MicrosoftがDualSenseのアダプティブトリガーとライトバーをGameInputで開放|USB限定でBluetoothは対象外
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
ただしUSB限定、Bluetoothは対象外
出典:Microsoft.GameInput のリリースノート(NuGet)、およびMicrosoftのGameInputリポジトリのDualSenseコンパニオンヘッダーの説明にもとづきます。本記事公開時点(2026年9月10日)に一次資料で直接確認しました。
PCでDualSenseを使ってきた人なら、アダプティブトリガーやハプティクスが「対応ゲームでしか効かない」ことをご存じだと思います。原因はコントローラー側ではなく、PC側にそれを扱う共通の窓口がなかったことにあります。
MicrosoftはGameInput 3.5で、その窓口にあたるDualSense向けのコンパニオンヘッダーを追加しました。ライトバー、プレイヤーLED、ランブル、マイクミュートLED、そしてアダプティブトリガーを扱えます。
ただし見出しだけを読むと誤解しやすい話です。これはWindowsがDualSenseにネイティブ対応したという意味ではありません。この記事では、何が追加されたのかを整理したうえで、USB接続が前提であることとゲーム側が採用するまで手元の環境は変わらないことまで押さえます。
目次
追加GameInput 3.5で何が入ったのか
GameInputはMicrosoftの入力APIで、キーボードからゲームパッドまでを1つの窓口で扱う仕組みです。今回のバージョン3.5では、リリースノートに次の項目が並びます。
| バージョン | DualSenseに関わる変更 | その他の主な変更 |
|---|---|---|
| 3.5 | DualSense向けコンパニオンヘッダーを追加/DualSense Edgeの入力重複を修正 | XInputとバックグラウンドGIPのrawデバイスレポートに対応/Agility SDK形式の並列配置に対応/公開ヘッダーと静的ライブラリのライセンスをMITへ変更 |
| 3.4 | 直接の記載なし | raw HIDレポートに対応 |
| 3.3 | DualSenseのジャイロに対応 | コントローラーのパドルに対応/ARMネイティブ対応 |
※Microsoft.GameInputのリリースノート(NuGet)の記載にもとづきます。
並べると流れが見えます。3.4でraw HIDレポートを扱えるようにしたことが土台になり、3.5でDualSense向けの具体的なヘルパーが用意された、という順序です。
DualSense Edgeについては別の実利もあります。一部のWindows.Gaming.Inputを使うゲームで入力が二重に認識される不具合が修正されました。Edgeを使っていて入力が重複していた人には、こちらのほうが体感しやすい変更かもしれません。
機能ヘッダーが提供するのは、この範囲
Microsoftのリポジトリにある説明によると、このヘッダーは対応するコントローラーを識別したうえで、次の操作を用意しています。
| 分類 | 操作できる内容 | 補足 |
|---|---|---|
| ライトバー | 色の指定とフェードアウト、消灯 | 色は0〜255のバイト値で指定 |
| プレイヤーLED | 点灯パターンの指定 | 本体前面のプレイヤー番号表示 |
| ランブル | 左右モーターの強度指定 | 従来型の振動 |
| マイクミュートLED | 点灯・消灯 | マイクミュートボタンのLED |
| アダプティブトリガー | オフ/フィードバック/ウェポン/バイブレーション | 4種類の効果を切り替え |
対応するのはDualSenseとDualSense Edgeで、Microsoftはベンダーやプロダクトの識別子まで明示しています。パラメーターは色・モーター・力・位置・周波数・抵抗・強度のいずれも0〜255の生のバイト値で、正規化された小数ではありません。トリガーのバイブレーション開始位置だけは0〜147が物理的な範囲とされています。
今回のヘッダーが扱うのは、トリガーの抵抗を変える「アダプティブトリガー」とモーターを回す「ランブル」です。音声信号でグリップ全体を細かく震わせるハプティックフィードバックとは別の仕組みなので、混同しないでください。両者の違いはDualSenseのハプティックがPCで効かない原因を整理した記事で解説しています。
誤解「Windowsが対応した」という話ではない
ここが今回いちばん誤読されやすい部分です。Microsoft自身の説明を読むと、位置づけはかなり控えめです。
まずこれはヘッダーだけで完結するサンプルであり、Microsoftも「sample」と表現しています。実体はGameInput経由で生の出力レポートを送るための補助で、OSがDualSenseの機能を自動で有効にするものではありません。
さらに明確なのが、Sonyとの関係についての注記です。Microsoftは「このサンプルは公式のSony SDKではなく、Sony Interactive Entertainmentのサポートを意味しない」と書いています。Sony公認の実装ではないという前提は押さえておくべきです。
加えて「デバイスのファームウェアとトランスポートの挙動は異なりうるため、返却される値を毎回確認すること」という注意も添えられています。環境によって動作が変わりうる領域だという認識が必要です。
制約USB接続が前提、Bluetoothは対象外
実用面でいちばん効く制約がこれです。このヘッダーが組み立てるのは64バイトのUSB形式の出力レポートで、先頭バイトはレポートID 0x02です。
そしてMicrosoftは、Bluetoothのフレーミング、チェックサム、トランスポートの選択、入力のパース、接続管理のいずれも実装しておらず、Bluetooth対応を主張しないと明記しています。
DualSenseをBluetoothでPCに接続して使っている場合、この仕組みの対象外です。USBケーブルでの接続が前提になります。もともとPCでのDualSenseは、ハプティクスやアダプティブトリガーが絡む場面でUSB接続のほうが安定しやすい傾向がありました。その傾向は今回の追加でも変わりません。
接続方式で挙動が変わる話は、当サイトでも繰り返し扱ってきました。DualSenseがPCでXbox表示になる仕組みや、Steam DeckでDualSenseを正しく動かすための環境変数も、根は同じ「PC側がコントローラーをどう解釈するか」という問題です。
影響手元の環境は、いつ変わるのか
率直に言うと、今日の時点で手持ちのゲームの挙動は何も変わりません。
これは開発者向けのヘッダーなので、ゲーム側がGameInputを使い、このヘッダーを組み込んで初めて効果が出ます。既存タイトルに後から自動で機能が追加されるわけではありません。
PCゲームでDualSenseの機能が使えるかどうかは、これまでもタイトルごとの実装次第でした。たとえばエルデンリングは公式対応がXbox系のみで、DualSenseは非公式という扱いです。今回の追加はその実装の敷居を下げる材料ではありますが、採用は各開発元の判断になります。
それでも意味のある変化ではあります。これまで開発者はDualSenseの機能を使うために独自にHIDレポートを組み立てる必要がありました。Microsoftが公式のリポジトリでサンプルを配り、ライセンスもMITになったことで、実装の手間と法的な不透明さがどちらも下がります。
対象機種対応が明記されているのは、この2機種だけです
Microsoftがヘッダーで対応を明記しているのはDualSenseとDualSense Edgeの2機種です。ベンダーとプロダクトの識別子まで指定されているため、他社製のPS5向けコントローラーは対象になりません。今後この仕組みを使うタイトルが出てきた場合、恩恵を受けられるのは次の2つになります。
FAQよくある質問
なりません。これは開発者がゲームに組み込むためのヘッダーで、利用者側で導入するソフトウェアではありません。ゲーム側が対応して初めて効果が出ます。
対象外です。実装は64バイトのUSB形式出力レポートを前提としており、MicrosoftはBluetoothのフレーミングやチェックサムを実装しておらず、Bluetooth対応を主張しないと明記しています。
違います。Microsoftはこれを「サンプル」と位置づけ、公式のSony SDKではなくSony Interactive Entertainmentのサポートを意味しないと明記しています。OSが自動でDualSenseの機能を有効にするものではありません。
このヘッダーが扱うのはアダプティブトリガーとランブル、そしてLED類です。音声信号でグリップを細かく振動させるハプティックフィードバックとは別の仕組みになります。
対応しています。あわせてGameInput 3.5では、一部のWindows.Gaming.Inputを使うゲームでDualSense Edgeの入力が二重に認識される不具合も修正されました。
当面は必要な場面が残ります。今回の追加はゲーム側が新しく実装するための土台で、既存タイトルの挙動を変えるものではないためです。
総括土台は動いた、ただし利用者に届くのはこれから
GameInput 3.5でDualSense向けのコンパニオンヘッダーが追加され、ライトバー、プレイヤーLED、ランブル、マイクミュートLED、アダプティブトリガーの4種類の効果を扱えるようになりました。DualSense Edgeの入力重複も修正されています。
ただし押さえるべき制約が3つあります。第一に、これはOSのネイティブ対応ではなく開発者向けのサンプルであること。第二に、USB形式の出力レポートが前提でBluetoothは対象外であること。第三に、ゲーム側が採用しなければ手元の環境は何も変わらないことです。
とはいえ、これまで各開発元が独自にHIDレポートを組み立てるしかなかった領域に、Microsoftが公式のサンプルをMITライセンスで置いた意味は小さくありません。PCでDualSenseの機能が使えるタイトルが増えるかどうかは、ここから先の採用状況次第です。
DualSenseのアダプティブトリガーやライトバーをPCゲームで扱うための公式サンプルが用意されました。ただしWindowsがネイティブ対応したわけではなく、USB接続が前提で、ゲーム側が実装するまで手元の挙動は変わりません。ワイヤレスで使っている人には当面関係のない話です。





