ARC Raidersが「PvE Toggle」を10月13日テスト|調査対象51%が興味、PvPvEは変わるのか【2026年9月】
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調査対象51%が興味、PvPvEはどう変わる?
出典(確認日2026年9月25日):ARC Raiders公式、Worthplaying、GamesRadar+、Bungie公式にもとづきます。
Embark Studiosは2026年9月24日、『ARC Raiders』でPvE専用のマッチメイキングを選択できる「PvE Toggle」のテストを実施すると発表しました。テスト期間は2026年10月13日から20日までの1週間で、PvEを選択するとプレイヤー同士のダメージが完全に無効化されます。
今回特に注目したいのは、単にPvEを追加することではありません。2026年4月にはEmbark側が「完全にPvEだけへ分離することは現時点では探りたくない」と説明していました。それから約半年で実際のテストに踏み切った背景には、発売後に集まったプレイデータがあります。
「調査対象の51%が興味を示した」という数字だけでなく、Loot経済の調整・5月と7月に続くマッチメイキング設計の変遷・PvPvE側への副作用まで含めて、ARC Raidersが今後どこへ向かうのかを整理します。
目次
概要10月13日からPvE専用マッチングをテスト
PvE Toggleのテストは2026年10月13日から20日まで実施されます。通常のPvPvEを削除するのではなく、マッチメイキング時に従来のPvPvEとPvEを切り替えられる仕組みです。PvEセッションではプレイヤー間ダメージがゼロになり、ソロ・デュオ・トリオは完全に別々のキューへ分割せず同じPvEセッションへ入ります。PvEを遊んでも通常のPvPvE側で使われるマッチメイキング評価には影響しません。
つまり「今日はゆっくりクエストを進めたいのでPvE」「次はプレイヤーとの緊張感も楽しみたいのでPvPvE」と切り替えることを想定した設計です。PvEだけを遊ぶ別ゲームを作るというより、現在の『ARC Raiders』から「他プレイヤーに撃たれる可能性」を取り除いた選択肢に近い設計といえます。
経済設計PvEではLootの価値が下がる「リスクプレミアム」
安全になる代わりに、PvPvEとまったく同じ条件でLootを持ち帰れるわけではありません。Embarkは公式にPvEセッションの全体的なLoot価値を下げ、反対にPvPvE側のテスト期間中の基準Loot価値をわずかに引き上げると説明しています。
これはかなり重要な調整です。PvEでは他プレイヤーに倒されて装備やLootを失うリスクがありません。その状態でPvPvEと同額のアイテムを安定して回収できれば、「資産を増やすならPvE、PvPしたいときだけPvPvE」というプレイが最も効率的になり、PvPvEで高価な装備を持ち込んで探索する意味が薄れてしまいます。そこでEmbarkはPvE側の収益を下げ、危険を受け入れるプレイヤーにリスクプレミアムを付けようとしていると考えられます。単なる難易度調整ではなく、ゲーム経済そのものを守るための仕組みです。
緊張感PvEでもARCには簡単に倒されなくなるわけではない
PvPがなくなると緊張感が大きく低下するため、ARC側にもテスト用の変更があります。通常はARCによってダウンしたあとに動いていても攻撃が止まる場面がありますが、PvEテストではダウン状態で動いているとARCが再びターゲットとして認識し、その場で静止していれば無視される仕様に変わります。Embark自身、PvPの脅威がなくなった分の緊張感を維持する試みとして説明しています。
ただし今回のテストで、ARCを大量追加したり専用ボスを追加したり、PvE専用の新しい成長システムを導入したりするわけではありません。開発側は「PvEをもっと難しくする方法や新しいPvE進行を試すことが目的ではない」と明言しており、今回のテストだけを見て「ARC Raidersが本格的な協力PvEゲームになる」と考えるのはまだ早いでしょう。
対象外Night RaidやFrigateなどはPvE対象外
Night Raids、Hidden Bunker、Locked Gate、Frigateといった一部のMajor ConditionsはPvEテストから除外されます。Embarkはこれらについて、さまざまなプレイヤーと遭遇するか分からない不確実性を含め、高い緊張感を前提に設計されたコンテンツだと説明しています。PvEという選択肢そのものは認める一方、『ARC Raiders』のすべてを安全なPvEへ置き換えるつもりではない、という現在のEmbarkの姿勢がここに表れています。
調査データ「51%がPvE希望」は解釈に注意が必要
Embarkが公開したデータでは、プレイヤーのプレイスタイルはFriendly co-opが37%、Mixedが27%、Pure PvPが34%です。Friendly層では70%以上、Pure PvP層でも40%が「敵対的な遭遇を減らしたい」と回答し、調査対象となったプレイヤー全体では51%が専用PvEオプションに興味を示しました。
ただし「ARC Raidersプレイヤーの51%がPvE化を求めている」と言い切るのは正確ではありません。公式の表現は「surveyed playerbase」、つまり調査に回答したプレイヤーの51%で、調査人数や回答率、サンプリング方法は公開されていません。「PvE専用オプションに興味がある」と「PvPvEをやめてPvEだけにしてほしい」も同じ意味ではないため、この数字は「全プレイヤーの過半数がPvE派になった」と解釈するより、PvEという選択肢に無視できない規模の需要が確認されたと見るのが適切です。
むしろ興味深いのは、Pure PvPに分類されたプレイヤーでも40%が敵対的な遭遇を減らしたいと答えている点です。PvPを好むプレイヤーだからといって、毎回すべてのRaiderと戦いたいわけではなく、単純な「PvP派」と「PvE派」の二択にプレイヤーが分かれているわけではないことが分かります。
方針転換4月には「完全PvEは探りたくない」と話していた
Embark StudiosのProduction Director Caio Braga氏は2026年4月1日、GamesRadar+のインタビューで「Players shouldn’t feel fully safe. There’s always Arc in their way…humans, right? They can sometimes surprise you, backstab you, or abuse your generosity」と述べ、ARCだけでなく人間も裏切る可能性を残したいという考えを説明していました。そのうえで完全にPvEだけになる分離について、「finding a complete break where it’s only PvE is probably something we don’t want to explore at the moment」と当時は語っています。
わずか約6カ月後、Embarkは実際にPvEマッチメイキングのテストに踏み切りました。これは4月時点の発言が間違っていたという話ではなく、公式発表でもPvEによってゲーム本来の緊張感が失われる危険性を開発側自身が認めています。それでもテストへ進む理由として、プレイヤーが自分なりの楽しみ方を求めていることと「データが示していることを無視できない」ことを挙げています。
設計変遷マッチメイキング変更の延長線上にある
今回のPvE Toggleだけを見ると大きな方向転換ですが、2026年のマッチメイキング変更を追うと突然出てきたアイデアではありません。Embarkは5月、プレイスタイルを利用したマッチングの仕組みを説明しました。常に他プレイヤーを攻撃するRaiderと、ほとんど攻撃せず協力するRaiderを完全な二択にするのではなく、その間にある連続的なプレイスタイルを分析して比較的相性のよいプレイヤー同士をマッチさせる設計です。
さらに7月7日のUpdate 1.36.0では「We now track your playstyle separately for Solo, Duo, and Trio rounds, and match you accordingly」として、ソロ・デュオ・トリオごとにプレイスタイルを別々に記録する方式へ変更されました。ここまでの仕組みでは「プレイヤーがどんな遊び方をしているか」をゲーム側が過去の行動から推測していましたが、PvE Toggleではそれをプレイヤー自身が直接指定します。2026年に行われてきた一連の変更を並べると、「プレイスタイルを推測して近いユーザーを集める」方式から「今日はPvEかPvPvEかを本人が選択する」方式へ一歩進んだテストと見ることができます。
副作用PvPvE側の「質」が変わる可能性
PvEを追加すると当然マッチングキューが分割されます。Embarkも人口が少ない地域やプレイヤーの少ない時間帯では待ち時間が少し伸びる可能性があるとしています。しかしより重要なのは、単純な待ち時間ではなくPvPvE側に残るプレイヤーの構成が変わる可能性です。
仮にFriendlyプレイヤーの多くがPvEへ移動すると、従来のPvPvEから「戦いたくないプレイヤー」が減り、結果としてPvPvE側では攻撃的なプレイヤーと遭遇する割合が高くなる可能性があります。PvE追加によってPvEプレイヤーが遊びやすくなる一方、PvPvEは今まで以上にPvP色の強いモードへ変化しうるということです。Embarkもこの点を認識しており、「It may also might affect the quality of some of the PvPvE sessions, which we will also watch closely」として監視対象に挙げています。PvEモード自体が成功しても、その結果としてPvPvEが別物になってしまえば、ゲーム全体として成功とは言い切れません。
一方で、Friendly co-op層は発売後から増加している一方Pure PvP層は安定しているとEmbarkは説明しており、PvP需要そのものが消えているわけではありません。PvEを追加する意味も「PvPをPvEへ置き換える」より、これまで現在のルールに適応して遊んでいた別の層を正式にサポートする、に近いと考えられます。
比較同じExtraction系のMarathonもPvEを拡大
『ARC Raiders』だけでなく、Extraction Shooter周辺ではPvEを広げる動きが出ています。Bungieは『Marathon』について、2026年12月8日の「Symbiosis」アップデートで常設のPvE体験を追加する予定です。ただし経済への対処方法は異なります。『Marathon』が実験したPvEコンテンツでは専用の進行を持たせ、PvE内で拾った装備を通常モードへそのまま持ち出せないようにすることで、低リスクなLootがゲーム内経済へ大量に流れるのを防いでいました。一方の『ARC Raiders』は現在の経済を維持したまま、PvEのLoot価値を下げて調整します。同じ「Extraction ShooterへPvEを追加する」という動きでも、経済を分離する方法と報酬差でリスクを調整する方法に分かれている点は興味深いところです。
FAQよくある質問
まとめまとめ|PvPvEを捨てる機能ではなく緊張感の選択実験
『ARC Raiders』では2026年10月13日から20日まで、PvE専用マッチメイキングを選択できるPvE Toggleがテストされます。PvEではプレイヤー同士のダメージがなくなり、ARCとの戦闘・探索・Loot集め・クエストを中心に遊べますが、Loot価値は下げられ、Night Raids・Hidden Bunker・Locked Gate・Frigateなど一部コンテンツも対象外です。
今回のニュースで重要なのは、PvEそのものよりEmbarkの方針変化です。2026年4月には「完全にPvEだけへ分けることは探りたくない」と説明していた開発チームが、約半年後には実際のプレイヤーデータを根拠にテストへ踏み切りました。一方で「調査対象の51%がPvEオプションに興味を示した」という数字を、そのまま「プレイヤーの過半数がPvE化を望んでいる」と読み替えるのも適切ではありません。
PvE Toggleは、PvPvEというゲームの根幹を捨てるための機能ではなく、「どの程度の緊張感で遊ぶか」をプレイヤー自身に選ばせてもゲーム全体が成立するのかを確認する実験です。PvEが人気になるか以上に、追加した結果としてPvPvE側のプレイヤー構成・Loot経済・マッチング時間がどう変わるのかが、10月13日からの1週間で問われます。



