AMD「RDNA 6」は登場しないのか―RDNA 5の次に来る「UDNA」の正体とRadeonブランド・買い時への影響を解説
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RDNA 5の次はUDNAへ移行かーRadeonブランドと買い時への影響
AMDのゲーミングGPUで「RDNA 6」という名称が使われず、RDNA 5の次からブランドが「UDNA」へ移行する可能性を伝える情報が浮上しました。AMDが正式に発表しているのは、ゲーム向けのRDNAとデータセンター向けのCDNAを将来的にUDNAへ統合する方針までで、RDNA 6の有無やUDNAへの移行時期そのものは、現時点でAMDの公式発表ではありません。
出典:Moore’s Law Is Dead(YouTube) / TweakTown「AMD announces unified UDNA GPU architecture」 / OC3D「AMD RDNA 5 GPU launch plans leak」
Radeon RX 9000シリーズを使っている、あるいは購入を検討している人の中には、「AMDの次のGPUはRDNA 6なのか、それとも別物になるのか」という点が気になっている人もいるはずです。海外の技術系YouTubeチャンネル「Moore’s Law Is Dead」がAMD関係者とされる情報筋を基に伝えたところによると、AMD内部の資料には「RDNA 5」の表記はあるものの、その次に当たる「RDNA 6」という名称が見当たらず、代わりに「UDNA」という名称が繰り返し使われているといいます。
ただし、これはAMDが正式発表した内容ではありません。AMDが公式に示しているのは、ゲーム向けのRDNA(Radeon RXシリーズのアーキテクチャ)とデータセンター向けのCDNA(Instinctシリーズのアーキテクチャ)を、将来的にUDNAという単一のアーキテクチャへ統合する方針までです。RDNA 6という技術そのものが存在しないと断定できる段階にはありません。
この記事では、リークの内容と公式発表の範囲を分けたうえで、UDNAとは何なのか、Radeonというブランド自体はどうなるのか、ゲーム性能や今の買い時判断にどう影響するのかを整理します。単なる名称リークの紹介にとどめず、Radeonユーザーが実際に判断材料にできるところまで踏み込んで解説します。
リークMoore’s Law Is Deadが伝えた「RDNA 6が資料に見当たらない」情報
今回の話の出どころは、AMD関連の情報を継続して扱っている海外の技術系YouTubeチャンネル「Moore’s Law Is Dead」です。同チャンネルがAMD関係者とされる情報筋を基に伝えたところによると、AMD内部で使われているロードマップや開発資料には「RDNA 5」という表記が確認できる一方で、その次の世代に当たるはずの「RDNA 6」という名称は見当たらないといいます。RDNA 5より後の項目には、代わりに「UDNA」という名称が繰り返し登場しているとのことです。
この情報が正しければ、AMDはRDNA 5を最後のRDNA世代とし、その次からGPUアーキテクチャのブランド名をUDNAへ切り替える可能性があります。ただし、あくまで非公式な情報筋を基にしたリークであり、AMDがRDNA 6の中止やUDNAへの移行時期を公式に発表したわけではありません。社内的にはUDNAというコードネームを使いながら、一般向け製品では引き続き別のブランド名を使う可能性も残っています。
RDNA 5とUDNAの関係についても、複数の解釈が成り立ちます。RDNA 5が最後の独立したゲーム向けアーキテクチャとなり、次の世代から完全にUDNAへ移行するという見方がある一方、RDNA 5自体が内部的には最初のUDNA世代に相当し、製品分野によって名称を使い分けているだけという見方もできます。AMDは前述のとおりUDNAへの統合方針そのものは明らかにしていますが、どの世代からUDNAという名称を正式に採用するのかは公表していません。
正体UDNAとは何か―RadeonとInstinctを結ぶ統合構想
UDNAは、AMDのゲーム向けGPUアーキテクチャであるRDNAと、AI・データセンター向けGPUアーキテクチャであるCDNAを統合する構想です。RDNAはRadeon RXシリーズを中心に採用され、ゲーム性能、描画効率、レイトレーシング性能、消費電力のバランスを重視して設計されています。一方のCDNAは、AMD Instinctシリーズに採用されているコンピュート向けアーキテクチャで、AI学習や科学技術計算、高性能コンピューティングに必要な行列演算や大規模並列処理を重視しています。
AMDのコンピューティング&グラフィックス部門を率いるJack Huynh氏は、2024年9月にドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2024の場で、RDNAとCDNAを単一のUDNAアーキテクチャへ統合する方針を明らかにしました。AMDが目指しているのは、Radeonブランドの製品とInstinctブランドの製品をまったく同じGPUにすることではなく、共通の基礎アーキテクチャとソフトウェア基盤を持たせることです。共通設計を採用したうえで、ゲーム向けの製品ではゲーム性能や消費電力を優先し、データセンター向けの製品ではAI演算性能やメモリ帯域を優先する形になるとみられます。
出典:TweakTown「AMD announces unified UDNA GPU architecture」(2024年9月、IFA 2024)
狙いなぜAMDはRDNAとCDNAの統合を目指すのか
AMDがUDNAへの統合を進める大きな理由は、GPU開発とソフトウェア対応を効率化するためです。現在のAMDは、ゲーム向けのRDNAとデータセンター向けのCDNAを別々に開発しています。用途に合わせて設計を最適化しやすい反面、ハードウェアやソフトウェアの共通化が難しくなります。新しいGPU世代が登場するたびに命令セット、メモリ階層、コンパイラー、開発環境が大きく変わると、ソフトウェア開発者は世代ごとに最適化をやり直す必要があります。UDNAで基礎設計を共通化できれば、ゲーム向けとAI向けの技術を相互に展開しやすくなります。
AMDにとっては開発リソースを集中できるほか、ゲーム、生成AI、映像処理、科学技術計算といった幅広い用途に同じソフトウェア資産を活用しやすくなるメリットがあります。背景にあるのは、NVIDIAがCUDAを中心に長年築いてきた共通エコシステムへの対抗意識です。NVIDIAはGeForceとデータセンター向けGPUで製品構成を分けながら、CUDAという共通の開発基盤を提供し続けており、対応ソフトウェアと開発者の多さが大きな強みになっています。AMDもUDNAとROCm(AMDのGPU向け開発基盤)を軸に、ゲーム用GPUからAI用GPUまで一貫した開発環境を整えられれば、対応ソフトウェアの増加につながる可能性があります。この点は、AMD幹部によるCUDA関連の発言を取り上げた別記事でも詳しく解説しています。
誤解Radeonブランドは消えるのか、名称の行方を整理する
今回の話で最も誤解されやすいのが、「UDNAへ移行する=Radeonというブランドが消える」という受け止め方です。実際には、RDNAやUDNAはあくまでGPUのアーキテクチャ名(内部設計の世代を指す名称)であり、店頭やAmazonで見かける「Radeon RX」という製品ブランド名とは別の話です。
NVIDIAの場合も同様の構図があります。GeForce RTX 50シリーズのアーキテクチャコードネームは「Blackwell」ですが、製品として店頭に並ぶのはあくまで「GeForce RTX」ブランドです。同じように、AMDのGPUアーキテクチャがRDNAからUDNAへ切り替わったとしても、それだけで消費者向けの製品ブランドである「Radeon」の名称が自動的に消えるとは限りません。
もちろん、AMDが今回のUDNA移行に合わせて、Radeonというブランド名自体を将来的に見直す可能性がまったくないとは言い切れません。しかし、少なくとも現時点でAMDが公式に発表しているのは、あくまでアーキテクチャの統合方針であり、Radeonブランドの終了や名称変更ではありません。AMDのゲーム事業を率いるJack Huynh氏自身も、ゲーム事業をAMDの戦略における重要な柱の一つと位置づける発言を続けています。UDNAへの移行が、Radeonというブランドそのものの消滅を意味するとは考えにくい状況です。
性能UDNA移行でRadeonのゲーム性能は上がるのか
UDNAへ移行しただけで、Radeonのゲーム性能が必ず大幅に向上するとは限りません。RDNAとCDNAを統合すると聞くと、データセンター向けの演算機能がそのままRadeonに搭載されるように感じられます。しかし、一般向けGPUにはチップ面積、消費電力、製造コストに厳しい制約があります。AI向けの演算回路を増やしすぎると、その分だけゲーム描画に使える回路が減る可能性もあるため、RadeonとInstinctは共通の基礎設計を採用しつつ、搭載する演算器やキャッシュ、メモリ構成は用途別に変える形になるとみられます。
Radeonユーザーにとって特に注目したいのは、AIを利用したゲーム機能です。現在のPCゲームでは、アップスケーリング、フレーム生成、レイ再構成、ノイズ除去などにAIが使われる場面が増えています。NVIDIA側もDLSS 4.5のように世代ごとにAI機能を強化しており、UDNAによってAMDのAI演算技術がRadeonへ展開されやすくなれば、FSR(AMDのアップスケーリング・フレーム生成技術群)をはじめとする映像技術の品質や性能が向上する可能性があります。生成AIや動画編集、3DCG制作といったゲーム以外の用途でもRadeonを利用しやすくなることが期待されますが、具体的な演算性能や対応機能はAMDから発表されておらず、現時点で断定できる話ではありません。
発売時期RDNA 5はいつ登場するのか、UDNAとの世代関係
RDNA 5を採用する次世代Radeonについて、AMDは正式な発売時期を発表していません。COMPUTEX 2026で複数のグラフィックスカードメーカーへ取材した海外報道によると、RDNA 5世代の製品は2027年後半から2028年初頭に登場する可能性があるとされています。あるメーカーは2027年第2四半期から第3四半期を予想している一方、別のメーカーは2027年末または2028年初頭まで製品が店頭に並ばない可能性を示しています。
AMDがRDNA 5を公式発表してから、実際のグラフィックスカードが発売されるまで数カ月空く可能性もあります。RDNA 4世代では、AMDがCES 2025でアーキテクチャを発表した後、Radeon RX 9070 XTとRX 9070が2025年3月に発売されました。RDNA 5でも、発表時期と店頭発売時期が一致しない可能性があります。AMD公式のLLVMコンパイラのコード変更から読み解けるRDNA 5の技術的な実力については、当サイトの別記事で詳しく解説しています。
RDNA 5が2027年後半から2028年初頭に登場すると仮定すると、その次のUDNA世代が一般向けゲーミングGPUとして登場するのは、早くても2029年以降になると考えられます。ただし、これはあくまで過去のGPU世代交代サイクルを基にした推測です。UDNAの開発状況や製品投入時期によっては、RDNA 5とUDNAが同時期に併存する可能性も残ります。
出典:OC3D「AMD RDNA 5 GPU launch plans leak」
解釈RDNA 5とUDNAが同じ世代を指す可能性も残る
今後の情報を追ううえで注意したいのが、RDNA 5とUDNAを完全に別世代として扱ってよいのかという点です。AMDが外部向けにはゲーム用GPUを「RDNA 5」と呼び、社内の共通アーキテクチャを「UDNA」と呼んでいるだけの可能性があります。たとえば、ゲーム向けRadeonではRDNA 5、データセンター向けInstinctではCDNAの後継名称を使いながら、共通する土台部分だけをUDNAという開発コードネームで扱う形です。
反対に、RDNA 5が最後の移行世代となり、次の製品からRadeonを含めてUDNAというブランドへ統一される可能性もあります。AMDが正式なロードマップを公開するまでは、RDNA 5・RDNA 6・UDNAという名称だけを手がかりに世代関係を断定しない方が安全です。今後はAMDの公式ロードマップ、GPUドライバーやLLVMへの追加情報、次世代Radeonの製品コードネームなどが、判断材料になっていくとみられます。
- 現在使用しているGPUで、遊びたいゲームの性能やVRAM容量が不足している人
- Radeon RX 9000シリーズやGeForce RTX 50シリーズの性能・価格に納得できている人
- 数年単位でグラフィックボードを買い替えられない事情がある人
- UDNAの詳細が判明するまで、はっきりしない情報に振り回されたくない人
- 今使っているGPUの性能にまだ十分な余裕があり、急ぎで買い替える理由がない人
- RDNA 5世代の詳細(レイトレーシング性能・FSR対応)が判明してから判断したい人
- UDNAへの移行によるAI機能強化を重視しており、数年単位で待てる人
購入判断今Radeonを買うのを待つ必要はあるか
RDNA 6やUDNAの情報が出てきたことで、現在Radeon RX 9000シリーズを購入してよいのか迷う人もいるかもしれません。しかし、UDNA世代の一般向けGPUが登場する時期は確定しておらず、RDNA 5ですら2027年後半以降になるという見方が有力です。UDNAを待つ場合、数年単位でグラフィックボードを買い替えられない可能性があります。
現在使用しているGPUで遊びたいゲームの性能が不足している場合は、将来のUDNAを理由に購入を延期する必要はありません。現在販売されている製品の性能、VRAM容量、消費電力、価格を基準に選ぶ方が現実的です。一方で、Radeon RX 9000シリーズやGeForce RTX 50シリーズで十分な性能を得られている場合は、RDNA 5やUDNAの詳細が判明するまで使い続ける選択肢もあります。
まとめ「RDNA 6は存在しない」はまだリーク段階の情報
今回の情報を整理すると、AMDがRDNAとCDNAをUDNAへ統合する方針は、AMD幹部が公式に語っている確度の高い情報です。一方で、RDNA 6という名称が使われないことや、RDNA 5の次からUDNAになることは、AMDが正式発表した内容ではありません。RDNA 5が最後のRDNA世代になる可能性はありますが、RDNA 5とUDNAが同じ技術世代を指している可能性や、製品分野によって名称を使い分けている可能性も残されています。
Radeonユーザーにとって重要なのは、UDNAという名称の話と、「Radeon」という製品ブランドが消えるかどうかの話を混同しないことです。少なくとも現時点でAMDが公式に示しているのは、GPUアーキテクチャの統合方針にとどまり、Radeonブランドの終了を意味するものではありません。RDNA 6が本当に姿を消すのか、それとも別の形で残るのかは、AMDからの正式発表を待つ必要があります。
FAQRDNA 6・UDNAに関するよくある質問
AMDの次世代GPUについて、RDNA 5の次にRDNA 6という名称を使わず、UDNAへ移行する可能性が海外リークとして報じられました。UDNAは、ゲーム向けのRDNAとAI・データセンター向けのCDNAを共通化するアーキテクチャ構想で、AMD幹部のJack Huynh氏が2024年に方針を公式に示しています。
ただし、RDNA 6が存在しないことやRDNA 5の次にUDNAが来ることは、AMDが正式に発表した内容ではありません。UDNAへの移行によって、RadeonでもAIアップスケーリングや生成AI、クリエイティブ用途が強化される可能性はありますが、具体的な性能や対応機能はまだ発表されていません。また、UDNAという名称の変化がRadeonという製品ブランドの終了を意味するわけでもない点は、混同しないよう整理しておく必要があります。
RDNA 5の登場時期についても2027年後半から2028年初頭との報道がある段階で、UDNA世代のRadeonはさらに先になる可能性があります。現時点では「RDNA 6は存在しない」と断定せず、「RDNA 5の次にUDNAへ移行する可能性がある、ただしRadeonブランド自体がなくなるわけではない」と理解しておくのが適切です。





