『NTE(Neverness to Everness)』世界累計流水20億元突破|完美世界は赤字でも運営縮小の心配はない理由
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完美世界は上半期1.18億元の赤字でも、運営縮小を心配する必要はない
出典:完美世界股份有限公司「投资者关系活动记录表」編号2026-002(cninfo.com.cn、2026年4月30日公開) / BigGo Finance(完美世界2026年上半期決算・NTE流水20億元、2026年8月19日公開) / BigGo Finance(NTE累計流水14億元、2026年6月30日時点)にもとづきます。人民元の円換算は1元≒23.5円(2026年8月時点の目安)で計算しています。本記事の情報は2026年8月22日時点のものです。
『NTE(Neverness to Everness)』を配信する完美世界(Perfect World)が、2026年8月11日に発表した2026年上半期決算で純損失1.18億元を計上しました。前年同期は5.03億元の黒字だったため、123.54%の減益という大きな数字が並びます。同じタイミングでNTEの世界累計流水は20億元を突破しており、「稼いでいるはずなのになぜ赤字なのか」と困惑したプレイヤーも少なくないはずです。
結論から言うと、赤字の正体はNTEを世界同時展開するためのマーケティング費用を先行して計上した会計上のタイミングのずれであり、NTE自体の不振を示すものではありません。営業キャッシュフローは黒字を維持したまま前年同期比28.89%増、海外売上高は178.11%増と、経営の実態を映す数字はむしろ好転しています。
この記事では、完美世界の投資者関係活動記録表や決算報道の一次情報にもとづき、流水20億元がどのようなペースで積み上がったのか、赤字の会計上の理由、そしてNTEプレイヤーが運営継続やアップデートの継続を心配すべきかどうかまで、判断材料を整理します。
目次
要点NTEは絶好調、赤字の正体は会計上のタイミングのずれ
完美世界の2026年上半期決算が1.18億元の赤字に転落した主因は、NTEを180以上の国と地域へ同時展開するための販売費(マーケティング・宣伝費)が前年同期比213%増の10.32億元に膨らんだことです。新作ゲームは公測初期に販促費を一括計上する一方、プレイヤーの課金流水は利用期間にわたって分割計上されるため、収益と費用にタイムラグが生じる構造上の問題であり、NTE自体の不振ではありません。営業キャッシュフローは前年同期比28.89%増、海外売上高は178.11%増、売上総利益率も69.71%(前年同期比13.03ポイント上昇)と、経営の実態を示す数字はむしろ改善しています。NTEは2026年8月18日時点で世界累計流水20億元を突破し、Ver.1.3のような大型アップデートも通常どおり配信されており、プレイヤーが運営縮小を心配する材料は見当たりません。
流水20億元サービス開始から117日でどこまで伸びたか
『NTE』は2026年4月23日に中国本土でPC・Android・iOS・Mac・HarmonyOS・PlayStation 5の全プラットフォーム同時にサービスを開始し、6日後の4月29日には180以上の国と地域で海外版が始まりました。完美世界が2026年4月30日に公開した投資者関係活動記録表(編号2026-002)によると、全世界の初日流水は1億元を超え、初日新規ユーザー数や国内の翌日・3日後・7日後の継続率といった主要指標は、同社の前作であり開発元Hotta Studioの1作目でもある『幻塔(Tower of Fantasy)』の同時期を大幅に上回ったと説明されています。
その後の伸びも一次情報で追えます。BigGo Financeの報道によると、2026年6月30日時点で世界累計流水は14億元を突破し、2026年8月18日時点では20億元を突破しました。これらはいずれも「〜を超えた」という下限値の発表であり、正確な日次の流水は公表されていない点に注意してください。そのうえで単純に計算すると、中国版サービス開始(4月23日)から8月18日までの117日間で20億元を稼いだ計算になり、1日あたり平均は約1,709万元、30日換算で約5.1億元のペースです。直近の6月30日から8月18日までの49日間だけで見ると伸びは6億元、1日あたり平均は約1,224万元、30日換算では約3.7億元とやや落ち着いたペースになります。あくまで累計値の下限からの単純平均であり、実際の日次・月次の流水を示すものではありませんが、サービス開始直後をピークに徐々に落ち着いていくという、新作ゲームによく見られる曲線に沿っている可能性があります。目安として20億元は1元≒23.5円換算で約470億円相当ですが、これはプレイヤーの課金総額(流水)であり、完美世界の会計上の売上高そのものではない点は次の章で説明します。
幻塔との比較完美世界は「同時期を大幅に上回った」と説明
完美世界がNTEの好調さを測る基準にしているのが、Hotta Studioにとって1作目にあたる『幻塔』です。『幻塔』は2021年12月に中国本土でサービスを開始し、初日流水5000万元、サービス開始から1カ月で流水約5億元に達したと当時発表され、完美世界にとって代表的な成功事例のひとつになっていました。
投資者関係活動記録表(編号2026-002)の質疑応答で完美世界は、NTEの全世界初日流水(1億元超)に加え、初日新規ユーザー数、国内の翌日・3日後・7日後の継続率、そして稼働ユーザー数(DAU)の水準のいずれもが『幻塔』の同時期を大幅に上回ったと明言しています。海外の継続率データはまだ出ていない段階としつつも、同社は高い期待を示しています。自社で最大級の実績を持つ既存タイトルを上回るペースで立ち上がったという評価であり、NTEの初動が偶然の数字ではないことがうかがえます。
赤字の理由マーケティング費用が前年同期比213%増の10.32億元に
NTEがこれだけ稼いでいるにもかかわらず、完美世界の2026年上半期(1〜6月)決算は1.18億元の純損失に転落しました。前年同期は5.03億元の黒字だったため、123.54%の減益です。BigGo Financeの報道によると、主因は販売費(マーケティング・宣伝費)の急増で、上半期の販売費は前年同期比213%増の10.32億元に達しています。
興味深いのは四半期ごとの内訳です。完美世界が2026年4月に公開した2026年第1四半期(1〜3月)の報告書では、帰属純利益は1.03億元の黒字でした。上半期合計が1.18億元の赤字ということは、第2四半期(4〜6月)単独ではおよそ2.21億元の赤字を計上した計算になります。NTEの中国版サービス開始は4月23日、海外版は4月29日で、いずれも第2四半期に含まれます。四半期の数字を並べるだけでも、赤字がNTEの世界同時展開に伴う一時的な費用集中と時期的に一致していることが確認できます。
完美世界は投資者関係活動記録表の中で、新作ゲームは公測(正式サービス開始)初期に集中的な販促活動を行うため、関連する市場費用は発生した期に一括で計上する一方、プレイヤーの課金流水はプレイヤーのライフサイクルにわたって分割して収益に計上されるため、収益と費用の間にタイミングのずれが生じやすいと説明しています。つまり、NTEが稼いだ流水20億元は、まだ上半期の売上高に全額反映されておらず、今後の四半期にわたって段階的に収益として計上されていく見込みです。
心配ご無用運営縮小を疑う必要がない4つの根拠
いずれも「今後こうなる見込み」ではなく、決算資料や投資家向け説明で確認できた過去の実績です。赤字という見出しだけを見ると不安になりますが、中身を分解すると経営の土台はむしろ強くなっている決算だったと言えます。
収益構造国内PC約65%・海外PC+PS約75%という異色の内訳
投資者関係活動記録表のQ&Aでは、国内外のiOS向けアプリ内売上ランキングでNTEの順位が目立たない理由についても説明されています。完美世界の回答は明快で、流水貢献ベースで見ると、2026年4月30日時点で国内はPCが約65%、海外はPC+PlayStationが約75%を占めているため、iOS単体のランキングでは実際の稼ぎを反映できていないというものです。同社が2026年6月4日に公開した続報(編号2026-004)では、この時点の比率が国内PC約60%・海外PC+PS約70%とやや下がったことも明かされていますが、それでも大画面端末が主戦場である構図に変わりはありません。
スマートフォン向けタイトルが主流の中国製ゲームとしては珍しい構造です。NTEはもともと大型都市開放世界というジャンル特性上、PC・コンソールでの快適なプレイ体験を重視した設計になっており、GPU別の実際のフレームレートはNTE PC版必要スペックの記事で、価格重視の構成ならRTX 3060実機検証で確認できます。モバイル向けアプリストアの手数料負担が相対的に軽いPC・コンソール中心の収益構造は、販売費が急増した今回の決算でも売上総利益率が改善した一因になっていると見られます。
結局どうするプレイヤーがいま確認しておきたい3点
ここまでの内容を踏まえると、NTEプレイヤーが今すぐ何かを心配して行動する必要はありません。運営継続やアップデートのペースを不安視する材料は、少なくとも今回の決算内容からは見当たりませんでした。そのうえで、これから確認しておくと安心できるポイントを整理します。
- アップデートは通常どおり追ってよい 直近ではVer.1.3「霧月夜に星還りて」が2026年8月19日に配信されたばかりで、開発ペースが落ちている兆候はありません。詳細はVer.1.3配信の記事で確認できます。
- 「赤字」の見出しだけで判断しない 赤字の正体はマーケティング費用の先行計上という会計上のタイミングの問題で、NTE自体の流水や継続率は好調です。
- 次の判断材料は2026年11月頃に見込まれる第3四半期決算 上半期に計上した販売費が今後の四半期でどこまで収益として回収されるか、流水の伸びペースが鈍化するかどうかは、この先の決算発表で確認できます。今回時点で運営縮小を示す情報はありません。
FAQよくある質問
総括赤字決算でもNTEの勢いは止まっていない
完美世界の2026年上半期決算だけを見ると「主力タイトルが好調なのに赤字」という不安を感じるかもしれません。しかし内訳を分解すると、赤字の正体はNTEを180以上の国と地域へ同時展開するために先行計上した販売費であり、NTE自体の流水・継続率・DAUはいずれも前作『幻塔』の同時期を上回るペースで推移しています。
営業キャッシュフローの黒字拡大、海外売上比率の拡大、売上総利益率の改善という3つの経営指標は、いずれも赤字決算の裏でむしろ好転していました。NTEプレイヤーが今回の決算報道を理由に運営継続やアップデートの継続を心配する必要は薄く、次に注目すべきは上半期に計上した販売費が今後の四半期でどこまで収益に転化するかを示す、2026年11月頃に見込まれる第3四半期決算です。
『NTE(Neverness to Everness)』は2026年4月23日に中国本土で、4月29日に180以上の国と地域でサービスを開始し、2026年8月18日時点で世界累計流水20億元を突破。全世界初日流水は1億元超で、初日新規ユーザー数・国内継続率・DAU水準のいずれも前作『幻塔』の同時期を大幅に上回ったと完美世界は説明している。一方で開発・運営元の完美世界は2026年8月11日発表の2026年上半期決算で1.18億元の純損失(前年同期は5.03億元の黒字)を計上。主因はNTEの世界同時展開に伴う販売費の急増(前年同期比213%増の10.32億元)で、新作ゲームの費用一括計上と収益の分割計上のタイムラグによるもの。営業キャッシュフローは前年同期比28.89%増、海外売上高は178.11%増(全社売上高に占める比率は4.98%から18.59%へ拡大)、売上総利益率も69.71%(前年同期比13.03ポイント上昇)と経営指標は改善しており、NTEプレイヤーが運営縮小を心配する材料は見当たらない。流水貢献ベースでの収益構造は国内PC約65%・海外PC+PS約75%とPC・コンソール中心で、ガチャ以外の課金源を広げる長期運営志向の設計。次の判断材料は2026年11月頃に見込まれる第3四半期決算。



