汎用性はありません。両者は補完関係にあり、Arc ユーザーは「ASD 対応 GPU を待つ」必要はありません。
Auto Shader Compilation は NVIDIA App 統合
NVIDIA は GeForce Experience の後継である NVIDIA App に Auto Shader Compilation を統合済み。ゲームインストール直後にバックグラウンドで事前コンパイルを走らせる方式で、ASD の「配信時に PSO 同梱」とは設計思想が異なります。DLSS 4.5 Dynamic MFG や Reflex 2 と組み合わせて「描画パイプライン全体の遅延最適化」を狙う方向性で、シェーダーカクつき対策単独の機能ではない点が特徴的。NVIDIA が ASD に追加対応するかは現時点でアナウンスなし。
08 / 参考|RDNA 4 おすすめ GPUASD 世代の主力を新規購入するなら
ASD は RDNA 1〜4 の全世代で恩恵を受けられるため、手持ちの Radeon を ASD 目的だけで買い替える必要はありません。一方で、これから新規購入・買い替えを検討している方向けに、本日(2026年5月25日)時点で流通価格と性能のバランスが取れた最新 RDNA 4 世代の4製品を選定しました。Adrenalin 26.5.1 の値上げ警告を踏まえると、Q2 中の購入が合理的なタイミングです。




09 / FAQ読者からよくある5つの疑問
いいえ、Microsoft Store / Xbox PC App 配信版のみ対応です。同じタイトルでも Steam 版や Epic Games Store 版は別実行ファイルで、ASD は機能しません。これは ASD が「Microsoft Store がゲームバイナリと PSO バイナリを束ねて配信する」仕組みに依存しているためです。Steam 側で同等の機能を実装するには Valve が別途インフラを構築する必要があり、現時点でアナウンスはありません。Xbox Game Pass for PC 経由でプレイ予定のタイトルが ASD 対象に含まれている場合は、こちらでプレイする選択肢があります。
どちらも対応します。ASD の対応 GPU は当初 RDNA 3 以降でしたが、AMD は対応を RDNA 1(RX 5000 シリーズ)・RDNA 2(RX 6000 シリーズ)まで拡大し、現在は Radeon の実質全世代で ASD を利用できます。RX 7600(RDNA 3)はもちろん、RX 6700 XT(RDNA 2)でも Public Preview の対象です。Microsoft 公式は RX 7600 + Ryzen 7 5800 構成で Forza Horizon 6 が 90秒→4秒(95%短縮)と発表しており、ローエンド寄りでも効果は十分体感できます。
平均 fps への影響は 小さいのが基本です。ASD の主要な効果は (1) ロード時間の大幅短縮、(2) 1% Low FPS(フレームレート下限)の改善、(3) 描画中のスタッタ消失 の3点に集中しています。海外検証では Forza Horizon 6 で 1% Low が+33% 改善した一方、平均 fps は誤差範囲または微増にとどまっています(他タイトルでは 1% Low の改善が小さい・見られないケースもありました)。「ロードは速くなったが平均 fps は変わらない」のは ASD の仕様通りで、シェーダー描画そのものを高速化する技術ではありません。体感のスムーズさは平均 fps よりも 1% Low に強く依存するため、実プレイ感覚では明確に向上します。
Intel は Arc B-series(Battlemage)・Core Ultra 内蔵 Xe2/Xe3 向けに Precompiled Shader Distribution Service(PSDS)を先行運用中です(旧世代の Arc Alchemist は対象外)。ASD とは別方式(ドライバ更新時にシェーダーをまとめてダウンロード)で、Microsoft Store 経由でない点が違います。NVIDIA は GeForce 全世代向けに Auto Shader Compilation を NVIDIA App に統合済みですが、これは「ゲームインストール直後にバックグラウンドでコンパイル」する方式で、ASD への追加対応はアナウンスされていません。現状は3社が異なるアプローチで並走している段階で、将来的に ASD が業界標準として収束するか、各社が独自路線を続けるかは未確定です。
いいえ、Adrenalin の更新だけでは ASD は有効化されません。必須条件は3つで、(1) Windows 11 24H2 以降、(2) Xbox Gaming Services 37.113.11003.0 以降、(3) Adrenalin 26.6.1 以降 のすべてを満たす必要があります。2026年6月11日より前は Xbox Insider Hub「PC Gaming Preview」への参加も必須でしたが、現在は一般提供に移行し不要になりました。セットアップ手順は本記事 §05 で解説していますので、参考にしてください。
2026年5月25日に Microsoft が発表した Advanced Shader Delivery(ASD)の AMD 向け Public Preview は、3月の GDC 2026 で予告された次世代シェーダーカクつき根絶技術が実機展開段階に入った歴史的なリリースです。海外検証では RX 9070 XT + Ryzen 7 9800X3D 構成で Forza Horizon 6 のロード時間が 48秒→2秒(96%短縮・1% Low FPS +33%改善)、The Outer Worlds 2 が 172秒→9秒(95%短縮)と、3月の発表通りの効果が確認されました。ただし6タイトル中、明確な改善が見られたのは4本にとどまり、Silent Hill f は改善なし、Ninja Gaiden 4 は効果不明瞭という結果も含まれます。Microsoft 公式の RX 7600 検証でも 90秒→4秒の短縮が出ており、対応 GPU グレードを問わず効果が出る点は大きな特徴ですが、タイトルによって効果に差がある点も併せて押さえてください。
一方で、「Public Preview = 誰でもすぐ使える」ではない点と、「Steam 版では使えない」点の2つは強く認識すべき制約です。5月25日時点の Public Preview は Xbox Insider Hub「PC Gaming Preview」参加・Windows 11 24H2・Xbox Gaming Services 37.113.11003.0 以降・Adrenalin 26.6.1 以降の4条件すべてを満たす必要がありましたが、6月11日に一般提供へ移行し、現在は Insider Hub 登録なしで3条件を満たせば利用できます。いずれにせよ Adrenalin だけ更新しても自動有効化されない点は変わりません。さらに ASD は Microsoft Store / Xbox PC App 配信版限定のため、同じタイトルでも Steam 版を起動した場合は機能しません。シェーダーコンパイル対処ガイドのワークアラウンドは Steam 版ユーザーには引き続き有効な選択肢です。なお対応 GPU は RDNA 1〜4 の全世代に拡大済みのため、ASD 目的だけでの Radeon 買い替えは不要です。
業界全体としては、Intel が Precompiled Shader Distribution Service(PSDS)で 2026 年 3 月から先行運用、NVIDIA が Auto Shader Compilation を NVIDIA App に統合という形で、3社が異なるアプローチで「シェーダーカクつき根絶」の業界三本柱を形成しつつあります。AMD は Microsoft の OS レベル統合という最も汎用性の高い形で参加した格好で、Public Preview から GA に移行する段階で対応タイトルが増えれば、Xbox Game Pass for PC ユーザーへの訴求力は決定的なものになるでしょう。RX 7000 / 8000 / 9000 ユーザーで Forza Horizon 6・The Outer Worlds 2 を Xbox PC App でプレイ予定なら、本記事 §05 の手順で今夜から導入する価値が十分あります。続報があれば追記しますので、本記事をブックマークしてお待ちください。




