Masters of Albion|モリニュー最後の作品は4月22日Steam早期アクセス。10月の大型更新後、Populous・Fableの「贖罪」はどうなったか
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Populous、Black and White、Fableを生んだピーター・モリニュー。43年のキャリアの最後に作るのは、それら全部を1本にまとめたゴッドゲーム。4月22日にSteam早期アクセスで発売され、10月1日に最初の大型更新が入りました
- ピーター・モリニュー最後のゲーム。4月22日にSteam早期アクセスで発売済み(Windows PC向け)。10月1日の大型更新「New Beginnings」で夜の戦闘・注文・性能を作り直し
- 昼はまちづくり、夜はタワーディフェンス、三人称で世界を探索——3つのゲームを1本に凝縮
- Steamの価格は通常3,150円。対応言語は英語のみ(日本語なし)。必要スペックは発売時の記載より上がり、推奨はRTX 3060/RX 6600
目次
43年のキャリアの「最後の1本」
ピーター・モリニューは67歳。1989年にPopulousで「ゴッドゲーム」というジャンルを生み出し、Black and White、Fable、Theme Park、Dungeon Keeperと数々の名作を世に送り出してきた開発者です。
Masters of Albionを「キャリアの集大成」と位置づけ、自ら「これは贖罪だ(It’s about redemption)」と語っています。この言葉の背景には、2013年のGodus騒動があります。Kickstarterで約52万ポンドを調達しながら完成せず、2023年にSteamから削除された——この傷をモリニューは今も引きずっています。
恐ろしいミスを犯すだろう。恐ろしい、恐ろしいミスを。でも、それでも作りたい。
——ピーター・モリニュー、海外PC専門メディアでのインタビューより
3つのゲームを1本に
Masters of Albionは、モリニューの過去作を3つの柱にまとめた構成です。
舞台は「Albion」。モリニューはFableシリーズと同じ世界だと発言していますが、Fable 5ではなく独立した作品です。開始地点は麦畑しかない未開の村「Oakridge」から。
メディアの評価——発売前後は期待と懸念が交錯
発売前のプレビューでは、メディアの評価は正直に言って分かれていました。
「ゴッドゲームの待望の復活」
「プレイヤーが自分の邪悪さに気づく設計が秀逸」
「3つのゲームを1本に詰め込んだが、どれも元ネタほど良くなさそう」
「三人称戦闘はPS2時代の質感。ユーモアがおやじギャグレベル」
発売直後の4月23日に出た海外ゲーム情報メディアの早期アクセスレビューは5点満点で4点でした。Fable・Dungeon Keeper・Black & Whiteの良かったところを取り戻していると評価する一方で、「まだ足りない」とも書いています。Steamの全言語レビューは643件(10月7日時点)で好評は約66%、評価表示は「賛否両論」です。この数字には更新前のレビューも含まれます。
「器用貧乏(Jack of all trades, master of none)」になるリスクは否定できません。しかし、ゴッドゲームというジャンル自体が長く不在だったことを考えると、このジャンルの元祖が戻ってくること自体に価値はあります。
最大の懸念はやはりGodus騒動の再来です。早期アクセスという形式がGodusと同じだけに、「また未完のまま放置されるのでは」という不信感は拭えていません。ただし、モリニュー自身が「贖罪」という言葉を使い、元Bullfrog/Lionheadのベテラン(Media Molecule共同設立者のMark Healey、作曲家Russell Shaw等)を招集している点は、少なくとも本気度は感じます。
10月1日の大型更新「New Beginnings」で変わったこと
発売から約5か月後の10月1日、開発元の22cansが最初の大型更新「New Beginnings」(v2.0)を配信しました。早期アクセスのままですが、発売時に指摘されていた性能、夜の単調さ、進行の浅さに手を入れた内容です。海外メディアのインタビューで、モリニュー本人が発売時の1.0を「スケッチ」と呼び、この更新で「絵画」に仕上げると語っています。
- 性能:レンダリング方式を別のものに入れ替え、ゲーム内の全アセットを作り直しました。開発元のテストでは最大2倍のフレームレートです。ハードウェア・解像度・設定で効果は変わるとの注記つきで、第三者による更新前後の比較は確認できていません。
- 夜の戦闘:夜ごとに「敵を一定数倒す」「時間まで生き残る」「礼拝者を護衛する」といった目標が示されます。倒した敵のスコアで、恒久的に効く報酬カードを選べます。負けた場合は前日の終わりに戻り、防衛やヒーローを組み直して再挑戦できます。
- 注文:ランダムに届く注文をやめ、注文者ごとの物語に沿った連続した依頼になりました。デザインテーブルでは、生産コスト・利益・客の要望への合い方が見比べられます。
- 腐敗:夜ごとにオークンストーンの腐敗が広がり、土地を侵食します。
- 序盤:プロローグが拡張され、主人公が神の力を得る前の経緯が描かれます。
注意点は、v1.4以前のセーブはv2.0で読み込めないことです。旧版のブランチはSteamで約1か月公開される予定で、続きを遊びたい人はそちらを選べます。
更新の話題には、次の動きもあります。10月1日の告知では、約2週間後にさらなる性能改善を入れ、Steam Deckの認証を再申請すると予告されています。10月7日にはUpdate 2.1が出て、NPCが固まる不具合、壁が描画されない不具合の修正、マスター音量の追加、字幕の追加などが入りました。開発元は今後の更新を増やすとしながら、正式版までのスケジュールは示していません。
ここまでの経過は「またか」にはなっていません。Godusは調達した資金を使い切っても完成に至りませんでしたが、本作は発売後に半年近い作業を経た大型更新を出し、続けて修正も配信しています。海外PC専門メディアも更新の記事で、古いゴッドゲームの魔法が戻ってきたと評価しました。とはいえ、まだ早期アクセスで、完成の日付も決まっていません。「贖罪」を果たしたと言えるかは、正式版が出てからの話です。
PC推奨スペック
発売時はGTX 1060/RX 580が推奨でしたが、現在のSteamの記載は上のとおり引き上げられています(10月7日確認)。最低でもGTX 1660 SuperやRTX 2060クラスが必要で、最新世代でなくても、ここ数年のミドルクラスのGPUがあれば推奨を満たせます。レンダリング方式の入れ替えで必要スペックが変わったとは開発元も書いていないため、要件の引き上げと最大2倍のフレームレートの関係は分かりません。Steamの記載には、最低スペック未満では安定動作を保証しないとの注記があります。
対応言語はSteamの表記で英語のみ(インターフェース・音声・字幕とも)です。日本語で遊べるようになる予定は確認できていません。
Masters of Albionから入る人向け|入門ゲーミングPCとPC定番コントローラ
Masters of Albionの推奨スペックはRTX 3060/RX 6600クラスで、エントリーのゲーミングPCがあれば足ります。ただし将来のFable再プレイや他Steamタイトルへの広がりも視野に入れるなら、RTX 5060 Ti 16GBクラスを最初から押さえておくのが安心です。本作はゴッドビューと三人称アクションの切り替えが多く、コントローラとの相性が良好です。
20万円台前半でVRAM 16GBのRTX 5060 Tiを積むエントリーBTOの本命。Masters of Albionの推奨スペックを上回り、Fable再プレイや他Steamタイトル、将来のVRAM要求増まで余裕を持って対応できます。「初めてのゲーミングPC」として失敗しない構成です。
Bluetooth 5.0 / USB-C・Windows標準対応で、Steamタイトルとの互換性が完璧。Masters of Albionの「ゴッドビュー」と「三人称アクション」の切り替えがスティック操作で滑らかに行えます。Fable再プレイやXboxクラウドゲーミング併用も視野に入る、PC初コントローラの本命です。
まとめ——買うべきか、様子見すべきか
Masters of Albionは4月22日にSteam早期アクセスで発売済みで、価格は通常3,150円です(10月7日時点で20%引きの2,520円。割引の終了日は確認できていません)。対応言語は英語のみです。
買うかどうかは、英語で遊べるかで分かれます。日本語表示がないため、英語の文章量が多いゲームが苦手な人にはおすすめしにくいです。英語で問題なければ、更新後は発売時より遊びやすくなっており、3,150円(セール中は2,520円)なら試しやすい価格です。ただしv2.0以降の評価はまだ固まっておらず、Steamの評価表示も「賛否両論」のままです。
Godus騒動の「またか」にはなっていませんが、「贖罪」を果たしたとも言えません。早期アクセスの途中で、正式版の日付は出ていません。待てる人は、2週間後に予告されている性能改善とSteam Deckの認証結果を見てからでも遅くありません。




