G-Sync Pulsarとは?VRRとストロボを両立する新技術の仕組み・対応モニター・設定方法を解説【2026年9月版】

(更新: 2026.9.11)
G-Sync Pulsarとは?VRRとストロボを両立する新技術の仕組み・対応モニター・設定方法を解説【2026年9月版】

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G-Sync Pulsar 完全解説 / 2026年9月11日更新
G-Sync Pulsarとは?
VRRとストロボを同時に使える、初めてのモニター技術
NVIDIAが2026年1月に発売した「G-Sync Pulsar」は、ティアリング防止のVRRとモーションブラー軽減のバックライトストロボを初めて同時に成立させた技術です。仕組み、対応モニター4機種、ファームウェアによる継続的な改善、設定方法までまとめて解説します。
2026年1月発売開始Firmware 1.1.10(2026年9月)対応4機種

ゲーミングモニターには長年、「VRR(可変リフレッシュレート)」と「ストロボ(バックライト点滅によるモーションブラー軽減)」のどちらか一方しか選べないという制約がありました。G-Sync Pulsarは、ローリングスキャン方式のストロボでこの両立を実現した業界初の技術です。

対応モニターは現時点で4機種(すべて27インチ・1440p・360Hz)。RTX 40/50シリーズのGPUが必要で、専用スケーラーチップを搭載した設計のため既存モニターへの後付け対応はできません。発売から継続的にファームウェア更新が重ねられており、最新のFirmware 1.1.10(2026年9月)では240Hz ULMB2でMPRT 1.0ms未満(1000Hz相当の動体視認性)を達成しています。

この記事では、G-Sync Pulsarの仕組み、ファームウェアによる改善の推移、対応モニター4機種のスペック比較、ULMB2・DyAc2との違い、設定方法、買い時の判断基準まで整理します。

目次

背景これまでの問題|VRRかストロボか、どちらか一方しか選べなかった

ゲーミングモニターには長年、相反する2つの技術が存在していました。それぞれが固有の長所を持ちながら、技術的な制約から「どちらか一方」を選ばざるを得ない状況が続いていたのです。

VRR(可変リフレッシュレート)|ティアリング防止・モーションブラーは残るGPUの描画タイミングに合わせてモニターの更新タイミングを変える技術で、ティアリング(画面の横線ズレ)を防止し、スタッターを軽減してフレームを安定化できます。ただしモーションブラー(動きの残像)は残ったままという弱点があります。
ストロボ(ULMB等のバックライト点滅)|映像はクッキリ・VRRと併用不可バックライトを瞬間的に点滅させ、モーションブラーを大幅に削減し映像の輪郭をクッキリさせる技術です。ただしVRRとの併用ができず、固定リフレッシュレート専用という制約があります。
G-Sync Pulsarが解決

ローリングスキャンストロボでVRRと完全共存。両方の長所を同時に享受できる初の技術として2026年に登場しました。

仕組みG-Sync Pulsarの仕組み|ローリングスキャンで全行均一に光る

従来のバックライトストロボは画面全体を一瞬消灯・点灯させる「全面フラッシュ」方式でした。この場合、画面の上部と下部で書き換えタイミングのズレが生じ、下部ほどゴーストが増える問題がありました。

バックライトを水平帯に分割画面を複数の水平セクションに分け、それぞれのバックライトを独立して制御します。一般的な液晶の「全面一斉点灯」とは根本的に異なるアプローチです。
スキャンアウトと同期したローリングパルスGPUがピクセルを上から下へ書き込む「スキャンアウト」の動きに合わせて、バックライトが上から下へ順番にパルスを発します。ピクセルが正しい色に書き換わった直後にだけ光るため、残像が出ません。
VRRに合わせてパルスを動的調整フレームレートが変動するたびに、各セクションのパルスタイミングと輝度を自動で再計算します。これにより固定リフレッシュレートを要求することなくVRRと完全共存が可能になりました。
1000Hz相当のモーションブラー軽減を実現

250fps動作時、1フレームあたりの点灯率は約25%。ストロボ効果により視認上は約1000Hz相当のクリアさを達成します。複数の海外モニターレビューサイトでは「使用可能な最高のストロボ技術」と評価されています。

進化ファームウェアの進化|1.1.4から1.1.10まで何が変わったか

G-Sync Pulsarは2026年1月の発売当初、90fps以上での使用が前提でした。90fpsを下回ると、ストロボのタイミングとフレーム更新が噛み合わず、二重像のようなゴーストングが発生していました。3月のFirmware 1.1.4でこれを修正しています。

90fps以下のゴーストング修正(Firmware 1.1.4)逆位相ゴーストングを除去するアルゴリズムを追加。フレームレートが60〜90fps帯に落ちても、二重像の発生が大幅に軽減されます。激しい戦闘シーン等でフレームレートが不安定なゲームでも安心してPulsarを有効にできるようになりました。
60Hz固定ストロボモードを追加(Firmware 1.1.4)60fps固定で動作するゲーム(コンソール移植作品・旧世代タイトル等)でもG-Sync Pulsarの恩恵を受けられる専用モードを追加。固定60Hzゲームでも映像のクリアさが向上します。
FPSインジケーターの誤表示を修正(Firmware 1.1.4)90fps以下で動作中、モニター内蔵のFPSインジケーターが誤った数値を表示していた問題を修正。実際のフレームレートが正確に表示されるようになりました。

その後もアップデートは続いています。7月のFirmware 1.1.8では240Hz動作時の入力遅延を低減し、120Hz ULMB2の画質も改善しました。そして9月のFirmware 1.1.10では、240Hz・360HzのULMB2とPulsarモードそのものの鮮明さが底上げされています。

240Hz ULMB2でMPRT 1.0ms未満を達成(Firmware 1.1.10)Pulse Width 50設定時、NVIDIA公式測定でMoving Picture Response Time(動体の残像時間)が1.0msを下回りました。これは1000Hz相当の動体視認性に相当し、480nitの輝度を維持したまま実現しています。60Hz ULMB2相当のクッキリさが240Hz・360Hzでも得られるようになりました。
高負荷シーンでPulsarが切れにくく(Firmware 1.1.10)Pulsarの「オン時間」を増やし、情報量の多い映像(爆発エフェクト・パーティクルの多いシーン等)でPulsarが自動的にオフへ切り替わってしまう事例を減らしています。

出典:VideoCardzの報道(Firmware 1.1.10、2026年9月11日確認)にもとづきます。Firmware 1.1.10は本記事執筆時点の最新版で、対応4機種・適用方法(NVIDIAのブラウザ版アップデートツール+Micro-B USB接続)に変更はありません。

対応機種対応モニター4機種|すべて27インチ1440p 360Hz

現時点で発売済みのG-Sync Pulsar対応モニターは、2026年1月発売の以下4機種です。いずれもNVIDIA独自のスケーラーチップを搭載した専用設計のため、後付け対応はできません。なお2026年9月1日、AOCが31.5インチ・5120×2880(5K)・144Hzの新モデル「AGP327KG」をGamescom 2026で発表しており、これまでの「27インチ・1440p・360Hz」という共通スペックから初めて外れる5機種目になる見込みです(2026年9月8日時点でも価格・発売日は未発表)。詳しくはAGP327KGの解説記事で扱っています。

モデルパネルリフレッシュレート応答速度色域
ASUS ROG Strix Pulsar
XG27AQNGV
Ultrafast IPS360Hz1ms GtGDCI-P3 90%
Acer Predator
XB273U F5
IPS LCD360Hz0.5msDCI-P3 90%
AOC AGON Pro
AG276QSG2
Fast IPS360Hz1ms GtGDCI-P3 90%
MSI MPG
272QRF X36
Fast IPS360Hz1ms GtGDCI-P3 90%
4機種共通のスペック

すべて27インチ/2560×1440(QHD)/360Hzという同一スペックです。輝度は通常時400〜500cd/㎡。G-Sync Pulsar動作中はバックライト点灯率が約25%に下がりますが、製造側でバックライトを強化しているため実用上の明るさは確保されています。

日本での購入状況

4機種ともグローバル展開モデルですが、国内での取り扱い状況は機種ごとに異なります。ASUS・Acer・AOCの3機種はAmazon.co.jpで購入可能ですが、在庫状況は変動しやすいため購入前に各販売ページで最新の状況を確認してください。MSI MPG 272QRF X36は本記事時点でAmazon.co.jpでの取り扱いが確認できていません。海外価格に対して割高になるケースもあります。

用語用語ミニ辞典|押さえておくべき5つのキーワード

VRR(可変リフレッシュレート)GPUの描画タイミングに合わせてモニターの更新タイミングを変える技術。G-Sync / FreeSyncが代表例。ティアリングとスタッターを軽減します。
ティアリング画面の上下で異なるフレームが表示され、横方向に「画面が裂ける」現象。GPUとモニターの同期ズレで発生します。
ストロボ(バックライトストロボ)バックライトを瞬間的に点滅させてモーションブラーを軽減する技術。ULMB / DyAcなどが代表例です。
スキャンアウトGPUが画面のピクセルを上から下へ順番に書き込む処理。Pulsarはこの動きにバックライトのパルスを同期させます。
クロストークストロボ点灯時に前のフレームの残像が次のフレームに重なる現象。画面下部で顕著になります。Pulsarのローリングスキャンはこれを根本的に解消します。
ULMB / ULMB2NVIDIAの従来世代ストロボ技術。VRRと併用不可で固定リフレッシュレート専用。Pulsarの先祖にあたります。

比較ULMB2・DyAc2・FreeSyncとの違い

技術VRRと併用ストロボ方式画面下部の均一性対応GPU
G-Sync Pulsar完全共存ローリングスキャン均一(全行同等)RTX 40/50系推奨
ULMB2排他(どちらか選択)全画面統一パルス下部でクロストーク増加GTX 1080以降
DyAc2(BenQ ZOWIE)排他全画面統一パルス下部でやや劣化全GPU対応
FreeSync Premium ProVRRのみなし(ストロボ非対応)AMD GPU推奨

G-Sync Pulsarの最大の優位性は「VRRと同時使用できること」です。ULMB2やDyAc2はティアリング防止のためにV-syncかG-syncを切る必要があり、フレームレートが変動するゲームでは実用性に課題がありました。Pulsarはその制約を根本から取り除いています。

設定設定方法

GPUドライバとNVIDIAコントロールパネルを最新版に更新G-Sync PulsarはRTX 40シリーズ以降のGPUと最新ドライバが必要です。NVIDIA公式サイトから最新のGame Ready Driverをインストールしてください。
NVIDIAコントロールパネル→「G-SYNCのセットアップ」「G-SYNC / G-SYNC互換性を有効にする」にチェックを入れ、フルスクリーンモードを選択。対応モニターが接続されていれば自動的にPulsarモードが有効になります。
「3D設定の管理」でReflexとVsyncを有効化最高のパフォーマンスにはG-Sync+Vsync+NVIDIA Reflexの三点セットが推奨されています。Reflexが入力遅延を最小化し、Vsyncがフレームペーシングを安定させます。
(任意)60Hz固定モードを有効化Firmware 1.1.4適用後、モニターのOSDメニューから「60Hz Strobe Mode」を選択できます。60fps固定で動作するタイトルをプレイする際に有効にしてください。
OLEDモニターには非対応

OLEDは各ピクセルが自己発光するためバックライトが存在せず、ローリングスキャンストロボが機能しません。また、G-Sync Pulsar対応モニターは現在4機種のみで、いずれも専用チップが必要なため後付け対応はできません。

判断基準こんな人に向いている|買い時の判断基準

向いている
  • FPS・格闘ゲームなど、映像のキレがスコアに直結する競技プレイヤー
  • 現在ULMB2 / DyAc2を使っているがVRRも使いたいと感じている人
  • 高リフレッシュレートモニターを検討中で、最先端の液晶技術を求める人
  • RTX 40 / 50シリーズを持っており、フレームレートが安定して90fps以上出せる環境の人
!
向かない
  • RPG・アドベンチャーなど映像美重視でモーションブラーが気にならない人
  • 4KやOLEDを最優先にしている人(現時点でPulsarは非対応)
  • GPUがRTX 30系以前でフレームレートが90fpsを安定して出せない環境の人
  • 予算を抑えたコスパ重視のモニター選びをしている人

購入対応モニター・推奨GPU|購入リンク

G-Sync Pulsarを活かすために必要なモニター4機種と、安定して90fps以上を出せる推奨GPUをまとめました。価格は各リンク先の販売ページでご確認ください。

ASUS ROG Strix Pulsar XG27AQNGV
Pulsar対応モニター|ASUS

ASUS ROG Strix Pulsar XG27AQNGV

27型1440p 360Hz Ultrafast IPS。NVIDIA G-Sync Pulsar認定の旗艦モデル。ROGブランドの作り込みと4機種中トップクラスの色域を両立。在庫状況は変動しやすいため、購入前に販売ページで確認を。

Amazonで確認
Acer Predator XB273U F5
Pulsar対応モニター|Acer

Acer Predator XB273U F5

27型1440p 360Hz・応答速度0.5ms(4機種中最速)。Predatorブランドの定評ある作りでハードコアゲーマー向け。バランスの良い価格帯にあるモデルです。

Amazonで確認
AOC AGON Pro AG276QSG2
Pulsar対応モニター|AOC

AOC AGON Pro AG276QSG2

27型1440p 360Hz Fast IPS。AGONブランドのゲーミングデザインと豊富な機能ボタンが特徴。並行輸入のため在庫変動には注意。

Amazonで確認
MSI MPG 272QRF X36
Pulsar対応モニター|MSI

MSI MPG 272QRF X36

27型1440p 360Hz Fast IPS。北米・欧州で販売中ですが、本記事時点でAmazon.co.jpでの取り扱いは確認できませんでした。日本での購入を検討する場合はMSI公式サイトや正規代理店で最新の取り扱い状況を確認してください。

MSI公式で確認
GIGABYTE RTX 5070 Ti GAMING OC 16GB
推奨GPU|1440p 360Hz本命

GIGABYTE RTX 5070 Ti GAMING OC 16GB

1440p 360Hzモニターで安定して90fps以上を出せる本命GPU。DLSS 4 / 4.5のフレーム生成とPulsarの組み合わせで滑らかさが最大化されます。

Amazonで確認
Palit RTX 5080 GamingPro OC 16GB
推奨GPU|1440p 240fps+安定

Palit RTX 5080 GamingPro OC 16GB

最新タイトルでも1440p 200fps以上を狙えるフラグシップ準。Pulsarの恩恵を最大限引き出す高フレームレート維持に最適です。

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FAQよくある質問

ULMB2からG-Sync Pulsarに乗り換える価値はありますか
VRR(G-Sync)を併用したいなら明確に乗り換える価値があります。ULMB2はVRRと排他なので、フレームレートが変動するゲームでティアリングを我慢する必要がありました。Pulsarは VRRと完全共存できるため、競技FPSでもオープンワールドRPGでも切り替え不要で常時有効化できます。ただしモニター買い替えが必要(後付け対応不可)なため、現状で満足なら急ぐ必要はありません。
OLEDモニターで同じような技術はありますか
OLEDは構造上ストロボ技術が不要です。OLEDは各ピクセルが自己発光し、画素応答速度が0.03〜0.1msと液晶の100倍以上速いため、そもそもモーションブラーがほぼ発生しません。VRR(FreeSync / G-Sync)と滑らかなネイティブ動作を両立できる点で、OLEDはPulsarに対する別解です。「液晶を選ぶ理由」として明るさ・焼き付きリスクの低さなどがある人はPulsar、それ以外ならOLEDも検討対象になります。
RTX 30シリーズ以前のGPUでも使えますか
VRR部分はGTX 1080以降で動作しますが、Pulsarフル機能にはRTX 40 / 50シリーズ推奨です。Pulsarのローリングスキャン同期はGPU側のフレームペーシング情報を高頻度で受け取る必要があり、Ampere(RTX 30)以前では一部の最適化が無効になります。実用上は「RTX 4070以上で1440p 144fps安定」が望ましいライン。RTX 30系で導入する場合は、最新ドライバ+低設定での運用前提です。
日本での購入方法・価格はどうなっていますか
Amazon.co.jpで購入できるのはASUS・Acer・AOCの3機種です。Acer Predator XB273U F5は応答速度0.5msの最速モデルのため、初めてのPulsar環境としてはAcerが現実的な選択肢です。価格・在庫状況は変動しやすいため、購入前に各販売ページで最新情報を確認してください。MSI MPG 272QRF X36は北米・欧州で流通していますが、本記事時点でAmazon.co.jpでの取り扱いは確認できていません。
最新Firmware(1.1.10)のアップデート方法は
NVIDIAのブラウザ版アップデートツールを使い、モニターとPCをMicro-B USBケーブルで接続して適用します。過去バージョンのような各メーカー公式サイトからのFirmwareファイル手動ダウンロードではなく、NVIDIA側が配布ツールを一本化しています。所要時間は5〜10分が目安。アップデート中は電源を切らないこと(モニター故障の原因になります)。
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