AMD 失速の真相|Mercury Research Q1 2026 デスクトップシェア 36.4% → 33.2% へ後退、Intel Arrow Lake Refresh が流れを変えた【2026年5月】

AMD 失速の真相|Mercury Research Q1 2026 デスクトップシェア 36.4% → 33.2% へ後退、Intel Arrow Lake Refresh が流れを変えた【2026年5月】

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MERCURY RESEARCH — Q1 2026 統計レポート2026.05.24 公開/発表日:2026.05.14(米) 出典:Tom’s Hardware / TechSpot
AMD 失速の真相
デスクトップシェア 36.4% → 33.2% へ後退、Intel Arrow Lake Refresh が流れを変えた
Q4 → Q1 QoQ−3.2ptデスクトップ単体/同期間でクライアント合計は 29.6% で過去最高

2026年5月14日、Mercury Research が Q1 2026 の x86 CPU 統計を公表しました。デスクトップ単体での AMD ユニットシェアは Q4 36.4% → Q1 33.2% へと 3.2pt 失速。一方でクライアント合計(デスクトップ+ノートPC)は 29.6% で過去最高更新、サーバー収益シェアは 46.2% という強烈な二面性を見せています。本記事は「サーバー46.2%」を主題にした横並び海外報道の上を行き、デスクトップ単体での失速理由を Intel Arrow Lake Refresh 投入・9800X3D 供給逼迫・DDR5 高騰の3要因に切り分け、Steam HW Survey との照合・BTO/自作派の判断指針まで踏み込みます。

1分で結論|この記事のポイント
  • AMD デスクトップユニットシェアは Q4 36.4% → Q1 33.2%(−3.2pt QoQ)。ただし YoY では +5.2pt 成長で「失速 ≠ シェア喪失」
  • クライアント合計(デスクトップ+ノート)は 29.6% で過去最高更新。サーバー収益シェアは 46.2% と二面性が鮮明
  • QoQ 失速の構造要因は 3つ:Q1末投入の Intel Arrow Lake Refresh/Ryzen 7 9800X3D の供給逼迫継続/DDR5 価格高騰による AM5 自作の意思決定遅延
  • Steam HW Survey と照合すると、出荷シェア(Mercury)と実使用シェア(Steam)には 1年以上のタイムラグ。実体は「依然 AMD 優勢」
  • BTO・自作派の判断指針は変わらず Ryzen X3D 継続推奨。Intel 側を再評価するのは Core Ultra 200 Plus + B860 マザボの「コスパ枠」のみ
33.2%
AMD デスクトップ単体
Q4 36.4% から −3.2pt QoQ
29.6%
AMD クライアント合計
過去最高更新(デスク+ノート)
46.2%
AMD サーバー収益シェア
EPYC 主導の成長継続
約70%
Intel 消費者 PC 維持率
Arrow Lake Refresh で踏みとどまり
目次

01 / 速報|Q1 2026 Mercury Research 結果ハイライト

まず 5/14 公表の Q1 2026 統計を、Tom’s Hardware・TechSpot ・businesstats の数字でクロスチェックし、二次ソースに依存しない形で整理しました。データセット名は Mercury Research Q1 2026 x86 CPU Market Share Report。発表者は同社プリンシパルの Dean McCarron 氏です。

指標
Q1 2026 実績
前期 / 前年同期 比較
読みどころ
AMD デスクトップ(ユニット)
33.2%
QoQ −3.2pt(Q4 36.4%)/YoY +5.2pt(前年同期 28%)
「QoQ 失速」と「YoY 成長」の両立。報道見出しで切り取られる側が変わる
AMD クライアント合計
29.6%
過去最高更新(前期 29.2%)
ノートPC が伸びてデスクの失速を吸収。指標としては強気
AMD クライアント収益
31.4%
単価高い X3D / Ryzen AI 寄与
ユニットより収益の方が高い=高単価帯で勝っている構造
AMD サーバー(収益)
46.2%
EPYC 主導で継続上昇
海外報道はここを主題化。本記事は デスクトップ失速を主題化
Intel 消費者 PC 全体
約 70%
Arrow Lake Refresh で QoQ 踏みとどまり
「依然 Intel が量で支配」は事実。ただしハイエンドゲーミングは別の話
x86 全体・AMD 価値シェア
38.1%
ユニットより 7pt 以上高い
EPYC・X3D など高単価品で稼ぐ「AMD の収益体質」の証左

注目点は 「QoQ 失速」と「YoY 成長」が同時に成立している点です。デスクトップ単体での −3.2pt はインパクトのある数字ですが、前年同期と比べれば +5.2pt と依然として大きく前進しています。つまり「失速=シェアを失っている」という見出しは半分しか正解ではなく、正しくは「過熱から少し冷えただけで、長期トレンドはまだ AMD 優勢」と読むのが妥当です。

数字の出典について

本記事の Q1 2026 数値は Mercury Research の Q1 2026 統計レポートを一次データとし、Tom’s HardwareTechSpotbusinesstats の3媒体で数字を相互照合しました。乖離があった場合は Tom’s Hardware の Q1 2026 専用記事を採用しています。

02 / デスクトップ失速|36.4% → 33.2% の構造分析

本記事の核です。デスクトップ単体での −3.2pt QoQ という数字を、報道見出しの「失速」と実態の「依然成長」の二面で切り分けます。

短期トレンド(QoQ)|失速の側面
  • Q4 2025 の 36.4% は過去最高水準で、AMD 単独でデスクトップ x86 の 3分の1超を握っていた異例の高水準
  • Q1 2026 で 33.2%−3.2pt 後退。3四半期連続の上昇ストリークが途切れた
  • 季節要因(年末商戦のヤマ場が Q4 に集中)に加え、Intel 側の Arrow Lake Refresh 投入で Intel が QoQ ベースで踏みとどまった
  • 「AMD が量を落とした」というより「Intel が反撃に出てきた」と読むのが構造的に正確
長期トレンド(YoY)|依然成長の側面
  • 前年同期(Q1 2025)の 約 28% から見ると、Q1 2026 の 33.2%+5.2pt の大幅成長
  • クライアント合計では 29.6% で過去最高更新。ノートPC が伸びてデスクの失速を完全に吸収
  • 収益シェアはユニットシェアより 7pt 以上高い 38.1%。高単価帯(X3D・EPYC)で稼ぐ収益体質が継続
  • 「シェア喪失」ではなく「過熱した Q4 から自然な軟着陸」のフェーズ

この二面性を踏まえると、デスクトップ単体の −3.2pt「Q4 のピークが構造的に維持できなかった」と読むのが妥当です。Intel が完全に巻き返したわけでも、AMD が魅力を失ったわけでもありません。Q4 → Q1 という季節サイクルに Arrow Lake Refresh の Q1 末投入が重なり、過熱したシェアがピークアウトしたフェーズ。長期トレンドラインで見れば、AMD は依然として右肩上がりです。

「失速」見出しの読み方

海外メディア・SNS 上では「AMD desktop share drops 3.2pt」という見出しが先行していますが、これだけを切り取ると誤読を招きます。「QoQ では失速、YoY では依然成長」を必ず併記したうえで判断材料にしてください。「AMD は終わった」「Intel が完全復活」と早合点する材料にはなりません。

03 / クライアント合計過去最高|ノートで稼ぐ・デスクで失速のパラドックス

もうひとつ重要な事実は、デスクトップ単体が −3.2pt 失速したのと 同じ四半期に、クライアント合計(デスク+ノート)は 29.6% で過去最高を更新したという点です。ここに今の AMD の収益構造が表れています。

デスクトップ
33.2%
QoQ −3.2pt

自作派・ハイエンド向けが Q1 季節要因+ Arrow Lake Refresh で軟化

ノートPC
伸長
クライアント合計を底上げ

Ryzen AI 300 / 400 シリーズが OEM ノートに広く採用、Lenovo・HP・ASUS で AMD 機が拡大

クライアント合計
29.6%
過去最高更新

デスクの失速をノートが完全吸収。総合では むしろ強い四半期

この構造を見落とすと、ニュース記事ごとに「AMD 過去最高」と「AMD 失速」が同居して混乱します。セグメントごとに勝ち負けが分かれた四半期と理解すれば矛盾しません。デスクトップ自作派・BTO の人が見るべきは「33.2%(失速)」の方、ノートPC 市場のトレンドを追う人が見るべきは「29.6%(過去最高)」の方、というシンプルな整理です。

04 / 失速の3つの理由|Arrow Lake Refresh/9800X3D 供給逼迫/DDR5 高騰

「Q4 のピークから Q1 で −3.2pt」という現象を、報道ベースで構造要因に分解します。単一要因ではなく、3つの要因が同期間に重なったのが Q1 失速の正体です。

01
Intel Arrow Lake Refresh(Core Ultra 200 Plus)の Q1 末投入

2026年3月、Intel は Arrow Lake Refresh として Core Ultra 7 270K Plus($299)・Core Ultra 5 250K Plus($199)を投入。Binary Optimization Tool 経由でゲーミング性能を引き上げ、マルチスレッドでは旧 Core Ultra 9 285K を超える局面も。「9800X3D に並ぶ」ではなく「Intel プラットフォームでもコスパ枠が再成立した」のが構造インパクト。OEM・BTO 側でも B860 マザボとの組み合わせで提案できる選択肢が増え、Q1 末の Intel 採用率を押し上げた

02
Ryzen 7 9800X3D の供給逼迫が Q1 を通じて継続

AMD のゲーミング本命 Ryzen 7 9800X3D は 2025年11月発売以降、供給が需要に追いついていない状態が続いています。Q1 2026 でも国内価格は ¥60,000〜70,000 の幅で振れ続け、在庫切れ・入荷待ちが断続的に発生。これにより「BTO で 9800X3D を選びたかった層」が結果的に Core Ultra 5/7 系へ流れた構造があり、AMD のデスクトップユニット数を抑制した

03
DDR5 価格高騰による AM5 自作の意思決定遅延

2026年 Q1 を通じて DDR5 が AI 需要起因で 上昇圧力を受け続け、AM5 自作の総額が想定を上回るケースが頻発。DDR4 が残るマザボ(LGA1700 + B760)でも組める Intel 側に対して、AM5 は DDR5 必須のため、自作派の「今は様子見」判断が増えました。これは AMD の責任ではなく市場要因ですが、結果として Q1 のデスクトップ AMD シェアを抑える方向に働いた

3要因の合算が −3.2pt という結果になったと整理できます。逆に言えば、Arrow Lake Refresh 単独で 3.2pt を全部説明することはできません。「Arrow Lake Refresh で流れが変わった」というのは半分正しく、残り半分は「AMD 側の供給制約と DDR5 高騰が同時に起きた」という構図です。

3要因の中で持続性が高いのはどれか

持続性で言えば Arrow Lake Refresh 投入効果は最も長期的に効きます。Core Ultra 200 Plus は2026年いっぱい現役で、B860 マザボとの組み合わせで「Intel コスパ枠」として定着しつつあります。一方、9800X3D 供給逼迫は Q2 以降の増産で緩和する見込み、DDR5 高騰は2027年予測の軟化で改善する可能性があります。Q2・Q3 で AMD デスクトップシェアが反発するシナリオは十分にあり得ます。

05 / サーバーは依然好調|46.2% 収益シェアの意味と限界

海外報道が見出しに据えたのは「サーバー収益シェア 46.2%」の方です。こちらはデスクトップ失速とは対照的に、EPYC 主導で右肩上がりが継続しています。

サーバー収益シェア
46.2%
前期から継続上昇。Intel Xeon に対して約半分の収益を AMD が押さえる構造
サーバーユニットシェア
33%超
収益 46.2% に対しユニットは 33%超=「1台あたりの単価が圧倒的に高い」EPYC の強さが浮き彫り
主力 SKU
EPYC 9005 / Turin
Zen 5c コア最大 192C、HPC・AI 推論ワークロードで Xeon を上回るシナリオが定着

「サーバー 46.2%」の意味は単純です。1台あたりの単価が圧倒的に高いハイエンドサーバーで、AMD が Intel と互角を超えたということ。Mercury Research のレポートでも、ユニット数より収益で先行している点が AMD の強みとして繰り返し言及されています。データセンター事業者にとって「Intel 一択」だった時代は完全に終わり、EPYC は標準選択肢のひとつになっています。

ただし、サーバーの好調は PC ゲーマーに直接の恩恵を与えないのも事実です。サーバー需要が強すぎると、TSMC の 4nm / 3nm ウェハ割当が EPYC / Instinct(AI 向け)に優先配分され、結果として X3D 系の供給が後回しになる構造が続きます。9800X3D が品薄なのは「ゲーミング需要が読めなかった」のではなく「データセンター側でフル稼働させた方が利益率が高い」という単純な算数の結果です。AMD Q1 FY2026 決算徹底分析 で CFO Jean Hu が「H2 ゲーミング売上 H1 比 20% 超減」と警告したのも、この構造の延長線上にあります。

06 / Steam Hardware Survey 照合|出荷シェア vs 実使用シェア

Mercury Research の数字は 出荷統計です。一方、Valve が毎月公開する Steam Hardware Survey は 実使用統計。両者を照合すると、Mercury のセンセーショナルな見出しの裏で、実際のゲーミング PC ユーザーがどう動いているかが見えます。

統計ソース
性格
AMD CPU 比率(参考)
タイムラグ
Mercury Research(Q1 2026)
出荷統計(OEM + リテール)
デスク 33.2% / クライアント 29.6%
即時(四半期発表)
Steam HW Survey(2026年5月)
実使用統計(ゲーマー)
約 40%前後(公開値ベース)
出荷から 1〜2年遅れ

注目すべきは Steam 上の AMD CPU 比率が Mercury の出荷シェアより明確に高い点です。これは「ゲーマー層は OEM 平均より AMD(特に X3D 系)を選ぶ傾向が強い」という事実を示しています。Mercury のデスクトップ全体 33.2% は法人 PC・低スペック OEM を含んだ平均値で、純粋にゲーミング目的の PC だけを切り出せば AMD 比率はさらに高くなる、というのが現実です。

出荷シェアと実使用シェアのギャップが意味すること

Mercury の出荷データで AMD が −3.2pt 失速しても、Steam 上で AMD 比率が即座に下がるわけではありません。ゲーマーが買った X3D PC は 3〜5年使われるため、実使用ベースのシェアは出荷統計より長期的に推移します。「Mercury で AMD 失速=Steam でも即影響」と捉えるのは早合点で、ゲーミングPC市場の実体は当面 AMD 優勢が続くと考えるのが現実的です。

07 / BTO・自作派の判断指針|Ryzen X3D 継続推奨 vs Core Ultra 200 Plus 見直し

ここまでの分析を踏まえて、いま BTO・自作で組む人がどちらを選ぶべきかを4セグメントで整理します。Mercury の「失速」報道を見て慌てて方針を変える必要があるか否か、結論からはっきり書きます。

A
ハイエンドゲーミング(4K / 高リフレッシュ)
推奨:Ryzen 7 9800X3D 継続
  • Mercury の出荷シェア失速はゲーミング性能とは無関係
  • X3D の 3D V-Cache がゲームfps で依然圧倒。Arrow Lake Refresh は 独立テスト平均で約 20% 届かず
  • 9800X3D 在庫があれば即決、なければ Q2 増産待ちの判断でOK
  • 関連 9800X3D vs 270K Plus 徹底比較
B
ミドルゲーミング+作業(コスパ重視・自作)
再評価:Core Ultra 7 270K Plus / Ultra 5 250K Plus
  • $299 / $199 + B860 マザボの組み合わせで AM5 + DDR5 より総額を抑えられるケースが増えた
  • マルチスレッドでは旧 285K 超え、ゲームでは 9800X3D に届かないが 許容範囲
  • DDR4 を流用したい場合は LGA1700 + B760 + Core i5-14400F も依然現実解
  • 関連 Arrow Lake Refresh レビュー
C
マルチコア重視(配信・動画編集・3DCG)
推奨:Ryzen 9 9950X3D / 9950X 継続
  • 16コア帯では AMD が依然優位。Intel Core Ultra 9 285K も対抗候補だが TDP・電気代で AMD 有利
  • Mercury の失速はこのセグメントには波及していない(Q1 出荷数の影響は主にミドル帯)
  • BTO で組む場合の本命は 9950X3D + RTX 5080 / 5090 構成
  • 関連 X3D 3機種比較
D
ライト用途(オフィス・配信視聴・軽ゲーム)
どちらでも:Core Ultra 5 235 / Ryzen 5 9600X
  • このゾーンは Intel・AMD どちらでも体感差はほぼなし
  • DDR4 互換性・マザボ流用・価格で選んでOK
  • Mercury の数字はこのセグメントの出荷ボリュームで動いている部分が大きい

4セグメントを通じての結論は 「ハイエンド・マルチコア用途は引き続き Ryzen X3D を推奨、ミドル帯コスパ枠だけ Core Ultra 200 Plus を再評価」です。Mercury の失速見出しを見て「Intel に乗り換えた方が良いのでは」と慌てる必要はありません。ゲーミング性能で 9800X3D が圧倒している事実は変わっておらず、Steam 実使用シェアでも AMD 優勢の構造が継続しています。

08 / 参考|各シェア帯のおすすめモデル

Mercury のシェアレポートを受けて、いま BTO・自作で選ぶ場合に「シェアと実力が一致している」モデルを4枚ピックしました。価格は2026年5月23日時点の Amazon 参考値です。

価格は変動します

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09 / FAQ|Mercury Q1 2026 と CPU 選びに関するよくある疑問

Q1. AMD のデスクトップシェアが −3.2pt 失速したら、自作で Intel に乗り換えるべきですか?

結論は 「乗り換える必要なし」です。Mercury の数字は出荷シェアであって性能シェアではありません。ゲーミング性能では Ryzen 7 9800X3D が依然圧倒しており、Arrow Lake Refresh(Core Ultra 7 270K Plus)でも独立テスト平均で約 20% 届かない事実は変わっていません。「シェアが失速=性能で負けた」ではなく、Intel が Arrow Lake Refresh で踏みとどまっただけ。ハイエンドゲーミングなら 9800X3D / 9950X3D 路線を継続して問題ありません。

Q2. クライアント合計 29.6% が過去最高なのに「失速」と書かれるのはなぜですか?

セグメントを切る粒度で見出しが変わるためです。デスクトップ単体では Q4 36.4% → Q1 33.2% で −3.2pt 後退ですが、クライアント合計(デスク+ノート)では 29.6% で過去最高更新。報道側がどちらを主題化するかで「失速」「過去最高」が同居します。本記事ではデスクトップ単体を主題化し、その失速理由を Arrow Lake Refresh など3要因に分解しました。両方を読み比べると正確な構造が掴めます。

Q3. サーバー 46.2% 収益シェアは PC ゲーマーに関係ありますか?

直接の恩恵はありません。むしろ 負の影響があります。サーバー(EPYC)と AI 向け Instinct が TSMC 4nm / 3nm のウェハ割当を優先的に確保するため、X3D 系(9800X3D・9950X3D など)の量産能力が後回しになる構造があります。9800X3D の供給逼迫が続いているのはこの構造の結果です。サーバー好調はゲーマーにとって「良いニュース」ではなく「品薄継続の説明材料」と読むのが妥当です。

Q4. Arrow Lake Refresh は本当に Intel の反撃材料として機能しているのですか?

機能しています。Mercury Q1 で Intel が消費者 PC 約 70% を維持できたのは、Arrow Lake Refresh(Core Ultra 200 Plus シリーズ)の Q1 末投入で「ミドル帯コスパ枠」が再成立したことが大きいです。ただし「9800X3D に並んだ」のではなく「$299 で 285K 超えのマルチ性能」という別軸の魅力で勝負しており、ゲーミング王者は依然 9800X3D。コスパ重視・マルチコア重視で Intel を選ぶ意味は出てきましたが、ゲーミング特化なら AMD を変える理由にはなりません。

Q5. Q2 2026 のシェアはどう動くと予想されますか?

報道ベースの個人的見立てとして、AMD デスクトップシェアは Q2 で反発する可能性が高いと読んでいます。理由は3つ:(1)9800X3D の供給が Q2 で増産フェーズに入る見込み、(2)DDR5 価格が2027年予測で軟化観測(Samsung Kyung プレジデント発言)、(3)Arrow Lake Refresh の初動効果が一巡。逆に Intel 側は Nova Lake(2026年後半投入観測)まで新たな弾がなく、Q2 はディフェンスフェーズ。Q2 で再び 35% 台に戻る可能性も十分にあります。次回 8月の Q2 2026 レポートを待ちましょう。

10 / 総評|Mercury Q1 2026 が示した「失速」の本当の意味

Conclusion 2026.05.24
Mercury Q1 2026 が PC ゲーマーに突きつけた 4 つの事実
  • 失速の構造
    AMD デスクトップ単体は Q4 36.4% → Q1 33.2%(−3.2pt QoQ)。ただし YoY では +5.2pt 成長で「過熱した Q4 ピークからの自然な軟着陸」が実態。「シェア喪失」とは構造が違う
  • 過去最高更新
    同四半期にクライアント合計(デスク+ノート)は 29.6% で過去最高。サーバー収益は 46.2%。デスクで失速しノートとサーバーで稼ぐ二面性構造
  • 3要因
    失速の主因は Intel Arrow Lake Refresh の Q1 末投入/Ryzen 7 9800X3D 供給逼迫継続DDR5 価格高騰による AM5 自作の意思決定遅延。単一要因ではなく合算で −3.2pt
  • 判断指針
    ゲーミング王者は依然 9800X3D / 9950X3D。Intel 再評価はミドル帯コスパ枠の Core Ultra 200 Plus + B860 のみ。Steam 実使用シェアでも AMD 優勢継続で、Mercury 失速報道で慌てて方針を変える必要はない

Mercury Q1 2026 のレポートを読むときに最も重要なのは「セグメントごとに勝ち負けが分かれた四半期」という構造認識です。デスクトップ単体の −3.2pt だけを切り取れば「AMD 失速」、クライアント合計で見れば「AMD 過去最高更新」、サーバー収益で見れば「AMD 46.2% で半分弱を支配」と、全く違う見出しが同時に成立します。海外メディアの大半が「サーバー 46.2%」を主題にしたのに対して、本記事は「デスクトップ失速」を主題化することで、自作・BTO ユーザーが本当に知りたい「Arrow Lake Refresh は本物の脅威か」「9800X3D 路線を続けて良いか」という問いに正面から答える形にしました。

結論はシンプルです。ゲーミング王者は依然 Ryzen X3D で変わらず、Mercury の失速報道は出荷統計の季節要因+ Arrow Lake Refresh 効果の合算であって、性能逆転ではない。次回 8月の Q2 2026 Mercury レポートで AMD デスクトップが反発するか、Intel がさらに踏みとどまるかを再度ウォッチします。本記事を後から読み返したときに、Q1 → Q2 → Q3 と統計をまたいで AMD と Intel の動きを追える時系列記事として残す予定です。

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