『明末:ウツロノハネ』続編発表|夏思源氏がLeenzee解雇後に新スタジオ設立・無常続投とIP取得の経緯・発売日情報まとめ
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夏思源氏の新スタジオIndolphinity始動の裏にあるLeenzee解雇とIP売却の経緯
出典:505 Games公式X投稿、PC Gamer、GamerSky(ChinaJoy 2026取材)ほか。詳細な出典一覧は記事末尾に掲載しています。
『明末:ウツロノハネ』の続編が発表されたと聞いて、まず気になるのは「あのLeenzeeが作るのか」という点かもしれません。ところが実際の経緯は少し複雑です。開発を担うのは前作を送り出したLeenzeeではなく、原作者の夏思源氏が新たに立ち上げたスタジオIndolphinityで、しかも夏思源氏自身は旧スタジオを解雇されていたと報じられています。
2026年7月29日、パブリッシャーの505 Gamesは、夏思源氏の新スタジオIndolphinity(成都递归海豚科技、英語表記でChengdu Recursive Dolphin Technology)との新しい開発・パブリッシング契約を発表しました。主人公「無常」の物語は続編でも中心に据えられる一方、正式タイトル・発売日・対応機種はいずれもまだ発表されていません。さらにこの半年ほど前には、夏思源氏の解雇と、IPそのものが505 Gamesの親会社Digital Brosに売却されるという出来事も起きていました。
本記事では、505 Games公式の発表内容だけでなく、PC GamerやTechTimes、Video Games Chronicleなど複数の海外メディアが報じている夏思源氏の解雇、IPの売却額、新スタジオへの出資額といった、発表文だけでは見えてこない背景まで含めて整理します。
主人公続編でも無常が物語の中心に
505 Gamesの発表とあわせて、夏思源氏はChinaJoy 2026(2026年7月31日〜8月3日、上海新国際博覧センターで開催)の会場で中国メディアGamerskyの取材に応じ、続編でも前作主人公の「無常」が中心的な役割を担うと説明しています。
続編の位置づけについて、505 Games公式Xアカウントの発表文では、続編を「WUCHANG IPの新しい章(a brand-new chapter of the WUCHANG IP)」と表現しており、「続編(sequel)」という言葉はあえて使われていません。海外ゲームメディアDot Esportsはこの表現について、前作から直接続く物語にするか、時間や場所を変えた新しい物語にするか、構成の自由度をあらかじめ残すための言葉選びではないかと分析しています。
一方で夏思源氏は、Gamerskyの取材の中で、開発チームがすでに無常の今後の旅について複数の構想を持っていると明かしています。単発の新作ではなく、無常を中心に据えたシリーズとして展開していく方向性がうかがえます。
ただし、前作のエンディングから直接続く物語になるのか、時間や地域を変えた新しい物語になるのかは明らかにされていません。現時点で確定しているのは、無常が次回作でも主人公を務めるという点だけです。
経緯夏思源氏はLeenzeeを解雇されていたと報じられる
今回の発表でもう一つ見過ごせないのが、夏思源氏が新スタジオを設立した経緯です。505 Games公式の発表文では「新たなパートナーシップ」という前向きな表現が使われていますが、その背景には旧開発元Leenzeeとの決別があったと複数の海外メディアが報じています。
中国メディアGamerskyは2026年4月、前作のディレクター兼プロデューサーだった夏思源氏が、旧正月(2026年の春節は2月17日)を迎える前にLeenzeeを解雇されていたと報じました。この報道はSavePoint Gamingでも取り上げられ、英EurogamerやInsider Gaming、PC Gamerなど複数の海外メディアが後追いで伝えています。
PC Gamerによると、夏思源氏の解雇と前後して、Leenzeeに残ったスタッフの多くも会社を去ることになったとされています。TechTimesの報道では、残留した開発チームは他プロジェクトの受託開発(アウトソーシング業務)への配置転換か、退職かの選択を迫られ、大半が配置転換を拒否して退職したと伝えられています。一部の元従業員が未払い賃金をめぐって労働仲裁を申し立てたという報道もあります。
Leenzeeの法人格である成都凌澤科技(Chengdu Lingze Technology)は、これらの経緯について公式な説明を出していません。なお、ここで触れた解雇・労務トラブルに関する情報は、505 GamesやIndolphinityの公式発表そのものではなく、GamerskyやSavePoint Gamingの報道をPC GamerやTechTimesなど海外メディアが引用する形で伝わっているものです。
売却Digital BrosがIPを取得、505 Gamesが新体制に出資
夏思源氏の解雇と入れ替わるように、『明末:ウツロノハネ』のIP(知的財産)そのものの所有権にも動きがありました。505 Gamesの親会社であるイタリアのDigital Bros Groupは、2026年4月27日、成都凌澤科技からIPの全権利を取得したと報じられています。取得額は3,200万人民元で、PC GamerやTechTimesの報道ではおおむね460万〜470万米ドル相当とされています。
この金額は、前作が世界で記録した売上規模(505 Games側の発表で3,000万ユーロ超、約3,400万米ドル相当)と比べるとかなり低い水準です。TechTimesは、これによりDigital Brosが将来のロイヤリティ支払いを気にせず、IPを完全に自社の資産にできたと分析しています。
そして2026年7月29日、505 GamesはIndolphinityとの新しい開発・パブリッシング契約を発表し、続編の準備段階への初期投資として2,150万ユーロ(約2,450万米ドル、中国メディアの報道では1.66億人民元)を投じると明らかにしました。Digital BrosがIP取得に投じた金額の5倍以上にあたる規模で、続編を一時的なプロジェクトではなく長期的なシリーズとして育てる意図がうかがえます。
体制としては、Indolphinityが中国国内で創作面の開発を主導し、505 Gamesが資金提供とグローバルなパブリッシングを担当します。Digital Bros Groupは、Indolphinityとの協業を支えるために成都に専門の子会社を設立する計画も報じられています。
夏思源氏は発表にあわせたコメントで、「Indolphinityという新しいスタジオの旗のもと、505 Gamesとの深い協業に再び臨めることをうれしく思う」「中国のクリエイターで構成された生粋の開発チームとして、豊かな文化的な背景こそが自分たちのゲームの本質であり、競争力の源だと常に信じてきた」という趣旨のコメントを寄せています。505 Games側も、開発チームの創作面での判断を尊重し、十分な自由を与える方針を示しています。
未定発売日・対応機種はまだ発表されていない
続編の発売日は、2026年8月5日時点では発表されていません。正式タイトルやゲーム映像も公開されていない状態です。
対応機種についても正式な発表はありません。前作『明末:ウツロノハネ』はPC(Steam)、PS5、Xbox Series X|S向けに発売され、Xbox Game Passにも対応していました。続編が同じ構成になるかどうかは今のところ分かりません。
夏思源氏はGamerskyの取材で、開発状況について「まだ準備段階」と説明しています。505 Games公式のコメントでも、続編は「準備フェーズ(preparation phase)」に入ったばかりだとされています。チームの規模はすでに一定の水準に達し、基本的な開発パイプラインも動き出している一方、人員の拡大は今も続いているとのことです。
この状況を踏まえると、近いうちに発売される作品ではなく、正式発表や発売までにはある程度の期間が必要になる可能性があります。ただし開発期間について公式な目安は示されていないため、2027年や2028年発売といった具体的な年を現時点で断定することはできません。
実績前作は世界累計500万人が到達
続編発表の土台になっているのが、前作『明末:ウツロノハネ』の実績です。2025年7月24日に発売されたソウルライクアクションRPGで、記憶を失った主人公・無常が、自らの過去と「羽化病」と呼ばれる奇病の謎を追いながら、明代末期の古蜀を舞台に戦います。
505 Games公式Xアカウントによると、Steam版は発売直後に最大13万人を超える同時接続プレイヤー数を記録し、PC・コンソールを合わせた世界累計プレイヤー数は500万人に達したと発表されています。この500万人という数字は2026年7月24日の1周年にあわせて公式に発表されたもので、「500万本販売」ではなく「500万人のプレイヤー」という表現が使われている点に注意が必要です。Xbox Game Passなどを通じてプレイしたユーザーが含まれている可能性があるため、販売本数がそのまま500万本に達したと解釈しないほうが安全です。
505 Games側の発表では、前作の売上高は3,000万ユーロ(約3,400万米ドル)を超えたとも説明されています。『黒神話:悟空』が切り開いた中国産ソウルライクの市場で、新興スタジオだったLeenzeeが世界規模の成功を収めた事例として位置づけられています。
Steamでは1周年を記念した割引セールも実施されました。続編の情報を待つ間に、前作を触れていない場合はストアページで内容を確認しておくとよさそうです。
課題発売直後のつまずきは続編に引き継がれるか
前作は発売直後、複数の問題をめぐって厳しい評価にさらされました。PC版の動作の重さやゲームバランス、操作性に対する不満に加え、2025年8月12日に配信されたパッチ1.5では、実在した明代末期の歴史上の人物(崇禎帝、劉文秀、劉承恩ら)をモデルにしたボスキャラクターの扱いが変更されています。それまで戦闘で倒せる設定だったキャラクターが、力尽きて戦闘を放棄する扱いに変わったため、購入後にゲーム内容が変更されたとする批判が相次ぎ、Steamレビューが再び荒れる事態になりました。
開発チームはその後もアップデートを重ね、2025年11月配信のパッチ1.7を最後に大型更新を終えています。このパッチの結びには「これまでの信頼と時間の共有に感謝します」という趣旨のメッセージが添えられており、今振り返ると開発チームの解散を予感させる一文だったとも受け取れます。
夏思源氏はGamerskyの取材で、当時の対応について、『明末:ウツロノハネ』がチームにとって初めて手掛けた大規模なシングルプレイ作品だったと振り返っています。発売後に大量のフィードバックが寄せられたため、内容を分類し、限られた時間の中で優先順位をつけて対応したという趣旨の説明をしています。Video Games Chronicleの取材でも、こうした経験を経てチームが大きく成長したという発言が伝えられています。
前作の開発に関わった一部のメンバーは新スタジオIndolphinityにも参加しており、チーム内の連携はすでに確立されているとのことです。続編でPC版の最適化や発売時の完成度がどこまで改善されるかはまだ分かりませんが、前作で得た経験が反映されるのは間違いなさそうです。
その後前作DLCの可能性とセーブデータの行方
前作『明末:ウツロノハネ』に新しいDLCが追加される可能性も完全には否定されていません。夏思源氏はGamerskyの取材で、前作のDLCについて可能性を排除しないという趣旨の回答をしています。ただし、DLCの開発や発売が正式に決定したわけではなく、チームの立ち上げや続編の制作が同時に進んでいる状況を踏まえると、実際に着手されるかは不明です。
セーブデータの引き継ぎについても、現時点では何も発表されていません。同じ主人公が続投するため、装備や進行状況を引き継げることを期待する声もありそうですが、フルプライスのアクションRPGの続編では、ゲームバランスを保つために能力や装備がリセットされるケースが一般的です。続編が前作と同じゲームシステムを採用するかどうかも判明していないため、現時点で判断することはできません。
名称続編の正式タイトルはこれから
続編の正式タイトルも明らかになっていません。505 Games公式の発表では「WUCHANG IPの新しい章」という表現にとどまっており、現状は『明末:ウツロノハネ』の続編、または「無常」シリーズの新作として紹介されている段階です。
前作の中国語タイトルは『明末:渊虚之羽』、英語タイトルは『WUCHANG: Fallen Feathers』、日本語タイトルは『明末:ウツロノハネ』です。続編が『明末:ウツロノハネ2』のような直接的な名称になるのか、「無常」を前面に出した新しい名前になるのかは今のところ分かりません。
公式発表でIP全体を示す言葉として「WUCHANG(無常)」がそのまま使われていることから、今後は「WUCHANG」シリーズとして展開されていく可能性もあります。
評価歓迎したい点・注意したい点
- 原作者の夏思源氏と、主人公「無常」の物語という核心部分がそのまま引き継がれる
- 505 GamesがIP取得額の5倍以上にあたる資金を投じ、長期シリーズとして育てる姿勢を示している
- 前作の開発に関わったメンバーが新スタジオにも合流し、技術的な連続性は保たれている
- 正式タイトル・発売日・対応機種・価格のいずれも未発表で、実際にプレイできるまでには時間がかかりそう
- 旧スタジオLeenzeeでは労務トラブルが報じられており、体制刷新が開発チームに与えた影響は見えにくい
- Indolphinityは新規設立の会社で、続編単体としての開発実績はまだない
FAQよくある質問
総括まとめ|無常の物語は次の章へ
『明末:ウツロノハネ』の続編は、2026年7月29日に505 GamesとIndolphinityの開発・パブリッシング契約というかたちで正式発表されました。前作の主人公「無常」が引き続き物語の中心を担い、原作者の夏思源氏が新スタジオIndolphinityを率いて開発を進めます。
一方で、この発表の裏には、夏思源氏が旧正月前にLeenzeeを解雇されていたという報道や、IPそのものが2026年4月に505 Gamesの親会社Digital Brosへ3,200万元で売却されていたという経緯があります。7月29日の発表は、そこからさらに2,150万ユーロを投じて新スタジオとの体制を築き直す動きだったといえます。
正式タイトル、発売日、対応機種、価格、ゲームシステムはいずれも未発表で、開発は準備段階にとどまっています。前作は世界累計500万人プレイヤーという実績を残した一方、発売直後のパフォーマンスやパッチ1.5をめぐる評価の乱高下という課題も残しました。続編がその教訓をどう生かすのか、続報を待ちたいところです。

