GeForce NOW Linux版が正式リリース|Ubuntu 24.04・Flatpak対応、Frame Generation遅延も改善
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Ubuntu 24.04・Flatpak対応、Frame Generationの遅延も改善
出典:NVIDIA公式ブログ、GeForce NOWシステム要件ページ、GeForce NOWダウンロードページにもとづきます。本記事の情報は2026年8月13日時点のものです。
NVIDIAは2026年8月13日、クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」のLinux向けネイティブアプリを正式リリースしました。Linux版GeForce NOWは2026年1月29日にベータ版として公開されていましたが、約半年間のフィードバックを反映し、パフォーマンスや安定性、完成度を改善したうえでベータを終了しています。
正式版でもUbuntu 24.04以降を引き続きサポートし、新たにNVIDIA公式のFlatpakリポジトリも用意されました。さらに今回のアップデートではLinux対応だけでなく、GeForce NOW側でDLSS Frame Generation使用時の遅延を削減するクラウド最適化も実施されています。
この記事では、対応する解像度・フレームレート、必要スペックや回線速度、Flatpakでのインストール手順、そしてProtonなど既存のLinuxゲーミング環境との違いまで、NVIDIA公式発表にもとづき整理します。
目次
要点まず何が変わったか
経緯GeForce NOWのLinuxネイティブアプリがベータ終了
GeForce NOWのLinuxネイティブアプリは、2026年1月29日にベータ版として提供が開始されました。NVIDIAは当初、Ubuntu 24.04以降を対象としてLinuxデスクトップ向けアプリを公開。クラウド側でゲームをレンダリングすることで、Linux PCからGeForce RTX環境を利用できる仕組みを提供していました。
約半年後となる2026年8月13日のアップデートでは、このLinux版が正式にベータを終了しています。NVIDIAによると、ベータ期間中に集められたコミュニティからのフィードバックをもとに、パフォーマンス、安定性、アプリ全体の完成度を改善したとのことです。NVIDIA公式のGeForce NOWダウンロードページでも、Linuxの項目から「BETA」表記が削除され、WindowsやMacと同様に通常の対応プラットフォームとして掲載されています。これまでLinuxからGeForce NOWを利用する場合はブラウザ版なども選択肢になっていましたが、デスクトップPC向けの正式なLinuxアプリを利用できるようになった点は大きな変化です。
対応最大5K 120fps、1080pなら360fpsストリーミング
Linuxネイティブアプリのメリットは、専用アプリからGeForce NOWを起動できることだけではありません。NVIDIA公式のシステム要件ページによると、Linuxネイティブアプリでは5K・4K・ウルトラワイド解像度や120fps・240fps・360fpsストリーミングを利用できるとされています。ただし、高解像度・高フレームレートなど一部機能には対応する有料メンバーシップとハードウェアが必要です。
ブラウザ版GeForce NOWは公式システム要件では最大QHD・120fpsとなっています。そのため、対応ディスプレイや回線環境があるLinuxゲーマーにとっては、ネイティブアプリを使うメリットが大きくなります。ローカルPC側でゲームを5Kや360fpsでレンダリングするわけではなく、NVIDIAのクラウドサーバー側で処理した映像をストリーミングする仕組みです。そのため、高性能なグラフィックボードを搭載していないLinux PCでも、高負荷なPCゲームをプレイできる可能性があります。
仕組みRTX 5080クラスのクラウド環境をLinuxから利用可能
NVIDIAはGeForce NOWのUltimate環境について、GeForce RTX 5080クラスのクラウドゲーミング性能を提供しています。レイトレーシングやNVIDIA DLSS 4などのRTX機能も、クラウド側の環境を通じて利用できます。つまりLinux PCにRTX 5080を搭載するという意味ではなく、ゲームそのものはNVIDIAのデータセンター側にあるGPUで処理されます。ユーザーのLinux PCにはゲーム映像が送信され、キーボードやマウス、コントローラーからの入力をクラウド側へ送り返す仕組みです。
この仕組みなら、GPU性能が不足している古いPCや、ゲーム目的ではないLinuxノートPCでも、回線品質などの条件を満たせば高画質なPCゲームをプレイできます。GPUを買い替えずにゲーム環境を強化できる点は、GeForce NOWならではのメリットです。
要件Ubuntu 24.04以降を引き続きサポート
正式版となったLinuxアプリは、Ubuntu 24.04以降を引き続きサポートします。NVIDIAのシステム要件ページでは、OS要件としてUbuntu 24.04 LTSが記載されています。基本的なハードウェア要件としては、2.0GHz以上のデュアルコアx86/x64 CPU、4GB以上のメモリ、H.264またはH.265のビデオコーデックに対応するGPUが必要です。NVIDIA GPUについてはGeForce 10シリーズ以降などが対応例として挙げられています。
NVIDIA GPUでは580.126.07以降のドライバーが必要とされ、AMD/Intel GPUでMesaを利用する場合はMesa 24.2.8が推奨されています。また、NVIDIA GPUではXorg(X11)、AMD/Intel GPUではWaylandを使用するようNVIDIAが案内しています。クラウドゲーミングサービスなので、高性能CPUや大容量メモリよりも、動画デコード能力とネットワーク環境が重要になります。
追加NVIDIA公式Flatpakリポジトリが追加
正式版で注目したい変更が、NVIDIA公式GeForce NOW Flatpakリポジトリの追加です。これまでもLinuxアプリ自体はFlatpakベースで提供されていましたが、正式版では公式リポジトリからインストールし、今後のアップデートを受け取りやすい仕組みになりました。NVIDIA公式ダウンロードページでは、通常の.binインストーラーをダウンロードする方法と、ターミナルからFlatpakを導入する方法の両方が案内されています。
Flatpakを使用する場合は、最初にNVIDIA公式GeForce NOWリポジトリを追加します。
flatpak remote-add --user --if-not-exists GeForceNOW https://international.download.nvidia.com/GFNLinux/flatpak/geforcenow.flatpakrepo
続いてGeForce NOWをインストールします。
flatpak install --user GeForceNOW com.nvidia.geforcenow
インストール後は次のコマンドから起動できます。
flatpak run com.nvidia.geforcenow
これらは2026年8月13日時点でNVIDIA公式ダウンロードページに掲載されているインストール方法です。Linuxユーザーにとっては、今後のアプリ更新まで含めて管理しやすくなったことが正式版の重要な変更点といえます。
回線GeForce NOWに必要な回線速度は?
GeForce NOWではゲームをクラウドからリアルタイムでストリーミングするため、PC本体の性能以上にインターネット回線が重要です。NVIDIAはLinux版について、720p・60fpsでは15Mbps、1080p・60fpsでは25Mbps、1440p・120fpsでは35Mbps、4K・120fpsでは45Mbps、1440p・240fpsや1080p・360fpsでは55Mbps、5K・120fpsでは65Mbpsを必要回線速度として案内しています。また、NVIDIAデータセンターまでのネットワーク遅延は80ms未満が必要とされています。
高解像度や高フレームレートで利用する場合は通信量も大きくなるため、可能であれば有線LANを利用した方が安定させやすいでしょう。NVIDIAも有線Ethernet、または5GHz帯Wi-Fiの利用を推奨しています。特に5K・120fpsや360fpsストリーミングを目的にGeForce NOWを利用するなら、GPU性能よりも自宅のLAN環境やインターネット回線がボトルネックになる可能性があります。
改善DLSS Frame Generationの遅延も改善
今回のGeForce NOWアップデートでは、Linux正式版とは別に重要なクラウド側アップデートも実施されています。NVIDIAはDLSS Frame GenerationをGeForce NOWのクラウド側で最適化し、Frame Generation利用時の遅延を削減しました。特に1440pや4Kで60fpsまたは120fpsストリーミングを利用する場合に改善を感じやすく、マウス操作やカメラ移動に対する反応がより素早くなると説明されています。
Frame Generationは実際にレンダリングされたフレームの間へ生成フレームを挿入することで見た目のフレームレートを高める技術ですが、クラウドゲーミングではゲーム側の処理に加えて映像のエンコード、ネットワーク通信、クライアント側でのデコードも発生します。そのため、GeForce NOWでは単純にフレームレートを増やすだけでなく、遅延をどこまで抑えられるかも重要になります。
NVIDIAは今回の発表で「何ms短縮された」といった具体的な測定値を公開していません。実際にどの程度体感できるかについては、利用するゲームやフレームレート、ネットワーク環境によって違いが出ると考えた方がよいでしょう。
改善Performance会員ではCPU負荷の高いゲームも改善
Performanceメンバー向けにもサーバー側の改善が入っています。NVIDIAによると、CPU負荷の高い一部ゲームを対象としてサーバーソフトウェアを最適化し、フレームレートを向上させています。この変更はGeForce NOWのクラウド側で自動的に適用されるため、ユーザー側で追加ソフトウェアをインストールしたり、設定を変更したりする必要はなく、追加料金も発生しないとされています。GeForce NOWではGPUだけでなくCPUもクラウド側のゲーム性能を左右するため、シミュレーションゲームや大規模マルチプレイゲームなどCPU負荷の高いタイトルでは恩恵が期待できます。ただし、NVIDIAは今回の発表で具体的な対象タイトルやフレームレート向上率までは公開していません。
注意LinuxならWindowsゲームをすべて遊べるわけではない
GeForce NOWのLinuxネイティブアプリが正式版になったことで、「LinuxでもWindowsゲームがすべて遊べる」と考えるのは注意が必要です。GeForce NOWはSteam、Epic Games Storeなどで所有している対応PCゲームをクラウドから実行するサービスであり、所有しているすべてのゲームを自由にクラウドへインストールできるサービスではありません。GeForce NOWでは現在2,000本を超える対応PCゲームをストリーミングできるとされています。つまり、Linuxでローカル動作しないゲームであってもGeForce NOW側が正式対応していればプレイできる可能性がありますが、GeForce NOW非対応タイトルは対象外です。「Linuxだから動くか」ではなく、「GeForce NOWがそのゲームをサポートしているか」を確認する必要があります。
比較Protonとは違うアプローチでLinuxゲーム問題を解決
LinuxでWindows向けPCゲームをプレイする方法としては、Steam Playで利用されているProtonが広く普及しています。Protonの場合は、Windows向けゲームをLinux上で動作させるための互換レイヤーを利用し、ゲーム処理自体は手元のPCで行います。一方、GeForce NOWはゲームをNVIDIAのクラウドサーバーで実行するため、ローカルGPUの性能不足やLinux上での一部互換性問題を回避できることがあります。
ただしGeForce NOWはネットワーク品質に大きく依存し、対応タイトルにも制限があります。高性能GPUを搭載したLinuxゲーミングPCならProtonを使ったローカル実行が適している場合もありますし、GPU性能が不足しているPCやLinuxで動作させにくいタイトルならGeForce NOWが有力になる場合もあります。どちらか一方へ完全に置き換わるというより、Linuxゲーマーがゲームごとに使い分けられる選択肢が増えたと考えるのが適切です。
注意公式ページにはまだ「ベータ」表記が残る部分もある
2026年8月13日時点で少し注意したいのが、NVIDIA公式ページ内の表記が完全には統一されていないことです。NVIDIA公式ブログではLinuxネイティブアプリが正式にベータを終了したと明記され、GeForce NOWのダウンロードページでもLinuxからBETA表記が削除されています。一方、同日時点でNVIDIA公式のGeForce NOWシステム要件ページを確認すると、Linux欄にはまだ「This is a beta experience」という記載が残っています。
発表内容とダウンロードページの状態を考えると正式版へ移行したと判断できますが、システム要件ページの一部がまだ更新されていない可能性があります。Linux版の対応機能やドライバー条件については、今後NVIDIAがサポートページを更新する可能性があるため、利用前に最新情報を確認した方がよいでしょう。
Q&Aよくある質問
総括まとめ|LinuxゲーミングにとってGeForce NOW正式対応は大きい
LinuxでのPCゲーム環境は、SteamOSやProtonの普及によって以前より大幅に改善しています。それでも、ゲームごとの互換性やアンチチート、ドライバーなどを考えると、Windowsと完全に同じゲーム環境を構築できるわけではありません。GeForce NOWはゲームをクラウド側で動作させるため、Linuxローカル環境でゲームを直接実行する方式とは異なります。
Linux版が正式化されたことで、Protonによるローカル実行とGeForce NOWによるクラウド実行をゲームごとに使い分ける選択肢が現実的になってきました。特に低スペックなLinuxノートPCや、普段は仕事・開発用途でLinuxを使っているPCからゲームもプレイしたいユーザーにとって、追加のゲーミングPCを用意せずにGeForce RTXクラスのゲーム環境へアクセスできる点は大きなメリットです。
NVIDIAは2026年8月13日、GeForce NOWのLinuxネイティブアプリを正式リリースしました。2026年1月から続いていたベータ期間を終了し、Ubuntu 24.04以降を引き続きサポートしつつ、新たにNVIDIA公式Flatpakリポジトリも追加されています。対応する環境とプランでは最大5K・120fpsや1080p・360fpsといった高解像度・高フレームレートストリーミングも利用可能です。さらに今回、GeForce NOWのクラウド側ではDLSS Frame Generationの遅延削減も実施され、1440p・4Kの60fps/120fpsストリーミングで応答性の改善が特に分かりやすいとされています。Performance会員向けにはCPU負荷の高い一部ゲームを対象としたサーバー側のフレームレート改善も追加されました。LinuxゲーミングではProtonによるWindowsゲームのローカル実行が主流になりつつありますが、GeForce NOWはゲームをクラウドで実行する別のアプローチです。Linuxでゲームが正常に動かない場合やPC側のGPU性能が不足している場合に、GeForce NOWを選べるようになったことが今回の正式リリースの意味といえます。



