『原神』配信が相次ぎブロック|FUTURE TVとは何者か、テンセント出資の事実関係とContent ID誤検知の可能性
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FUTURE TVとは何者か、テンセント出資の事実関係を一次情報で整理
2026年9月5日、声優・配信者の本多真梨子さんが『原神』を配信中に著作権侵害の申し立てを受け、配信がブロックされる出来事がありました。同じ日に配信者の藍沢エマさんの動画にも同じ申立人の名前が表示されていたとする報告がSNSに広がり、申立人として挙がっている中国企業「FUTURE TV」にテンセントが出資しているという情報も合わさって、憶測混じりの投稿が急速に拡散しています。
結論から言うと、FUTURE TVという企業にテンセントが19.9%出資している事実は、複数の中国メディアの報道で確認できる公開情報です。一方で、今回の申し立てをテンセントが指示した、あるいは関与したことを示す証拠は現時点で確認できません。この2つはまったく別の話です。
この記事では、本多さんの投稿とYouTube上に表示された申し立て通知の文面、FUTURE TVの公式サイト、出資関係を報じた中国メディアの記事、YouTube公式のContent ID解説ページを直接確認したうえで、確認できている事実と、そこから先の憶測を分けて整理します。
目次
経緯まず何が起きたか
本多真梨子さん(@honda_mosamosa)は2026年9月5日、自身のX(旧Twitter)で次のように投稿しました。
今日原神配信してたんですが、アルレッキーノの伝説任務中に、配信がブロックされてしまい観れなくなってしまいました。枠を変えても同じようにブロックされてしまい、現在観ることはできません。特に問題のある配信はしていないので、現在対処を調べてるところです。#本多真梨子の実に原神ね
— 本多真梨子 (@honda_mosamosa) September 5, 2026
投稿は14,000件を超える「いいね」を集め、大きな反響がありました。投稿にある通り、配信を新しい枠に切り替えても同じ現象が起きたと本人が説明している点がポイントです。単発の誤作動ではなく、繰り返しブロックが発生したことになります。
該当する動画をYouTubeで開くと、映像の代わりに次の通知が表示される状態になっています。
「FUTURE TV Co,Ltd(未来电视有限公司)さんからのコンテンツへの申し立てにより、この動画はブロックされました。」
つまり、今回の申し立てを行った当事者としてYouTube側の表示に名前が出ているのは、中国企業「FUTURE TV Co,Ltd(未来电视有限公司)」です。本多さんの投稿にも、この企業自体の名前は出てきません。
拡散藍沢エマさんの配信にも同一の申立人名が報告されている
本多さんの投稿から約2時間後、別のXユーザーが「本多さんと藍沢エマさんの原神配信に申し立てしてBANした会社を調べたら闇が深そうだった」という投稿を行い、こちらも8,000件を超える「いいね」を集めました。この投稿には配信者の藍沢エマさんの『原神』動画についても、本多さんの動画と同じ「FUTURE TV Co,Ltd(未来电视有限公司)さんからのコンテンツへの申し立てにより、この動画はブロックされました。」という通知が表示されているスクリーンショットが添付されています。
整理すると、事実として確認できるのはここまでです。異なる配信者2名の動画で、YouTubeの申し立て通知に同一の企業名が表示されていたという報告があるという点になります。
拡散した投稿には「闇が深そうだった」という主観的な表現が含まれていますが、これは投稿者個人の感想です。この記事では、申立人の企業名が2件の配信で共通していたという客観的な事実の部分のみを扱い、そこから先の評価や憶測は本文で明確に区別して記載します。
正体FUTURE TVとは何者か
FUTURE TV(未来电视有限公司)の公式サイトによると、同社は中国の国有放送グループ「中央広播電視総台」傘下の央視網が運営する、インターネットテレビ向けの新メディア企業です。2011年に設立され、ニュースやドラマ、スポーツ番組などをスマートテレビ向けアプリで配信する「央視頻TV」「NewTV極光」といったサービスを展開しています。
公式サイトには、YouTubeとの共同企画「光帆杯」AIGCチャレンジも紹介されており、「未来電視とYouTubeが手を組み、世界のクリエイターのAIGC作品を後押しする」という趣旨の説明があります。つまりFUTURE TVは、YouTube上でのコンテンツ管理や権利関連の活動自体は普段から行っている企業であり、YouTube上に何らかの形で登場すること自体は不自然ではありません。
出資関係テンセントが19.9%を出資しているのは事実
FUTURE TVの株主構成については、2020年に馬化騰(ポニー・マー)氏が同社の取締役を退任した際、複数の中国メディアが報じています。界面新聞(jiemian.com)と新浪科技(新浪網)の報道によると、FUTURE TVの主な出資者は次の3社です。
- 央視網(CCTV.com)系の国有メディア企業
- FUTURE TVの筆頭株主
- テンセントの子会社
- 持株比率19.9%で第2位株主
- 第3位の出資者
この持株比率19.9%という数字は、2020年の報道時点でも「今回新たに判明した情報」ではなく、当時すでに確立していた株主構成として報じられたものです。テンセント副総裁でペンギン影視CEOの孫忠懐氏が馬化騰氏の後任として取締役に就いたことも、あわせて報じられています。筆頭株主は国有系の央視国際網絡であり、テンセントは経営権を持つ立場にはない第2位の少数株主という位置づけです。
最重要テンセントが指示したという証拠は確認できない
「FUTURE TVにテンセントが19.9%出資している」ことは公開情報として確認できます。しかし「今回の著作権侵害の申し立てをテンセントが指示した」「テンセントが原神の配信者に嫌がらせをした」という主張を裏づける証拠は、2026年9月6日時点で確認できていません。申し立てを行ったのはFUTURE TVという別法人であり、テンセントは経営に関与できるほどの持株比率を持つ立場ではありません。
SNS上では出資関係が明らかになった時点で「テンセントが黒幕」という飛躍した見方が広がりがちですが、19.9%という比率は法人としての意思決定を単独で左右できる水準ではなく、FUTURE TV自体も自社のYouTube上での活動実績を持つ独立した事業体です。今回の申し立てがFUTURE TVの通常業務の一環としてシステム的に発生した可能性と、何らかの意図を持って行われた可能性のどちらも、現時点の公開情報だけでは判別できません。
仕組みYouTube Content IDによる自動照合と誤検知の可能性
YouTubeの公式ヘルプによると、Content IDは著作権者があらかじめ登録した音声・映像データと、YouTube上の動画やライブ配信を自動で照合する仕組みです。ライブ配信についても、すべての配信が第三者コンテンツとの一致がないか自動的にスキャンされる対象になっています。
一致が検出された場合、YouTube公式ヘルプ「ライブ配信の著作権問題」では次の順に処理が進むと説明されています。
- まず、配信者に警告メッセージが表示される
- それでも一致が続く場合、配信の映像が音のない静止画に置き換わる
- さらに一致が続く場合、ライブ配信そのものが一時的に中断・停止される
本多さんが投稿で説明していた「配信がブロックされ、枠を変えても同じことが起きた」という状況は、この自動照合の仕組みと矛盾しません。ただし、システムがどのコンテンツを一致と判定したのか、なぜ2人の配信者で同じ申立人名が表示されたのかは、公開情報だけでは特定できません。
YouTube公式ヘルプ「Content IDの申し立てに異議を申し立てる」には、異議申し立てが認められる正当な理由の一つとして「動画が誤認識された、またはエラーが発生したと思われる」という項目が明記されています。Content IDによる自動照合には誤検知が起こりうることを、YouTube自身が制度として織り込んでいるということです。今回のケースが実際に誤検知だったかどうかは分かりませんが、「機械的な自動照合の結果として起きた」という可能性を無視できる根拠もありません。
現状いま確認できている事実と、断定できないこと
- 本多真梨子さんの『原神』配信が2026年9月5日にブロックされた
- 本多さん・藍沢エマさんの動画双方に「FUTURE TV Co,Ltd」名義の申し立て通知が表示されている
- FUTURE TVにはテンセント子会社が19.9%出資しており、第2位株主である(2020年報道で確認済みの公開情報)
- FUTURE TVの筆頭株主は国有系の央視国際網絡有限公司である
- YouTubeの申し立て制度には「誤認識」を異議申し立ての正当な理由として認める仕組みがある
- テンセントが今回の申し立てを指示・関与したこと
- 申し立てがFUTURE TVの意図的な行為だったのか、自動照合の誤検知だったのか
- 本多さん・藍沢エマさん以外にも同様の被害が広がっているかどうか
- 申し立ての対象となった具体的な著作物・音源が何だったのか
この記事では、SNS上の投稿を「ユーザーの報告」、出資関係を報じた中国メディアの記事を「検証済みの公開情報」として明確に分けて扱いました。両者を混ぜて語ると、実態より深刻にも軽微にも見えてしまいます。
今後今後の動きがあれば追記します
本多さんは投稿の時点で「現在対処を調べてるところです」としており、異議申し立てなどの結果はまだ判明していません。YouTubeの異議申し立てを行った場合、申立人であるFUTURE TVには30日間の応答期間が設けられる仕組みになっています。ブロックの解除や、申し立ての理由についてFUTURE TV側・本多さん側から新しい情報が出た場合は、この記事に追記します。
FAQよくある質問
まとめまとめ|事実と憶測を分けて見る
今回の件で確立した事実として言えるのは、本多真梨子さんの『原神』配信がYouTube上でブロックされ、申立人としてFUTURE TVという中国企業の名前が表示されたこと、そしてFUTURE TVにはテンセント子会社が19.9%出資しているという以前から公開されていた情報の2点です。
一方で、テンセントが今回の申し立てを指示した、あるいは意図的に原神の配信者を狙ったという主張は、現時点でそれを裏づける証拠がありません。FUTURE TVはYouTube上でのコンテンツ関連活動を普段から行っている国有系メディア企業であり、Content IDの自動照合が意図せず作動した可能性も、YouTube自身が制度として想定しているものです。
「FUTURE TVにテンセントが19.9%出資している」ことは確立した事実です。しかし「テンセントが今回の申し立てを指示・関与した」ことを示す証拠は現時点でありません。この2つを混同せず、続報が出た場合は本記事を更新します。
出典:本多真梨子さん(@honda_mosamosa)のX投稿(2026年9月5日)、申立人名の共通性を報告したX投稿(2026年9月5日)、FUTURE TV(未来电视有限公司)公式サイト、界面新聞「馬化騰退出未来電視有限公司董事」(2020年12月)、新浪科技「馬化騰退出未来電視有限公司董事」(2020年12月)、YouTube公式ヘルプ「Content IDの仕組み」、YouTube公式ヘルプ「ライブ配信の著作権問題」、YouTube公式ヘルプ「Content IDの申し立てに異議を申し立てる」。本多真梨子さん・藍沢エマさんに関する記載は、いずれも本人が自ら公開したX投稿・YouTube動画の内容に基づいており、私生活等の情報は含みません。



