Snapdragon X2 EliteでRTX 4060がeGPU動作|Cyberpunk 2077も実プレイ域に【2026年8月9日更新】

(更新: 2026.8.9)
Snapdragon X2 EliteでRTX 4060がeGPU動作|Cyberpunk 2077も実プレイ域に【2026年8月9日更新】

本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。

ニュース / 2026年8月9日更新(初出 2026年7月21日)
Snapdragon X2 EliteノートでGeForce RTX 4060がeGPU動作。Cyberpunk 2077も実プレイ可能な水準に
RTX Spark用ドライバー転用の実験がArmワークステーションから市販ノートPCへ進展
YouTubeチャンネル「ETA Prime」が、Snapdragon X2 Elite Extremeを搭載する市販ノートPC「ASUS Zenbook A16」に、eGPUドック経由でデスクトップ向けGeForce RTX 4060を接続。NVIDIAが「RTX Spark」向けに公開したWindows Arm64用Developer Driverを転用し、『Cyberpunk 2077』などのAAAゲームを実際にプレイ可能な水準で動作させました。これまでのArmワークステーションを使った実験(映像出力ができずリモート配信が必須だった)とは異なり、市販ノートPCの画面へ直接映像を出力できている点が大きな進展です。ただし、あくまで非公式なドライバー転用による実験であり、NVIDIAがSnapdragon PC向けにGeForceを正式サポートしたわけではありません。
市販ノートPC+eGPUでCyberpunk 2077が実用域のfps映像出力の壁を越えた新しい検証事例正式サポートではなく非公式の実験

Armプロセッサを搭載したWindows PCは年々増えていますが、Intel・AMD向けパソコンのように市販のグラフィックボードを取り付けて使うことはできませんでした。GeForceのようなディスクリートGPUをWindows on Arm(Armプロセッサ上で動くWindows 11環境)で動かすためのドライバーを、NVIDIAが公開してこなかったためです。

この状況に最初に風穴を開けたのが、中国の開発者VoidTech氏でした。HuaweiのArmワークステーション「Qingyun W510」に、NVIDIAが2026年5月に発表した新型ArmベースPCプラットフォーム「RTX Spark」向けのARM64ドライバーを転用し、デスクトップ向けGeForce RTX 4060をWindows 11 Arm64上で動作させることに成功しています。そして2026年8月、この手法が一般的な市販ノートPCでも通用することを示す新しい検証が登場しました。YouTubeチャンネル「ETA Prime」が、Snapdragon X2 Elite Extreme搭載の「ASUS Zenbook A16」にeGPU経由でRTX 4060を接続し、『Cyberpunk 2077』などを実際にプレイ可能な水準で動作させています。

本記事では、最新のASUS Zenbook A16での検証結果と、そのもとになったVoidTech氏の実験がどのような構成・手順で行われたのか、そして映像出力・アンチチートといった残された課題まで、公開されている情報を基に整理します。

目次

8月9日追記市販ノートPC+eGPUでRTX 4060がCyberpunk 2077を実プレイ可能な水準で動作

YouTubeチャンネル「ETA Prime」が、Snapdragon X2 Elite Extremeを搭載する市販ノートPC「ASUS Zenbook A16」へ、eGPUドック経由でデスクトップ向けGeForce RTX 4060を接続する検証を公開しました。ASUS Zenbook A16は、最大18コアのSnapdragon X2 Elite Extremeを搭載する16インチノートPCで、標準ではQualcomm Adreno GPUを使用します。今回の検証では、AOOSTAR製のThunderbolt 5+OCuLink対応eGPUドック(40Gbps接続)を介してRTX 4060を接続し、GPUドライバーにはRTX Spark向けのDeveloper Driverを非公式に適用しています。

これまでのVoidTech氏によるArmワークステーションでの実験では、RTX 4060のHDMI・DisplayPort端子から映像を出力できず、リモートストリーミングソフト「Sunshine」「Moonlight」経由でしか画面を確認できませんでした。今回のASUS Zenbook A16の検証では、そうした映像出力の問題への言及がなく、ノートPC側の画面で直接ゲームプレイを確認できています。市販ノートPCという一般的な構成でこの壁を越えられた可能性がある点は、これまでの検証から大きく進展したポイントです。

ゲームテストでは、3DMark Time Spy、『Forza Horizon 6』『Cyberpunk 2077』『Project CARS 2』『Ghost of Tsushima』『DOOM: The Dark Ages』などが動作しました。特に『Cyberpunk 2077』では、フレーム生成を使わない高画質設定で40fps台前半、フレーム生成を有効にすると70fps台前半まで到達したと報告されています。ほかのタイトルについても実際にプレイ可能な水準のフレームレートで動作したとされていますが、具体的な数値は動画内で個別に紹介されているものであり、本記事では確認できた範囲の情報にとどめます。

ただし、今回のテストでもボトルネックは残っています。RTX 4060の性能を接続規格(Thunderbolt/USB4)の帯域が制限しており、GPU本来の性能をフルに発揮できているわけではありません。RTX 4060が搭載する8GBのVRAMも、高負荷な設定では制約になります。また、パフォーマンス計測ツール「MSI Afterburner」が正常に動作しないなど、ソフトウェア面の課題も残っています。

出典:Windows CentralGeeky Gadgets(2026年8月9日確認)

!
Snapdragon PCへ市販のRTX 4060を接続すれば同じことができるわけではない

今回使用されたRTX Spark用Developer Driverは、NVIDIAが一般のGeForce向けに正式公開したものではありません。一般的なSnapdragon搭載ノートPCでeGPUを使うこと自体、専門的な知識と対応するeGPUドックが必要な非公式の実験です。NVIDIAがSnapdragon X2 Elite搭載PC向けにGeForceを正式サポートする計画は、2026年8月9日時点で発表されていません。

要点まず何が起きたか

i
RTX Spark用ドライバーの転用でデスクトップ向けGeForceが動作

中国の開発者VoidTech氏が、HuaweiのArmワークステーション「Qingyun W510」上で、デスクトップ向けGeForce RTX 4060をWindows 11 Arm64環境で動作させました。使用したのは、NVIDIAが2026年5月に発表したArmベースの新型PCプラットフォーム「RTX Spark」向けのARM64ドライバーです。DirectX 12、Vulkan、CUDA、ハードウェアアクセラレーションが有効になり、『黒神話:悟空』『原神』、Blenderのレンダリング、複数の3DMarkテストも実行されています。一方で、RTX 4060のHDMI・DisplayPort端子から映像を出力できず、ゲーム性能も本来の水準には届いていません。

構成HuaweiのArmワークステーションにRTX 4060を搭載

VoidTech氏が使用した主なハードウェアは以下のとおりです。

項目内容
PCHuawei Qingyun W510
CPUHuawei Kunpeng 920(24コア・Armv8.2アーキテクチャ)
メモリDDR4-2933 32GB
GPUGeForce RTX 4060 8GB
OSWindows 11 Arm64
NVIDIAドライバー591.33
CUDAバージョン13.1

Qingyun W510は、WindowsではなくLinux系OSでの利用を前提に設計されたワークステーションです。搭載されているKunpeng 920も、一般的なゲーミングPC向けCPUではなく、Huawei傘下のHiSiliconが開発したサーバー・ワークステーション向けのArmプロセッサにあたります。そのため今回の構成は、「市販のWindows on Arm PCへRTX 4060を挿しただけ」という単純なものではありません。

Windows 11を起動するには、起動時のハードウェア情報を管理するACPIテーブルの修正が必要だったほか、ネットワークやオーディオなど、Qingyun W510に搭載されている一部デバイスにはWindows用ドライバーが存在しません。VoidTech氏はオープンソースの修正プロジェクトを利用して、Windows 11 Arm64を起動できる状態に整えたとされています。

出典:Windows Latest

制約Windows on Armでは通常のGeForceドライバーを使用できない

Windows 11 Arm64には「Prism」と呼ばれるエミュレーション機能があり、Intel・AMD向けに作られたx86およびx64アプリケーションをArm PC上で実行できます。しかし、デバイスドライバーには同じ方法を利用できません。

Microsoftによると、Windows on Armで使用するカーネルモードドライバーは、Arm64向けのネイティブバイナリとして作られている必要があります。x64版のGeForceドライバーをPrismで変換し、Arm PCへそのままインストールすることはできません。これまで一般的なWindows on Arm PCでGeForceを利用できなかった理由のひとつが、NVIDIAから公開されたArm64版のGeForceドライバーが存在しなかったことです。状況を変えたのが、2026年5月に発表されたRTX Sparkでした。

出典:Microsoft Learn|Windows on Arm FAQ

手法RTX Spark用ARM64ドライバーをRTX 4060へ転用

RTX Sparkは、20コアのArm CPUとBlackwell世代のRTX GPUを組み合わせたNVIDIAの新しいPC向けプロセッサです。主な仕様は以下のとおりです。

項目内容
CPU20コア NVIDIA Grace CPU
GPUBlackwell世代RTX GPU(最大6,144基のCUDAコア)
メモリ最大128GBのユニファイドメモリ
AI性能FP4演算で最大1ペタフロップ
発表日2026年5月31日
発売時期2026年秋(ASUS・Dell・HP・Lenovo・Microsoft・MSIなどから発売予定)

RTX SparkがWindows 11 Arm64上でRTX GPUを動作させるには、NVIDIA製のArm64ネイティブグラフィックスドライバーが必要になります。VoidTech氏はRTX Spark用ソフトウェアからこのARM64版NVIDIAドライバーを取り出し、デスクトップ向けRTX 4060を認識するように適用しました。

使用されたドライバーのバージョンは591.33で、NVIDIAの管理ツールではCUDA 13.1も認識されています。WindowsのDirectX診断ツール上ではDirectX 12とWHQL認証が表示され、VulkanやGPUハードウェアアクセラレーションも有効になりました。NVIDIAのドライバーは複数のGPUを共通コードでサポートする構造になっているため、RTX Spark向けドライバーの内部にも、デスクトップ向けGeForceを動作させるためのコードがある程度残っていた可能性があります。ただし、RTX 20・30・40・50シリーズがすべて同様に動くことが確認されたわけではありません。後述のとおりTuring世代のRTX 2080 Tiでも動作事例が報告されていますが、テストされたデスクトップGPUは現時点でRTX 4060とRTX 2080 Tiの2製品にとどまり、そのほかの世代・製品への対応は推測の域を出ません。

出典:NVIDIA公式ニュースルーム

実測『黒神話:悟空』は1080pで平均21fps

RTX 4060を使用して、複数のゲームとベンチマークが実行されました。主な結果は以下のとおりです。

テストQingyun W510+RTX 4060
『原神』1080p約20〜25fps
『黒神話:悟空』1080p・中設定平均21fps(最高33fps・最低3fps)
NVIDIA Star Wars Reflectionsデモ約23〜25fps
3DMark Speed Way2,252
3DMark Time Spy Graphics6,369
3DMark Night Raid GPU43,530
3DMark Solar Bay約32,370

『黒神話:悟空』のベンチマークでは平均21fps、最高33fps、最低3fpsを記録しました。『原神』も1080pで約20〜25fpsにとどまり、頻繁なカクつきが確認されています。一般的なx64環境と比べると、ゲーム性能は大幅に低い水準です。

同一のRTX 4060をRyzen 7 5800X環境で動作させた場合、『黒神話:悟空』は83fpsを記録しています。一方、Kunpeng 920環境では21fpsでした。『原神』もRyzen環境では上限の60fpsに達しましたが、Kunpeng環境では約25fpsとなっています。

項目Ryzen 7 5800X環境Kunpeng 920環境
『黒神話:悟空』1080p・中設定83fps21fps
『原神』1080p上限60fps約25fps
3DMark Speed Way2,6822,252
3DMark Time Spy Graphics10,9396,369

ただし、この結果だけで「Arm環境ではRTX 4060が遅い」と判断することはできません。

出典:Windows Latest

分析性能低下の主因は古いArm CPUとx64変換

今回使用されたKunpeng 920は、2019年に登場したサーバー向けCPUです。24コアを搭載しているものの、ゲームで重要になるシングルスレッド性能やメモリ遅延では、現行のデスクトップ向けCPUに大きく劣ります。さらに今回動かしたPCゲームの多くはx64版であり、Prismを通じてArm64命令へ変換しながら実行されています。CPU側の処理が追いつかず、RTX 4060が待たされる場面が多かったと考えられます。

この点を示しているのが、先ほどの3DMarkの結果です。Arm64ネイティブで動くSpeed Wayでは、Kunpeng 920環境が2,252、Ryzen 7 5800X環境が2,682となっており、差は比較的小さい水準です。一方、x64変換を伴うTime Spy Graphicsのスコアは、Kunpeng環境が6,369、Ryzen環境が10,939まで広がっています。

つまり、Arm64ネイティブでGPU中心に処理するテストでは、RTX 4060は比較的本来に近い性能を発揮しています。一方、x64エミュレーションやCPU処理への依存度が高いゲームでは、Kunpeng 920が大きなボトルネックになったと分析できます。今回の21fpsという数字は、RTX 4060用ARM64ドライバーの性能だけを示すものではありません。

検証BlenderではCUDAレンダリングも動作

ゲーム以外では、x64版Blenderを使用したCUDAレンダリングもテストされました。BlenderはPrismによるx64変換で動作しているものの、RTX 4060をCUDA対応GPUとして認識し、タスクマネージャーではレンダリング中にGPU使用率が約89%まで上昇しています。

複数のNVIDIA RTXデモも実行され、レイトレーシングとDLSSが動作するケースが確認されました。ただし、テストされたデモのひとつではレイトレーシングを有効にできませんでした。ドライバーがRTX Spark向けであることや、GPUの識別処理が正常に機能していないことが原因として考えられていますが、正式には確認されていません。DirectX 12、Vulkan、CUDA、レイトレーシングの基本的な機能が動いた点は大きいものの、すべてのRTX機能が完全に利用できる状態ではありません。

出典:Windows Latest

課題RTX 4060の映像端子から出力できない

!
HDMI・DisplayPortから映像信号を出せない

今回の実験における最大の問題は、RTX 4060から映像を出力できないことです。Windows 11はRTX 4060と接続されたディスプレイを認識したものの、グラフィックボードのHDMIおよびDisplayPort端子から実際の映像信号を出せませんでした。

RTX SparkはCPUとGPUが統合されたプロセッサであり、デスクトップ向けRTX 4060とは映像出力の構造が異なります。そのため、RTX Spark用ドライバーには、RTX 4060に搭載されているHDMI・DisplayPort用の表示エンジンやエンコーダーを制御するコードが含まれていない可能性があります。ただし、原因は開発元によって正式に確認されたものではありません。

VoidTech氏は回避策として、ホストPC側でリモートアクセスソフト「Sunshine」を動かし、別の端末からクライアントアプリ「Moonlight」を使ってWindowsのデスクトップとゲーム映像を受信しました。RTX 4060は映像のレンダリングを担当する一方、画面表示はリモートストリーミングで行う構成です。リモート配信を前提にすれば計算用GPUとして利用できる可能性はありますが、通常のデスクトップPCのようにモニターを接続して使うことはできません。

出典:Windows Latest

対応アンチチートを使用するゲームは依然として課題

動作しなかったゲームもあります。『アークナイツ:エンドフィールド』は起動直後に終了し、ゲーム画面まで進めませんでした。VoidTech氏は、同作が採用するAnti-Cheat Expert、またはx64変換との互換性が原因ではないかと推測していますが、正確な原因は特定されていません。

Windows on Armでは、ゲーム本体をPrismで動かせても、カーネルレベルで動作するアンチチートドライバーがArm64に対応していなければ起動できません。MicrosoftはRTX Sparkに向けて、Easy Anti-CheatやBattlEyeを含むゲーム環境の対応を進めていると説明しています。ただし、すべてのゲームやアンチチートがArm64に対応するわけではなく、サービスごとの対応が必要になります。GPU性能が向上しても、アンチチートや周辺機器のドライバーが対応しなければ、Windows on Armを一般的なゲーミングPCとして利用するのは難しいのが実情です。

出典:Windows LatestWindows Blog公式

追加検証Radxa Orion O6でRTX 2080 Tiも動作

RTX 4060の検証とは別に、Armマザーボード「Radxa Orion O6」とGeForce RTX 2080 Tiを組み合わせ、同じ系統の改変ドライバーでWindows 11 Arm64を動作させた事例が報告されています。RTX 2080 Tiは、RTX 4060よりも前のTuring世代にあたるデスクトップ向けGPUです。

Radxa Orion O6は、Armv9.2アーキテクチャに対応する「CIX P1」SoCを搭載したMini-ITXマザーボードです。主な仕様は以下のとおりです。

項目内容
SoCCIX P1(Armv9.2)
CPU構成高性能Cortex-A720×4(最大2.8GHz)+中性能Cortex-A720×4(最大2.4GHz)+高効率Cortex-A520×4(1.8GHz)の12コア
メモリ最大64GBのLPDDR5(5,500MT/s・帯域約100GB/s)
拡張スロットPCI Express x16形状(電気的接続はPCIe 4.0 x8)
フォームファクタMini-ITX

Orion O6が備えるPCI Express x16スロットにGeForce RTX 2080 Tiを接続し、RTX 4060の場合と同じくRTX Spark向けのARM64版NVIDIAドライバーを流用したところ、Windows 11 Arm64上でGPUとして認識されたと報告されています。

ただし、RTX 2080 Ti環境については、RTX 4060の検証ほど詳細なベンチマーク結果や不具合の情報はまだ公開されていません。映像出力の可否やアンチチート対応など、RTX 4060で確認された課題が同様に発生するのかも、現時点では明らかになっていません。

それでも、Ada Lovelace世代のRTX 4060だけでなく、3世代前にあたるTuring世代のRTX 2080 Tiでも動作が確認されたことは重要です。RTX Spark向けドライバーの互換性が特定の1製品に限定されたものではなく、複数世代のGeForceに及ぶ可能性を示しています。

出典:VideoCardzRadxa公式|Orion O6製品ページ

誤解Snapdragon X搭載PCへRTX 4060を追加できるわけではない

今回の結果を見て、Snapdragon X EliteやSnapdragon X Plus搭載PCにRTX 4060を接続できると考えるのは早計です。RTX Spark用ドライバーは、NVIDIAが既存のGeForce向けに正式公開したものではありません。また、一般的なWindows on ArmノートPCには、デスクトップGPUを接続するためのPCI Expressスロットが用意されていません。

ThunderboltやUSB4経由の外付けGPUについても、GPUだけでなく接続コントローラー、ファームウェア、電源管理、ディスプレイ出力など、複数のArm64対応ドライバーが必要になります。今回の方法はメーカーのサポート対象外であり、ドライバーの入手方法や改変内容も一般ユーザー向けには提供されていません。少なくとも現時点では、Windows on Arm PCを所有するユーザーがRTX 4060を追加するための実用的な手段ではありません。

意義本当の注目点はNVIDIA製ARM64ドライバーの完成度

今回の実験で重要なのは、RTX 4060が21fpsでゲームを動かしたことだけではありません。RTX Spark向けに開発されたARM64版NVIDIAドライバーが、製品構成の異なるデスクトップ向けGeForceを認識し、DirectX 12、Vulkan、CUDA、Blender、3DMark、レイトレーシング対応デモまで実行できた点に意味があります。映像出力やアンチチートなどの問題は残るものの、GPUの演算・描画機能の多くはすでに動作しています。

歓迎できる点
  • RTX Spark向けドライバーが、製品構成の異なるデスクトップ向けGeForceを認識し、DirectX 12・Vulkan・CUDA・Blender・3DMark・レイトレーシング対応デモまで動かせた
  • MicrosoftとNVIDIAはRTX Spark向けにスケジューラー、電力管理、DirectX 12、レイトレーシング、Prism、ユニファイドメモリなどを共同で最適化している
  • NVIDIAはRTX Sparkについて、レイトレーシングやDLSSを使用したAAAゲームを1440p・100fps以上で動かせると説明している
  • 別の検証ではTuring世代のRTX 2080 TiでもArmマザーボード「Radxa Orion O6」上で動作事例が報告され、Ada Lovelace世代に限定されない可能性が示された
!
注意したい点
  • 映像出力・アンチチート対応など、未解決の課題が複数残っている
  • 今回の検証環境は2019年登場のサーバー向けCPU「Kunpeng 920」であり、CPU性能・メモリ構成ともにRTX Sparkとは大きく異なる
  • 実際にテストされたデスクトップGPUはRTX 4060とRTX 2080 Tiの2製品にとどまり、ほかのRTX製品への対応は確認されていない

今回のKunpeng 920環境は、RTX SparkとはCPU性能もメモリ構成も大きく異なります。実験結果が低かったからといって、2026年秋に登場するRTX Spark搭載PCのゲーム性能が低いとは限りません。

展望GeForceのWindows on Arm正式対応につながるか

RTX Spark用ドライバーを流用すれば、Windows 11 Arm64上でRTX 4060の描画・演算機能を動かせることが実証されました。ただし、これはNVIDIAがデスクトップ向けGeForceのWindows on Arm対応を発表したことを意味しません。今後、NVIDIAがARM64版GeForceドライバーを一般公開するか、外付けGPUを含む既存のGeForce製品まで正式にサポートするかは不明です。

NVIDIAにとって当面の優先事項は、自社のArm CPUとBlackwell GPUを統合したRTX Spark搭載PCを安定して発売することでしょう。デスクトップ向けGeForceまで対応範囲を広げれば、検証しなければならないArmプロセッサ、マザーボード、PCIe構成、表示機器が大幅に増えます。

一方で、今回の実験は技術的な障壁がGPUそのものではなく、正式なドライバーとプラットフォーム側の対応にあることも示しました。NVIDIAが将来ARM64版GeForceドライバーを公開すれば、ArmワークステーションへのディスクリートGPU搭載、外付けGPU、AI処理専用GPUなど、RTX Spark以外の選択肢が生まれる可能性があります。現時点では実用品ではないものの、Windows on Armが内蔵GPUだけに限定された環境から、ディスクリートGPUを利用できるプラットフォームへ発展する可能性を示す実験です。

FAQよくある質問

今回の実験で使われたRTX Sparkとはどんな製品ですか?
NVIDIAが2026年5月31日に発表した、Armベースの新型PCプラットフォームです。20コアのArm CPUと最大6,144基のCUDAコアを備えたBlackwell世代GPUを組み合わせ、最大128GBのユニファイドメモリを搭載します。搭載PCはASUS、Dell、HP、Lenovo、Microsoft、MSIなどから2026年秋に発売予定です。
RTX 4060以外のGeForceでも同じように動作しますか?
Turing世代のGeForce RTX 2080 Tiでも、Armマザーボード「Radxa Orion O6」を使った動作事例が報告されています。ただしRTX 4060ほど詳細なベンチマークや不具合の情報は公開されておらず、テストされたのは現時点でこの2製品のみです。RTX 20〜50シリーズすべてで動作することが確認されたわけではありません。
一般のWindows on Arm PCに市販のRTX 4060を挿せば同じことができますか?
できません。今回使用されたのはNVIDIAが正式公開していないRTX Spark用のARM64ドライバーで、一般的なWindows on ArmノートPCにはデスクトップGPUを取り付けるPCI Expressスロットも用意されていません。メーカーのサポート対象外の実験であり、一般ユーザー向けの手段ではありません。
なぜRTX 4060から映像を出力できないのですか?
正確な原因は公式に確認されていませんが、RTX SparkはCPUとGPUが統合されたプロセッサで、デスクトップ向けRTX 4060とは映像出力の構造が異なります。そのため、RTX Spark用ドライバーにはRTX 4060のHDMI・DisplayPort用の表示回路を制御するコードが含まれていない可能性があります。
すべてのゲームが動作するのですか?
いいえ。『黒神話:悟空』や『原神』は動作したものの、フレームレートは低く、頻繁なカクつきも確認されています。またアンチチートを採用する『アークナイツ:エンドフィールド』は起動できませんでした。
この実験はRTX Spark搭載PCの性能を示すものですか?
直接示すものではありません。今回使われたKunpeng 920は2019年登場のサーバー向けCPUで、RTX SparkのCPU性能・メモリ構成とは大きく異なります。RTX Spark搭載PCは2026年秋発売予定で、実際の性能は正式な実機レビューを待つ必要があります。

総括まとめ|GeForceがWindows on Armへ広がるかは今後のNVIDIA次第

今回の実験により、RTX Spark用ドライバーを流用すればWindows 11 Arm64上でデスクトップ向けGeForceの描画・演算機能を動かせることが実証されました。RTX 4060に続き、Turing世代のRTX 2080 TiでもRadxa Orion O6を使った動作事例が報告され、複数世代のGeForceに応用できる可能性が見えてきています。ゲーム性能は本来の水準に届かず、映像出力やアンチチートの問題も残っていますが、これらは主にKunpeng 920という古いサーバー向けCPUや、正式対応前のドライバーに起因するものです。

NVIDIAがデスクトップ向けGeForceのWindows on Arm対応を正式に発表したわけではなく、当面の優先事項は2026年秋発売のRTX Spark搭載PCを安定して送り出すことになりそうです。それでも今回の実験は、技術的な障壁がGPUそのものではなく、ドライバーとプラットフォーム側の対応にあることを示しました。

まとめ

RTX Spark用ARM64ドライバーを転用することで、Windows 11 Arm64上でデスクトップ向けGeForce RTX 4060のDirectX 12・Vulkan・CUDA・Blenderレンダリングが動作しました。Turing世代のRTX 2080 TiでもRadxa Orion O6を使った動作事例が報告されており、対象GPUはRTX 4060のみにとどまりません。一方で、HDMI・DisplayPortからの映像出力とアンチチート対応には課題が残っており、一般ユーザーがすぐに使える環境ではありません。

NVIDIAが将来ARM64版GeForceドライバーを一般公開するかどうかは明らかにされていませんが、今回の実験はWindows on Armがディスクリートグラフィックスを利用できるプラットフォームへ発展する可能性を示しています。RTX Spark搭載PCの正式な実機レビューが揃い次第、本記事は追記更新します。

2026 BEST BUY — GPU 部門
MSI GeForce RTX 5070 16G VENTUS 2X OC
WQHD定番

RTX 5070 12GB

約105,850円前後

Amazon
ASRock RX 9070 XT スチールレジェンド 16GB GDDR6
コスパ最強

RX 9070 XT 16GB

約109,800円前後

Amazon
MSI GeForce RTX 5070 Ti 16G VENTUS 3X OC
ミドルハイ

RTX 5070 Ti 16GB

約169,980円前後

Amazon

※価格は2026年8月時点の目安・変動あり

Amazon PICK UP — ゲーマー必携アイテム
APC BR550S-JP E UPS 無停電電源
停電対策

APC BR550S-JP E

約18,980円〜

Amazon
SteelSeries QcK+ 大型ゲーミングマウスパッド
コスパ布パッド

SteelSeries QcK+

約2,400円〜

Amazon
Scythe FUMA3 デュアルタワー空冷
空冷上位

Scythe FUMA3

約5,020円〜

Amazon
LG UltraGear 27GS95QE-B 27型 OLED 240Hz
OLED 27型

LG UltraGear 27GS95QE-B

約77,000円〜

Amazon
ARTISAN 零 CLASSIC SOFT L ゲーミングマウスパッド
布パッド上位

ARTISAN 零 SOFT L

約4,990円〜

Amazon

※価格は2026年7月時点の目安・変動あり

Writer
管理人アバター

ゲーミングスタイル管理人

自作PC愛好家・ゲーム歴15年超

ゲーミングPC歴は15年以上。毎年パーツを更新しながら最新トレンドを追いかけています。初心者にもわかりやすく、上級者も満足できる情報発信を心がけています。