MSI Z890 GAMING PLUS WIFI6Eが10月2日発売|45,980円、旧モデルの方が安い?価格を比較検証
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45,980円、旧モデルの方が安い?価格を比較検証
出典(確認日2026年9月26日):MSI公式「Z890 GAMING PLUS WIFI6E」製品ページ/MSI公式「Z890 GAMING PLUS WIFI」製品ページ/エムエスアイコンピュータージャパン公式プレスリリース/TweakTown「MSI Z890 Gaming Plus WIFI6E Review」/CGMagazine「MSI Z890 GAMING PLUS WIFI6E Motherboard Review」/Intel Newsroom「Core Ultra 200S Plus」発表資料にもとづきます。
MSIは2026年10月2日、Intel Z890チップセットを搭載するATXマザーボード「Z890 GAMING PLUS WIFI6E」を国内発売します。価格は税込45,980円です。
国内発表だけを見ると新しいZ890マザーボードに見えますが、実はこの製品、海外では2026年春から既に販売・レビューされています。しかも、MSIには2024年から非常によく似た「Z890 GAMING PLUS WIFI」という製品があり、こちらの国内発売時価格も同じ45,980円でした。新しいWIFI6E版ではWi-Fi 7がWi-Fi 6Eへ、Thunderbolt 4は非搭載へと変更されています。
CPU電源回路やPCIe、M.2、5GbEといったゲーム性能に直結しやすい部分はほぼ維持されたまま、通信・外部接続機能が整理された格好です。国内価格45,980円で本当に買う価値があるのか、旧モデルや上位モデルの現行実売価格まで含めて検証します。

目次
要点まず何が起きたか
経緯実は「完全な新製品」ではない、海外では半年早く存在
Z890 GAMING PLUS WIFI6Eは、LGA1851ソケットとIntel Z890チップセットを採用したATXマザーボードです。Intel Core Ultraプロセッサー(シリーズ2)に対応し、2026年3月11日に発表されたCore Ultra 7 270K Plus・Core Ultra 5 250K/KF Plusも同じLGA1851プラットフォームで使用できます。Intelはこの200S Plusシリーズを、既存の200Sからコア数やダイ間周波数を強化したリフレッシュモデルとして発表しています。
海外での実機レビューを調べると、CGMagazineが2026年4月6日にこのマザーボードをCore Ultra 200S Plusの検証環境として使用しています。当時のMSRPは209.99ドルでした。TheFPSReviewも6月22日にレビューを公開し、8月にはTweakTownも検証しています。TweakTown掲載時の価格は199ドルで、記事タイトルは「Z890 for under $200(200ドル以下のZ890)」でした。つまり日本では10月2日に「新発売」となるものの、製品自体は少なくとも約半年早く海外市場へ投入されていたことになります。MSIが「200S Plus専用モデル」と明言しているわけではなく、公式仕様上は従来のCore Ultra 265Kや285Kなどでも使用できます。
比較旧Z890 GAMING PLUS WIFIとの違い
MSI公式の仕様ページを両モデルとも確認し、比較しました。
| 項目 | Z890 GAMING PLUS WIFI6E | Z890 GAMING PLUS WIFI |
|---|---|---|
| 国内発売 | 2026年10月2日 | 2024年10月25日 |
| 国内発売時価格 | 45,980円 | 45,980円 |
| CPU電源回路 | 14+1+1+1・55A DrMOS | 14+1+1+1・55A DrMOS |
| メモリ | DDR5-9200+ OC対応 | DDR5-9200+ OC対応 |
| GPUスロット | PCIe 5.0 x16 | PCIe 5.0 x16 |
| M.2 | Gen5×1+Gen4×3 | Gen5×1+Gen4×3 |
| 有線LAN | Killer E5000 5GbE | Killer E5000 5GbE |
| 無線LAN | Wi-Fi 6E・最大2.4Gbps | Wi-Fi 7・最大5.8Gbps |
| Bluetooth | 5.3 | 5.4 |
| Thunderbolt | 非搭載 | 4・背面1ポート(40Gbps) |
| オーディオ | Realtek ALC897 | Realtek ALC897 |
CPU電源、メモリ、PCIe、M.2、5GbE、オーディオといったゲーム性能に直結しやすい部分は非常によく似ています。大きく削られたのはWi-FiとThunderboltです。つまり「性能を落とした廉価版」というより、PC本体の性能をほぼ残しながら外部接続部分を削った廉価設計といえます。問題は、日本では今のところ廉価版らしい価格になっていないことです。
Wi-FiWi-Fi 7からWi-Fi 6Eへ|ゲーム用途ではどこまで問題になるか
旧モデルはIntel Killer BE1750xを搭載し、Wi-Fi 7・320MHzチャネル・MLO・4K QAMに対応、MSI公称の最大通信速度は5.8Gbpsです。新しいWIFI6E版はWi-Fi 6E・160MHz幅で、公称最大速度は2.4Gbpsになります。数字だけなら大きなスペックダウンですが、ゲーミングPCで考えると必ずしも致命的ではありません。Wi-Fi 7の320MHz通信やMLOを活かすにはルーター側もWi-Fi 7対応である必要があり、そもそもデスクトップPCを5GbEなどの有線LANで接続する場合、マザーボードの無線規格はゲーム中のfpsやpingへ直接関係しません。WIFI6E版にも6GHz帯は残るため、対応ルーターがあれば5GHz帯の混雑を避ける用途には使えます。「PCは基本的に有線接続」というユーザーなら実害は小さいでしょう。逆に無線接続を前提にWi-Fi 7ルーターを既に導入しているなら、旧モデルの方が明確に有利です。
ThunderboltThunderbolt 4の削除はWi-Fiより影響が大きい
旧モデルは背面にThunderbolt 4 Type-Cを1ポート搭載し、最大40Gbpsのデータ転送に加えDisplayPort出力・デイジーチェーンにも対応します。WIFI6E版にはThunderbolt 4がなく、背面Type-CはUSB 10Gbpsまでです。基板上にはフロントパネル用USB 20Gbps Type-Cヘッダーがあるため20Gbps機器を全く使えないわけではありませんが、ケース側に対応端子が必要になります。ゲームだけをするならfpsに影響しませんが、高速外付けSSD・Thunderboltドック・映像機器を使う場合は話が変わります。特に動画編集や配信も行うPCでは、Wi-Fi 7よりThunderbolt 4の方が後から追加しにくい機能で、旧モデルから削る機能としてはこちらの方が購入前に確認しておきたいポイントです。
性能コア性能まで削られたわけではない
ここまで見るとWIFI6E版は単なる劣化版に見えるかもしれませんが、実機レビューを見ると印象が変わります。TweakTownはCore Ultra 7 270K Plusを使って検証し、20分間のCinebench負荷テストでVRM温度が最大57℃に収まったとして、200ドル以下のマザーボードとして非常に良好と評価しています。55AのCPU電源も270K Plusを動かすには十分で、軽度のオーバークロックにも対応できるとしています。Cyberpunk 2077・Horizon Zero Dawn・Metro Exodus Enhanced Editionなどを使ったゲームテストでも、同じCPUを搭載した他のZ890マザーボードとの差は小さい結果でした。Wi-Fi 7やThunderbolt 4を削ったからといって、GPUやCPUのゲーム性能まで削られているわけではありません。「WIFI6E版は旧モデルより低性能」というより、「演算・拡張部分はかなり残し、通信・外部I/Oでコストを削ったモデル」と捉える方が正確です。
ストレージ構成も悪くありません。CPU直結のPCIe 5.0 x4 M.2が1基、PCIe 4.0 x4が3基あり、合計4枚のNVMe SSDを搭載できます。B860クラスではM.2が3基に減る製品もあるため、多数のSSDを使いたい場合は強みになります。ただしTweakTownの検証では、Gen5 SSD用ヒートシンクの冷却性能は比較対象の中では弱めだったとされています。3DMark Storage中にサーマルスロットリングが発生するほどではなく、ケースのエアフローを確保すれば運用可能という結果でしたが、Gen5 SSDを長時間連続書き込みする動画編集・制作用途なら温度も確認しておいた方がよいでしょう。
価格海外は「199ドルのZ890」、日本では条件が変わる
ここが最も注意したい点です。海外レビューではこのマザーボードの評価がかなり高くなっています。TweakTownは総合92%・Valueを97%としていますが、その評価にはテスト時の価格が199ドルだったという大きな前提があります。TheFPSReviewでも約199ドル、CGMagazineではMSRP 209.99ドルとして扱われています。海外では「Z890なのに200ドル前後」「5GbEと4基M.2を残しながら200ドル」という価格が魅力の核でした。海外レビューだけを見て「高評価だから日本でもコスパが高い」と判断するのは危険です。日本では45,980円で発売されるため、比較対象がまったく変わります。
2024年発売の旧Z890 GAMING PLUS WIFIは、発売時こそ同じ45,980円でしたが、発売から約2年が経過した2026年9月現在、通販の実売価格はかなり下がっています。店舗によって幅が大きく、安い店舗では3万円台前半、高い店舗では4万円台後半と、同じ製品でも1万5,000円以上の差があります(2026年9月26日時点、複数の国内通販サイトで確認)。上位モデルの「MAG Z890 TOMAHAWK WIFI」(16フェーズ90A SPS級電源・Wi-Fi 7・Thunderbolt 4×2ポート搭載)も値下がりが進んでおり、安い店舗では3万円台前半で在庫ありの表示を確認できます。いずれも在庫は店舗ごとに変動するため、購入前に複数店舗の在庫・価格を確認してください。
新製品だからWIFI6E版の方が高性能、という関係ではありません。現時点の仕様だけなら、Wi-Fi 7・Thunderbolt 4を搭載する旧モデルの方が上です。発売直後に45,980円で購入する前に、旧Z890 GAMING PLUS WIFIとMAG Z890 TOMAHAWK WIFIの現在の実売価格・在庫を必ず確認してください。
代替案ゲームだけならB860 GAMING PLUS WIFIも強い
「CPUをオーバークロックしない」という条件を加えると、同じMSIの「B860 GAMING PLUS WIFI」も候補になります。2026年9月時点の通販の最安値は2万円台前半で、複数の店舗で在庫ありの表示を確認できました。B860 GAMING PLUS WIFIはWi-Fi 7・5GbE・Thunderbolt 4・PCIe 5.0 x16・Gen5 M.2を搭載しており、ネットワークと外部接続だけを見ると45,980円のZ890 GAMING PLUS WIFI6Eより豪華です。
もちろんZ890を選ぶ意味は残っています。Intel公式仕様ではZ890がCPUのIAオーバークロック・BCLKオーバークロック・メモリオーバークロックに対応するのに対し、B860はメモリオーバークロックのみです。Z890 GAMING PLUS WIFI6EはM.2も4基ありますが、B860 GAMING PLUS WIFIは3基です。Core Ultra 7 270K Plusや250K Plusを本格的に調整したい、DDR5-9000クラスを狙いたい、NVMe SSDを4枚搭載したいのであればZ890を選ぶ理由があります。反対に、CPUを定格で使いゲーム性能を出すことが目的なら、差額をGPUやSSDへ回した方が効果が大きいケースもあります。Z890とB860の違いやチップセット別の選び方はゲーミングPC向けマザーボードの選び方の記事で詳しく整理しています。
他社比較ASUS・ASRockのZ890とも比べておく
MSI内での比較だけでなく、他社のLGA1851・Z890マザーボードとも価格帯を並べておきます。価格重視ならASRock「Z890 LiveMixer WiFi」が2万円台後半から選べ、DDR5・PCIe 5.0といった基本を押さえながら予算を抑えられます。逆に拡張性を重視するなら、ASUS「ROG STRIX Z890-A GAMING WIFI」はPCIe 5.0 M.2・Thunderbolt 4・Wi-Fi 7・USB4を一通り備え、強化VRMでCore Ultra 9 285Kのフル負荷にも余裕を持たせた構成です。価格は5万円台後半と、Z890 GAMING PLUS WIFI6Eよりワンランク上になります。
結論向いている人・様子を見たい人
- Core Ultra 7 270K Plus・250K Plusを使い、Z890のCPUオーバークロック機能を必要とする人
- PCを5GbE有線LANへ常時接続し、Wi-Fi性能をほとんど使わない人
- NVMe SSDを4枚搭載したい、DDR5-9000クラスを狙いたい人
- Wi-Fi 7ルーターを既に導入しており無線性能を活かしたい人
- 高速外付けSSD・Thunderboltドック・映像機器を使う人
- 予算を重視する人(旧モデル・TOMAHAWKが現状はより安く手に入る)
選択肢予算重視なら旧モデル・TOMAHAWKも検討したい
Wi-Fi 7やThunderbolt 4を活かしたい、あるいは価格を優先したいなら、以下の2製品も選択肢になります。
FAQよくある質問
総括まとめ|製品は悪くないが、発売直後の45,980円では旧モデルが強い
MSI Z890 GAMING PLUS WIFI6Eは2026年10月2日に45,980円で国内発売されます。14+1+1+1フェーズ55A DrMOS・PCIe 5.0 x16・Gen5 M.2・M.2×4・5GbE・DDR5-9200+対応など、Core Ultra 200S Plus向けZ890として重要な機能はしっかり残っており、海外実機レビューでもVRM温度やゲーム性能に大きな問題は確認されていません。
一方、2024年発売の旧Z890 GAMING PLUS WIFIと比べるとWi-Fi 7がWi-Fi 6Eへ、Thunderbolt 4も非搭載へ変更されています。旧モデルの発売時価格は同じ45,980円でしたが、2026年9月時点では通販の最安値で3万円台前半まで下がっている店舗があり、上位のMAG Z890 TOMAHAWK WIFIも3万円台前半、B860 GAMING PLUS WIFIは2万円台前半まで下がっています。海外では約199〜209.99ドルという価格を理由に高評価されたモデルですが、日本の発売時点では比較対象が変わります。発売直後に45,980円で購入するなら、まず旧モデル・上位モデルの現在の実売価格と在庫を確認することをおすすめします。





