Razer Huntsman V3 Pro Low-Profileは買いか|HE Magneticと通常V3 Proの価格差で見る立ち位置
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HE Magneticと通常V3 Proの価格差で見る立ち位置
出典:Razer公式 Huntsman V3 Pro Low-profile Tenkeyless 8KHz製品ページ(JP)にもとづきます。

Razerのラピッドトリガー対応キーボードは、2026年7月のHuntsman V3 HE Magnetic 8KHzに続き、8月には薄型設計の「Huntsman V3 Pro Low-profile Tenkeyless 8KHz」が加わりました。同じRazerブランドの中にラピッドトリガー対応モデルが複数並ぶ状態になり、名前も似ているため「結局どれを買えばいいのか」が分かりにくくなっています。
新型のHuntsman V3 Pro Low-profile Tenkeyless 8KHzは、2026年8月20日にグローバルで発表され、日本ではRazer Japanが8月21日にプレスリリースを配信、発売は9月を予定しています。価格は37,980円(税込)。新開発の「Razer Low-profile Analog Optical Switches」を採用し、アクチュエーションポイントは0.1〜2.8mm、総ストロークは2.8mmまで短縮されました。ラピッドトリガー・8,000Hzポーリング・Snap Tapといった競技向け機能はそのまま搭載しています。
この記事では、ラピッドトリガーや同時押し処理そのものの仕組みには深入りせず、Razer自社ラインナップの中で新型がどの価格帯に位置するのか、HE Magnetic(20,980円)・通常のHuntsman V3 Pro(36,980円)との価格差から、37,980円を払う価値があるかを判断します。
目次
概要Huntsman V3 Pro Low-profile Tenkeyless 8KHzはどんなキーボードか
Razerが「世界初のロープロファイル光学式アナログeスポーツキーボード」と位置づける製品です。前面高さは19.5mmに抑えられ、新開発の「Razer Low-profile Analog Optical Switches」を採用しています。日本発売は2026年9月を予定、価格は37,980円(税込)です。
スイッチ新開発のLow-profile Analog Optical Switches、アクチュエーションは0.1〜2.8mm
採用されているのは新開発の「Razer Low-profile Analog Optical Switches」です。赤外線の遮断量でキー位置を検知する光学式アナログスイッチという方式自体は通常のHuntsman V3 Proと共通ですが、低くしたスイッチ構造に合わせて総ストロークが2.8mmに短縮され、アクチュエーションポイントも0.1〜2.8mmの範囲に収まっています。通常モデルやHuntsman V3 HE Magnetic 8KHzのアクチュエーションポイントが0.1〜4.0mmの範囲で調整できるのに対し、新型は最大でも2.8mmまでしか沈み込まない計算です。
キーを離した瞬間に入力をリセットする「ラピッドトリガーモード」、反対方向キーの同時押しを制御する「Snap Tap」、押し込み・離しで別の動作を割り当てる「Snap Flex」、押し込みの深さで最大4つの動作を発生させる「Dynamic Keystroke」は、いずれもフルハイトのHuntsman V3 Proから引き継がれています。設定はRazer SynapseだけでなくブラウザベースのSynapse Webからも変更可能です。
Snap Tapは反対方向キーの同時押しを後押し優先で処理するSOCD(Simultaneous Opposing Cardinal Directions)系の機能で、CS2では同種の処理(Last Input Priority)が2024年9月以降禁止されています。ラピッドトリガーの仕組みや大会ルールとの関係を詳しく知りたい場合は、Huntsman V3 HE Magnetic 8KHzの解説記事で扱っています。
価格ポジションRazer自身のラピッドトリガー対応キーボード、価格はどう並ぶか
Razerのラピッドトリガー対応キーボードは、今回の新型を含めて3モデルに増えました。価格・スイッチ方式・アクチュエーション範囲を並べると、新型の立ち位置がはっきりします。
- 価格20,980円(税込)
- スイッチホールエフェクト磁気式
- アクチュエーション0.1〜4.0mm
- ポーリングレート最大8,000Hz
- 発売2026年7月31日
- 価格36,980円(税込)
- スイッチ光学式アナログ(第2世代)
- アクチュエーション0.1〜4.0mm
- ポーリングレート最大8,000Hz
- 発売既存モデル(継続販売)
- 価格37,980円(税込)
- スイッチ光学式アナログ(新開発・薄型)
- アクチュエーション0.1〜2.8mm
- ポーリングレート最大8,000Hz
- 発売2026年9月予定(日本)
価格だけを並べると、新型は最も安いラピッドトリガー対応モデルではありません。HE Magneticより17,000円高く、通常のHuntsman V3 Proとの価格差はわずか1,000円です。この1,000円という差は、スイッチの方式(磁気式か光学式か)の違いではなく、同じ光学式アナログスイッチのライン内で「フルハイトか、薄型か」を選ぶ差になっている点が重要です。つまり新型は、価格を抑えたい人向けの選択肢ではなく、通常モデルとほぼ同じ予算で薄さと応答性を上乗せしたい人向けの上位モデルという位置づけになります。
薄型設計前面高さ19.5mmと打鍵感の違い
前面高さ19.5mmという数値は、一般的なフルハイトのゲーミングキーボードと比べて低く抑えられており、手首の角度を緩やかにする設計です。KitGuruのレビューでも、この薄型設計に加えてフルハイトのHuntsman V3 Proが持つ高度な機能がそのまま引き継がれている点が紹介されており、Snap FlexやDynamic Keystrokeといった機能は薄型モデルでも変わらず利用できます。
総ストロークが2.8mmに短縮されている分、通常モデルより浅い位置でキーが底突きする感覚になります。深く沈み込むキーストロークの打鍵感を好むタイピング中心のユーザーには、通常のHuntsman V3 Proのほうが従来どおりの感触に近く、逆に低い位置で素早く反応してほしい競技志向のプレイヤーには新型の薄型設計が向いています。なお、Wootingの薄型モデル「80HE」など他社のロープロファイル製品との詳細な比較は後述します。
レイテンシーRazer公表の平均0.39msをどう読むか
Razerが自社で行ったテストでは、アクチュエーションポイント0.1mm・ポーリングレート8,000Hzの条件ですべてのキーボードを揃え、20回測定した結果、新型は平均0.39ミリ秒の入力遅延を記録したとされています。この数値はスイッチの作動からUSBポートへの信号受信までを対象にしたもので、Razerは「テストした中で最も僅差だった競合製品より52%速い」ともコメントしていますが、具体的にどの競合製品と比較したかは公表されていません。
一方、通常のHuntsman V3 Pro Tenkeyless 8KHzの公式製品ページには、同様のレイテンシー数値は記載されていません。同じRazer社内の製品同士でも、新型の0.39msと通常モデルを単純な数値で比較できる材料は、現時点でRazer自身が公表している範囲には存在しないということになります。Huntsman V3 HE Magnetic 8KHz(平均0.60ms、同条件)やWooting・SteelSeriesとの詳細な比較は、測定方法の違いも含めて前述の解説記事で扱っています。いずれの数値も、1回の入力で体感できる差というより、長時間の競技セッションで積み重なる差と捉えるのが妥当です。
実戦投入BLAST Bounty Season 2でMOUZが優勝、Spinx選手が初のMVP
新型は日本発売前の段階で、すでにプロシーンに投入されていました。CS2の大会「BLAST Bounty Season 2」では、MOUZ所属のLotan “Spinx” Giladi選手が発売前のHuntsman V3 Pro Low-profile Tenkeyless 8KHzを使用し、決勝でSpiritを3対1で下してチームが優勝。Spinx選手は決勝で4マップ通算78キル・3度のPlayer of the Mapを記録し、自身初となるHLTVのMVPアワードを獲得しました。
Razerの発表内でSpinx選手は「ロープロファイルはこれまでもずっと自然に感じていた。今は最高レベルで戦うためのスピードと精度を手に入れた(“Low-profile has always felt natural to me. Now I get the speed and precision to compete at the highest level.”)」とコメントしています。
Spinx選手はこの大会以前から4度のHLTV Top 20入り、17回のEVP(Exceptional Valuable Player)受賞歴を持つトッププレイヤーです。未発売の新型を実戦投入した事実と、その大会で優勝したという事実は確認できますが、選手個人の実力やチーム全体のパフォーマンスによる部分が大きく、両者の間に明確な因果関係があるとは言えません。プロ選手の実戦投入は製品の完成度を示す材料の一つですが、購入判断の決め手にはならない点は理解しておいてください。
選び方3つの軸で見る新型の立ち位置
ここまでの内容を踏まえると、新型を選ぶかどうかは次の3つの軸で考えると整理しやすくなります。
- 既にHuntsman V3 Proを使っていて、薄型化・低ストロークに関心がある人
- 通常モデルとほぼ同額(1,000円差)まで予算を伸ばせる競技志向のプレイヤー
- Razer SynapseのエコシステムやChroma RGBを既に使っている人
- とにかく安くラピッドトリガーを試したい人(HE Magnetic 20,980円のほうが向きます)
- 深い押し込みでのタイピング感を重視する人(通常モデルのほうが向きます)
- すぐに日本国内で購入したい人(2026年9月の国内正規販売を待つ必要があります)
仕様一覧Huntsman V3 Pro Low-profile Tenkeyless 8KHzのスペック早見表
| 項目 | 仕様 | 備考 |
|---|---|---|
| モデル/発売 | Huntsman V3 Pro Low-profile Tenkeyless 8KHz | グローバル発表2026年8月20日・日本発売2026年9月予定 |
| 価格 | 37,980円(税込) | Razer公式JP価格 |
| スイッチ | Razer Low-profile Analog Optical Switches | 新開発・光学式アナログ |
| アクチュエーションポイント | 0.1〜2.8mmで調整可能 | 通常モデルは0.1〜4.0mm |
| 総ストローク | 2.8mm | フルハイトモデルより短い |
| 前面高さ | 19.5mm | 一般的なゲーミングキーボードより低い |
| ラピッドトリガー | 対応(Rapid Trigger Mode) | キーを戻した瞬間にリセット |
| 入力機能 | Snap Tap/Snap Flex/Dynamic Keystroke/Dual-Keypress Priority | Snap Tapは大会ルール要確認 |
| ポーリングレート | True 8000Hz HyperPolling | Razer公表の平均遅延0.39ms(AP0.1mm時) |
| 設定ソフト | Razer Synapse/Synapse Web | ブラウザからも設定変更可能 |
| 接続方式 | USB有線 | テンキーレス(TKL) |
※スペックはRazer公式製品ページ・Razer Newsroomの発表内容にもとづきます。価格は2026年8月時点の情報です。
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今回比較した3モデルです。価格を抑えたいならHE Magnetic、通常モデルからの薄型化ならLow-profile、深い打鍵感を求めるなら通常モデルが候補になります。価格は変動するため、購入前に必ずリンク先で最新情報を確認してください。
まとめ37,980円でも買う価値はあるか
Huntsman V3 Pro Low-profile Tenkeyless 8KHzは、新開発の光学式アナログスイッチで前面高さ19.5mm・総ストローク2.8mmを実現した薄型モデルです。日本では2026年9月発売予定、価格は37,980円(税込)。Razer自身のラピッドトリガー対応キーボードの中では、HE Magnetic(20,980円)より高く、通常のHuntsman V3 Pro(36,980円)とはわずか1,000円差という価格帯に位置しています。
37,980円という価格は、最安のラピッドトリガー対応モデルを求める人には向きません。その用途であれば17,000円安いHuntsman V3 HE Magnetic 8KHzで十分に事足ります。新型が刺さるのは、既に通常のHuntsman V3 Proを使っていて薄型化に関心がある人、あるいは通常モデルとほぼ同額の予算で薄さと応答性を上乗せしたい競技志向のプレイヤーです。価格差1,000円という水準は、光学式スイッチのラインを維持したまま「フルハイトか薄型か」を選べる差として見れば、決して割高な上乗せではありません。
一方で、深く沈み込むキーストロークの打鍵感を重視するなら、総ストロークが短縮された新型より通常モデルのほうが従来どおりの感触を維持できます。BLAST Bounty Season 2でMOUZが優勝しSpinx選手が初のHLTV MVPを獲得した実戦投入の実績は製品の完成度を示す材料の一つですが、それ自体を購入の決め手にする必要はありません。日本発売は2026年9月を予定しているため、急いで購入したい場合は国内正規販売開始のタイミングを確認してください。




