ゲーミングPCはなぜ高い?メモリ不足の原因と価格はいつ下がるか|メモリ各社の見通しは2027年以降も不足【2026年9月】

(更新: 2026.9.26)
ゲーミングPCはなぜ高い?メモリ不足の原因と価格はいつ下がるか|メモリ各社の見通しは2027年以降も不足【2026年9月】

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GAMING PC PRICE / MEMORY SHORTAGE / 2026.09
ゲーミングPCはなぜ高いのか
原因はAI向けに回るメモリ、各社の見通しは2027年以降も不足
ゲーミングPCの値上がりは、AIデータセンター向けにメモリの生産が優先され、PC向けのDRAMやSSDが足りなくなったことが出発点です。IDCは2026年のPCの平均販売価格が18.3%上がると予測し、メモリメーカー各社は2027年以降も不足が続くと見ています。値上がりの仕組み、国内のグラフィックボード価格、今買うか待つかの判断基準をまとめました。
PC価格 +18.3%予測メモリ価格はQ2以降横ばい不足は2027年以降も

2026年のゲーミングPCが高いのは、パーツの中でもメモリ(DRAM)とSSD(NANDフラッシュ)の値上がりが大きいためです。メモリメーカーが利益率の高いAIサーバー向けの製品に生産を振り向け、PCやグラフィックボードに使うメモリの供給が絞られました。

価格の上昇は2026年の1〜3月期が最も急で、4〜6月期以降は落ち着いてきています。ただ、下がったわけではなく高い水準で止まっている状態で、PCメーカーは部品の値上がり分を製品価格へ転嫁し続けています。

以下では、値上がりの仕組み、調査会社とメモリメーカーの見通し、2026年9月時点の国内のグラフィックボード価格を整理し、今買うべき人と待ってもよい人の分かれ目を示します。

目次

結論2025年の価格にはしばらく戻らない

原因はAI向けに回るメモリメモリメーカーがAIサーバー向けを優先し、PC向けのDRAMとSSDの供給が足りなくなりました。ノートPCでは、CPU・メモリ・SSDが部品コストに占める割合が2025年初めの約45%から2026年7〜9月期には68%まで上がっています。
メモリ価格の上昇は鈍ったが、下がってはいないTrendForceの予測では、DRAMの契約価格の上昇率は4〜6月期の前期比58〜63%から、7〜9月期は13〜18%に縮みます。上がり方が緩やかになっただけで、値下がりに転じたわけではありません。
不足は2027年以降も続く見通しSK hynixのCEOは2030年末まで、Micronは2027年を越えて逼迫が続くと述べています。IDCも2027年末まで大きな改善は見込めず、PC価格は2025年の水準に戻りにくいとしています。

原因AIサーバーがメモリを奪い合う構造

DRAMを量産しているのは主にSamsung、SK hynix、Micronの3社です。各社はAI向けGPUに載せるHBM(広帯域メモリ)やサーバー向けのDRAMに生産を振り向けており、限られた生産能力の中でPCやグラフィックボード向けに回る量が減りました。

Micronは2025年12月3日、Crucialブランドのコンシューマー向け事業から撤退すると発表し、2026年2月末で出荷を終えました。自作PC向けメモリやSSDの主要ブランドの一つが市場から退き、理由として、データセンターのAI需要によるメモリとストレージの需要急増を挙げています。なお、発売済みのCrucial製品の保証とサポートは続けるとしています。

値上がりの影響は完成品のPCに強く出ます。TrendForceによると、ノートPCではCPU・メモリ・SSDの3つが部品コスト全体に占める割合が、2025年初めの約45%から2026年7〜9月期には68%に達しました。安い時期に仕入れた在庫が尽きるにつれて、PCメーカーは値上げで吸収せざるを得なくなっています。AI需要がメモリ以外の部品にどう広がっているかはAIデータセンター需要の広がりの解説にまとめています。

メモリ以外では、Windowsのライセンス料の値上げもPCの価格を押し上げる要因として報じられています。詳しくはWindows 11のOEMライセンス料値上げの解説を参照してください。

予測調査会社の数字で見る値上がり

調査会社対象数字
IDC2026年のPC(予測)出荷台数は前年比11.3%減、平均販売価格は18.3%上昇
Counterpoint Research2026年4〜6月期のPC出荷(実績)6,500万台、前年比4%減
TrendForceDRAM契約価格(4〜6月期予測)前期比58〜63%上昇
TrendForceDRAM契約価格(7〜9月期予測)前期比13〜18%上昇
TrendForce2026年のノートPC出荷(予測)前年比9.4%減

IDCの予測では、出荷台数が減る一方で平均販売価格は18.3%上がります。売れる台数が減っても1台あたりの値段が上がる、というのが2026年のPC市場の姿です。IDCは出荷の落ち込みが年末に向けて大きくなり、10〜12月期は前年比20%の減少もありうるとしています。

Counterpoint Researchのアナリストは、メモリ価格が1〜3月期の急騰のあと4〜6月期以降は横ばいになったとしつつ、コストの高さはPCメーカーの重荷として残っており、下半期も値上げが続くと見ています。

国内価格グラフィックボードの実勢価格

2026年9月25日時点の国内通販の価格です。同じGPUでも製品ごとの差が大きいため、最安だけでなく中央値も並べています。最安の出品は数日で入れ替わることがあります。

GPU最安(2番目)中央値(掲載数)
GeForce RTX 506064,645円(64,790円)68,180円(9製品)
Radeon RX 9060 XT 16GB79,800円(88,980円)98,399円(10製品)
GeForce RTX 5060 Ti 16GB119,980円(129,800円)148,800円(9製品)
GeForce RTX 5070138,000円(139,800円)167,415円(11製品)
Radeon RX 9070 XT119,800円(129,800円)155,890円(14製品)
GeForce RTX 5070 Ti209,800円(211,650円)230,800円(9製品)
GeForce RTX 5080267,700円(269,800円)305,800円(11製品)

VRAM 16GBのRTX 5060 Ti 16GBの中央値はRTX 5060の2倍を超えています。RTX 5060 Ti 16GBについては2026年1月に生産終了とする報道がありましたが、ASUSは公式声明で「生産終了やEOL(販売終了)には指定していない」と否定しています。モデルごとの値動きはRTX 5060 Ti 16GBの価格推移で追っています。

BTOメーカーは2025年末に受注を止めた

国内のBTOメーカーでは、2025年12月に受注を一時停止する動きが相次ぎました。マウスコンピューターは12月16日に一部製品の販売停止と2026年1月以降の価格改定を予告し、12月23日15時から1月4日まで、公式サイトとダイレクトショップでPC全製品の販売を停止しました。受注の再開は段階的に進み、全ブランドで再開したのは1月23日です。自作PCとBTOの総額の差はゲーミングPC相場レポートで比べています。

見通しいつ安くなるか

メモリメーカーと調査会社の見通しは、いずれも2027年中の解消には否定的です。

発言・予測の主体時期内容
SK hynix CEO2026年8月メモリ不足は2030年末まで続く
Micron CEO2026年6月2027年を越えて逼迫が続く。2028年に供給は徐々に改善するが、需要に追いつく時期は見通せない
IDC2026年6月2027年末までは大きな改善は見込めない。PC価格は2025年の水準に戻りにくい

メモリメーカーは工場の増設を進めていますが、増えた生産能力はまずAI向けに使われます。PC向けの価格が目に見えて下がるには、AI需要の伸びが鈍るか、新しい工場の立ち上がりで供給に余裕が出る必要があります。2028年ごろの反転を予測する見方はメモリ価格の2028年反転予測の解説、Samsungの元幹部による値下がりのシナリオはDDR5高騰は2027年下半期に終わるかの解説で扱っています。

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「半年待てば安くなる」とは言えません

価格の上昇が止まりつつあるのは事実ですが、各社の見通しでは不足の解消は早くても2028年以降です。待つ場合は、年単位で待てるかどうかを基準に考えてください。

判断今買うか、待つか

今のPCで遊びたいゲームが動かない今買うほうが合理的です。値上がりは止まりつつあるものの、待っても2025年の価格に戻る見通しは立っていません。遊べない期間が延びるだけになりやすいです。
今のPCで遊べていて、1〜2年は困らない急いで買う理由はありません。メモリの増設やグラフィックボードの交換だけで延命できないかを先に検討してください。
買うなら、どこにお金をかけるかゲーム用ならメモリは16GBから32GB、グラフィックボードはフルHD中心ならRTX 5060やRX 9060 XT、WQHDならRTX 5070クラスが現実的です。メモリが高い今は、必要以上に容量を積むよりGPUに予算を回すほうがfpsに効きます。

候補今買うなら選びやすいグラフィックボード

価格が上がった今でも、フルHDからWQHDで遊ぶのに必要な性能を確保しやすいモデルです。

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※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。

完成品今買うなら選びやすいゲーミングPC

メモリとSSDが高い今は、パーツを個別にそろえるより完成品のほうが総額を読みやすい場合があります。

MDL Ryzen 7 5700X × RTX 5060
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MDL Ryzen 7 5700X × RX 9060 XT 16GB
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※価格・構成は変動します。最新情報は各BTOショップ公式ページでご確認ください。

FAQよくある質問

ゲーミングPCが高いのはなぜですか?
メモリメーカーがAIサーバー向けの製品に生産を振り向け、PCやグラフィックボードに使うDRAMとSSDが足りなくなったためです。ノートPCでは、CPU・メモリ・SSDが部品コストに占める割合が2025年初めの約45%から2026年7〜9月期には68%まで上がっています。
メモリ価格はいつ安くなりますか?
当面は安くなる見通しは立っていません。SK hynixのCEOは不足が2030年末まで続くと述べ、Micronは2027年を越えて逼迫が続くとしています。上昇のペースは4〜6月期以降に落ち着いていますが、値下がりには転じていません。
ゲーミングPCは今買うべきですか?待つべきですか?
今のPCで遊びたいゲームが動かないなら、今買うほうが合理的です。2025年の価格に戻る見通しは立っていません。今のPCで1〜2年は困らないなら、急ぐ必要はなく、メモリの増設やグラフィックボードの交換で延命できないかを先に検討してください。
RTX 5060 Ti 16GBは生産終了したのですか?
していません。2026年1月に生産終了とする報道がありましたが、ASUSは公式声明でRTX 5060 Ti 16GBとRTX 5070 Tiを生産終了やEOLに指定していないと否定しています。
Crucialのメモリはもう買えないのですか?
Micronは2025年12月にCrucialブランドのコンシューマー向け事業からの撤退を発表し、2026年2月末で出荷を終えました。店頭の在庫がなくなれば新品は手に入りにくくなります。発売済みの製品の保証とサポートは続くとしています。
総評

ゲーミングPCが高いのは、AIサーバー向けにメモリの生産が優先され、PC向けのDRAMとSSDが足りなくなったためです。メモリ価格の上昇は4〜6月期以降に落ち着いてきましたが、高い水準で止まっているだけで、IDCは2026年のPCの平均販売価格が18.3%上がると予測しています。

メモリメーカー各社の見通しでは、不足の解消は早くても2028年以降です。今のPCで遊びたいゲームが動かないなら待たずに買い、困っていないならパーツの交換で延命するのが現実的な選び方です。

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ゲーミングPC歴は15年以上。毎年パーツを更新しながら最新トレンドを追いかけています。初心者にもわかりやすく、上級者も満足できる情報発信を心がけています。