PCとモニターを別々に交換できる「モジュール式一体型PC」登場|PCCOOLER FC300-CSは何が違う?【2026年】
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「モジュール式一体型PC」登場|PCCOOLER FC300-CSは何が違う?【2026年】
出典:VideoCardz(2026年8月16日)、Intel公式製品仕様(Core Ultra 5 125U)にもとづきます(2026年8月17日時点)。
PCCOOLER(超頻三)が開発した「Fusion Core FC300-CS」は、一般的な一体型PCとは異なり、ディスプレイ部分とPC本体を独立したモジュールとして分離できる構造を採用しています。PCCOOLERは、PC本体とディスプレイを別々に配置することでアップグレードやメンテナンスを容易にし、製品寿命を延ばせることを特徴として説明しています。
現在報じられている構成では、Intel Core Ultra 5 125U、DDR5メモリ、M.2 SSDを搭載し、27インチ・2560×1440のIPSディスプレイを組み合わせます。最新の製品情報を基にした報道では、リフレッシュレートは最大165Hzとされています。高リフレッシュレートなのでゲーミングPCのようにも見えますが、実際には外付けGPUを搭載したゲーミングPCではありません。
FC300-CSの面白さは性能競争よりも、「一体型PCなのに一体ではない」という構造にあります。この記事では、モジュール化の仕組み、スペック、そして「本当に交換できるPCなのか」という点まで整理します。
目次
概要PCCOOLER「Fusion Core FC300-CS」とは?

Fusion Core FC300-CSは、中国のPCパーツメーカーPCCOOLERが開発したモジュール式PCです。PCCOOLERは2026年7月31日、同製品についてディスプレイとPC本体を分離できる構造を採用し、従来の一体型PCにおける形状上の制約を解消した製品だと紹介しました。
一般的な一体型PCでは、CPUやメモリ、SSDなどを搭載した基板がディスプレイ背面へ組み込まれています。そのためPC性能が足りなくなった場合、まだディスプレイが使える状態でも本体ごと買い替えるケースがあります。反対に液晶だけ故障しても、PC部分まで一緒に修理や交換することになりやすいのが弱点です。FC300-CSではディスプレイとPCを物理的に分割することで、この問題を解決しようとしています。メーカーは本体とディスプレイを独立して配置する設計により、アップグレードやメンテナンスを容易にしたと説明しています。見た目は一体型PCですが、考え方としては「専用のMini PCとモニターをきれいに一体化したPC」に近い製品です。
モジュール化PCが古くなってもモニターを残せる、VESAで別々にも使える

FC300-CS最大の特徴は、PC部分とモニター部分の寿命を別々に考えられることです。例えば数年間使用してCPU性能が不足してきても、ディスプレイに問題がなければPC側だけを更新するという考え方ができます。反対に、より高解像度な画面が必要になった場合にはPC本体を残しながらディスプレイ側を変更することも想定されています。PCCOOLERはFC300-CSについて、主要機能をモジュール化・標準化し、利用目的に応じて構成やハードウェアモジュールを変更しやすくすることで、メンテナンス性と製品寿命を高める設計だと説明しています。
面白いのは、必ず一体型の状態で使う必要がないことです。PCCOOLERはFC300-CS用アクセサリーとして、ディスプレイスタンドだけでなく、PC本体用とディスプレイ用のVESAブラケットを用意すると説明しています。つまりPC部分だけをMini PCのように設置したり、ディスプレイを別のスタンドやアームと組み合わせたりする使い方も想定されています。最近ではMini PCをモニター背面へVESAマウントする製品自体は珍しくありませんが、FC300-CSが特徴的なのは、それを後付けの組み合わせではなく、最初から一つの製品コンセプトとして設計していることです。見た目を一体型PCとしてまとめながら、必要になれば再び分離できる設計になっています。
注意点「どんなPCやモニターでも交換できる」とは限らない
ここはFC300-CSを見るうえで重要なポイントです。「モジュール式」という言葉から、一般販売されている好きなMini PCやモニターをFC300-CSへ自由に組み込めると考えたくなりますが、現時点でそこまでの互換性は確認されていません。PCCOOLER公式情報ではPC本体とディスプレイを独立して利用できるVESAブラケットが案内されていますが、FC300シリーズ本体の接続機構について、他社製PCやあらゆる市販モニターとの完全な互換性が保証されているわけではありません。
海外メディアも、FC300-CSの交換可能という考え方を評価する一方、実際のアップグレード選択肢はFC300プラットフォーム向けに用意されるハードウェアへ依存する可能性を指摘しています。したがって現段階では、自作PCのような「完全なオープン規格のモジュールPC」と考えない方がよいでしょう。本当に重要なのは、今後PCCOOLERがPC部分やディスプレイ部分の後継モジュールを継続的に販売するかどうかです。
スペックCore Ultra 5 125U搭載、メモリ・SSDは交換可能
現在のFC300-CSにはIntel Core Ultra 5 125Uが搭載されています。PCCOOLERも公式紹介でCore Ultra 5 125Uの採用を明らかにしています。Core Ultra 5 125UはMeteor Lake世代のモバイルプロセッサで、Intel公式仕様では12コア・14スレッド、最大4.3GHzです。プロセッサーベースパワーは15W、最大ターボパワーは57Wとなっています。GPUには4基のXeコアを持つIntel Graphicsを統合しています。低消費電力ノートPCなどを想定したUシリーズなので、デスクトップ向けCore Ultraや高性能ノート向けHシリーズと同等の性能を狙ったCPUではありません。一方で、Webブラウザ、Office、動画再生、ビデオ会議などの日常用途では扱いやすく、コンパクトなPCへ搭載するには合理的なCPUです。FC300-CSもゲーム性能を最優先した製品というより、オフィス、家庭、会議室など幅広い環境へ設置しやすいPCという位置付けに近いでしょう。PCCOOLER自身もビジネス、日常エンターテインメント、軽量コンピューティング用途を想定しています。
PC部分を丸ごと交換できるだけでなく、内部パーツにもアップグレード余地があります。現在報じられているFC300-CSでは、DDR5-5600対応SO-DIMMスロットを2基備えています。ストレージにはM.2 2280スロットが用意されます。PCCOOLER公式情報でもDDR5メモリとM.2 SSDをカスタマイズできることが説明されています。メモリが基板へ直接はんだ付けされた一体型PCや小型PCでは、購入後に容量を増やせない場合がありますが、FC300-CSならSO-DIMMを交換できるため、購入時は容量を抑えて使用し、後から必要に応じて大容量化するといった使い方がしやすくなります。SSDもM.2 2280なので、容量不足になったときに交換できる点は長期利用に向いています。「PCを丸ごと交換できる」という大きなモジュール性だけでなく、一般ユーザーが実際に交換する可能性が高いメモリとSSDにも手を入れられることは重要です。
PCゲーム用途で気になるのが、外付けGPUを接続できるかどうかです。Core Ultra 5 125U自体はThunderbolt 4に対応していますが、CPUがThunderbolt 4へ対応していることと、FC300-CS本体にThunderbolt 4端子が実装されていることは別問題です。現時点で確認できるPCCOOLERの公式紹介では、FC300-CSを外付けGPU対応ゲーミングPCとして訴求していません。そのため、「後からeGPUを付ければ本格ゲーミングPCになる」と判断するのはまだ早いでしょう。最終的なI/O仕様とThunderboltまたはUSB4の搭載状況を確認する必要があります。
ディスプレイ27インチWQHD・最大165Hz、ただし120Hzから仕様変更
現在報じられているFC300-CSのディスプレイは27インチIPSで、解像度は2560×1440、リフレッシュレートは最大165Hz、輝度は350nitです。27インチとWQHDの組み合わせなので、フルHDより作業領域を広く確保できます。165Hzならウィンドウ移動やスクロールも60Hzディスプレイより滑らかに表示でき、ゲームでも高フレームレートを表示できます。
ただし仕様については少し注意が必要です。PCCOOLERが2026年7月31日に公開した公式紹介では、同じFC300-CSの画面を27インチ・2K・120Hz IPSと説明していました。一方、8月に現在の製品情報を取り上げた海外メディアなどは165Hz仕様と報じています。開発途中または製品化までにディスプレイ仕様が変更された可能性がありますが、正式な販売地域ごとの最終仕様は購入時に確認した方がよいでしょう。
ゲーミングスタイルとして特に触れておきたいのが、この点です。「WQHD・165Hz」というスペックだけを見ると、一般的なゲーミングモニターとほぼ同じです。しかしFC300-CSにはGeForce RTXやRadeon RXといったディスクリートGPUが搭載されているわけではなく、Core Ultra 5 125Uに統合されたIntel Graphicsを利用します。そのため、WQHD・165fpsで最新の重量級PCゲームを遊ぶことを目的とした構成ではありません。軽量なオンラインゲームや古いタイトルなどを動かすことはできますが、最新AAAゲームを高画質・高fpsでプレイするならディスクリートGPUを搭載したゲーミングPCの方が適しています。FC300-CSで165Hzディスプレイを採用するメリットはゲームだけではなく、通常のデスクトップ操作を滑らかにする意味も大きいでしょう。
熱設計PCと画面を分離すると冷却面にもメリット
モジュール化は交換しやすさだけを目的としているわけではありません。PCCOOLERは、PC本体とディスプレイを独立した構造にすることで、双方の熱が重なりにくくなる点もメリットとして挙げています。さらにPC部分には熱伝導性の高いアルミニウム素材を使用し、薄型筐体でも冷却効率を高める設計としています。一般的な一体型PCでは液晶パネルの裏側という限られた空間へPCパーツも収納するため、冷却設計には制約がありますが、FC300-CSでは演算部分を独立させることで、ディスプレイ側の発熱と切り離せます。Core Ultra 5 125Uのような低消費電力CPUとの組み合わせなら、静音性とコンパクトさを両立しやすい構成でもあります。
比較普通のMini PC+モニターではダメなのか?

FC300-CSを見て最初に感じる疑問でもあります。現在ではMini PCを購入し、好きなモニターの背面へVESAマウントすれば、かなり似た環境を作れます。しかも一般的なMini PCとモニターを別々に購入すれば、メーカーを問わず好きなCPUや画面サイズを選べますし、故障時もそれぞれ一般製品へ交換できます。自由度だけなら、この方法の方が高い可能性があります。
FC300-CSの価値は、そうした構成をメーカーが最初から一つの製品として設計している点にあります。配線や筐体デザインを統一し、通常は一体型PCとしてすっきり使用しながら、必要になればPCとモニターを分離するという使い方ができます。PCCOOLERも専用スタンドやVESAブラケットを含め、複数の設置方法を想定しています。PCに詳しくない企業や一般ユーザーにとって、「Mini PC、モニター、VESAマウントを自分で組み合わせる」のと「完成した一体型製品として購入する」のでは使いやすさが違います。
今後の鍵本当に重要なのは後継モジュールが登場するか
モジュール式製品は、発売時の設計だけで評価するのが難しいジャンルです。FC300-CSが本当に長期間使いやすいPCになるかは、今後PCCOOLERが交換用PCモジュールやディスプレイを継続して用意するかによって大きく変わります。数年後に新しいCore UltraやRyzenを搭載したPCモジュールだけ購入できるのであれば、モニターを残して性能を更新できるという設計思想が生きてきます。反対にFC300-CS専用モジュールが初代だけで終了すれば、「交換可能」というメリットは十分に生かせません。一般的なATX自作PCが長期間アップグレードできる理由は、マザーボード、電源、GPU、ケースなどに広く普及した規格が使われているためです。FC300-CSが同様の長期運用を実現できるかは、ハードウェアそのものだけでなくPCCOOLERの継続的な製品展開が重要になります。
未確定価格・発売時期はまだ不明
2026年8月17日時点では、FC300-CSの具体的な販売価格やグローバルでの発売時期は明らかになっていません。現在の報道でも価格と発売スケジュールは未発表とされています。PCCOOLERの中国公式サイトではすでにFC300-CSが実機展示されており、製品コンセプトや主要仕様も公開されているため、単なるCG上のコンセプトだけではありません。ただし、日本での発売についても現時点では確認できません。価格次第では一般的なMini PC+WQHDモニターの方が安くなる可能性もあるため、FC300-CSの評価を決める最大のポイントになりそうです。
FAQよくある質問
総括まとめ|一体型PCの弱点を「分離」で解決する面白い製品
PCCOOLERのFusion Core FC300-CSは、一体型PCの使いやすさを残しながら、PC本体とディスプレイを分離可能にしたモジュール式PCです。メーカーはPCとディスプレイを独立したモジュールとして設計し、アップグレードやメンテナンスを容易にすることで、製品寿命を長くすることを狙っています。専用のVESAブラケットを使った分離設置にも対応する構想です。
PCにはCore Ultra 5 125Uを採用し、DDR5メモリやM.2 SSDも交換可能です。現在報じられているディスプレイ仕様は27インチ・2560×1440・IPS・最大165Hzとなっています。ただし、Core Ultra 5 125Uの内蔵Intel Graphicsを利用するため、165Hzディスプレイを搭載していても本格的なゲーミングPCではありません。
また、FC300-CSが真に「長く使えるモジュールPC」になるかどうかは、将来のPC・ディスプレイモジュールがどこまで提供されるかにも左右されます。それでも、「一体型PCだから全部一緒に買い替える」という従来の常識に対して、PCとモニターを最初から分離可能にするという発想は興味深いものです。価格と交換用モジュールの展開次第では、家庭用PCだけでなく、オフィスや学校など大量のPCを長期間運用する環境でも面白い選択肢になるかもしれません。



