NukeMarkとは|RTX 5090でも15〜20fpsまで落ちる新型GPUベンチマークをVRAM実測データで読み解く
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RTX 5090でも15〜20fpsまで落ちる新型GPUベンチマークをVRAM実測データで読み解く
「新しいベンチマークソフトでRTX 5090が15fpsまで落ち込む」という話を聞くと、まるで最新のフラグシップGPUが急に非力になったかのような印象を受けます。実際にはそう単純な話ではなく、NukeMarkというソフトの設計思想を理解しないと数字の意味を取り違えてしまいます。
NukeMarkは、Unreal Engine 5.7を土台に、実在するゲームエンジンの描画パイプラインをそのまま使いながら、現実のゲームでは組み合わせないレベルまで負荷を積み上げる有料のGPUベンチマーク兼ストレステストです。GPUの限界・オーバークロックの不安定さ・VRAM不足・冷却や電源まわりの問題をあぶり出すことを目的に作られています。
この記事では、NukeMarkの「Pandora」シーンが公式に掲げる4K・12〜15GB以上というVRAM負荷を、当サイトが実際のゲームタイトルで検証してきたVRAM逼迫データと突き合わせて、その数値がどの水準にあるのかを整理します。あわせて、動作環境・安全に使うための注意点、そして2,300円を払う価値がある人はどんな層かまで解説します。
出典:PC Watch「RTX 5090すら15fpsの絶望負荷!超・過酷GPUベンチ『NukeMark』」(2026年7月31日)およびSteamストアページの掲載情報を基準に作成しています(2026年7月31日確認)。早期アクセス中のソフトのため、内容は今後変更される可能性があります。
NukeMarkの「RTX 5090でも15〜20fps」という数字は、GPUの性能不足を示すものではなく、あえて現実のゲームでは組まない負荷を積み上げた結果です。ただしPandoraシーンが要求する4K・12〜15GB以上というVRAM負荷は、当サイトが実測してきた4K重量級タイトルの目安と比べても、決して現実離れした水準ではありません。VRAM容量を見極める材料として参考になる一方、日本語非対応・早期アクセス中という制約は理解したうえで検討してください。
目次
要点NukeMarkの登場でRTX 5090が15〜20fpsまで沈んだ
調べたところ、ノルウェーのEzbench Solutions ASが開発する有料GPUベンチマーク「NukeMark」が、2026年7月31日時点で注目を集めていることが分かりました。NukeMarkはSteamで2026年5月20日から早期アクセス販売されており、価格は2,300円です。
特に注目されているのが、「Emberhold」と呼ばれるテストシーンです。数百規模のライティング・シャドウ・ハードウェアレイトレーシングを積み重ねた重量級の描画を行うシーンで、現行最上位のGeForce RTX 5090でも、4K・アップスケーリングなしのネイティブ解像度では15〜20fps程度しか出ません。
もう1つの主要シーン「Pandora」は、フォトグラメトリ素材と8Kテクスチャ、高度な動的フォグを組み合わせた構成で、4K解像度では12〜15GB以上のVRAMを消費するとされています。GPUの演算性能というより、VRAM容量そのものの限界を洗い出すことを狙ったシーンです。
いずれも「実際にプレイできるゲームの快適な動作」を目指したベンチマークではなく、GPUがどこまで耐えられるかを試す、意図的に過酷な負荷設計になっている点が前提になります。
概要NukeMarkとはどんなベンチマークソフトか
調べたところ、NukeMarkはEpic Gamesが2025年11月にリリースした最新版のゲームエンジン「Unreal Engine 5.7」を土台に構築されていることが分かりました。一般的な合成ベンチマークのように単純な演算ループを繰り返すのではなく、実在のゲームと同じ描画パイプラインをそのまま使い、そこへ現実のゲームでは組み合わせない密度の負荷を乗せる設計になっています。
具体的には、仮想化ジオメトリの「Nanite」、グローバルイルミネーションと反射を担う「Lumen」、ハードウェアレイトレーシング、多数の動的光源を扱う「MegaLights」、そして8K解像度の仮想テクスチャという、UE5.7が持つ主要機能をひととおり組み込んでいます。密度の高いNaniteジオメトリに対してレイトレーシング用のBVH構造を構築する処理は特に負荷が高く、単純なラスタライズや従来型の合成ベンチマークでは見えてこない不安定さ、とりわけオーバークロック時のVRAMや演算周りの不安定さをあぶり出す狙いがあるようです。
もう1つ実務的に見ておきたいのが、結果の記録方法です。NukeMarkはDLSSなどのアップスケーリングを有効にした結果と、ネイティブ解像度での結果を分けて記録する仕様になっており、アップスケーリングでかさ上げされた数値だけを見て判断してしまうことを避けられます。さらに複数のテスト結果を横断して比較する「スケーリングスコア」という仕組みも用意されています。Steamのストアページでは、自分の結果を長期的に記録し他ユーザーの環境と比較できるオンラインデータベース「NukeMark Database」の存在にも触れられています。
検証EmberholdとPandora、2つのテストシーンの中身
NukeMarkの早期アクセス版には、性格の異なる2つのテストシーンが用意されています。どちらも「遊べるゲームの快適さ」ではなく「GPUがどこで音を上げるか」を確認するための構成です。
- 数百規模のライティング・シャドウ・ハードウェアレイトレーシング・大量のポリゴンを積み上げた高負荷構成
- GeForce RTX 5090でも4K・アップスケーリングなしでは15〜20fps程度にとどまる
- 幾何形状と光源処理を中心に、GPU全般の演算能力を極端に試す位置づけ
- フォトグラメトリ素材・8Kテクスチャ・高度な動的フォグ・ハードウェアレイトレーシングを組み合わせた構成
- 4K解像度で12〜15GB以上のVRAMを消費するとされる
- GPUの演算性能よりも先にVRAM容量の限界を洗い出す位置づけ
公式の説明はEmberhold・Pandoraのどちらについても8Kテクスチャやメモリ負荷という言葉を使っており、両者が厳密に「演算専用」「VRAM専用」ときれいに切り分けられているわけではありません。ただし全体としては、Emberholdは幾何形状・光源処理を含む高負荷全般、Pandoraはフォトグラメトリと8Kテクスチャによるメモリ負荷が特に重いシーン、という傾向として捉えるのが実態に近いといえます。
VRAM4Kで12〜15GB以上というVRAM負荷は実際どれくらい極端か
ここが今回いちばん気になるところです。NukeMarkのPandoraシーンが掲げる「4Kで12〜15GB以上」という数字は、単体で見ると相当な負荷に思えます。そこで、当サイトが実際の市販ゲームで検証してきたVRAM消費の実測データと並べて確認してみます。
| 項目 | VRAM使用量の目安 |
|---|---|
| サイバーパンク2077(Phantom Liberty) 1440p・Ultra・RT有効の実測 | 約11GBに到達。8GB版GPUでは容量を明確に超過 |
| RTX 5060(8GB) 1440p・Ultra設定の実測 | 約8.0GB前後まで到達し、テクスチャの縮退やfpsスパイクが発生 |
| 当サイトの4K・重量級タイトル目安(最低ライン) | 12GB(動作は厳しい水準) |
| 当サイトの4K・重量級タイトル目安(快適ライン) | 16GB |
| NukeMark「Pandora」シーン 4K・公式スペック | 12〜15GB以上 |
この並びを見ると、NukeMarkのPandoraが掲げる4Kの12〜15GB以上という数字は、当サイトが4K重量級タイトルの目安として位置づけてきた「最低12GB・快適16GB」という水準とほぼ重なることが分かります。実は途方もない値というより、当サイトの基準表でいう4Kの快適ラインに近いところに収まっているのが実態です。
一方で見落としてはいけないのが、その負荷のかけ方の違いです。RTX 4060 Ti(8GB/16GB)の検証で確認したサイバーパンク2077(Phantom Liberty)は、1440p・Ultra・RT有効という現実的な高設定のまま約11GBのVRAMを使いながら、実プレイに耐える映像を描画しています。RTX 5060とRX 9060 XTの比較検証で確認した1440p・Ultra設定の約8.0GBも同様に、実際に遊べるフレームレートを維持しながらの数字です。対してNukeMarkのPandoraは、フォトグラメトリ素材・8Kテクスチャ・動的フォグ・ハードウェアレイトレーシングを意図的に積み上げ、快適に遊べるかどうかは度外視してVRAM容量の天井を探る合成負荷です。
NukeMarkのVRAM負荷は、実在のゲームエンジンを使いながらも現実のゲームでは組まない密度まで負荷を積み上げた合成テストです。VRAM不足の見分け方ガイドで解説している「実際のゲームで何GB必要か」という目安とは性質が異なり、NukeMarkの数値をそのまま「今後のゲームがこのVRAMを要求する」と読み替えるのは早計です。あくまで、GPUの容量的な余裕を極端な条件で試すための天井値として捉えてください。
もう1つの参考データが、RTX 3060 Tiの検証で確認した「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」の実測です。VRAM 8GBのRTX 3060 Tiは演算性能で上回るにもかかわらず、VRAM 12GBの無印RTX 3060に大きく後れを取る逆転現象が起きています。VRAM容量が足りなくなると、素の演算性能では説明がつかない落ち込み方をするという点は、NukeMarkが検出しようとしている問題の実例そのものといえます。GTX世代からの買い替えを検討している人は、GTX世代からの買い替えガイドでもVRAM容量が乗り換え判断に直結する理由を解説しています。
スペック動作環境とVRAM容量ごとの注意点
Steamストアページで公開されている動作環境は次の通りです。
| 項目 | 最小動作環境 | 推奨動作環境 |
|---|---|---|
| OS | Windows 11 | Windows 11 |
| CPU | Intel第8世代相当 | Intel第10世代相当 |
| メモリ | 16GB | 32GB |
| GPU | GeForce RTX 3060相当(AMD同等モデルも可) | GeForce RTX 4000シリーズ相当(AMD同等モデルも可) |
| API | DirectX 12 | DirectX 12 |
| 空き容量 | 32GB | 32GB |
RTX 3060にはVRAM 12GBモデルとVRAM 8GBモデルが存在し、開発元はVRAM 12GB以上を強く推奨しています。「RTX 3060が最小要件だから8GB版でも同じように動く」とは限らず、Pandoraシーンのようなメモリ負荷の高いテストでは、8GB版だと早い段階でVRAM容量の限界に突き当たる可能性があります。手持ちのGPUがどちらの容量かは、購入前に必ず確認してください。
Steamストアページに日本語の記載は見当たらず、インターフェース・音声・字幕はすべて英語のみです。英語表示に抵抗がない人向けのツールという前提で導入を検討してください。
安全性ストレステストとして安全に使うための注意点
「RTX 5090でも15〜20fps」という数字だけを見ると、GPUに過大な負荷をかけて壊してしまうのではないかと不安になるかもしれません。ただしNukeMarkは、健全な状態のGPUを壊すために作られたツールではなく、あくまでGPUの限界やオーバークロックの不安定さ、VRAM不足、冷却・電源まわりの問題をあぶり出すためのストレステストです。
とはいえ、冷却が不十分な環境、電源ユニットの容量に余裕がない構成、行き過ぎたオーバークロック設定、劣化した電源ユニット、GPU補助電源コネクタの装着が甘い状態などでは、通常のゲームプレイでは表面化しない問題がNukeMarkの負荷で顕在化する可能性があります。
- 実行中はGPU温度・ホットスポット温度・VRAM温度を監視する
- 消費電力とクロックのスロットリングの有無を確認する
- ファン回転数が想定通り上がっているかチェックする
- GPU補助電源コネクタの挿し込み状態を事前に確認する
- RTX 5090のような高消費電力のGPUでは、いきなり長時間ループを回さず、短時間・標準設定のテストから始める
なお、Steamコミュニティでは、メモリクロックの表示が実際と異なって見える、予約領域を差し引いた容量表示になっている、動作が遅めのPCでは初回のシェーダーコンパイル後に再起動が必要になる場合がある、といった細かな不具合が早期アクセス中の既知の事象として報告されています。致命的な不具合ではありませんが、早期アクセス版であることは念頭に置いてください。
評価2,300円を払う価値があるのはどんな人か
NukeMarkが向いているのは、オーバークロック設定の安定性を、通常のゲームプレイより厳しい条件で検証したい人や、GPU購入前にVRAM 8GB・12GB・16GBのどれを選ぶべきか、容量面の余裕をシビアに見極めたい人です。実在のゲームエンジンをベースにした負荷は、単純な演算ループの合成ベンチマークでは見えにくい、VRAM周りの不安定さを検出しやすいという利点があります。
一方で、初期不良の有無を手早く確認したいだけの人や、無料の範囲で十分という人には、必ずしも2,300円を払ってまで導入する必要はありません。3DMarkのDemo版・OCCT・FurMarkといった定番ツールの選び方や使い分けは、PCベンチマーク・ストレステストソフト完全ガイドで解説しているので、まずは確立済みのツールから検討したい場合はそちらを参考にしてください。
- 実在のゲームエンジン(UE5.7)ベースで、単純な演算ループでは見えにくいVRAM周りの不安定さを検出しやすい
- DLSSなどのアップスケーリング有効時とネイティブ解像度の結果を分けて記録し、数字のかさ上げを避けやすい設計
- オンラインデータベースで自分の結果を他ユーザーの環境と比較できる
- 日本語には対応しておらず、インターフェース・音声・字幕はすべて英語
- Steamのレビュー数がまだ少なく、評価スコアとしては定まっていない
- 早期アクセス中のソフトで、正式版では機能追加とともに価格が約30%上がる予定
おすすめVRAM容量に不安があるなら16GBモデルへ
NukeMarkのPandoraシーンで問われているのはあくまで極端な合成負荷ですが、これから購入するGPUのVRAM容量を8GBで妥協せず16GB以上にしておけば、実際のゲームでのVRAM不足に対する余裕は大きく変わります。予算に応じて選べる2枚を紹介します。
まとめまとめ|NukeMarkの数字は「壊れかけている」証拠ではない
NukeMarkの「RTX 5090でも15〜20fps」という数字は、GPUの性能が落ちたことを示すものではなく、現実のゲームでは組まない密度の負荷をUnreal Engine 5.7上で意図的に作り出した結果です。Pandoraシーンが掲げる4Kで12〜15GB以上というVRAM負荷も、当サイトが検証してきた4K重量級タイトルの目安(最低12GB・快適16GB)と比べれば、極端に飛び抜けた数字ではありません。
ただし、実際のゲームがそのままこの水準のVRAMを要求しているわけではない点は誤解しないでください。NukeMarkはあくまでGPUの限界・オーバークロックの安定性・VRAM容量の天井を洗い出すための合成負荷であり、快適に遊べるかどうかを測るベンチマークではありません。オーバークロックの検証やVRAM容量選びの参考にしたい人には有用ですが、無料ツールで十分な人まで無理に導入する必要はないでしょう。
NukeMarkは、実在のゲームエンジンを使いながら現実のゲームより過酷な負荷を積み上げる、割り切った設計のベンチマークです。VRAM 12〜15GB以上という数字に驚く前に、それが何を測ろうとしているのか、そして自分のGPUに本当に必要なVRAM容量がどれくらいかを、実際のゲームの実測データと合わせて確認することをおすすめします。





