RTX 5060 vs RX 9060 XT どっちが買い|1.1万円差でAMDが8勝1分、BTOなら差は7%【2026年9月】

(更新: 2026.9.12)
RTX 5060 vs RX 9060 XT どっちが買い|1.1万円差でAMDが8勝1分、BTOなら差は7%【2026年9月】

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グラフィックボード / GPU比較 / 2026年9月更新
RTX 5060 vs RX 9060 XT
1080p 9タイトル実測と、BTOまで含めた価格差で判断する
1080pの9タイトル実測では、RX 9060 XTが8勝1分でRTX 5060を上回ります。ただしこれはアップスケーラーを切った状態での結果で、DLSSとFSRを同条件で入れると4勝1敗・差は11%まで縮みます。加えてRX 9060 XT 16GBはMSRPで半階級上の製品です。VRAMも16GB対8GBで2倍です。ただし価格の前提が動きました。2026年3月に3,000円だった両者の差は、2026年9月12日時点で11,010円まで開いています。fps単価で見ると両者はほぼ互角になり、「コスパだからAMD」とは言いにくくなりました。
1080p 9タイトルで8勝1分価格差 11,010円(3.7倍に拡大)VRAM 16GB 対 8GB

価格は価格.com「Radeon RX 9060 XT搭載ビデオカード」一覧同「GeForce RTX 5060」一覧で2026年9月12日に確認した最安値です。スペックはNVIDIA公式のGeForce RTX 50シリーズ比較表AMD公式「Radeon RX 9060 XT」製品ページ、MSRPはAMD公式プレスリリース(2025年5月20日)によります。レイトレーシングの比較はTom’s Hardware「AMD Radeon RX 9060 XT 16GB review」のレイトレーシング検証ページによります。その他のfpsは2026年3月に当サイトが実測した値で、今回の更新では再計測していません。価格は変動するため、購入前にリンク先で確認してください。

「同価格帯のNVIDIAとAMDならNVIDIA優位」という通念が、このクラスでは通じません。1080pの9タイトル中8タイトルでRX 9060 XTが勝ち、VRAMも2倍(16GB対8GB)です。ただしこの勝敗はアップスケーラーを切ったネイティブでの話で、DLSSとFSRを同条件で有効にすると4勝1敗まで詰まります

ただし価格の前提が動きました。2026年3月に3,000円だった両者の差は、2026年9月12日時点で11,010円まで開いています。fps単価に直すと18.2対18.9で、コスパはほぼ互角です。

「そもそもRX 9060 XTのほうが上位モデルでは?」という疑問にも先に答えます。MSRPで並ぶのはRTX 5060とRX 9060 XTの8GB版で、ここで比較する16GB版は半階級上です。それでもこの2枚を並べる意味と、階級を揃えたときの結論まで示します。RTX 5060の切り札であるDLSS 4.5のマルチフレーム生成がどこまで効くのか、1440pに上げたときVRAM 8GBで何が起きるのかも、あわせて確認してください。

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1080p ラスタ性能AMD +20%ネイティブ9タイトル・8勝1分
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VRAM16GB 対 8GB1440pで差が表面化
3
価格差11,010円2026年3月は3,000円だった
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fps単価ほぼ互角18.2 対 18.9 fps/万円
先に結論、予算に余裕があるならRX 9060 XTの16GB版を選んでください

1080pのネイティブ実測ではRX 9060 XTが9タイトル中8勝1分で、平均20%上回ります。アップスケーラーを同条件で入れると4勝1敗・差11%まで縮み、価格差11,010円を踏まえるとfps単価では両者ほぼ互角です。それでも予算を出せるなら16GB版を勧めます。1440p Ultraでは重量級タイトルが12GBを超えるVRAMを要求し、8GBでは足りない場面がすでに存在するためです。レイトレーシングでもRX 9060 XTが全解像度で上回りますが、これはRT性能ではなくVRAMの差によるものです。アップスケーリングを使っても要求量はさほど減らないので、後から設定で逃げ切れません。予算が足りない場合の次善策がRX 9060 XTの8GB版で、RTX 5060より安く、しかも速いという関係になります。

スペック2機種のスペックと現在の実売価格

両モデルはメモリバス幅が同じ128-bitですが、VRAMの容量と種類(GDDR7対GDDR6)、コア数と消費電力が異なります。

比較項目RTX 5060RX 9060 XT
アーキテクチャBlackwell(GB206-150)RDNA 4(Navi 44)
シェーダー数3,840 CUDAコア2,048 SP(32 CU)
VRAM容量8GB GDDR716GB GDDR6
メモリバス幅128-bit128-bit+32MB Infinity Cache
メモリ帯域幅448 GB/s320 GB/s
TDP145W160W
推奨電源550W450W
アップスケーリングDLSS 4.5/MFG対応FSR 4(RDNA 4専用)
実売最安
2026年9月12日
64,790円〜75,800円〜
参考:2026年3月時点約54,800円〜約57,980円〜

RTX 5060のシェーダー数はRX 9060 XTの約2倍ですが、アーキテクチャの世代が違うため単純比較はできません。実ゲームでの差は次章のベンチマークで確認してください。

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GDDR7 vs GDDR6——「速くて少ない」か「遅くて多い」か

RTX 5060のGDDR7は1本あたりの転送速度が高速で、8GBでも448 GB/sの帯域幅を確保します。対するRX 9060 XTのGDDR6は320 GB/sで、帯域だけを見ればNVIDIAが40%上回ります。その差をAMDは32MBのInfinity Cacheで埋める設計です。NVIDIAは「速くて少ない」GDDR7、AMDは「遅くて多い」GDDR6という、はっきりした設計思想の違いがあります。ただしVRAMが溢れた瞬間、帯域幅の優位は意味を失います。8GBで足りている限りRTX 5060の帯域が効き、足りなくなった時点でRX 9060 XTの容量が効く、という住み分けです。

前提そもそも同格の比較なのか

先に断っておくべきことがあります。RX 9060 XT 16GBは、メーカー希望価格で見るとRTX 5060より半階級上の製品です。実測で勝っているのは、ある程度当然の結果でもあります。

モデル発表時のMSRP / SEP2026年9月12日の実売最安
RTX 5060(8GB)299ドル64,790円
RX 9060 XT 8GB
MSRPが並ぶ真の同格
299ドル56,364円
RX 9060 XT 16GB
本記事の比較対象
349ドル75,800円
RTX 5060 Ti 8GB379ドル73,980円
RTX 5060 Ti 16GB429ドル99,980円

MSRPで並ぶのはRTX 5060(299ドル)とRX 9060 XTの8GB版(299ドル)です。ここで比較している16GB版は349ドルで、RTX 5060とRTX 5060 Ti 8GB(379ドル)のあいだに位置します。階級が違うものを並べて「勝った」と言っているのではないか、という指摘はもっともです

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それでもこの2枚を並べる意味

RX 9060 XT 16GBが、VRAM 16GBを最も安く手に入れる手段だからです。16GBを積む次の選択肢はRTX 5060 Ti 16GBで、そこまで行くと99,980円と2.4万円上がります。「予算を抑えたまま16GBに届くか、届かないなら同じ予算でRTX 5060か」という分岐は、多くの人が実際に直面する場面です。純粋に同じ予算で並ぶ2枚を知りたい場合は、RTX 5060とRX 9060 XTの8GB版のほうが正しい組み合わせになります

MSRPが並ぶ組み合わせで比べると、結論はもっとはっきりする

RX 9060 XTの8GB版は、16GB版とGPUコアが同じです。コンピュートユニット32基・ストリームプロセッサ2,048基・ブースト3,130MHzまで共通で、違うのはVRAM容量とTBP(150W対160W)だけです。8GBで足りる1080pの範囲なら、16GB版とほぼ同じfpsが出ます

そのうえで実売価格を並べると、RX 9060 XT 8GBは56,364円で、RTX 5060の64,790円より8,426円安いという関係になります。8GB版と16GB版の使い分けはRX 9060 XT 16GBレビューに整理しました。同じMSRPで登場した2枚が、いまはAMDのほうが安く、しかも速いという状態です。階級を揃えて比べるほど、AMD優位はむしろ鮮明になります。

階級を揃えるなら、比較の組み合わせは2通りです

予算を揃えるなら、RTX 5060(64,790円)対 RX 9060 XT 8GB(56,364円)。AMDが8,426円安く、ラスタ性能でも上回ります。VRAM 16GB同士で揃えるなら、RX 9060 XT 16GB(75,800円)の相手はRTX 5060ではなくRTX 5060 Ti 16GB(99,980円)です。本記事はその中間にある「16GBを最も安く買う手段としてのRX 9060 XT 16GB」と「同じ予算のRTX 5060」を並べたもの、という位置づけで読んでください。

1080p実測9タイトルでRX 9060 XTが8勝1分

DLSS / FSR OFF、ネイティブ解像度での純粋なラスタライズ性能比較です。まず9タイトルの平均から確認します。

9タイトル平均(1080p ネイティブ)fps
RTX 5060
118
RX 9060 XT
143
120fps以上100〜119fps横軸は最大200fps

RX 9060 XTが平均20%リードしています。CUDAコア数はRTX 5060が多いものの、RDNA 4の高クロック設計(3,130 MHz)とInfinity Cacheが差を生んでいます。タイトル別の内訳は次のとおりです。FF14は131対130で数値上はRX 9060 XTが上ですが、差が1fpsと計測誤差の範囲なので引き分け扱いにしています

タイトルRTX 5060RX 9060 XT差分
ゴースト・オブ・ツシマ
1080p Ultra
47 fps77 fpsRX +64%
フォルツァ ホライゾン 5
1080p Extreme
106 fps158 fpsRX +49%
バイオハザード レクイエム
1080p Max・RT Off
78 fps92 fpsRX +18%
モンスターハンターワイルズ
1080p High
46 fps54 fpsRX +17%
サイバーパンク 2077
1080p Ultra・RT Off
90 fps98 fpsRX +9%
黒神話:悟空
1080p High
58 fps61 fpsRX +5%
Apex Legends
1080p 競技設定
172 fps218 fpsRX +27%
VALORANT
1080p 競技設定
342 fps398 fpsRX +16%
FF14 黄金のレガシー
1080p 最高品質
130 fps131 fps引き分け
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「CUDAコア数が多いNVIDIAが性能で勝る」は1080pでは成立しません

RTX 5060は3,840コアでRX 9060 XT(2,048コア)の約2倍のコア数を持ちます。それでも負けるのは、RDNA 4でコア当たりの演算効率が前世代比で大きく改善されたためです。加えて3,130 MHzという高クロックと32MB Infinity Cacheが、コア数の差を覆しています。

MFGDLSS 4.5のマルチフレーム生成はどこまで効くか

RTX 5060最大の切り札がDLSS 4.5のマルチフレーム生成です。超解像と組み合わせると、ネイティブの3倍以上のfpsが得られます。一方RX 9060 XTのFSR 4は画質面でFSR 3.xから大きく改善しましたが、フレーム生成はシングル補間にとどまります。

タイトルRTX 5060
ネイティブ
RTX 5060
DLSS SR Quality
RTX 5060
+MFG 3×
RX 9060 XT
FSR 4 Quality
サイバーパンク 207790 fps112 fps336 fps118 fps
モンスターハンターワイルズ46 fps72 fps216 fps82 fps
黒神話:悟空58 fps80 fps240 fps78 fps
バイオハザード レクイエム78 fps104 fps312 fps112 fps
Apex Legends172 fps218 fps654 fps262 fps

アップスケーラーON同士で比べると、差は半分近くまで縮む

上の表には重要な読み方があります。本記事の「8勝1分」はアップスケーラーを切ったネイティブでの結果で、実際には多くの人がDLSSやFSRを有効にして遊びます。そこで、フレーム生成を含まないDLSS SR Quality 対 FSR 4 Qualityという同条件で並べ直しました。

タイトルRTX 5060
DLSS SR Quality
RX 9060 XT
FSR 4 Quality
差分
Apex Legends218 fps262 fpsRX +20%
モンスターハンターワイルズ72 fps82 fpsRX +14%
バイオハザード レクイエム104 fps112 fpsRX +8%
サイバーパンク 2077112 fps118 fpsRX +5%
黒神話:悟空80 fps78 fpsRTX +3%

結果はAMDの4勝1敗です。平均でもRX 9060 XTが11.3%上回りますが、同じ5タイトルのネイティブ比が17.8%だったことを考えると、優位はおよそ3分の2に縮みます。黒神話:悟空にいたっては順位が入れ替わります。

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なぜアップスケーラーを入れると差が縮むのか

アップスケーリングは内部解像度を下げて描画するため、GPUの生の演算力より、その先の処理効率やメモリ帯域が効きやすくなります。RTX 5060はGDDR7で448GB/sとRX 9060 XTの320GB/sを40%上回るので、負荷が軽くなるほどNVIDIA側が有利に働きます。ネイティブで20%あった差が11%まで縮むのはこのためです。ただし内部解像度が下がってもVRAMの要求量はさほど減らないため、1440pで8GBが足りない場面はアップスケーラーでは救えません

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競技ゲームへのマルチフレーム生成の適用は勧められません

マルチフレーム生成は最大で数十ミリ秒の入力遅延を追加します。Apex LegendsやVALORANTのように反応速度が結果に直結するゲームでは、表示上のfpsが増えても操作感は悪化します。Apexの場合、RTX 5060のネイティブ172fpsより、RX 9060 XTのネイティブ218fpsのほうが体感で有利です。マルチフレーム生成は、シングルプレイヤーのグラフィック重視タイトルで使うものと考えてください。

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逆転は「有効」だが「万能」ではありません

シングルプレイヤーのグラフィック重視タイトルでは、RTX 5060とマルチフレーム生成の組み合わせは圧倒的です。しかし競技系FPSや遅延に敏感なゲームでは、ネイティブ性能が20%高いRX 9060 XTのほうが実際の体験は上になります。遊ぶゲームのジャンルで結論が変わるので、自分のプレイ時間がどちらに寄っているかで判断してください。

VRAM1440pに上げると8GBの壁が出る

1080pではVRAMの差があまり出ませんが、1440pに上げると状況が変わります。とくにモンスターハンターワイルズのようなVRAM消費の大きいタイトルで、8GBの限界がはっきり現れます。

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RTX 50608GBGDDR7 / 448 GB/s・1440p高負荷で不足
2
RX 9060 XT16GBGDDR6 / 320 GB/s+32MB Cache

解像度ごとのVRAM使用量を並べると、どこで足りなくなるのかが見えてきます。

解像度・設定VRAM使用量RTX 5060(8GB)RX 9060 XT(16GB)
1080p 高設定約4.5GB余裕あり余裕あり
1080p Ultra約5.5GB余裕あり余裕あり
1440p 高設定約6.8GBギリギリ余裕あり
1440p Ultra
モンハンワイルズ
約12.4GBオーバー吸収できる

RTX 5060は1440p Ultraでテクスチャ縮退やfpsスパイクが発生します。RX 9060 XTは同じ条件でも使用率が5割前後にとどまり、モンハンワイルズの12GB超えも余裕で吸収します。

1440p ネイティブ性能(DLSS / FSR OFF)

タイトルRTX 5060RX 9060 XT差分
ゴースト・オブ・ツシマ
Ultra
32 fps60 fpsRX +88%
モンスターハンターワイルズ
High
28 fps48 fpsRX +71%
サイバーパンク 2077
Ultra
52 fps64 fpsRX +23%
黒神話:悟空
High
38 fps46 fpsRX +21%
FF14 黄金のレガシー
最高品質
88 fps98 fpsRX +11%

モンスターハンターワイルズの1440pはVRAMを約12.4GB消費します。RTX 5060の8GBを大きく超えるためVRAM溢れが起き、fpsが激しく落ち込みます。これは容量が足りない限りどのモデルでも起きる構造的な問題で、RTX 5060の8GBは2026年に足りるのかでも同じ現象を扱いました。

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1440pも視野に入れるならRX 9060 XTです

マルチフレーム生成で1440pの低fpsを補えると思うかもしれませんが、マルチフレーム生成はベースのfpsが最低でも60fps程度ないと実用になりません。8GBのVRAMが律速になるタイトルでは、そのベースfpsすら確保できない状況が起こります。1440pでの快適さを求めるなら、VRAM 16GBを積むRX 9060 XTが確実な選択です。

レイトレレイトレーシングでもRX 9060 XTが上回る

「ラスタライズはAMD、レイトレーシングはNVIDIA」というのが一般的な理解です。ところがこの2枚に限っては、レイトレーシングでもRX 9060 XTが勝ちます

設定RX 9060 XT 16GB の優位備考
1080p Medium+6%VRAMがまだ効かない領域で小差
1080p Ultra+12%設定を上げると差が開き始める
1440p+29%8GBが足りなくなる領域
4K+60%実用外だが差の傾向は明確

レイトレーシング専用の検証スイートでも、RTX 5060 8GBに対してRX 9060 XT 16GBが全解像度で上回り、「勝負にならない」と評されています。

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勝因はRT性能そのものではなくVRAMです

誤解しないでほしいのは、RDNA 4のレイトレ性能がBlackwellを上回ったわけではないことです。同じ検証では、RX 9060 XT 16GBはRTX 5060 Ti 16GBに対しては一貫して10〜11%負けています。RTX 5060に勝てるのは、Cyberpunk 2077のようなRT重量級が1440p以上で8GBを超えるVRAMを要求し、RTX 5060側がVRAM不足で崩れるからです。レイトレーシングを使うほど、VRAM 8GBの制約が前に出てくるという構図になります。

なおRDNA 4世代でAMDのレイトレ性能は大きく改善しています。RX 9060 XTはレイアクセラレータを32基しか持たないにもかかわらず、54基を積む前世代のRX 7700 XTを5〜15%上回りました。「AMDはレイトレが弱いから避ける」という前提は、この世代では見直す時期に来ています

コスパ1.1万円の価格差に何が含まれているか

2026年9月12日時点の価格.com最安は、RTX 5060が64,790円、RX 9060 XT 16GBが75,800円です。価格差は11,010円で、2026年3月の3,000円から3.7倍に開きました。fps単価に直すと次のようになります。

1万円あたりのfps(1080p 9タイトル平均)fps/万円
RTX 5060
118fps ÷ 6.479万円
18.2
RX 9060 XT
143fps ÷ 7.58万円
18.9

差は3.8%まで縮み、コスパはほぼ互角になりました。価格差が3,000円だった頃はRX 9060 XTが明確に有利でしたが、その優位は値上がりで失われています。値上がりの経緯はRX 9060 XT 16GBの価格推移で、底値52,800円からの推移として追いました。

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1.1万円で得られるものと、見落とされがちな第3の選択肢

11,010円に含まれているのは、性能+20%・VRAM+8GB(2倍)・1440p安定動作・将来のVRAM圧迫リスクの軽減です。ただしfps単価では互角なので、「コスパが良いから」という理由だけでRX 9060 XTを選ぶ根拠は薄くなりました。ここで見落とされがちなのがRX 9060 XTの8GB版です。最安56,364円で、RTX 5060より8,426円安いうえにラスタ性能は上回ります。1080p中心で1440pへ移行する予定がないなら、この構成が価格と性能のバランスでは最も有利です。VRAM容量の考え方は8GB版と16GB版のどちらを選ぶかで整理しました。

それでも予算を出せるなら16GB版を勧める理由

fps単価が互角である以上、16GB版を勧める根拠は「速いから」ではありません。VRAMだけが後から足せないパーツだからです。解像度も設定も後で下げられますが、容量は増やせません。本記事の実測でも、1440p Ultraのモンスターハンターワイルズは約12.4GBを要求し、8GBでは溢れます。アップスケーリングを入れても内部解像度が下がるだけでVRAM要求はさほど減らないため、設定で逃げ切ることもできません。RX 9060 XT 16GBは75,800円で、16GBを積む次の選択肢であるRTX 5060 Ti 16GB(99,980円)より2.4万円安く、16GBに到達する最も安い手段でもあります。予算が届くなら、ここで16GBを押さえておくのが結果的に長く使える選び方です。

コスパ枠予算を抑えたまま得をする2つの買い方

ここまで「予算に余裕があるなら16GB版」と書いてきましたが、その「余裕」が思ったより小さくて済む買い方があります。GPU単体で買う場合とBTOで買う場合で、それぞれ1つずつ挙げます。

GPU単体なら、RX 9060 XT 8GBがRTX 5060より安くて速い

MSRPが同じ299ドルで登場した2枚の、現在の実売を並べ直します。

項目RTX 5060 8GBRX 9060 XT 8GB
実売最安64,790円56,364円
MSRP299ドル299ドル
1080p ラスタ性能基準平均20%上
GPUコア3,840 CUDAコア16GB版と同一(32CU/2,048SP)

8,426円安いうえに、1080pのラスタ性能では上回ります。8GB版は16GB版とGPUコアが同じなので、VRAMが足りている範囲では16GB版とほぼ同じfpsが出ます。1080pで完結すると決めているなら、これが最も無駄のない選び方です。ただし1440pへ移る予定があるなら、VRAMで詰まるのでここは選ばないでください。

BTOなら、16GBへの上乗せが2,000円で済む構成がある

意外なのはこちらです。GPU単体では11,010円ある差が、エントリー構成のBTOでは2,000円まで縮みます。MDLの同一構成2台で比べたものです。

構成RTX 5060 搭載機RX 9060 XT 16GB 搭載機
Ryzen 5 5500 構成
エントリー
187,800円189,800円
差額2,000円
Ryzen 7 5700X 構成
上位
197,800円211,800円
差額14,000円
GPU単体で買う場合64,790円75,800円
差額11,010円

どちらもMDL_B003ケース・16GBメモリ・500GB SSD・650W 80PLUS BRONZE・Windows標準で、違うのはGPUだけです。Ryzen 5 5500の構成に限っては、16GBへの上乗せが2,000円で済みます。上位の5700X構成では14,000円に開くので、この価格関係は構成によって変わります。

「予算に余裕があるなら16GB」の余裕は、2,000円で足りることがあります

一式で買うつもりなら、エントリー構成でVRAM 16GBに届く2,000円は、ほぼ迷う必要のない金額です。CPUをRyzen 5 5500からRyzen 7 5700Xに上げると差額が14,000円に広がるので、先にGPUを16GBで確定させ、CPUは予算の残りで決めるという順序のほうが後悔しにくくなります。ただしBTOの価格は構成と時期で動くため、購入前にリンク先で現在の差額を確認してください。

上の表で挙げた2つの構成は、いずれも実際に購入できます。差額2,000円のエントリー構成と、CPUを1段上げたRyzen 7 5700X構成の両方を並べておきます。

GPU以外は同一構成のBTO 2台

MDL_B003 Ryzen 7 5700X × RTX 5060(16GB / 500GB / 650W)
NVIDIA構成|GPU以外は右の1台と完全同一MDL_B003 Ryzen 7 5700X × RTX 5060(16GB / 500GB / 650W)ケース・CPU・メモリ・SSD・電源まで、右のRX 9060 XT機と完全に同じ構成です。違うのはGPUだけなので、2機種の差額がそのままGPUの差額として読めます。Ryzen 7 5700X・16GBメモリ・500GB SSD・650W 80PLUS電源・Windows標準。DLSS 4.5のマルチフレーム生成を使いたいならこちらです197,800円税込/2026年9月19日時点・変動ありMDL公式で詳細を見る
MDL_B003 Ryzen 7 5700X × RX 9060 XT 16GB(16GB / 500GB / 650W)
AMD構成|VRAM 16GBで1440pまでMDL_B003 Ryzen 7 5700X × RX 9060 XT 16GB(16GB / 500GB / 650W)左のRTX 5060機とGPU以外はすべて同じ構成です。VRAMが8GBから16GBへ倍増し、1440pでのVRAM不足リスクを消せます。本記事の実測どおり1080pのラスタ性能でも平均20%上回ります。Ryzen 7 5700X・16GBメモリ・500GB SSD・650W 80PLUS電源・Windows標準211,800円税込/2026年9月12日時点・変動ありMDL公式で詳細を見る

※価格・構成は変動します。最新情報は各BTOショップ公式ページでご確認ください。

BTOの比較はモデル数が多いため、RX 9060 XT 16GB搭載ゲーミングPC おすすめBTO 6選で6モデルを価格・保証つきで比較しました。予算帯から先に決めたい場合はゲーミングPC おすすめランキングもあわせて参考にしてください。

コスパで選ぶ2つの答え

GIGABYTE Radeon RX 9060 XT GAMING OC 8GB グラフィックボード
GPU単体|1080p固定ならこれが最安GIGABYTE Radeon RX 9060 XT GAMING OC 8GB(GV-R9060XTGAMING OC-8GD)RTX 5060より8,426円安く、1080pのラスタ性能では平均20%上回ります。16GB版とGPUコアが同一なので、VRAMが足りている範囲では16GB版とほぼ同じfpsが出ます。1440pへ移る予定がないと決めているなら、最も無駄のない選び方ですAmazonで価格を見る
MDL_B003 Ryzen 5 5500 × RX 9060 XT 16GB ゲーミングPC
BTO|16GBへの上乗せが2,000円MDL_B003 Ryzen 5 5500 × RX 9060 XT 16GB(16GB / 500GB / 650W)同じケース・同じCPUのRTX 5060機との差が、わずか2,000円という構成です。GPU単体なら11,010円ある差が、エントリー構成のBTOではここまで縮みます。一式で買うなら、この2,000円でVRAM 16GBを確保しておくのが合理的です189,800円税込/2026年9月19日時点・変動ありMDL公式で詳細を見る

※価格・在庫・構成は変動します。最新情報は各商品ページでご確認ください。

結論結局どちらを選ぶべきか

価格が動いたことを踏まえ、2026年9月時点での判断基準を整理します。

RX 9060 XT が正解の人
  • 予算に余裕があるなら、まず16GB版を検討してほしい(1440pとVRAMの余裕を同時に確保できる)
  • 1440pも視野に入れている、または将来移行したい
  • VRAM不足のリスクを将来まで消しておきたい
  • ラスタ性能重視で競技系FPSを多く遊ぶ
  • 予算が届かない場合は8GB版が次善策(RTX 5060より安く、しかも速い)
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RTX 5060 が正解の人
  • シングルプレイヤーでマルチフレーム生成を積極的に使いたい
  • 1080p専用で、今後も1440pに移行しない
  • NVENCでの配信・録画やReflexにこだわりがある
  • 初期投資を1円でも抑えたい

それぞれの単体レビューはRTX 5060 性能レビューRX 9060 XT 16GBレビューにまとめてあります。上位のRTX 5060 Tiとの比較はRTX 5060 Ti vs RX 9060 XTを参照してください。

製品主役の2枚をどう選び分けるか

本記事が比べてきたRTX 5060とRX 9060 XT 16GBの2枚です。各モデルの実勢価格はスペック表コスパ比較に価格.com基準でまとめてあります。ここでは価格ではなく、どの使い方にどれが向くかで整理します。予算を抑えたい場合の別解はコスパ枠にまとめました。販売価格は変動するため、購入前にリンク先で確認してください。

主役の2枚

MSI GeForce RTX 5060 8G VENTUS 2X OC(VD9187・8GB・デュアルファン)
NVIDIA|DLSS 4.5 MFG目当てならMSI GeForce RTX 5060 8G VENTUS 2X OC(VD9187・8GB・デュアルファン)RTX 5060で最も流通量の多い標準グレードです。2連ファンでカード長を抑えており、設置の自由度は高めです。本記事の9タイトル中8タイトルでRX 9060 XTに負けているのは事実ですが、DLSS 4.5のマルチフレーム生成とNVENC・Reflexを取るならこちらになりますAmazonで価格を見る
ASUS PRIME-RX9060XT-O16G グラフィックボード
AMD 16GB|1440pまで見据えるならASUS PRIME Radeon RX 9060 XT OC 16GB(PRIME-RX9060XT-O16G)VRAM 16GBで1440pのVRAM不足リスクを消せる構成です。ラスタ性能はRTX 5060を平均20%上回ります。差額を払う理由は「コスパ」ではなく「1440pとVRAMの余裕」だと考えてください。装飾を抑えた3連ファンでケースを選びませんAmazonで価格を見る

※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。

FAQよくある質問

RX 9060 XTのほうが上位モデルだから勝って当たり前では?
その指摘は正しく、MSRPではRX 9060 XT 16GB(349ドル)がRTX 5060(299ドル)より半階級上です。MSRPで並ぶのはRTX 5060とRX 9060 XTの8GB版(ともに299ドル)になります。ここで16GB版を並べているのは、VRAM 16GBを最も安く手に入れる手段がRX 9060 XT 16GBだからです。階級を揃えて比べるとAMD優位はむしろ鮮明で、RX 9060 XT 8GBは56,364円とRTX 5060の64,790円より8,426円安く、GPUコアは16GB版と同一のためラスタ性能でも上回ります。
RTX 5060とRX 9060 XT、結局どっちが買いですか
予算に余裕があるならRX 9060 XTの16GB版、届かないなら8GB版が答えです。1080pの9タイトル実測でRX 9060 XTが8勝1分、平均20%上回ります。RTX 5060を選ぶ理由は、DLSS 4.5のマルチフレーム生成か、NVENCでの配信・Reflexに価値を見いだす場合に絞られます。
コスパを最優先するならどれを選ぶべきですか
1080p固定ならRX 9060 XTの8GB版、一式で買うならエントリー構成のBTOです。8GB版は56,364円でRTX 5060の64,790円より8,426円安く、1080pのラスタ性能では平均20%上回ります。一式で買う場合は、同じCPU・同じケースでGPUだけ違うMDLのRyzen 5 5500構成が187,800円対189,800円と2,000円差なので、ここでは16GB版を選んでおくのがほぼ迷う必要のない判断になります。
価格差1.1万円を払う価値はありますか
fps単価では18.2対18.9とほぼ互角なので、「コスパが良いから」という理由では正当化できません。11,010円で買えるのは性能20%分ではなく、VRAM 8GBぶんの余裕と1440pでの安定動作です。1080pで完結するなら、その差額はメモリ32GB化やSSD増設に回したほうが体感は上がります。
レイトレーシングを使うならRTX 5060のほうが有利ですか
この2枚に限っては逆で、RX 9060 XTが全解像度で上回ります。レイトレーシング専用の検証スイートでは、RTX 5060 8GBに対してRX 9060 XT 16GBが1080p Mediumで6%、1080p Ultraで12%、1440pで29%、4Kで60%上回りました。ただしRT性能そのものが勝っているわけではありません。同じ検証でRTX 5060 Ti 16GBには一貫して10〜11%負けており、RTX 5060に勝てるのはRT重量級タイトルが1440p以上で8GBを超えるVRAMを要求し、RTX 5060側が崩れるためです。
DLSSやFSRを入れても結果は同じですか
いいえ、差は縮みます。ネイティブでの8勝1分は、DLSS SR QualityとFSR 4 Qualityを同条件で入れると4勝1敗・平均11.3%差まで詰まります(同じ5タイトルのネイティブ比は17.8%)。黒神話:悟空は順位が入れ替わります。アップスケーリングで内部解像度が下がるとメモリ帯域の差が効きやすくなり、448GB/sのRTX 5060が有利になるためです。ただしVRAM要求量はさほど減らないので、1440pで8GBが足りない問題はアップスケーラーでは解決しません
RTX 5060の8GBで足りますか
1080pなら足ります。1440pに上げると足りなくなります。1080p Ultraで約5.5GB、1440p高設定で約6.8GBとギリギリになり、モンスターハンターワイルズの1440p Ultraでは約12.4GBを要求してVRAMが溢れます。溢れた時点でテクスチャ縮退とfpsスパイクが起き、GDDR7の帯域幅448GB/sという優位も意味を失います。
DLSS 4.5のマルチフレーム生成はどこまで実用的ですか
シングルプレイヤーのグラフィック重視タイトルでは非常に有効ですが、競技系FPSには勧められません。最大で数十ミリ秒の入力遅延が乗るためです。Apex Legendsの場合、RTX 5060のネイティブ172fpsより、RX 9060 XTのネイティブ218fpsのほうが操作感で有利になります。またベースのfpsが60fps程度ないと実用にならないため、VRAMが律速する場面では機能しません。
1440pで遊ぶならどちらを選ぶべきですか
RX 9060 XTの16GB版です。1440pネイティブの実測では、ゴースト・オブ・ツシマで+88%、モンスターハンターワイルズで+71%と差が広がります。これは純粋な性能差ではなく、RTX 5060側がVRAM不足でfpsを落としているぶんが含まれた数字です。マルチフレーム生成でも埋められません。
GPU単体で買うのとBTOで買うのは、どちらが得ですか
判断のしやすさで言えばBTOです。GPU単体の差額は11,010円で、64,790円に対して17%増になります。一方、ケースもCPUも同じでGPUだけ違うBTO 2台で比べると本体価格差は14,000円で、20万円前後の総額に対して7%程度にとどまります。金額は増えますが、割合としては小さく見えるぶん16GBを選びやすくなります。
まとめ

1080pの9タイトル実測では、RX 9060 XTが8勝1分でRTX 5060を上回り、平均で20%リードします。VRAMも16GB対8GBで2倍あり、1440pに上げるとその差がfpsに直接表れます。ここは2026年3月の計測時から変わっていません。

動いたのは価格です。2026年3月に3,000円だった差は、2026年9月12日時点で11,010円まで広がりました。fps単価は18.2対18.9でほぼ互角になり、「コスパが良いからAMD」という説明は成り立たなくなっています。

予算に余裕があるならRX 9060 XTの16GB版を、届かないなら8GB版を選ぶのが現実的な答えです。16GBを勧める理由は性能差ではなくVRAMの余裕で、1440p Ultraが12GBを超える現状では8GBが足りない場面がすでにあります。予算が優先なら8GB版でよく、RTX 5060より安く、しかも速いという関係になります。RTX 5060を選ぶ正当化は、DLSS 4.5のマルチフレーム生成か、NVENC・Reflexといった機能に価値を見いだす場合に絞られます。

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