『lain : Protocol 7』体験版がitch.ioで無料公開|非公式二次創作、生成AI時代の「本人らしさ」問う【2026年8月】
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生成AI時代に「本人らしさ」を問う、非公式の二次創作ノベルゲーム
出典:itch.io『lain : Protocol 7』体験版ページ、CAMPFIRE『lain : Protocol 7』プロジェクトページ、『lain : Protocol 7』公式サイト、NBCUniversal「serial experiments lain TTL 2019-2028」ガイドライン。クラウドファンディングの支援状況は2026年8月17日時点の数値です。
生成AIで作られた音声や映像が日常に浸透するなかで、公式が認めた範囲でどこまで人気キャラクターの二次創作が許されるのか、そしてAIが制作の一部を担うことで作品の「らしさ」はどう変わるのかという2つの問いが、同時に突きつけられる場面が増えています。
1998年放送のアニメ『serial experiments lain(シリアル・エクスペリメンツ・レイン)』を題材にした非公式の二次創作プロジェクト『lain : Protocol 7』のノベルゲーム体験版が、2026年8月15日にitch.ioで無料公開されました。本作はNBCUniversalが定める二次創作ガイドライン「TTL(Toonami Textless Library、2019年〜2028年7月6日)」に基づいて制作されたファン作品で、公式続編や公式監修作品ではありません。長編OVAとしての完成を目指すプロジェクトの一部として作られており、資金を募るCAMPFIREのクラウドファンディングは目標金額200万円を開始初日に達成し、本記事執筆時点でも支援が伸び続けています。
本記事では、単なる体験版公開の告知にとどまらず、体験版と完成予定のノベルゲーム版で対応OSが異なる点、コード・グラフィック・音という制作工程と「記録と本人」というテーマの両面にAIが関わる二重構造、クラウドファンディングの伸び具合、そして非公式の二次創作を成立させているNBCUniversalのガイドラインの位置づけまで、公式情報をもとに掘り下げて整理します。
目次
要点まず押さえておきたい基本情報
『serial experiments lain』の二次創作プロジェクト『lain : Protocol 7』のノベルゲーム体験版が、2026年8月15日にitch.ioで無料公開されました。対応OSはWindows・macOSの両方で、ファイルサイズはWindows版539MB・macOS版534MB、想定プレイ時間は約20〜40分です。開発状況は「In development(開発中)」と表示されており、完成版ではありません。NBCUniversalが定める二次創作ガイドラインに基づく非公式作品で、公式続編・公式監修作品ではないことがitch.ioページに明記されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | lain : Protocol 7(体験版) |
| ジャンル | ノベルゲーム(『serial experiments lain』二次創作) |
| 公開日 | 2026年8月15日 |
| 配信 | itch.io(無料) |
| 対応OS | Windows・macOS |
| ファイルサイズ | Windows版539MB/macOS版534MB |
| 想定プレイ時間 | 約20〜40分 |
| 開発状況 | In development(開発中) |
| 位置づけ | 非公式二次創作(NBCUniversal TTLガイドライン準拠) |
※itch.io公式ページの記載にもとづきます(2026年8月時点)。体験版はitch.ioの『lain : Protocol 7』プロジェクトページから無料でダウンロードできます。
位置づけ非公式の二次創作作品です、公式続編ではありません
itch.ioの体験版ページとCAMPFIREのプロジェクトページには、いずれも本作が公式作品・公式続編・公式監修作品ではない旨がはっきり明記されています。制作の根拠になっているのが、権利元のNBCUniversalが公開している二次創作ガイドライン「serial experiments lain TTL 2019-2028」です。
このガイドラインの許諾期間は2019年から2028年7月6日まで。放送開始からちょうど30周年にあたる時点で終了する期間限定の措置です。対象になるのは日本国内在住の個人、および法人格を持たないファンコミュニティによる「Open Source Project」で、商用・非商用を問わず無償で許諾され、ロイヤリティの支払いや利用報告の義務もありません。一方で、次のような使い方は禁止されています。
- 公式製品と誤解させるような表示をすること
- 既存の公式映像・音楽・原盤をそのまま利用すること
- 成人向けコンテンツで利用すること
- 公序良俗に反する使い方をすること
- 制作した二次創作物を第三者へ再許諾すること
『lain : Protocol 7』はこの枠組みの中で、個人・ファンコミュニティによる非営利ベースの活動として進められています。なお、プロジェクトが法人化した場合はこのガイドラインの対象外となり、あらためて権利元へのライセンス申請が必要になる点も、ガイドライン上で定められています。
テーマ生成AI時代の『本人らしさ』を問う物語
『lain : Protocol 7』は、元々は完成尺約60分を想定した自主制作OVA企画としてスタートしたプロジェクトです。監督は伊藤魔鬼(ITO MAKI)氏が務めます。物語の舞台は2026年、つまり本作が発表されているのと同じ「現在」で、生成AI・生活ログ・デジタルクローンがすでに現実の技術として存在している時代として描かれます。
主人公は岩倉玲音(CV:なるなる)。原作『serial experiments lain』の主人公と同じ名前を持つキャラクターで、物語にはスクールカウンセラーの米良柊子(CV:未定)も登場します。設定の中心にあるのは「個人ログ応答体生成実験 Protocol 7」という語句です。作品全体を貫く問いとして公式サイトが掲げているのは、「記録が本人を追い越していく時代に、それでも人間は『データではない』と言えるのか」というもの。本人性と記録、身体とデータ、観察者自身が観察対象に影響を与えてしまう矛盾といったテーマが軸になっています。
AI活用制作にも題材にもAIが関わる二重構造
本作は、生成AIを物語の題材として扱うだけでなく、制作の過程そのものにもAIを組み込んでいる点が特徴です。ただし「どこにどう使っているか」は情報源によって粒度が異なるため、それぞれの出所を分けて整理します。
まず、itch.ioで配信中の体験版自体のページには「AI Disclosure」という開示欄があり、コード(Code)・グラフィック(Graphics)・音(Sounds)の3項目が「AI Assisted(AI支援あり)」として登録されています。これは今回配信された体験版というビルド単体についての開示です。
一方、長編OVAの制作全体を扱うCAMPFIREのプロジェクトページでは、AIの利用範囲を資料整理・レイアウト検討・素材制作の補助に限定し、画面設計・演出判断・編集・撮影処理・最終仕上げは人の手で行う方針が明記されています。公式サイトでは、学習元が明示されたAdobe Fireflyの使用を明言したうえで、手描き・セル画・光学素材・デジタル作画・3DCGなど複数の技法を組み合わせる制作方針が示されています。体験版単体のAI Disclosureと、プロジェクト全体の運用方針は別の情報として読む必要があります。
生成AIが当たり前の道具になった制作環境で、「記録と本人らしさ」を問う物語を作るという構図そのものが、本作のもうひとつの見どころになっています。
支援状況CAMPFIREクラウドファンディングは目標を大幅に超過
本作を含む長編OVAプロジェクトは、CAMPFIREで「AI時代のWiredへ。長編OVA『lain : Protocol 7』」という名称でクラウドファンディングが進行中です。「Wired」は原作『serial experiments lain』に登場する用語で、作中世界における現実のインターネットに相当するネットワーク空間を指します。目標金額200万円はプロジェクト開始初日に達成されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目標金額 | 200万円(開始初日に達成) |
| 支援総額 | 11,871,007円(2026年8月17日時点) |
| 支援者数 | 786人(2026年8月17日時点) |
| 達成率 | 593%(2026年8月17日時点) |
目標を大きく超えたことで、複数のストレッチゴールが次々に解放されています。
本稿執筆時点(2026年8月17日)の支援額11,871,007円をもとに単純計算すると、次の目標である1500万円までの到達率は約79%、残りはおよそ313万円です。すでに1000万円のストレッチゴールまで達成しているとおり、支援は今なお高いペースで積み上がっています。
支援状況の詳細やリターン内容はCAMPFIREのプロジェクトページ「AI時代のWiredへ。長編OVA『lain : Protocol 7』」で確認できます。
動作環境体験版と製品版で対応OSが異なる点に注意
今回配信された体験版はWindows・macOSの両方に対応していますが、クラウドファンディングのリターンとして届けられる予定のノベルゲーム完全版は、現時点でWindows用データとしてお届け予定と案内されており、macOSへの対応については言及がありません。体験版と製品版で対応環境が変わる可能性がある点は、macOSユーザーにとって見落としやすい注意点です。
| 項目 | 体験版(itch.io) | 製品版(ノベルゲーム完全版) |
|---|---|---|
| 対応OS | Windows・macOS両対応 | Windows用データとしてお届け予定(macOSの記載なし) |
| 配布形態 | itch.ioで無料配信 | CAMPFIREのリターンとして提供 |
| お届け予定時期 | 配信中(2026年8月15日〜) | 2027年4月〜6月予定 |
※CAMPFIREプロジェクトページの記載にもとづきます(2026年8月17日時点)。製品版のお届け予定時期は確定した発売日ではなく、CAMPFIRE上で案内されている目安の期間です。詳細な対応OS・動作環境は完成時にあらためて案内される予定です。
FAQよくある質問
総括まとめ|非公式ながら見どころの多い二次創作プロジェクト
『lain : Protocol 7』は、NBCUniversalの二次創作ガイドライン「TTL 2019-2028」に基づく、『serial experiments lain』の非公式ファンプロジェクトです。2026年8月15日にitch.ioで公開されたノベルゲーム体験版は、Windows・macOS両対応で想定プレイ時間は約20〜40分。生成AI・生活ログ・デジタルクローンが現実の技術として存在する2026年を舞台に、「記録が本人を追い越していく時代に、それでも人間は『データではない』と言えるのか」という問いを描きます。
制作にはAdobe Fireflyなど学習元を明示した生成AIを使いながらも、画面設計や演出判断は人の手で行うという方針が示されており、題材としても制作過程としてもAIが二重に関わる作品になっています。資金を募るCAMPFIREのクラウドファンディングは、2026年8月17日時点で支援総額11,871,007円・達成率593%に到達し、1000万円のストレッチゴールまで達成済みです。
クラウドファンディングのリターンとして提供されるノベルゲーム完全版は、2027年4月〜6月にお届け予定とされていますが、これは確定した発売日ではなく、現時点ではWindows用データとしての提供が案内されています。体験版と製品版で対応環境が変わる可能性がある点も含めて、続報を確認しながら見守りたいプロジェクトです。まずは無料の体験版から、その世界観に触れてみることをおすすめします。


