DiscordのRust版アプリ「Phoenix」でメモリ使用量は減る?Electron廃止で分かっていること・未確定なこと【2026年11月】
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開発版は290.2MB、ただし2アカウント同時・提供日は未定
出典:Stanislav Vishnevskiy氏(Discord CTO)のX投稿(2026年11月4日)、同・起動比較動画の投稿(11月5日)、TechPowerUp、Inven Global、Windows Latest、Windows Latest(2025年12月)、Discord公式パッチノート(2026年9月8日)、GPUI公式
Discordのデスクトップ版は、Webの技術でアプリを作るElectronで動いてきました。共同創業者でCTOのStanislav Vishnevskiy氏は2026年11月4日(米国時間)にXで、Electronをやめてクライアント全体をRustで作り直していると明かしました。開発中の新クライアント「Discord Phoenix」は、Windowsのタスクマネージャーでメモリを290.2MB使っている画面が公開されています。
この290.2MBは、開発版に2つのアカウントを同時にログインさせた状態の一時点の表示で、現行版と同じ条件で比べた結果ではありません。提供日も決まっておらず、Discordが示しているのは「近いうちにユーザーテストへ入れたい」という見通しだけです。ゲーム中のfpsやCPU・GPU負荷を測った数字は、11月7日時点で公表されていません。
新版を待って買い物やPC構成の判断を変える段階ではありません。いまゲーム中のDiscordが重いなら、CPU・GPU負荷はReduced Motionで、メモリは再起動で、現行版のまま抑えられます。メモリ16GB以下で複数のアプリを同時に開く人ほど新版の軽さは効いてきそうですが、どれだけ減るかは正式な計測を待つ必要があります。
目次
要点分かっていること、まだ分からないこと
デスクトップはElectron、モバイルはReact Nativeをやめ、Rustで書き直します。開発版のメモリ表示は290.2MBです。提供日、一般的な使い方での削減幅、ゲーム中のfpsへの影響は、いずれも未確定です。
| 項目 | 現時点の情報 | 状況 |
|---|---|---|
| 開発言語 | Rust。モバイルとデスクトップでアプリのコードを共有 | CTOが投稿で明言 |
| デスクトップの画面描画 | GPUI。YouTubeやActivitiesなどだけOS標準のWebViewを使用 | CTOが明言 |
| メモリ使用量 | 290.2MB(タスクマネージャー、2アカウント同時) | 開発版の1点のみ |
| 起動の速さ | 現行版と並べた15秒の比較動画 | Discord社員が撮影した1回 |
| 提供日・テスト参加方法 | 「近いうちにユーザーテストへ」とだけ説明 | 未発表 |
| ゲーム中のfps・CPU・GPU負荷 | CTOは「現行版より良くなると期待している」と回答 | 計測値なし |
発表Electronをやめて何を作り直すのか
Vishnevskiy氏の投稿によると、Discordは2018年からRustを使っていて、インフラや音声の技術、現行クライアントの一部もすでにRustで動いています。今回は「クライアント全体をRustにするのが最終目標だった」として、デスクトップのElectronとモバイルのReact Nativeをどちらもやめます。モバイルは画面の部品をネイティブのまま残し、アプリの中身のコードをデスクトップとRustで共有する形になります。
画面を描く仕組みには、Tauriではなく、コードエディターZedの開発元が作るGPUIを選びました。GPUIはGPUで描画するRust向けのUIフレームワークです。Electronは画面を表示するためにChromiumというブラウザエンジンを丸ごと抱えるので、その分のメモリを使います。Phoenixはこの部分を持たない作りです。
Vishnevskiy氏は、見た目と動作は現行版と同じだと返信で答えています。YouTubeの再生やActivitiesのように外部のWeb表示が必要な機能だけ、Windows標準のWebViewを使います。Discord独自の改造を加えたGPUIで、コミュニティの役に立つ部分は本家へ還元することも検討していると説明しています。
メモリ290.2MBはどこまで当てになる数字か
公開されたタスクマネージャーの画面には、同じPCで動くほかのアプリも写っています。SteamのWebHelperが856MB、Battle.netが344MBで、Phoenixの290.2MBはそのどちらよりも小さい数字です。ただしこの画面は、Phoenixに2つのアカウントを同時にログインさせた状態です。Vishnevskiy氏も返信で、新クライアントは複数アカウントの同時利用に対応していると説明しています。
現行版の使用量は使い方で大きく変わるため、「何割減る」と言い切れる基準がありません。Discordの従業員は2025年12月、Redditで「通常は1GB未満で、4GBを超えたら再起動する試験をしている」と説明しました。一方、海外メディアの検証用PCでは、Electron版は待機中に1〜2GB前後を使っていました。現行版が1GBなら約7割減、2GBなら約85%減という計算になりますが、どちらも同じPC・同じ操作で測った比較ではありません。
Electronの枠内での改善でも、メモリは減っていませんでした。2026年9月8日のDiscord公式パッチノートによると、Electron 42への更新でCPU使用率の中央値は約17%下がった一方、メモリ使用量の中央値は約4%増えています。CPUとメモリは別々に動くので、Phoenixでも「CPUは軽くなるがメモリは変わらない」可能性は残ります。290.2MBが一般の使い方でも続くかは、通話や画面共有、長時間の稼働を含めた測定が出るまで判断できません。
起動起動は現行版より速い映像が出ている
Vishnevskiy氏は11月5日(米国時間)、現行版とPhoenixを2台のノートPCで同時に起動する15秒の動画を投稿しました。動画の中で、現行版は起動後およそ5秒で操作画面に入ります。Phoenixは約1.5秒遅れて起動したにもかかわらず、1秒以内にウィンドウが表示され、現行版がまだ読み込み中の時点でフレンド一覧まで出ていました。
Discordの社員は、どちらも完全な新規起動(タスクトレイからの復帰ではない)だと説明しています。現行版で毎回出る「Starting」の更新確認画面もPhoenixにはなく、更新はバックグラウンドで自動的に行う方針です。この動画はDiscord側が用意した1回の比較で、第三者が複数回測った起動時間ではありません。
影響ゲーム中の負荷とfpsにはどう効くか
ゲームのfpsは主にGPUとCPUの余力で決まるので、Discordのメモリ使用量が減ることがそのままfpsの向上にはなりません。メモリが関係してくるのは、空き容量が足りなくなってWindowsがデータを遅いストレージへ退避し始める場面です。ゲーム、ブラウザ、Discordを同時に開く8〜16GBのPCでは、Discordの使用量が数百MB減るだけでも余裕が増えると考えられます。32GB以上積んでいるPCでは、メモリ起因の差は出にくいはずです。
CPUやGPUへの影響については、GPUIがGPU描画を前提にしている点が気になるところです。ただ、Discordが画面を描くときのGPU負荷が現行版より増えるのか減るのかは、まだ測定されていません。CTOが示したのは「より良くなると期待している」という見通しで、測定値ではありません。ゲーム中の1%Lowやフレーム時間の変化は、実際にテスト版が配られてから確かめる段階です。
- メモリ使用量が開発版で290.2MBと、Electron版より小さい見込み
- 起動が速く、更新確認の「Starting」画面もなくなる
- 見た目と操作は現行版と同じとされ、使い方を覚え直さなくてよい
- 提供日・テスト参加方法が未発表で、現行版の置き換えは先になる
- 290.2MBは2アカウント同時の一時点で、通話・配信中の数字は不明
- ゲーム中のfpsやGPU負荷への効果は測られていない
時期いつ使えるのか
Vishnevskiy氏は「近いうちにユーザーテストに入れたい(soon™)」と投稿しましたが、日付は示していません。11月7日時点で、Discord公式ブログにもPhoenixの告知や配布の案内は出ていません。テストにどう参加するのか、現行版のアップデートで自動的に切り替わるのかも分かっていません。
正式な案内が出るまでは、「Phoenix版」をうたう配布物は入れないほうが安全です。Discordを装った偽のインストーラーや詐欺は以前から出回っていて、新機能の話題に便乗しやすいためです。
対策新版が来るまで現行版を軽くする方法
今のDiscordが重い原因によって、効く手が違います。
- メモリが増え続けているときは、Ctrl+Rでクライアントを再読み込みするか、Discordを終了して起動し直します。使用量が膨らむ症状は、長時間つけっぱなしで出やすくなります
- ゲーム中のCPU・GPU負荷を下げたいときは、ユーザー設定の「ユーザー補助」でReduced Motionをオンにします。GIFの自動再生やアニメーション絵文字も個別に止められます
- ゲームがラグったり落ちたりするときは、ゲームオーバーレイを該当のタイトルだけオフにして様子を見ます
オーバーレイ・音声・通知まで含めた優先順位はDiscordを軽くする設定ガイドにまとめています。ゲーム中だけCPU・GPU負荷を自動で下げるGame Modeの開発状況はDiscordのGame Modeの記事で、メモリ8GB機で起きるアプリの再読み込みはWindows 11のアプリ再読み込みの記事で扱っています。
FAQよくある質問
まとめまとめ|290.2MBは期待材料、乗り換えの判断は計測が出てから
DiscordはElectronをやめ、GPUIを使ったRust製の新クライアント「Phoenix」を開発しています。開発版のメモリ使用量は290.2MBと示されましたが、2アカウント同時の一時点の表示で、現行版との同条件の比較ではありません。提供日は未定で、ゲーム中のfpsへの効果も測られていません。今のDiscordが重いなら、メモリは再起動、CPU・GPU負荷はReduced Motionで抑え、テスト版が配られて第三者の計測が出た時点で乗り換えを判断すれば十分です。


