Lisuan LX 7G100 / 7G106|48時間で30,000台完売も実機ベンチRTX 3060級|中国GPU 5月最新【2026年5月】

(更新: 2026.6.12)
Lisuan LX 7G100 / 7G106|48時間で30,000台完売も実機ベンチRTX 3060級|中国GPU 5月最新【2026年5月】

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中国GPU 速報 / 2026-05-29 大幅アップデート
Lisuan「LX 7G100 / 7G106」48時間完売の裏で実測 RTX 4060 届かず
2026年5月20日のJD.com先行販売で30,000台が48時間で完売、売上は約22億円相当。一方で複数の海外メディアによる実機ベンチマークは「自社主張のRTX 4060相当は実現せず、実態はRTX 3060級」と報告。WHQL認証取得・型番体系(7G100カード名 / 7G106 GPUダイ)の整理・性能対比の現実までを冷静に解説します
48時間で30,000台完売実機ベンチRTX 3060級WHQL認証取得TSMC 6nm12GB GDDR6
2026-05-29 大幅追記|5/20完売結果・実機ベンチ・型番整理を追加
完売の衝撃
30,000台が48時間で消えた

2026年5月20日のJD.com先行販売で初回出荷分が48時間以内に完売。売上は約14.55百万ドル(日本円換算で約22億円相当)。事前予測を大きく上回るスピードで、中国GPU市場における話題性の高さを示しました

実機ベンチ
RTX 4060 主張は実現せず

複数の海外メディアによる実機テストでは、Lisuanの自社主張「RTX 4060相当」は届かず、実態はRTX 3060級との評価。Cyberpunk 2077 1080pで88fps、Black Myth Wukong 1080pで56fps、Forza Horizon 5で48fpsという結果が報告されました

型番整理
LX 7G100とLX 7G106は同じ製品

LX 7G100 = カード名(製品名・Founders Edition相当)、7G106 = GPUダイ名(コンシューマ向け)、7G105 = 同じダイのプロサーバー/ワークステーション向けSKU(24GB ECC)という体系。同一製品の呼び分けで混同しやすいため整理しました

価格対比
中国市場以外では成立しにくい

中国版MSRPは485ドル。同価格帯にはRTX 5060 Ti 16GBが489ドル開始で並んでおり、性能対比では著しく割高。「中国市場以外では商業的に成立しない」が業界の冷静な評価です

3行でわかる Lisuan LX 7G100 / 7G106
  • 2026年5月20日のJD.com先行販売で48時間で30,000台が完売。売上約22億円相当という社会現象的なデビューを果たしました
  • 一方で複数の海外メディアによる実機ベンチマークでは、自社主張の「RTX 4060相当」には届かず、実態はRTX 3060級。価格485ドルに対して性能対比は厳しい結果に
  • 「Hype trumps performance(話題性が性能を上回る)」と業界が評価。中国の自国製ハイテク消費・補助金政策・愛国心消費という社会現象として理解する必要があります
目次

2026年5月20日 完売の衝撃|48時間で30,000台が消えた

本記事のテーマで最大の出来事は、5月20日のJD.com(京東)先行販売の結末です。事前の業界予想では「中国国内でも実用面の評価が割れる」と見られていましたが、現実は予想を大きく上回るスピードで初回出荷分が捌けました。

01
5月20日 11時 JD.comで先行販売スタート
JD.comの「618ショッピング祭」の先行枠として、LX 7G100シリーズが初出荷。中国国内ECルート限定で、海外発送は不可。事前予約者が殺到し、販売開始数分でランキング上位に
02
48時間で30,000台が完売
初回出荷分の約30,000台が48時間以内に完売。売上は14.55百万ドル(約22億円相当)。中国国内の自社製ハイテク消費の象徴的な数字となり、中国メディアが大きく報じる事態に
結果
「Hype trumps performance」と業界が評価
話題性が性能を上回るという業界評価が広がりました。中国の半導体自立政策・補助金・愛国心消費という文脈を抜きに、この完売スピードは理解できません。純粋な性能対価格の競争ではない次元で起きた現象です
注目すべきは「性能が伴っていないことを承知の上で買う層が3万人いた」という事実です。中国市場では国産半導体への支援姿勢が消費行動レベルまで浸透しており、グローバル市場の常識(性能対価格で選ぶ)とは別ロジックが働いています。これは日本のゲーマー視点では理解しにくい現象ですが、産業政策としては大成功の部類に入ります

実機ベンチマークの真実|RTX 4060主張は実現せず

完売の話題性とは対照的に、複数の海外メディアが報告した実機ベンチマークは厳しい結果でした。Lisuanの自社プレゼン資料では「RTX 4060相当」と主張されていましたが、実機テストで明らかになったのはRTX 3060級の性能水準です。

タイトル / 設定LX 7G106RTX 4060Arc B580
Cyberpunk 2077 / 1080p88 fps232 fps243 fps
Black Myth Wukong / 1080p56 fps115 fps
Forza Horizon 5 / 1080p48 fps228 fps
Forza Horizon 5 / 1440p18 fps189 fps

数字を見ると、Lisuan LX 7G106 は平均で RTX 4060 / Arc B580 から約30%遅い水準にあり、最適化が手薄なタイトル(Forza Horizon 5など)では2〜3倍以上の性能差が開きます。Cyberpunk 2077 で 88fps というスコアは決して悪い数字ではありませんが、同価格帯の競合と並べると見劣りします。

性能不足の構造的な理由は3点あります。レイトレーシング非対応(Lisuanは第2世代で対応予定と言明)、ドライバ最適化不足DirectX 12 / Vulkan は基本対応するが主要AAAタイトルの最適化が手薄。NRSS(独自超解像)も DLSS / FSR との定量比較データが提示されておらず、現状は数字で勝てる材料が乏しい状況です

LX 7G100とLX 7G106は同じ製品|型番体系の整理

本記事を含めて、報道では「LX 7G100」「LX 7G106」が混在して使われており、別製品と誤解した読者が多い印象です。実際にはLisuanの「G100シリーズ」が製品ラインの総称で、内部のSKU構成は以下の通り整理できます。

型番位置づけ用途備考
LX 7G100カード名(製品名)コンシューマ向け(Founders Edition相当)12GB GDDR6 / 完売した実物の製品名
7G106GPUダイ名コンシューマ向け搭載チップLX 7G100に搭載されているシリコン
7G105同一ダイの別SKUプロサーバー / ワークステーション向け24GB ECC構成・データセンター用途

つまり「LX 7G100」と「LX 7G106」は同じ製品を別の名前で呼んでいるだけです。カード名で呼べばLX 7G100、搭載チップ(ダイ)で呼べば7G106。「G100シリーズ」というラインの中に、コンシューマ用(7G106)とプロ用(7G105・24GB ECC)の2系統が存在するという理解で整理できます。

Lisuan Techとは何者か|「中国の半導体自立」を担うスタートアップ

中国製GPUと聞くと懐疑的になるかもしれません。しかし Lisuan Tech は、単なる粗製品を出してきた会社ではありません。

設立
2021年。創業者は1990年代のGPUパイオニア S3 Graphics の元エンジニア3名
資本
親企業 Dongxin Semiconductor から27.7百万ドルの支援(2024年の経営危機を乗り越え存続)
製造
TSMC 6nm DUV。中国の国内ファブではなく、台湾TSMCを使用している点が重要
特徴
命令セットからGPUコアまで自社開発した「フルスタック国産GPU」。NVIDIAのCUDAとは別の独自エコシステムを構築中

S3 Graphicsの名前は、2000年代前半に3Dゲームをプレイしたことがある人なら覚えているかもしれません。その元エンジニアたちが、20年以上の時を経て中国の国家戦略の一環として「次のGPU」を作っています。

公称スペックと実機性能のギャップ

項目Lisuan LX 7G106RTX 4060RTX 5060
製造プロセスTSMC 6nmTSMC 4NTSMC 4N
VRAM12GB GDDR68GB GDDR68GB GDDR7
FP32演算性能24 TFLOP/s(公称)15.1 TFLOP/s22.7 TFLOP/s
TDP225W115W145W
レイトレーシング非対応対応対応
実機ゲーム性能RTX 3060級基準RTX 4060+50%
3DMark Fire Strike約26,800約24,000約28,000
3DMarkのシンセティックベンチでは RTX 4060 を上回りますが、実機ゲーム性能は RTX 3060 級に留まる——この乖離が Lisuan の最大の課題です。TDPは225WでRTX 4060の約2倍、ワットパフォーマンスでも明確に不利。プロセス世代差(6nm vs 4N)とドライバ最適化の遅れが直接効いています

なぜ今、中国がゲーミングGPUを作れるようになったのか

背景には米国の輸出規制があります。この構造を理解すると、なぜLisuanの登場が「本物の脅威」になりうるかがわかります。

01
米国が中国への高性能GPU輸出を規制
2022年以降、NVIDIAのH100・A100・RTX 4090などは中国への輸出が禁止または制限されました。2024年9月には中国規制当局も主要テック企業(Alibaba・ByteDance等)にNVIDIA製品の購入禁止を発令。中国国内でNVIDIAのシェアは95%から50%に低下しました
02
空白を埋めるために国産GPU開発が加速
Huawei・Moore Threads・Cambrian・Lisuanなどの国産GPUメーカーが雨後の筍のように登場。中国政府も「技術自立」戦略の一環として半導体開発を強力に支援。資金・技術者・ファブ(TSMC含む)へのアクセスが整い、水準が急速に向上しました
結果
2026年、初の話題性ある国産ゲーミングGPUが登場
Lisuan LX 7G100 / 7G106 は、中国産として初めて「主要Steamタイトルが動き、WHQL認証を取得し、48時間で完売した」製品です。性能は伴っていなくても、市場としては明確な需要が立証されました

日本で買えるのか|現実的な見通し

中国
2026年5月20日 先行販売開始済み
JD.com(京東)で48時間完売。6月18日のリテール本格展開で追加出荷予定
米国
当面困難
米中間の輸出規制・地政学的緊張から市場参入は難しい。技術的・政治的障壁が高い
新興国
展開の可能性あり
インド・東南アジアなどではNVIDIA製品の価格が高止まりしており、廉価な代替品への需要がある。中長期的な展開先として現実的

NVIDIAとAMDの価格を下げる力はあるか

ここが、日本のゲーマーにとって最も重要な問いです。実機ベンチでRTX 3060級と判明した今、短期の脅威度は下がりました。しかし長期視点では別の話になります。

短期(1〜2年)
影響はほぼなし
  • 販売は中国国内限定
  • 実機性能がRTX 3060級でゲーミングPCユーザーの代替にならない
  • CUDA非対応・RT非対応・ドライバ初期段階
  • NVIDIA・AMDは日本市場で競合なしの状況が続く
中期(3〜5年)
間接的な圧力が始まる可能性
  • 中国市場でのNVIDIAシェアが更に低下し、NVIDIAが「中国向け廉価モデル」を投入する可能性
  • 新興国(インド・東南アジア)での競争が激化すれば、グローバル価格に波及
  • LisuanやMoore Threadsが海外展開すれば直接競争が起きる
長期(5年以上)
シナリオが分岐する
  • シナリオA(競争激化):中国GPUがRT対応・CUDA互換を実現し西側市場に参入→ NVIDIA・AMDが価格を引き下げざるを得なくなる
  • シナリオB(棲み分け):中国国内市場と西側市場がそれぞれ独自のエコシステムで分断し、競争は起きない
AMDは中国市場でのシェアを現在の数%から25%に引き上げる目標を掲げています。Lisuanが性能で勝てなくても「48時間完売」のような話題性で市場を取りに来る限り、NVIDIA・AMDも中国向け廉価モデルを投入する動きを続けます。この「中国内の競争」が間接的に全体の価格水準を抑制する可能性はゼロではありません

現時点の弱点|RTX 4060の代替にはなれない

!
実機性能はRTX 3060級
自社主張のRTX 4060相当には届かず、平均で約30%遅い。485ドルという価格対比では厳しい結果
!
レイトレーシング非対応
DXR(DirectX Raytracing)に非対応。バイオハザード レクイエム・サイバーパンク 2077のRT設定は使えない
!
CUDA非対応
AI・機械学習ツール(Stable Diffusion GPU版・Blender CUDA等)が使えない。OpenCL 3.0ベースのため利用環境が限定される
!
ドライバが初期段階
主要AAAタイトルの最適化が手薄。Forza Horizon 5で2〜3倍の性能差が出る場面があり、当面は互換性問題が頻発する見込み

日本のゲーマーが現実的に選ぶべき選択肢

Lisuan LX 7G100 / 7G106 は日本未発売で、性能的にも実用的な選択肢になりません。同価格帯(5〜8万円台)で実際に手に入る、性能と互換性が確立したグラフィックボードを紹介します。

Palit RTX 5060 Ti Infinity 3 16GB
Palit GeForce RTX 5060 Ti Infinity 3 16GB
Lisuan LX 7G100 / 7G106 と同価格帯ながら、実機ベンチでは約2倍以上の性能。DLSS 4.5・マルチフレーム生成・レイトレーシング対応で実用性が圧倒的に上回ります。VRAM 16GB で重量級タイトルも余裕、三連ファンで冷却も静音性も両立した最安クラスの RTX 5060 Ti 16GB です
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GIGABYTE GV-R9060XTGAMING OC-16GD(RX 9060 XT 16GB)
トリプルファン搭載の OC モデル。ファクトリー OC でベースモデルより高クロックで動作し、長時間プレイでの安定性を重視する方におすすめ。VRAM 16GB + RDNA 4 アーキテクチャで Lisuan LX 7G106 とは比較にならない実用性を発揮します
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MSI RTX 5060 8G VENTUS 2X OC
MSI GeForce RTX 5060 8G VENTUS 2X OC
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まとめ|「完売したが性能は伴わない」社会現象を冷静に見る

今の日本のゲーマーへの影響

Lisuan LX 7G100 / 7G106 で2026年5月に起きたのは、純粋な「新しいゲーミングGPUの登場」ではありません。48時間で30,000台が完売した社会現象と、実機ベンチでRTX 3060級と判明した現実の二律背反を同時に理解する必要があります。

性能対価格で評価すれば「中国市場以外では商業的に成立しない」というのが業界の冷静な評価です。一方で完売スピードは、中国の半導体自立政策・補助金・愛国心消費という社会的文脈が市場を動かしている事実を示しました。話題性が性能を上回るこの現象は、グローバル市場の常識とは別ロジックで動いています。

日本のゲーマーにとっての結論はシンプルです。現時点で実用的な選択肢は RTX 5060 Ti / RX 9060 XT / Arc B580で、Lisuanを待つ必要はありません。ただし、中国GPUが「性能が伴っていなくても3万人が買う市場」を持つという事実は、次世代以降にRT対応・CUDA互換・ドライバ成熟を果たしたとき、無視できない圧力に化ける可能性を残しています。「今は買えない、けれど無視できない」という距離感が、現時点で正しい受け止め方です。

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