DLSS 5がAMD Radeonでも動作|非公式MODがRX 9000/7000に対応、RX 9070 XTで約33fps
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非公式MODがRX 9000/7000に対応、RX 9070 XTで約33fps
NVIDIA専用のはずのDLSS 5 Neural Renderingが、モッダーの手によってAMD Radeonでも動き始めました。ただし今回もNVIDIA公式が正式対応させたわけではなく、非公式のアルファ版MODによる実験段階です。『NBA 2K27』からのDLL流出に始まる一連の非公式MOD騒動の最新章として、何が新しいのか、どういう仕組みで動いているのか、性能はどの程度なのかを整理します。
出典:GitHub公式リポジトリ「DLSS-NR-on-AMD」、VideoCardzにもとづきます(いずれも2026年9月6日確認)。
当サイトでは8月28日、『NBA 2K27』の早期アクセスビルドからDLSS 5 Neural Rendering用のDLL「nvngx_dlssnr.dll」(バージョン310.8.0.0)が発見され、非公式MODでゲーム『Control』へ移植された経緯を伝えました。その後この非公式MODはRTX 40シリーズへの対応、対応タイトルの十数本規模への拡大と続いており、今回はその最新章です。
モッダーのdanielblnc氏が公開したプロジェクト「DLSS-NR-on-AMD」は、これまでのようにNVIDIAの新旧GPU間で動かすのではなく、まったく別メーカーであるAMD RadeonのRX 9000シリーズ(RDNA4)・RX 7000シリーズ(RDNA3)向けにNeural Renderingを動かすという、シリーズの中でも一線を画す試みです。
この記事では、GitHub公式リポジトリの説明をもとに何をしているプロジェクトなのか、なぜAMDのGPUで動くのか、現時点の性能はどの程度かを整理したうえで、これまでの経緯とあわせて今後の展望を解説します。
目次
概要「DLSS-NR-on-AMD」とは何か
GitHub公式リポジトリの説明によれば、このプロジェクトは「AMD Radeon RX 9000(RDNA4)・RX 7000(RDNA3)搭載のカードで、FSRに対応したあらゆるDirectX 12ゲームでDLSS 5 Neural Renderingを動かす」ことを目的としています。開発者自身は「NVIDIA GPUアーキテクチャ向けのニューラルネットワークランタイムを、ゼロから完全に再実装したもの」と説明しています。
| 項目 | DLSS-NR-on-AMDの内容 |
|---|---|
| 対応GPU | RX 9000シリーズ(RX 9070 XTで実機テスト済み)、RX 7000シリーズ(動作見込み・テスト協力者募集中) |
| 非対応 | それより古い世代のRadeonは現時点で非対応 |
| 必要環境 | Windows 11・DirectX 12、Adrenalinドライバー26.1.1以降 |
| 対応ゲーム | AMD FSRに対応済みのDirectX 12タイトルが対象 |
| 別途必要なもの | ユーザー自身が用意した本物の「nvngx_dlssnr.dll」(バージョン310.8.0.0) |
| 開発段階 | アルファ版、開発者自身が「まだ開発途上」と明記 |
仕組みなぜAMDのGPUでNVIDIAの技術が動くのか
これまでのシリーズ(RTX 40シリーズ対応・RTX 20/30シリーズ対応)は、いずれも同じNVIDIA製GPUの中で「対応世代を広げる」改造でした。CUDAという同じ命令セットの上で、非対応世代向けにコンパイルし直すという方向性です。
一方、今回のAMD対応はまったく異なるアプローチです。AMDのGPUはCUDAに対応していないため、単純な再コンパイルでは動きません。開発者はリポジトリ内で「NVIDIAのコードを実行時に変換・使用することは一切ない」「AMD GPU向けにHIPカーネル・メモリレイアウト・ゲーム連携部分をゼロから書き直した」と説明しています。
やや分かりにくい点として、リポジトリは推論エンジン自体はNVIDIAのコードを使わない独自実装だとしながら、動作には利用者自身が用意した本物の「nvngx_dlssnr.dll」(v310.8.0.0)が別途必要だとも説明しています。公式の説明文だけでは、この本物のDLLから具体的に何を取り出して使っているのか(学習済みモデルの重みデータなのか、他の何かなのか)は明記されていません。本記事では開発者自身の説明をそのまま両論併記し、断定はしていません。
性能現時点の実力はどの程度か
GitHub公式リポジトリによれば、RX 9070 XT・1080p環境で『サイバーパンク2077』を動かした際の性能は「おおむね33fps」とされています。開発者が長期的な目標として掲げているのはGeForce RTX 5070 Ti相当の速度ですが、現時点では未達成で「まだ開発途上」と明記されています。
海外の検証記事では、直前のアルファ版0.2.6から最新の0.2.7で約12%の性能向上があったとも報じられています。出力画質についてもリポジトリは「本家のDLSSが生成する結果とかなり近い」としつつ、「一部のエフェクトが完全には機能していない可能性がある」とも認めています。
本記事では、これまでのシリーズ記事と同様に、改造版・非公式MODの入手方法や導入手順は記載していません。プロジェクト自身も「NVIDIA・AMDいずれからも公認・提携を受けていない」「動作の保証はない」と明記しています。ここで紹介している33fpsという数値は、非公式なアルファ版1本の実測であり、DLSS 5正式版やNVIDIA公式のRTX対応GPUでの性能として扱うべきではありません。
経緯非公式DLSS 5 MODシリーズのこれまで
今回の件は、8月28日の『NBA 2K27』からのDLL流出に端を発する一連の騒動の延長線上にあります。「流出」とはいっても、NVIDIAのサーバーへの侵入といった事件ではなく、ゲームの早期アクセスビルドに未使用のファイルが同梱されていたことが発端です。
これまでのNVIDIA製GPU間での対応拡大とは異なり、今回は他社製GPUへの展開という点で、この非公式MODコミュニティの技術力と勢いを示す出来事だといえます。
早見表どう受け止めればいいか
- NVIDIA専用とされてきた技術が、他社GPUでも技術的に不可能ではないと示された
- Radeonユーザーにも将来的な選択肢が生まれる可能性がある
- 開発は継続中で、短期間で性能が改善している
- 現状は1080pで約33fpsのアルファ版、快適に遊べる段階ではない
- NVIDIA・AMDいずれの公認も受けていない実験的プロジェクト
- ユーザー自身がNVIDIA製の本物のDLLを用意する必要がある
Q&Aよくある質問
まとめ他社GPUへの拡大は騒動の新たな一章
『NBA 2K27』からのDLL流出に始まった非公式DLSS 5 MOD騒動は、NVIDIA製GPU間での対応拡大にとどまらず、ついにAMD Radeonという他社製GPUへの展開まで進みました。RX 9070 XTでの約33fpsという数値はまだアルファ版の実力にすぎませんが、「NVIDIA専用」とされてきた技術の再現に一定の道筋がついたこと自体が注目に値します。
一方で、NVIDIA・AMDいずれの公認も受けていない実験段階のプロジェクトであること、ユーザー自身が本物のDLLを用意する必要があること、性能・画質ともに発展途上であることは変わりません。正式なDLSS 5がRadeonで使えるようになったと誤解せず、今後の開発の進展を見守るのが妥当です。



