ASUS ROG Strix電源850WのRMA返却品でヒューズをバイパスとの報告|ブレーカーが2度作動、現時点では個別事例
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ブレーカーが2度作動、現時点では個別事例
出典:Reddit「r/techsupportgore」投稿者Euphoric-Bluebird806氏の報告、Wccftechの報道(2026年8月16日)、ASUS公式「ROG-STRIX-850G」製品仕様にもとづきます(2026年8月16日時点)。
ASUSのゲーミングPC向け電源ユニット「ROG Strix 850W」をRMAへ出したユーザーから、返却された電源内部で、基板上の「F101」と記載された部分にワイヤー状の部品がはんだ付けされていたとの報告が出ています。投稿者は「本来あるはずのヒューズがジャンパー線でバイパスされているのではないか」と指摘し、海外メディアもこの件を報じました。
ただし、現時点ではこのワイヤー状部品が単なるジャンパーなのか、それとも電流が一定値を超えると溶断する「ヒューズリンク」なのかについて、Reddit上でも意見が分かれています。ASUS USAも投稿者へ連絡してRMA番号や製品シリアル番号などの提出を求めていますが、技術的な調査結果はまだ公表していません。
この記事では、投稿者の報告内容とASUSの対応状況、Reddit上での技術的な議論を整理したうえで、同じ製品を使っているユーザーがどう考えればよいかを解説します。
目次
先に結論今回のニュースで確認できること
| 論点 | 確認できること | 断定できないこと |
|---|---|---|
| 報告内容 | ROG Strix 850WのRMA返却品で、基板の「F101」部分にワイヤー状の部品が実装されていたという個別報告がある。 | このワイヤーが正規のヒューズリンクなのか、単なるジャンパーなのか。 |
| 不具合 | 投稿者によると、RMA返却後の電源使用時にブレーカーが2回作動し、別の電源へ交換すると問題は起きなかった。 | ブレーカーが作動した直接の原因が、F101のワイヤー自体によるものかどうか。 |
| ASUSの対応 | ASUS USAの公式Redditアカウントが投稿者へ連絡し、ケース番号を発行して詳細情報の提供を求めている。 | ASUSが調査した最終的な技術的説明、および他のRMA返却品での再現有無。 |
今回確認されているのは、あるユーザーのRMA返却品1台をめぐる個別報告です。正常に動作している同シリーズの電源を、このニュースだけを理由に分解して確認する必要はありません。
経緯RMAから戻った電源が約2時間後にブレーカーを落とす
問題を報告したのは、Redditの「r/techsupportgore」へ投稿したユーザー「Euphoric-Bluebird806」氏です。投稿者はニュージーランド在住で、使用していたROG Strix 850W電源をRMAへ送り、返却された製品をPCへ取り付けました。
投稿者によると、電源は当初約2時間正常に動作していましたが、その後突然、部屋全体の電源が落ちました。ブレーカーを戻してPCを再起動すると、再びブレーカーが作動したといいます。そこで以前使用していた別の電源へ交換したところPCは正常に動作したため、RMAから返却されたROG Strix電源に問題が残っているのではないかと疑ったという経緯です。ブレーカーが落ちたという事実だけでは内部のどの部品が故障していたのかまでは特定できませんが、別の電源では同じPCが動作したという投稿者の説明が正しければ、RMA返却品側に何らかの電気的異常が残っていた可能性はあります。
基板調査「F101」の位置にワイヤー状の部品
投稿者は、販売店へ持ち込んだ際に「RMA返却品なので対応できない」と保証対応を断られたため、原因を調べるために自分で電源を開封しました。その過程で基板の一部を破損させてしまったとも投稿しています。
開封して見つかったのが、電源基板上の「F101」と記載された部分にはんだ付けされたワイヤー状の部品です。投稿者はこれを「切れたヒューズをワイヤーで橋渡ししたものではないか」と考え、RMA時の修理方法に疑問を呈しました。海外メディアも掲載された写真について、ヒューズ接点をワイヤーで直接接続し、安全ヒューズをバイパスしたように見えると報じています。もし通常のヒューズを単なる低抵抗のワイヤーへ置き換えていたのであれば、異常な電流が流れたときに本来想定されている保護動作が働かなくなる可能性があります。ただし、ここで重要なのが、写真だけでは部品の正体を確定できていない点です。
技術的議論「ジャンパーではなくヒューズリンクでは」との指摘も
Redditのコメント欄では、「これは明らかなヒューズのバイパスだ」とする意見が多数寄せられている一方、写真を詳しく見たユーザーからは、ワイヤーに見える部分が一定以上の電流で溶断するよう設計された「ヒューズリンク」ではないかとの指摘も出ています。あるユーザーは、基板上のパッドの形状や部品スペースを見る限り一般的なガラス管・セラミック型ヒューズを取り付ける設計には見えず、細い校正済みワイヤーを使うヒューズリンクである可能性を主張しています。これに対しては、投稿者の部屋の電源が落ちるという挙動は、正規のヒューズリンクよりも単純なブリッジに近い反応ではないかという反論も出ており、議論は決着していません。
つまり、「F101と書いてあるのにワイヤーが付いている=ヒューズを無効化した」と写真だけから断定することはできません。「F」は一般的に回路図や基板上でヒューズを示すために使われることがありますが、必ずしも着脱式のヒューズ部品が実装されるとは限らず、ヒューズとして機能する別形式の部品が使用される設計もあります。現時点ではASUSから、このF101部分が本来どのような仕様なのかについて正式な技術説明は出ていません。
仕組み本当にバイパスしていた場合はなぜ問題なのか
一般的な電気回路におけるヒューズは、規定値を超える電流が流れたときに内部の導体を溶断し、回路を物理的に切り離すための保護部品です。電源内部で重大な故障が発生した際にも、異常な電流が流れ続けることを防ぐ最後の保護手段の一つとして機能します。
Redditでも、今回の写真を単なるジャンパーと見たユーザーから、通常のヒューズを低抵抗の太いワイヤーで置き換えた場合、ワイヤーが切れる前にほかの部品や配線へ大きな電流が流れる可能性があるとの懸念が示されています。そのため、もし修理担当者が本来のヒューズを意図的にジャンパーで短絡したのであれば、安全上大きな問題となります。しかし、現在はまさにその前提となる「このワイヤーが単純なジャンパーなのか」が確定していません。
公式反応ASUS USAが投稿者に直接連絡
今回の投稿には、ASUS USAの公式Redditアカウントも反応しています。ASUS USAは投稿者に対して懸念を認識しているとコメントし、ケース番号「N2608008998」を発行しました。氏名、電話番号、製品シリアル番号、RMA番号、所在地などをプライベートメッセージで送るよう求め、現地サービスチームと連携するとしています。投稿者もASUS USAへメッセージを送ったと追記しています。
2026年8月16日時点では、ASUSからF101部分の仕様や、実際にどのような修理が行われたのかについて最終的な説明は確認できません。投稿者はすでに自分で電源を開封して基板の一部を破損させているため、ASUS側がRMA返却時の状態をどこまで確認できるのかは不明です。一方で、投稿者は基板を破損させる前からRMA返却品でブレーカーが2度作動していたと主張しています。今後ASUSが現物を調査した結果によっては、状況が大きく変わる可能性があります。
製品仕様ROG Strix 850Gには複数の保護機能が搭載されている
今回投稿された製品は「ROG Strix 850W」とされています。ASUSが販売しているROG-STRIX-850Gの公式仕様では、850W出力・80 PLUS Gold認証に加え、OPP(過電力保護)、OVP(過電圧保護)、UVP(低電圧保護)、SCP(短絡保護)、OCP(過電流保護)、OTP(過温度保護)といった複数の保護機能が記載されています。
PC用電源では、単一のヒューズだけですべての異常を防ぐわけではなく、複数の保護回路と入力側の保護部品を組み合わせて、異常時に電源や接続されたPCパーツへの影響を抑える設計になっています。そのため、今回のF101だけを見てROG Strix 850G全体の保護機能が無効になっていると判断することもできません。
対応の目安同じ電源を使っている場合はどうすべきか
今回の報告だけを理由に、すべてのROG Strix 850Wを交換する必要があるとは言えません。現時点で確認されているのは、RMA返却後に再び不具合が発生した特定の1台です。投稿者自身も、市販されている新品のROG Strix 850W全体に同じ問題があるとは主張していません。特に新品から問題なく長期間使用できており、ブレーカー作動や電源断といった異常がない場合は、慌てて分解したり交換したりする必要はないでしょう。
一方、今回の投稿者と同じように、RMAから返却された電源を使った直後から家庭のブレーカーが落ちる場合は、そのまま何度も電源を入れて試すのは避けるべきです。家庭側のブレーカーが作動するほどの異常が発生している場合、PC用電源だけでなくコンセントや配線側を含めて問題を切り分ける必要があります。別の正常な電源へ交換すると症状が消える場合は、返却された電源に問題が残っている可能性を考え、メーカーや販売店へ再度相談した方がよいでしょう。RMA番号、製品シリアル番号、返却日、症状が発生した日時などを残しておくと、サポートへ状況を説明しやすくなります。
なお、PC用電源を自分で分解して確認するのはおすすめできません。電源ユニット内部には商用電源から入力された高電圧を扱う回路と大型コンデンサーがあり、電源ケーブルを抜いた後でも内部に電荷が残っている可能性があるため、電気回路の知識や適切な設備なしでケースを開けて触れるのは危険です。異臭、発煙、異音、ブレーカー作動、突然の電源断など明らかな異常が出た場合は使用を中止し、電源ケーブルを抜いた状態でメーカーや販売店へ相談してください。
FAQよくある質問
総括まとめ|ASUSの調査結果を待つ段階
ASUS ROG Strix 850W電源をRMAへ出したユーザーから、返却された電源の「F101」部分がワイヤー状の部品で接続されていたとの報告が出ています。投稿者によると、RMA返却後の電源は約2時間動作した後に部屋のブレーカーを落とし、再度PCを起動するともう一度ブレーカーが作動しました。別の電源へ交換するとPCは正常に動作したとしています。
海外メディアは、このワイヤーを安全ヒューズをバイパスする処置だったと報じていますが、Redditでは写真のワイヤーが単なるジャンパーではなく、一定以上の電流で切れる「ヒューズリンク」の可能性を指摘する声も出ています。ASUS USAもすでに投稿者へ連絡し、RMA番号やシリアル番号などの提供を求めていますが、2026年8月16日時点ではF101部分について正式な技術的説明は出ていません。
現段階では、「ASUSが危険な方法でヒューズをバイパスした」と断定するのではなく、「RMA返却品でそのように見える修理が報告され、ASUSが調査対応に入った」と捉えるのが適切です。今回確認されているのは特定のRMA返却品1台についての個別事例であり、ROG Strix 850Wシリーズ全体に共通する不具合を示す情報は確認されていません。同じ電源を使用していて正常に動作している場合、このニュースを理由に分解する必要はありません。今後、ASUSがF101の仕様や実際に行われたRMA修理の内容を明らかにするかが、この事例を判断するうえで最大のポイントになりそうです。



