Radeon 780MでFSR 4を使うとCyberpunk 2077が40fps超え|内蔵GPUでもAAAゲームは遊べる?
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17.07fps→40.71fpsの内訳と、鵜呑みにできない注意点
内蔵GPU(Radeon 780M)搭載のミニPCでは「Cyberpunk 2077のようなAAAタイトルは無理」と思われがちです。ただし、どこまで戦えるのか実際の数字が気になる人は多いはずです。
結論から言うと、実測ではFSR 4を使うとCyberpunk 2077がフルHD・ウルトラ設定で平均40.71fpsまで伸びました。ただし、この伸びを単純に「FSR 4というアップスケーラーが3割速い」と読むのは早計です。
この記事では、fpsの伸びを紹介するだけでなく、FSR 2.1とFSR 4で前提となる内部解像度が違う点、そしてAMDが2026年6月にRDNA 3向けへ正式展開した「INT8フォールバック」という仕組みまで踏み込んで整理します。
目次
結果Radeon 780M+FSR 4でCyberpunk 2077が平均40.71fps
今回の実測は、Ryzen 7 H255(8コア16スレッド)・Radeon 780M・LPDDR5-6400 16GBを搭載するミニPC「ACEMAGIC Retro X3」で行われたものです。Cyberpunk 2077をグラフィック品質「ウルトラ」に設定し、FSR無効・FSR 2.1(Performance)・FSR 4(Ultra Performance)の3パターンで平均fpsを比較しています。
| 設定 | フルHD(1920×1080) | HD+(1600×900) |
|---|---|---|
| FSR無効 | 17.07fps | 24.49fps |
| FSR 2.1(Performance) | 31.38fps | 37.59fps |
| FSR 4(Ultra Performance) | 40.71fps | 44.81fps |
※数値はITmedia PC USERの実機検証記事にもとづきます。Cyberpunk 2077のグラフィック品質は「ウルトラ」固定です。
注意点「FSR 4で30%高速化」とは言えない理由
31.38fps→40.71fpsという伸びだけを見ると、FSR 4がFSR 2.1より3割近く速いアップスケーラーに見えます。ただし、この2つは比較しているプリセットの前提が違います。
AMDのFSRはプリセットごとに内部でレンダリングする解像度(出力に対する線形スケール)が決まっています。Performanceは出力の約50%、Ultra Performanceは出力の約33%です。フルHD(1920×1080)で計算すると、Performanceは約960×540、Ultra Performanceは約640×360からの再構成になります。
つまり今回の比較は、「FSR 2.1が960×540から再構成した結果」と「FSR 4が640×360という、さらに小さい解像度から再構成した結果」を比べています。処理するピクセル数そのものがUltra Performanceの方が少ないため、fpsが伸びるのはある意味当然です。FSR 4というアルゴリズム自体がFSR 2.1よりどれだけ優れているかは、同じプリセット同士で比較しないと分かりません。
仕組みなぜRadeon 780M(RDNA 3)でFSR 4が動くのか
本来「FSR 4」はRDNA 4(Radeon RX 9070シリーズ)専用のFP8演算を前提にした技術です。Radeon 780MはRDNA 3世代の内蔵GPUで、AI演算に使えるのはFP8ではなくINT8です。
AMDは2026年6月公開のドライバ「Adrenalin 26.6.2」で、RDNA 3・RDNA 2・RDNA 3.5内蔵GPU向けにFSR 4.1のINT8フォールバックを正式展開しました。Radeon 780MもRDNA 3世代にあたるため、この対応範囲に含まれます。詳しい経緯と対応GPUの一覧は「AMD FSR 4.1 が RX 7000 に正式対応」で解説しています。
INT8フォールバックで動くのはFSR 4のアップスケーリング(超解像)機能のみです。フレーム生成は引き続きRDNA 4専用のままなので、Radeon 780MでFSR 4のフレーム生成が使えるわけではありません。
画質フルHD Ultra Performanceの画質はどこまで許容できる?
40.71fpsという数字だけを見て「フルHD・ウルトラ設定で快適」と判断するのは早計です。約640×360という、フルHDの1/9以下のピクセル数から再構成しているため、遠景のディテールや細かい文字は粗くなりやすく、動きの激しいシーンでは輪郭のちらつきが出ることもあります。
据え置きモニターを近い距離で見るデスクトップ運用では、この粗さが携帯機の小さい画面より目立ちやすい点に注意してください。40fps前後を維持しつつ画質を優先したい場合は、Ultra PerformanceではなくPerformanceやBalancedといった、より内部解像度の高いプリセットで妥協点を探る余地もあります。
FF14FF14ベンチマークならさらに余裕がある
同じくITmedia PC USERの検証では、「ファイナルファンタジーXIV 黄金のレガシー」ベンチマーク(フルHD)も計測されています。
| グラフィック品質 | スコア | 備考 |
|---|---|---|
| 標準品質 | 6127 | 3タイトル中もっとも軽い設定 |
| 高品質 | 5493 | 標準品質よりやや低下 |
| 最高品質 | 3992 | 3設定中もっとも重い |
※スコアの快適度ラベル(「快適」「やや快適」など)は計測ツールのバージョンで基準が変わることがあるため、ここでは実測スコアのみを掲載します。Cyberpunk 2077のような最新の重量級タイトルと比べると、FF14はRadeon 780Mにとって余裕のある部類のタイトルだと分かります。
購入判断Radeon 780M搭載ミニPCは今でも買いなのか
今回検証に使われた「ACEMAGIC Retro X3」は、Ryzen 7 H255(8コア16スレッド、Radeon 780M内蔵)・LPDDR5-6400 16GBを搭載するミニPCです。メモリは基板に直付けのため増設・交換はできませんが、M.2 SSDの空きスロットへストレージを追加でき、USB4ポートを備えるため将来的に外付けGPU(eGPU)を接続する余地もあります。
価格はAmazon.co.jpで税込110,998円(2026年9月5日確認)です。セール時期によって8万円台〜16万円台まで変動するため、購入前に現在の価格を確認してください。FSR 4のINT8フォールバックによって、内蔵GPUだけでもCyberpunk 2077のような重量級タイトルに手が届く水準まで来ていますが、画質を重視するなら前述の粗さは踏まえておく必要があります。より高い画質・fpsを求めるなら、単体GPUを搭載したゲーミングPCとの価格差も含めて検討するのがおすすめです。内蔵GPU同士の比較は「内蔵GPU最強はどれ?」で12機種を比較しています。
おすすめ迷ったらこの一台
内蔵GPUだけでAAAタイトルにも手を伸ばしたい、USB4でeGPU拡張の余地も残しておきたいという人には、今回検証されたACEMAGIC Retro X3が現実的な選択肢です。
まとめまとめ|数字の伸びより「何と何を比べているか」を見る
Radeon 780M搭載ミニPCでCyberpunk 2077がFSR 4使用時に平均40.71fpsまで伸びたのは事実です。ただし、この伸びの一部は「FSR 4というアルゴリズムの効率」ではなく「Ultra Performanceプリセットがそもそも低い解像度から再構成している」ことによるものです。
技術的な裏付けとしては、AMDが2026年6月のドライバでRDNA 3・RDNA 2・RDNA 3.5内蔵GPU向けにFSR 4.1のINT8フォールバックを正式展開したことで、Radeon 780Mでもアップスケーリングとしての恩恵を受けられるようになりました。フレーム生成は引き続きRDNA 4専用です。
17.07fps→40.71fpsは本物の伸びですが、「FSR 4だから」ではなく「より低い内部解像度で処理しているから」という部分も大きいことを踏まえて数字を読みましょう。


