HKCが世界初43.8型「24:9」モニターを発表|5760×2160・180Hz、4Kの1.5倍を描画する超横長Mini LED
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5760×2160・180Hz、4Kの1.5倍を描画する超横長Mini LED
出典:TechPowerUp、TheFPSReview、WCCFTech、NVIDIA公式、AMD公式、VESA公式、DisplayPort.org、国内既発売製品の公式ページにもとづきます(2026年9月17日時点)。
「21:9のウルトラワイドでは横幅が少し足りないが、32:9のスーパーウルトラワイドは設置場所も価格も現実的でない」──そう感じていたユーザーに向けて、HKCが両者の中間を埋める新しいアスペクト比のモニターを発表しました。
「Tianqi 43H180C」は43.8型・5760×2160・180Hz・Mini LEDという仕様ですが、本当に面白いのは画面サイズそのものではなく、4Kモニターを丸ごと表示した横に、さらに1920×2160の作業領域を足したような画面構成にあります。
スペック表の紹介だけでなく、24:9という比率が実際どんなサイズ感になるのか、ゲーム用途でのGPU負荷、DisplayPort 2.1の帯域まわりで確認しておきたい注意点まで検証します。

目次
概要HKC「Tianqi 43H180C」の仕様
HKCは2026年9月中旬、43.8型の湾曲モニター「Tianqi 43H180C」を発表しました。解像度は5760×2160、最大リフレッシュレートは180Hz。Mini LEDバックライトを採用し、1000Rの曲面パネル、DCI-P3 99%、DisplayPort 2.1、96W給電対応USB Type-C、KVMなどを備えています。HKCはこの製品を「世界初の43.8インチ24:9モニター」と位置付けており、主な訴求先はゲーミングよりも映像制作やAI活用を含む制作・多作業用途です。価格・具体的な発売時期・日本での販売については、2026年9月17日時点で明らかになっていません。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 画面サイズ | 43.8型 |
| 解像度/アスペクト比 | 5760×2160/24:9 |
| 最大リフレッシュレート | 180Hz |
| バックライト/曲率 | Mini LED/1000R |
| 色域/表示色 | DCI-P3 99%/約10.7億色 |
| 映像端子 | DisplayPort 2.1 |
| USB Type-C/KVM | 最大96W給電/対応 |
| 画面分割 | 対応(後述) |
| 価格/発売時期 | 未発表 |
HKCの発表では、Mini LEDのローカルディミング分割数、ピーク輝度、応答速度、液晶パネル方式は明らかにされていません。180Hzという数字だけを見て純粋なハイエンドゲーミングモニターと判断するには、まだ情報が足りない状態です。
24:9とは「4K+サブ画面」を1枚にした比率
43H180C最大の特徴が「24:9」というアスペクト比です。現在のPCモニターは16:9が標準で、ウルトラワイドは21:9、スーパーウルトラワイドは32:9が広く使われています。24:9はその中間に位置します。
24:9は「16:9+8:9」という考え方で理解すると分かりやすくなります。5760×2160のうち左側に3840×2160の4K画面を等倍で表示すると、右側には1920×2160の領域が残ります。つまり4K映像や画像を縮小せずに表示しながら、その横へ編集ソフトのツール、タイムライン、AIチャット、ファイル一覧などを配置できる計算です。HKCは画面分割機能として、5760×2160を1920×2160×3に均等分割するモードと、4Kのメイン画面+1920×2160のサブ画面という2つのモードを用意しています。
メイン作業領域を完全な16:9として維持できる点が24:9の特徴です。動画編集なら3840×2160のプレビューを表示したまま横に編集パネルを置き、ゲーム配信なら16:9のゲーム画面を維持しながら配信ソフトやチャットを横に表示するといった使い方が考えられます。

サイズ感「43.8型」ほど縦は大きくない
43.8型というサイズだけ見ると、一般的な43型テレビに近い巨大な画面を想像しがちですが、24:9なので実際の形状はかなり違います。対角43.8インチ・24:9の比率から計算すると、表示領域はおよそ横104cm×縦39cmです。高さだけを見ると、31.5型・16:9の一般的な4Kモニター(表示領域の高さ約39cm)とほぼ同じになります。
画素密度を計算すると約141ppiで、これも31.5型4Kモニターの約140ppi前後とかなり近い数値です。つまり43H180Cは、31.5型4Kモニターとほぼ同じ高さ・精細感を保ったまま、横幅だけを約1.5倍に広げたディスプレイと考えると実像に近くなります。43.8型だから文字が大きく見えるという製品ではなく、4Kクラスの画素密度を維持したまま横方向の作業領域を増やした設計です。
位置付け21:9より広く、32:9ほど極端ではない
24:9の立ち位置は、既存のウルトラワイドモニターと比較すると分かりやすくなります。21:9の代表としてLG「UltraGear OLED 45GX950A-B」(44.5型・5120×2160・165Hz)、32:9の代表としてSamsung「Odyssey Neo G9 57」(57型・7680×2160・240Hz)を並べました。
| 製品 | 比率/解像度 | 総画素数 | 表示領域(横×縦) |
|---|---|---|---|
| 一般的な4K | 16:9/3840×2160 | 約829万 | 約69.7×39.2cm(31.5型) |
| LG 45GX950A-B | 21:9/5120×2160 | 約1,106万 | 約98.6×41.6cm(44.5型) |
| HKC 43H180C | 24:9/5760×2160 | 約1,244万 | 約104.1×39.2cm(43.8型) |
| Samsung Neo G9 57 | 32:9/7680×2160 | 約1,659万 | 約139.5×39.2cm(57型) |
HKC 43H180Cは、縦2160ピクセルを維持しながら横方向をLG 45GX950A-B(5120px)より12.5%拡大し、Samsung Neo G9 57(7680px)よりは25%少ない画素数に収めた格好です。興味深いのは、43H180CとNeo G9 57の縦方向の寸法(約39.2cm)がほぼ同じという点です。違うのは横幅だけで、Neo G9 57が4K画面2枚分の横幅なのに対し、43H180Cは1.5枚分に収まります。32:9の巨大さまでは必要ないものの、21:9では横幅が少し足りないというユーザーを狙った「中間サイズ」と見ることができます。
LG 45GX950A-Bは第3世代WOLEDパネルで応答速度や黒表現を重視したゲーミング寄りの製品です。対してHKC 43H180CはMini LEDを採用し、24:9という広いデスクトップ・KVM・96W USB-C・画面分割を組み合わせたクリエイター・マルチタスク寄りの構成です。ゲームの応答性を最優先するならOLED、ブラウザやコードなど固定UIを長時間表示する用途では焼き付きリスクの低いMini LED液晶を選びたいユーザーもいるでしょう。
GPU負荷5760×2160は4Kより50%重い
ゲーム用途でもっとも注意したいのがGPU負荷です。3840×2160の4K UHDは約829万画素ですが、5760×2160では約1,244万画素になり、単純な画素数では4Kのちょうど1.5倍です。5760×2160を180Hzで描画する場合、1秒間に処理する画素数は約22.4億画素にのぼります。最新のハイエンドGPUであっても、重量級のAAAタイトルをネイティブ5760×2160・最高画質で180fpsへ張り付かせるのは簡単ではなく、DLSSやFSRなどのアップスケーリング、フレーム生成との組み合わせが実質的に前提になりそうです。一方、軽量なeスポーツタイトルや古めのゲームであれば、高リフレッシュレートを生かせる余地は十分にあります。
その意味では180Hzは「常に180fpsを狙うため」というより、高解像度の作業用モニターとゲーミングモニターを1台にまとめるための仕様と捉える方が、この製品の性格に近いでしょう。
注意点①「DisplayPort 2.1搭載」だけでは帯域を判断できない
43H180CについてHKCは「DisplayPort 2.1」とだけ発表しており、UHBR10・UHBR13.5・UHBR20のどの速度に対応するかは明らかにしていません。VESAの規定では、DisplayPort 2.1対応機器は最低限HBR2とDSC(Display Stream Compression)をサポートしたうえで、UHBR対応・Adaptive-Sync SDP・LTTPR・Panel Replayのうち少なくとも1つに対応すればよい仕様になっており、「DisplayPort 2.1」という名称だけでは、UHBR20の80Gbpsに対応すると判断できません。
UHBR20であれば4レーン合計80Gbps、128b/132bエンコード後の実効データ帯域は約77.4Gbpsです。一方、5760×2160・180HzをRGB 10bitで表示すると、ブランキングなどを考慮しない単純な有効画素データだけでも約67.2Gbpsになります。8bitでも約53.7Gbpsです。VESAのDSCは映像データを最大約3:1まで圧縮できる「visually lossless」の方式で、必要ならこの差を埋められますが、43H180CがどのUHBR速度に対応するか、180Hz時にDSCが必要なのかは、正式仕様が公開されるまで判断を保留したいポイントです。
NVIDIAのGeForce RTX 50シリーズはDisplayPort 2.1b UHBR20に対応しており、DSC利用時は最大4K 480Hzまたは8K 165Hzまでの出力をサポートするとしています。AMDのRadeon RX 9070 XTもDisplayPort 2.1aに対応しています。GPU側の帯域は十分でも、モニター側がUHBR20相当に対応していなければ180Hzを最大条件で使えない可能性がある点に注意してください。
注意点②ゲームが24:9を正しく認識するかも未知数
21:9は現在かなり普及しており、PCゲームでも標準的なウルトラワイド解像度として扱われることが増えました。32:9についても、スーパーウルトラワイド対応タイトルで利用されています。しかし24:9は非常に珍しい比率です。解像度としてWindowsやGPUが5760×2160を出力できても、ゲーム側が24:9を想定しているとは限りません。正常に視野角を広げて表示するタイトルがある一方、ゲームによっては16:9や21:9までしか対応しておらず、左右に黒帯が入ったりUI位置が不自然になったりする可能性があります。HKCは現時点でゲームごとの24:9互換リストを公開していないため、ゲーミングモニターとしての評価を確定するには実機レビューでの確認が必要です。
そのため43H180Cは、ゲームを5760×2160の全画面で動かす用途だけに使う必要はありません。左側で3840×2160のゲームを表示し、右側の1920×2160にチャットや配信ソフト、攻略サイトを表示するという使い方なら、ゲーム側が24:9に対応していなくても16:9をそのまま維持できます。一般的な4Kモニター+サブモニター構成に近いことを、画面中央にベゼルを挟まず実現できる点は実用的です。
今すぐ買うなら21:9・32:9ならすでに選択肢がある
43H180Cの価格・日本発売は未発表のため、今すぐ購入できる近いカテゴリーの選択肢として、21:9・32:9それぞれの代表機種を挙げておきます。
FAQよくある質問
2026年9月17日時点で価格・発売時期・日本での販売は発表されていません。正式仕様が公開され次第、既存の21:9・32:9モデルと比較して改めて評価する必要があります。
24:9は縦2160ピクセルを維持したまま横方向だけを拡張した比率で、21:9より広く32:9ほど極端ではない中間サイズです。4K画面をそのまま表示した横に、1920×2160のサブ領域を追加した構成に近いイメージです。
24:9は16:9や32:9より縦に短い比率のため、表示領域の高さは約39.2cmと31.5型4Kモニターとほぼ同じになります。43.8型という対角サイズの数字ほど、縦方向は大きくありません。
5760×2160は4Kより約50%画素数が多いため、重量級タイトルをネイティブ180fpsで安定させるのは簡単ではありません。DLSSやFSRなどのアップスケーリングとの併用や、軽量タイトルでの活用が現実的です。
断定できません。HKCはUHBR10・13.5・20のどの速度に対応するか公表しておらず、5760×2160・180Hz・RGB 10bitの必要帯域(約67.2Gbps)を無圧縮で満たせるかは正式仕様の公開を待つ必要があります。
まとめまとめ|24:9は21:9と32:9の空白を埋める新規格
HKC Tianqi 43H180Cは、43.8型・5760×2160・180Hz・Mini LEDというスペック以上に、「24:9」という新しい画面比率が特徴的なモニターです。5760×2160は4Kのちょうど1.5倍となる約1,244万画素で、3840×2160の4K画面を等倍表示したまま、その横に1920×2160の作業領域を確保できます。表示領域の高さは約39.2cmで、画素密度は計算上約141ppiとなるため、31.5型4Kモニターの高さと精細さを維持したまま、横幅だけを約1.5倍に広げたディスプレイと考えると実像に近くなります。
ゲーム用途では5760×2160のGPU負荷が4Kより50%大きく、180Hzを生かすには相応のGPU性能が必要です。24:9という珍しい比率にゲーム側がどこまで対応するかも未知数で、DisplayPort 2.1もUHBR速度が非公開のため、正式仕様が出るまで無圧縮での180Hz出力を前提にしない方が安全です。価格・日本発売も2026年9月17日時点で未発表のため、既存の21:9・32:9モデルと比較して評価を確定するのはまだ早い段階です。
HKC「Tianqi 43H180C」は世界初をうたう43.8型・24:9モニターで、5760×2160・180Hz・Mini LED・1000R曲面・DCI-P3 99%・DisplayPort 2.1・USB-C 96W給電・KVMという仕様です。24:9は21:9と32:9の間を埋める比率で、縦2160ピクセルを維持したまま4K画面+サブ領域を1枚のパネルに収められる点が最大の特徴です。ゲーム用途ではGPU負荷が4Kの1.5倍になる点、DisplayPort 2.1のUHBR速度が非公開な点、ゲーム側の24:9対応が未知数な点は、正式仕様と実機レビューを待って確認する必要があります。価格・日本発売時期は2026年9月17日時点で未発表です。





