ASRock製Z990マザーボード6モデルが出荷記録に浮上|Nova Lake-SのLGA1954、変わるのはPCIe 5.0の配置
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変わるのはレーン総数でなくPCIe 5.0の配置
Intelの次世代デスクトップCPU「Nova Lake-S」に向けたマザーボードの準備が、かなり具体的な段階まで進んでいます。2026年9月、海外の出荷記録からASRock製「Z990」マザーボードとみられる製品が確認されました。
記録には完成品だけでなくPCBも含まれており、台湾やベトナムから2026年7月下旬に移動していたことが分かっています。確認された名称はChallengerからPro RS、Steel Legend、Taichiまで幅広く、単なる1枚の試作ハイエンドモデルではありません。
今回はASRockの6モデルからZ990がどの価格帯まで広がりそうなのか、現行Z890から何が変わるのか、そしてゲーミングPCではZ990を選ぶ意味があるのかを整理します。
目次
要点まず何が起きたか
海外の出荷記録に、ASRock製とみられる「Z990」マザーボード6モデル(Challenger WiFi・Challenger WiFi White・Pro RS WiFi・Steel Legend WiFi・Taichi Creator・Taichi White)が登場しました。完成品とPCBの両方が、台湾・ベトナムから2026年7月下旬に移動していたことが確認されています。税関・物流データには検証用基板や量産前サンプルも含まれるため、これは量産・出荷開始そのものではなく、「ASRockが複数のZ990マザーボードを実ハードウェアとして準備している」段階を示す情報です。
出荷記録ASRockのZ990マザーボードが出荷記録から見つかる
今回確認されたのは、出荷データに掲載されたASRock製Z990マザーボードです。記録には次の6つの名称が含まれています。
| モデル | 想定される位置付け |
|---|---|
| Z990 Challenger WiFi | 比較的低価格なZ990候補 |
| Z990 Challenger WiFi White | Challengerのホワイトモデル |
| Z990 Pro RS WiFi | コスト重視のZ990候補 |
| Z990 Steel Legend WiFi | ミドル〜上位クラス |
| Z990 Taichi Creator | クリエイター向け上位モデル |
| Z990 Taichi White | ハイエンドモデル |
出典:VideoCardz記事にもとづきます(2026年9月19日時点)。一部報道では「5モデル」ともされていますが、これはChallenger・Pro RS・Steel Legend・Taichiの4製品ファミリーで数えた場合の表現で、出荷記録自体はChallenger WiFiとChallenger WiFi Whiteを含む6モデル分です。
ここで興味深いのは、TaichiだけでなくChallengerやPro RSまで存在していることです。Z990はIntel 900シリーズの最上位チップセットになるとみられていますが、ASRockがハイエンド製品だけを準備しているわけではありません。現在のASRock製品でChallengerやPro RSは、Taichiより価格を抑えた製品に使われるブランドです。そのため今回の出荷記録が最終製品ラインアップに近いのであれば、Z990は高級マザーボードだけに使われるチップセットにはならず、比較的購入しやすいモデルまで展開される可能性があります。もっとも、Z990 ChallengerやPro RSの販売価格・VRM構成・LAN・USB・M.2スロット数はまだ判明しておらず、モデル名だけから「安いZ990になる」と断定はできません。
先行事例すでにGIGABYTEもZ990マザーボードを公開していた
Z990マザーボードそのものが確認されたのは今回が初めてではありません。Computex 2026では、GIGABYTEのブースに未発表マザーボードが展示されており、後にZ990モデルであることが確認されています。CPUソケット周辺などが隠されていたものの、基板上には「Z99Pro」と読める表記がソケット裏に印字されていました。
M.2スロットについては、CPU直結のPCIe x16スロット付近に大型ヒートシンクで覆われた2基のPCIe 5.0 x4 M.2スロットがあり、さらに別のヒートシンク下にも4基のM.2スロットが確認され、うち少なくとも1基がPCIe 5.0 x4対応でした。合計すると、このフラグシップモデルだけで少なくとも3基のPCIe 5.0 x4 M.2スロットが視認できたことになります。
今回ASRockからも複数モデルの存在が確認されたことで、Z990は1社だけが初期検証している段階ではなく、主要マザーボードメーカーがNova Lake-S向け製品を並行して開発している段階に入っていると考える方が自然です。ただし、マザーボードメーカーが検証用製品を準備していることと、店頭発売が近いことは同じ意味ではありません。
仕様Z990で大きく変わりそうなのはPCIe 5.0
Z990については、2026年2月にもリーカーJaykihn氏が900シリーズチップセットの仕様とされる情報を公開しています。それによると、Z990はプラットフォーム全体で48本のPCIeレーンを持ち、チップセット側から12レーンのPCI Express 5.0と12レーンのPCI Express 4.0を提供するとされています。CPUとチップセット間はDMI Gen5 x4となり、CPU・BCLK・メモリのオーバークロックにも対応するとされています。
現行Z890と比較すると次のようになります。Z890の仕様はIntel公式情報、Z990は現時点ではリーク情報です。Intel自身の製品仕様ページでは、Z890チップセット単体のPCIe世代は4.0・最大レーン数24、DMIは4.0で最大8レーンとされており、別ページではプラットフォーム全体のPCIeレーン総数を「最大48」としています。
| 仕様 | Z890 | Z990(リーク) |
|---|---|---|
| 対応ソケット | LGA1851 | LGA1954 |
| プラットフォームPCIeレーン | 最大48 | 48 |
| PCH PCIe 5.0 | なし | 12レーン |
| PCH PCIe 4.0 | 最大24レーン | 12レーン |
| DMI | 4.0 x8 | Gen5 x4 |
| SATA | 最大8 | 最大8 |
| USB4/Thunderbolt | 最大2 | 2とされる |
| CPU/BCLK/メモリOC | 対応 | いずれも対応とされる |
出典:Intel公式製品仕様ページ、VideoCardz記事にもとづきます(2026年9月19日時点)。Z990の仕様は2026年9月19日時点では未発表のリーク情報です。
ここには重要なポイントがあります。Z990のリークでは「48 PCIeレーン」という数字が目立つため、Z890よりPCIeレーンが大幅に増えるようにも見えます。しかし現行Z890も、Intel公式仕様でプラットフォーム全体では最大48レーンです。リーク情報が正しければ、Z990で重要なのはレーン総数そのものではありません。最大の違いは、これまでPCIe 4.0だったチップセット側の一部がPCIe 5.0になることです。
Z990ではチップセット側に12本のPCIe 5.0レーンを用意するとされているため、マザーボードメーカーはCPU直結レーンだけに頼らず、高速なM.2 SSDや拡張スロットを構成しやすくなります。Computexで展示されたGIGABYTEのZ990マザーボードに少なくとも3基のPCIe 5.0対応M.2スロットが確認されたことも、この方向性と一致しています。複数のGen5 SSDを搭載したい場合や、高速I/Oを多用するクリエイター向けPCではZ990の恩恵が大きくなる可能性があります。一方、GPUを1枚、NVMe SSDを1〜2枚使う一般的なゲーミングPCでは、チップセット側にPCIe 5.0が増えたからといってゲームのフレームレートが直接上がるわけではありません。Z990の価値は「ゲーム性能を上げるチップセット」というより、高速デバイスを多数接続できる余裕の大きさにあると考えた方がよさそうです。
DMI Gen5になっても帯域が単純に2倍になるわけではない
もう1つ注意したいのがDMIです。リーク情報ではZ990が「DMI Gen5 x4」、現行Z890はIntel公式仕様で「DMI 4.0 x8」となっています。世代だけを見るとGen4からGen5へ上がるため、大幅に高速化するように見えます。しかしPCI Expressと同様、Gen5は1レーンあたりの転送レートがGen4の2倍である一方、レーン数はx8からx4へ半減します。そのためリークどおりの構成なら、CPUとZ990チップセットを結ぶリンクの理論上の総転送レートは、Z890から単純に2倍になるわけではありません。Z990ではDMIを高速な4レーンにまとめながら、チップセット内部のPCIe 5.0対応を進めていると見る方が適切です。
比較Z970もあるならゲーミングPCではZ990不要になる可能性
900シリーズではZ990だけでなく「Z970」も登場すると報じられています。リークされた仕様では、Z970はCPUオーバークロックとメモリオーバークロックには対応する一方、BCLKオーバークロックには非対応です。チップセット側のPCIe 5.0レーンを持たず、PCIe 4.0が14レーン、DMI Gen5 x2という構成になるとされています。
| 仕様 | Z990(リーク) | Z970(リーク) |
|---|---|---|
| PCIeレーン総数 | 48 | 34 |
| PCH PCIe 5.0 | 12 | 0 |
| PCH PCIe 4.0 | 12 | 14 |
| DMI | Gen5 x4 | Gen5 x2 |
| SATA | 8 | 4 |
| USB4/Thunderbolt | 2 | 1 |
| BCLK OC | 対応 | 非対応 |
出典:PC Gamer記事にもとづきます(2026年9月19日時点)。Z990・Z970の仕様は2026年9月19日時点では未発表のリーク情報です。
この仕様が製品版でも維持されるなら、Nova LakeでKモデルを使うだけならZ990が必須とは限りません。グラフィックボード1枚とNVMe SSD数台という一般的なゲーミングPCなら、Z970でも十分な構成を作れる可能性があります。反対に、PCIe 5.0 SSDを複数搭載する、高速拡張カードを使用する、多数のUSB機器を接続する、BCLKまで細かくオーバークロックするといった用途ではZ990の意味が大きくなります。ASRockがZ990 ChallengerやPro RSまで準備している理由も、このあたりにあるのかもしれません。Z970との価格差が小さければ低価格なZ990が魅力的になりますが、価格差が大きければゲーミングPCではZ970の方が合理的になる可能性があります。最終的にはマザーボードごとのM.2レーン共有、USB構成、LAN、VRM、価格まで確認する必要があります。
ソケットNova Lake-SがLGA1954を使うことはIntel側からも確認できる
Nova Lake-Sの新ソケット「LGA1954」は長くリークとして扱われてきましたが、2026年8月にはIntel自身のサイトにも関連する記載が登場しました。Intelの検証機材販売サイト「Design-In Tools」に掲載された製品名には「ILM Kit for the LGA1954 NVL-S Interposer for the Gen5 VR Test Tool」という表記があります。「NVL-S」はNova Lake-Sを指す名称で、Intel自身が運営するサイト上でNova Lake-SとLGA1954が直接結びついたことになります。一般消費者向けCPUの正式発表ではありませんが、LGA1954については単なる第三者リークより一段強い裏付けが得られたと考えられます。
一方、現行Core Ultra 200S(Arrow Lake-S)はLGA1851です。したがってNova Lake-Sへ移行する場合は新しいマザーボードが必要になります。Z890やB860をBIOSアップデートしてNova Lake-Sを搭載するというアップグレードはできません。
CPUクーラーは流用できる可能性がある
CPUとマザーボードには互換性がありませんが、CPUクーラーについては少し事情が異なります。すでにNoctuaの簡易水冷「NL-LC1」シリーズ(240/360/420mm)は、公式仕様でIntel LGA1954・LGA1851・LGA1700、AMD AM5・AM4への対応をSecuFirm2+マウントで明記しています。そのため、LGA1954だから現在のIntel向けCPUクーラーがすべて使用できなくなる、とは限りません。ただし各クーラーで対応状況は異なるため、LGA1954への移行時には使用中のCPUクーラーのメーカーがLGA1954対応を正式に表明しているか確認した方が安全です。
発売時期出荷記録が出たからNova Lake発売が目前とは限らない
今回のASRock製Z990は、2026年7月下旬に台湾やベトナムから移動していたとされています。Intel CEOのLip-Bu Tan氏は2026年1月の決算説明で、Nova Lakeについて「2026年末」に登場すると説明しています。これはIntel自身による現在の重要な公式情報です。
一方、2026年9月に流出した別のロードマップでは、Nova Lake-Sの量産開始を2026年第4四半期、店頭に並ぶ最初のCPUを28コアモデルに限り2027年第1四半期とする情報も出ています。フラグシップの52コアモデルはこの第1弾には含まれず、2027年5月〜9月ごろまでずれ込む可能性があるともされています。この時期感は、2026年7月時点で判明していたSKU別の想定時期(28コア版2027年1月下旬〜3月、52コア版2027年5月下旬〜9月)ともおおむね整合しており、目新しい後ろ倒しというより、既存の見立てを裏付ける内容に近いといえます。
つまり現時点では、Intelが示す「2026年末」という表現と、リークされた「28コア版は2027年1〜3月、フラグシップはさらに先」という時期感が併存しています。今回Z990の実物に近いハードウェアが物流データへ現れたことはプラットフォーム開発が進んでいる証拠にはなりますが、発売日を確定させる材料にはなりません。年末に一部モデルが発表・投入され、本格展開が2027年に入ってからになる可能性も考えられます。正式な発売日についてはIntelの発表を待つ必要があります。
判断今Z890を買うならNova Lakeまで待つべき?
- PCの交換を急ぐ理由がなく、Core Ultra 200S+Z890への買い替えを検討している人
- PCIe 5.0 SSDを複数搭載する、高速拡張カードを多用するなど、I/Oの余裕を重視する人
- LGA1851からLGA1954へソケットが変わるため、後からCPUだけ交換したい人
- すでにCore Ultra 200SやRyzen 9000クラスのPCを使っていて、買い替え時期ではない人
- GPU1枚・NVMe SSD1〜2枚という一般的なゲーミングPC構成で困っていない人
- Z990・Z970マザーボードの価格も含め、発売直後の高値掴みを避けたい人
今回のニュースだけを理由に、現在必要なゲーミングPCの購入を数か月止める必要はありません。ASRockのZ990が出荷記録に現れたとはいえ、CPUの価格、Z990マザーボードの価格、日本での発売日、製品版Nova Lake-Sのゲーム性能はまだ分かっていません。特にZ990は最上位チップセットなので、発売直後はマザーボード価格が高くなる可能性も考えておく必要があります。PCIe 5.0レーンが増えても、それ自体がゲームのフレームレートを上げるわけではないためです。Nova Lake世代のゲーミングPCとしての価値は、最終的にはCPUそのもののゲーム性能、bLLC搭載モデルの価格、消費電力、Z990/Z970マザーボードの価格によって決まります。
まとめまとめ|注目したいのは「Challenger」と「PCIe 5.0」
今回のリークで重要なのは、Z990という名前そのものよりも、ASRockがすでに複数の価格帯を想定した製品を準備しているように見えることです。Taichi Creator・Taichi Whiteだけなら、Z990が従来どおり高価なフラグシップ向けチップセットになるという話で終わります。しかしChallenger WiFiやPro RS WiFiまで出荷記録に登場したことで、比較的価格を抑えたZ990マザーボードが投入される可能性も出てきました。
また、現行Z890との技術的な違いとして注目したいのは48というPCIeレーン総数ではなく、チップセット側にPCIe 5.0を12レーン用意するとされている点です。複数のGen5 NVMe SSDや高速な拡張デバイスを使うPCでは大きな変化になりますが、一般的なゲーミングPCでは、Z990にするだけでゲーム性能が上がるわけではありません。Z970でもCPU・メモリのオーバークロックに対応するとされているため、Z990は「Nova Lakeなら全員が選ぶマザーボード」ではなく、必要なI/Oと価格を見て選ぶ製品になりそうです。
Nova Lake-S向けLGA1954プラットフォームは、噂だけの段階を抜け、マザーボードメーカー側でも複数製品の検証が進む段階まで来ています。今後ゲーミングPCを組むうえでは、Z990とZ970の実売価格、PCIeレーンの割り当て、M.2スロット構成、そして安価なZ990 Challengerが本当に登場するのかに注目したいところです。
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出典:VideoCardz(ASRock Z990出荷記録)・VideoCardz(LGA1954確認)・VideoCardz(900シリーズ仕様リーク)・Club386(GIGABYTE Z990展示)・PC Gamer(Z970仕様)・Intel公式(Z890チップセット仕様)・Intel公式(800シリーズプラットフォームレーン)・Intel公式(2025年第4四半期決算説明資料)・Tom’s Hardware(発売スケジュールリーク)・Noctua公式(NL-LC1仕様)にもとづきます(2026年9月19日時点)。Z990・Z970のチップセット仕様は2026年9月19日時点では未発表のリーク情報を含むため、製品版で変更される可能性があります。



