AMD Ryzen搭載Surfaceはなぜ消えた?Microsoftが理由を説明|Snapdragon・Intel・NVIDIAは採用

AMD Ryzen搭載Surfaceはなぜ消えた?Microsoftが理由を説明|Snapdragon・Intel・NVIDIAは採用

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NEWS / 2026-09
AMD Ryzen搭載Surfaceはなぜ消えた?Microsoftが理由を説明
Snapdragon・Intel・NVIDIAは採用、x86で買えるのは法人向けIntelだけ
Surface責任者のBrett Ostrum氏が、AMD搭載Surfaceがない理由を「製品数が限られているから」と説明しました。過去のRyzen版Surface Laptop 4は12時間超の実測を残した出来の良い世代です。性能以外の理由と、ゲームも遊びたい人のSurfaceの選び方を整理します。
AMD版は2世代だけ一般向けは全機種ArmRyzen AIはCopilot+要件を満たす

2026年のSurfaceには、QualcommのSnapdragon X2、IntelのCore Ultra シリーズ3、そしてNVIDIAのRTX Sparkを積むモデルがそろいました。PC向けの主要なチップメーカーで、AMDだけが入っていません。

Surface部門のコーポレートバイスプレジデント(CVP)であるBrett Ostrum氏は、その理由を「ラインナップが限られているので、何をどこでやるかを慎重に選ぶ必要がある」と説明しました。性能や消費電力の問題は挙げていません。実際、AMDのRyzen AI 300/400シリーズはMicrosoft自身がCopilot+ PCの対象に載せています。

ここでは、2019年と2021年に出たAMD版Surfaceの実測、2026年のSurfaceの構成、噂されている次のAMD製チップまでを並べて、AMDが外れた理由を性能以外の面から読み解きます。PCゲームも遊びたい人が、いまのSurfaceをどう選べばよいかも最後にまとめました。

Snapdragon X2を搭載した2026年のSurface Laptop 13.8インチ
Snapdragon X2を搭載した2026年のSurface Laptop 13.8インチ(画像:Microsoft Devices Blog)
目次

要点Microsoftは「製品数が限られている」と説明

Windows Centralが9月28日に掲載したインタビューで、Ostrum氏はAMDを採用していない理由を初めて公の場で語りました。Microsoftはこれまで、AMD版Surfaceをやめた理由を一度も説明していません。

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Ostrum氏の発言(要旨の訳)

「AMDと一緒に仕事をするのは大好きです。ただ、Surfaceの製品ラインナップは限られているので、何を、どこでやるのかを慎重に選ばなければなりません」。そのうえで改めて「私はAMDと仕事をするのが大好きです」と繰り返しています。

発言から分かるのは、関係が悪くなったわけではないことと、理由が「枠の数」だという点です。性能、消費電力、供給量、価格、Windowsとの相性といった技術的な理由は一つも挙がっていません。今後AMDを採用するかどうかについても、Ostrum氏は答えていません。

聞き手のZac Bowden氏自身も、同じ記事で「過去には同じ機種でIntel版とAMD版を出せていたのに、なぜ今はできないのか」と、この説明に納得していないと書いています。

出典:Windows Central(2026年9月28日)

経緯AMD版Surfaceは2019年と2021年の2世代だけ

AMDのCPUを積んだSurfaceは、Surface Laptop 3とSurface Laptop 4の2機種だけです。どちらも市販のRyzenをそのまま載せたのではなく、「Microsoft Surface Edition」と名付けた専用版を使っていました。

機種発売搭載CPUバッテリー実測
Surface Laptop 3
15インチ
2019年Ryzen 5 3580U/Ryzen 7 3780U
Surface Edition
8時間00分
Ryzen 5 3580U
Surface Laptop 4
13.5/15インチ
2021年Ryzen 5 4680U/Ryzen 7 4980U
Surface Edition
12時間04分
Ryzen 7 4980U・15インチ
Surface Laptop 5
AMD版を廃止
2022年Intel第12世代Coreのみ9時間50分
Core i7-1255U・1回のみの測定

バッテリーはすべて同じ海外レビューの同じテスト(Webブラウズ・動画再生・OpenGLを輝度150nitsで連続実行)の結果です。Surface Laptop 5の値は発売直前に1回だけ測ったもので、通常の3回平均ではありません。

専用版の中身は、グラフィックスの規模から分かります。市販のRyzen 7 3700Uの内蔵GPUはRadeon RX Vega 10ですが、Surface Laptop 3のRyzen 7 3780UはVega 11、Ryzen 5 3500UのVega 8に対してRyzen 5 3580UはVega 9でした。GPUの演算ユニットを1基ずつ増やした、Surface向けの選別品です。

出典:Microsoftサポート:Surface Laptop 3の仕様 / Tom’s Hardware:Surface Laptop 3(15インチ)レビュー / Tom’s Hardware:Surface Laptop 5とLaptop 4のバッテリー比較

検証Ryzen版Surface Laptop 4は失敗作ではなかった

「AMD版の出来が悪かったから切られた」という見方は、実測と合いません。弱点があったのは初代のSurface Laptop 3で、15インチなのにバッテリーは8時間ちょうど。高級ノートの平均をわずかに下回りました。

2年後のSurface Laptop 4では、Ryzen 7 4980Uの15インチが12時間4分まで伸びています。4K動画を1080pに変換するHandbrakeのテストでも8分21秒で終え、比較に並んだIntel機より数分速い結果でした。性能とバッテリーの持ちを両立した世代です。

そして、AMDをやめた次のSurface Laptop 5(Core i7-1255U)は9時間50分でした。測定回数の違いがあるので断定はできませんが、少なくともバッテリーの面では、後継のIntel版が前世代のAMD版を下回っています。CPUの計算性能ではIntel版が上回っており、どちらが上かは用途で分かれる結果でした。

弱点は「世代の遅れ」だった

Surface Laptop 4の専用Ryzenには、別の問題がありました。2021年の発売時点で、市場にはZen 3世代のRyzen 5000シリーズが出始めていたのに、SurfaceのチップはZen 2世代のRyzen 4000シリーズでした。

専用チップの共同開発に時間がかかったぶん、最新世代を使えなかったと考えられます。専用版を作るたびに1世代遅れるなら、Microsoftにとって毎回AMD版を用意する手間は重くなります。Microsoftが理由として挙げたわけではありませんが、2世代で終わった背景として考えられる点です。

出典:Tom’s Hardware:Surface Laptop 4(15インチ、AMD)レビュー

現状2026年のSurfaceはチップごとに役割が分かれている

2026年に発表されたSurfaceを並べると、チップメーカーごとに担当がはっきり分かれています。価格はすべて米国の希望小売価格です。

製品プロセッサ種類位置づけ
Surface Laptop/Pro for Business
5月19日発表、1,499ドルから
Intel Core Ultra(シリーズ3)x86法人向け
Surface Pro 13インチ/Surface Laptop 13.8・15インチ
6月16日発売、1,499ドルから
Snapdragon X2Arm一般向けの主力
Surface Pro 12インチ/Surface Laptop 13インチ
10月13日発売、1,149.99ドルから
Snapdragon X2 PlusArm一般向け(小型)
Surface Laptop Ultra
5月31日発表、2026年後半発売
NVIDIA RTX SparkArm制作・AI開発向け

目立つのは、一般向けのSurfaceがすべてArmになったことです。x86のCPUを積むのは、法人向けのIntel搭載モデルだけになりました。

Snapdragonとの関係は、かつてのAMDとの専用版づくりよりも深くなっています。MicrosoftはSnapdragon X2について、Surfaceのエンジニアがチップの開発段階からQualcommと組み、薄型PCでの持続性能、電力効率、静かな冷却、端末上のAI処理に合わせて調整していると説明しています。

Surface Laptop Ultraは、NVIDIAのBlackwell世代のRTX GPUに最大128GBのユニファイドメモリ(CPUとGPUで共有するメモリ)とCUDAを組み合わせ、1ペタFLOPSのAI演算をうたう機種です。通常のSurface Laptopとは狙う用途がまったく違います。

出典:Microsoft Devices Blog(5月19日) / Microsoft Devices Blog(5月31日) / Microsoft Devices Blog(6月16日) / Microsoft Devices Blog(9月23日)

分析AMDが入る「枠」がどこにもない

ここからはMicrosoftの説明ではなく、上の構成から読み取れることです。Ostrum氏の言う「限られたラインナップ」は、機種の数が少ないというだけでなく、同じ役割の機種を2つ作らないという意味に読めます。

  • 一般向けの薄型ノートとタブレットは、開発段階から組んでいるSnapdragonが担当しています。MicrosoftはSurfaceを「Windows、Copilot、Microsoft 365の最良の体験を形にするハードウェア」と位置づけており、Arm版Windowsを引っ張る役目もSnapdragon機が負っています。
  • x86が必要な法人には、Intel機があります。AMD版を足しても、同じ役割のx86機が2つ並ぶだけです。
  • GPU性能と大容量メモリが必要な人には、RTX SparkのSurface Laptop Ultraが用意されています。AMDのRyzen AI Maxシリーズを使う高性能機を作っても、ここと役割が重なります。

Surface Laptop 3・4の時代は、同じ筐体でIntel版とAMD版を選べるという売り方ができました。いまはチップごとに違う製品を作っているので、「AMD版も用意する」だけでは枠が生まれません。前の節で見たように、専用チップを毎回用意する手間が重いことも、優先順位を下げる方向に働いたと考えられます。

出典:Microsoft Devices Blog(9月23日)

要件Ryzen AIはCopilot+ PCの基準を満たしている

「AI PCとしての性能が足りないから外された」わけでもありません。MicrosoftのWindows 11仕様ページには、Copilot+ PCに使えるプロセッサとして、Snapdragon X、Intel Core Ultra 200V/300Vシリーズと並んで、AMD Ryzen AI 300/400シリーズが載っています。

Ryzen AI 400シリーズの最上位の一つ、Ryzen AI 9 HX 475は、Zen 5とZen 5cを合わせた12コア24スレッド、最大60TOPSのNPU、16基の演算ユニットを持つRadeon 890Mを内蔵しています。Copilot+ PCの要件であるNPU 40TOPS以上を十分に超えています。

ただし、Windowsのゲーム向け機能では差が残っています。ゲームの映像をAIで拡大する自動スーパー解像度(Auto SR)は、9月25日時点でSnapdragon X/X2とIntel Core Ultra シリーズ3が対象で、Ryzen AI 300シリーズは入っていません。詳しくは新型SurfaceがCopilot+ PCの名称を外した理由で整理しています。

出典:Microsoft:Windows 11 specifications / AMD:Ryzen AI 9 HX 475

ゲームゲーマーにとってAMD版Surfaceが意味を持つ理由

PCゲームの面から見ると、x86のRyzen AIを積んだSurfaceがないのは惜しい状況です。一般向けのSurfaceはすべてArmなので、x86向けに作られたWindowsのゲームはエミュレーター「Prism」を通して動かすことになります。

Prismでゲーム本体が動くタイトルは増えていますが、Microsoftはエミュレーションがユーザーモードのコードに限られ、ドライバーは動かせず、カーネルモードの部品はArm64向けに作り直す必要があると明記しています。カーネルで動くアンチチートや、周辺機器の設定ソフトのドライバーがArm64に対応していなければ、ゲームが起動しないことがあります。

x86のRyzen AIなら、この心配はありません。Steamのゲームもアンチチートも、一般的なWindowsノートと同じように動きます。Radeon 890Mを積む上位モデルなら、内蔵GPUで軽めのゲームを遊ぶ余地もあります。

噂の次期AMD製チップはArmだった

ただし、AMD版Surfaceが復活しても、x86に戻るとは限りません。2025年5月には、MicrosoftがAMDのArm系チップ「Sound Wave」(開発コード名)を積むSurfaceを2026年に出すというリーク情報が出ています。Sound Waveは性能コア2基と効率コア4基の6コア、RDNA 3.5世代のGPU 4基という、低消費電力向けの構成とされるチップです。

Windows Centralは今回の記事で、このチップは2026年中に出るとされていたものの、まだ兆しがないと書いています。未発表のチップなので採用は確定していませんが、もし実現しても「x86のゲームがそのまま動くAMD版Surface」にはならない点は押さえておくべきです。

出典:Microsoft Learn:How emulation works on Arm / Windows Central(2025年5月15日)

判断ゲームも遊びたい人はSurfaceをどう選ぶか

AMD版Surfaceが戻るという公式の予定はありません。待つより、いまの構成を前提に選んだほうが確実です。判断の分かれ目は、遊びたいゲームがArmで動くかどうかです。

✓
Snapdragon版Surfaceでよい人
  • 遊びたいタイトルがArm版Windowsで動くと確認できている
  • アンチチート付きの対戦ゲームを遊ばない
  • ゲームは軽いものやクラウドゲームが中心で、バッテリーの持ちを重視する
!
Surface以外も比べたい人
  • カーネルで動くアンチチートの対戦ゲームを遊ぶ
  • 周辺機器の設定ソフトやMODツールを使う
  • Radeon内蔵GPUでゲームを遊びたい(Ryzen AI 400搭載の他社ノートが候補)

自分のゲームがArmで動くかは、Snapdragon X ARM PCゲーミング完全ガイドでアンチチートの対応状況と合わせて確かめられます。Surface Laptop UltraのRTX SparkもArmなので、同じ確認が必要です。性能と対応タイトルはRTX Spark完全解説にまとめています。

Microsoftは10月7日にWindowsとSurfaceのイベントを予定しており、まだ出ていないSurface Laptop Ultraの価格と発売日が注目点です。予定は10月7日のイベントの記事で確認できます。

FAQよくある質問

いまAMD Ryzenを積んだSurfaceは買えますか
新品で買える現行機種にはありません。AMD版はSurface Laptop 3(2019年)とSurface Laptop 4(2021年)の2機種だけで、2022年のSurface Laptop 5以降はAMD版が出ていません。
MicrosoftとAMDの関係が悪くなったのですか
Surface責任者のOstrum氏は否定しています。「AMDと仕事をするのが大好きだ」と繰り返したうえで、ラインナップが限られているので選択を慎重にしていると説明しました。
x86のCPUを積んだSurfaceはありますか
2026年の新機種では、Intel Core Ultra シリーズ3を積む法人向けのSurface Laptop for BusinessとSurface Pro for Businessだけです。一般向けのSurface、Surface Laptop UltraはどちらもArmです。
Ryzen AIはCopilot+ PCになれますか
なれます。MicrosoftはRyzen AI 300/400シリーズをCopilot+ PCの対象プロセッサに載せています。ただし、ゲーム向けのAuto SRは9月25日時点でRyzen AI 300シリーズを対象にしていません。

まとめまとめ|AMDが外れたのは性能ではなく枠の問題

MicrosoftがAMD搭載Surfaceを出していない理由は、公式には「ラインナップが限られている」の一言だけです。AMDとの関係悪化も、性能やAI要件の不足も理由に挙がっていません。

過去のAMD版Surface Laptop 4はバッテリー12時間4分を記録し、後継のIntel版を上回っていました。弱点は専用チップの開発で世代が遅れることでした。2026年はSnapdragon、Intel、NVIDIAに役割が割り振られ、AMDが入る枠が残っていません。

まとめ

一般向けのSurfaceはすべてArmになり、x86のゲームやアンチチートをそのまま使えるのは法人向けのIntel機だけです。噂のAMD製チップもArmなので、x86のRyzen版Surfaceが戻る見込みは薄いと考えておくのが安全です。

ゲームも遊びたいなら、遊ぶタイトルがArmで動くかを先に確かめ、動かないならRyzen AI 400を積む他社のノートPCと比べて選ぶのが確実です。

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