INZONE M10S II実機レビュー|540Hz OLEDが1000Hz IPSに勝ったモーションクラリティ【2026年9月】
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同じレビュアーが直前にテストした1000Hz IPS「25G590B」より、動きの鮮明さで上と評価しています
出典:PC Gamer「Sony Inzone M10S II review」記事および同メディア「LG UltraGear 25G590B review」(いずれも著者Jeremy Laird、2026年9月22日公開)、Tom’s Hardware「Sony INZONE M10S II review」記事(2026年9月23日公開)、Sony公式製品仕様ページページにもとづきます(2026年9月24日確認)。
ゲーミングモニターのリフレッシュレート競争は、ついに1000Hzへ到達しました。数字だけを比較すると、540Hzより1000Hzの方が圧倒的に高速に見えます。
しかし、海外メディアの実機レビューでは、Sony「INZONE M10S II」(540Hz OLED)の方が、LG「UltraGear 25G590B」(ネイティブ1000Hz IPS)より動きの鮮明さで優れていると評価されました。しかも評価したのは、直前に25G590Bをテストしていたのと同じレビュアーです。
なぜ約半分のHzでOLEDが上回れたのか、両者がほぼ同価格帯にあること、そして1000Hz側は日本でまだ購入できないことまで、実機レビューにもとづいて整理します。Hzの数字だけで速さを比較する仕組みの解説は既報の25G590B記事に譲り、2製品の実際の評価差に絞って扱います。
目次
要点1000Hz IPSを「動きの鮮明さ」で上回った540Hz OLED
INZONE M10S IIのレビューでは、動きの鮮明さとコントラストの両面で、LGの1000Hz IPSを明確に上回るという評価が下されています。540Hz・0.02ms応答という組み合わせは、現状もっとも総合力の高い速さを持つ組み合わせの一つで、24.5型モードまで含めるともっとも魅力的なeスポーツ向けモニターだと結論づけられています。
この評価が興味深いのは、単に「540Hzでも十分速い」という話ではないことです。リフレッシュレートでは約2倍の差がある1000Hz IPSを、540Hz OLEDがモーションクラリティで上回ったと評価されている点にあります。
仕様方向性が違う2台がほぼ同じ価格に並んだ
| 項目 | Sony INZONE M10S II | LG UltraGear 25G590B |
|---|---|---|
| パネル | Tandem WOLED | IPS |
| サイズ・解像度 | 27型・QHD(2560×1440) | 24.5型・FHD(1920×1080) |
| 最大リフレッシュレート | 540Hz(DisplayPort時) | 1000Hz(OCモードで1100Hz) |
| 特殊モード | HD 1280×720で720Hz(Dual Mode) | MBR Pro(VRRと排他) |
| 公称応答速度(GTG) | 0.02ms | 1ms |
| 日本価格 | Sony Store 174,900円/Amazon 159,000円 | 想定実売179,000円前後 |
| 日本発売 | 2026年5月22日(発売済み) | 2026年10月1日予定 |
価格だけを見ると、通常価格ならむしろ540Hz OLEDのM10S IIの方がわずかに安くなります。これは「高価なOLEDと安いIPS」の比較ではありません。ほぼ同じ価格帯で、方向性の異なる2台のどちらを選ぶかという競争です。
実機評複数メディアが動体表示を高く評価
M10S IIのレビューでは、動いている物体や背景が静止時と同程度に明瞭に見え、カメラを振った際にも目立ったブレやスメアを感じなかったと評価されています。RTX 4090を使用したDoom Eternalでは約350〜540fpsで動作させ、モーションブラー低減機能を別途有効にする必要すら感じなかったとされています。
25G590B側のレビューでも、1000Hzという数字自体には触れつつ、実際にプレイして得られる体感差については慎重な書き方がされています。同じレビュアーが両者を近い時期にテストしたうえでM10S IIを上に評価したという事実は、単発のレビューよりも比較材料として重みがあります。
1000Hzの壁Counter-Strike 2でも1000fpsには届かない
25G590Bのレビューでは、ネイティブ1000Hzを実際に使い切れるかという検証も行われています。
Counter-Strike 2では、現状もっとも高クロックなCPUの一つとされるAMD Ryzen 7 9800X3D(1080p・中設定)でも約600fps止まりとされています。レビューではIntel第14世代Core i9搭載機を使い、高400fps台にとどまったと報告されています。VALORANTでも1000fpsには届かず、画面の情報量に応じて500〜800fps程度だったとされています。25G590Bは1100Hzまでの「オーバークロック」モードも備えますが、現行のコンシューマー向けハードウェアでは、この性能を実戦で使い切れる場面はまだ限られます。
一方のM10S IIは540fps前後が実用上の目安になるため、25G590Bの1000Hzよりも到達しやすいフレームレート帯です。今のグラフィックボードで実際に出せるfpsとモニターの上限が近いかどうかは、購入判断でHzの数字と同じくらい重要な軸になります。
開発経緯Sonyが光沢でなくアンチグレアを選んだ理由
M10S IIはOLEDとしては発色が最も鮮やかなタイプではなく、マットな表面処理にも好みが分かれるという指摘があります。しかしSonyの開発担当者は、この仕様を偶然ではなく意図的な選択として説明しています。
Sony公式のインタビューによると、設計責任者は「ゲーミングモニターの業界標準が光沢パネルだった時期に、プロ選手のセットアップを調査したところ、ほぼ全員がアンチグレアフィルムを自分で貼り付けていた」ことに着目したと説明しています。この観察をもとに、テレビ事業で培った映像技術を応用し、照明の映り込みを抑える「Super Anti-Glare Film」を独自開発したとされています。
競技FPSでは、黒の沈み込みや発色の鮮やかさより、敵が動いた瞬間に照明の反射で見失わないことの方が重要になる場合があります。M10S IIは「もっとも鮮やかなOLED」ではなく「OLEDを競技モニターとしてどう仕立てるか」を詰めた製品と捉えるほうが実態に近そうです。
柔軟性720Hzモードと24.5インチモードという2枚目の武器
M10S IIはQHD・540Hzに加えて、解像度をHD(1280×720)へ落とす代わりに720Hzまで引き上げるDual Modeも備えます。ただし720Hz化で短縮できる画面更新間隔はわずかで、画素数は4分の1近くまで落ちます。このHzと解像度のトレードオフの具体的な計算は、同じ仕組みを扱った720Hz OLEDパネル量産の記事で詳しく整理しているので、そちらを参照してください。500fps前後で安定してプレイできているなら、720Hzへこだわるより540Hzを維持した方が画面の情報量とのバランスは良くなります。
もう一つの特徴が24.5インチモードです。27型QHDパネルの表示領域を24.5型相当まで縮小でき、PCでは2368×1332または1920×1080を選択、表示位置も中央か下寄せに変更できます。OLEDのため使用していない周囲の画素は発光しません。25G590Bが最初から24.5型専用機であるのに対し、M10S IIは27型で普段使いしながら競技時だけ24.5型へ切り替えられる柔軟性を持ちます。
判定ほぼ同価格ならどちらを選ぶべきか
1000fps級を本気で狙い、少しでも入力から表示までの待ち時間を切り詰めたい競技プレイヤーにとって、25G590Bのネイティブ1000Hzには明確な意味があります。一方、500fps前後の競技FPSに加えて通常のPCゲームにも使うのであれば、QHD解像度と実機レビューで裏付けられた動体表示の鮮明さを持つM10S IIの方が扱いやすいケースは多そうです。
判断を左右するもう一つの要素が入手性です。M10S IIはすでに日本国内で発売され、Amazonでも購入できます。25G590Bは2026年10月1日発売予定で、2026年9月24日時点では国内の一般販売網にまだ並んでいません。今すぐ手に入れて試したい場合、選択肢は事実上M10S II側に絞られます。
他の選択肢同じ540Hz/720Hzデュアルモード機とも比べると
M10S IIと同じ「QHD 540Hz・HD 720Hzデュアルモードの有機ELタンデムパネル」という土俵には、ASUSとLGも既に製品を投入しています。1000Hz IPSとは別の軸として、この2機種も比較対象に入れておく価値があります。
| 製品 | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|
| Sony INZONE M10S II | Sony初のAnti-VRR Flicker搭載、Fnatic共同開発のアンチグレア | 159,000円〜(Amazon) |
| ASUS ROG Swift OLED PG27AQWP-W | TrueBlack Glossyの光沢パネル、Neo Proximity Sensorで焼き付き対策 | 180,000円前後(Amazon) |
| LG UltraGear OLED 27GX790B-B | 同スペック帯で最安、VESA DisplayHDR True Black 500 | 123,200円前後(Amazon) |
ASUSのPG27AQWP-Wは光沢パネルのTrueBlack Glossyを採用しており、M10S IIがあえてアンチグレアを選んだのとは対照的な方向性です。発色の鮮やかさを優先するなら候補になりますが、照明環境によっては反射が気になる場面もあります。LGの27GX790B-Bは同じデュアルモード仕様をもっとも抑えた価格で試せる点が強みですが、M10S IIのAnti-VRR Flickerに相当する機能は搭載していません。
FAQよくある質問
まとめまとめ|Hzの数字だけでは決まらない
Sony「INZONE M10S II」の実機レビューでは、リフレッシュレートで約2倍の差があるLG「UltraGear 25G590B」(1000Hz IPS)に対し、動きの鮮明さで上という評価が下されました。評価したのが、直前に25G590Bをテストしていたのと同じレビュアーだったという点は見逃せません。
25G590Bのレビューでも、Counter-Strike 2やVALORANTのような競技タイトルで最速クラスのCPUを使っても1000fpsに届かないことが確認されています。1000Hzの真価を引き出すにはまだハードルがある一方、M10S IIは540fps前後という現実的なフレームレート帯で高い評価を得ています。
両者はほぼ同価格帯で並んでいますが、25G590Bは2026年10月1日発売予定でまだ日本で購入できません。今すぐ動体表示の鮮明さを重視したモニターを選びたい場合、実機レビューの評価と入手性の両方でM10S IIに分があります。
実機レビューでは、540Hz OLEDのM10S IIが1000Hz IPSの25G590Bを動きの鮮明さで上回るという評価が下されました。Hzの数字が大きいほど必ず見やすくなるわけではない点は、複数メディアの実測でも裏付けられています。
1000fps級を本気で狙う競技プレイヤーには25G590Bの1000Hzに意味がありますが、現状のCPUでは実現が難しく、しかも国内発売はまだ先です。今すぐ選ぶならM10S IIが現実的な選択肢になります。






