Thermaltake「CAPO X」は8月7日国内発売|配信PCに向く?1ケースに2台のmicroATXシステムを搭載
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
上下段でそれぞれ独立したMicroATX/Mini-ITXシステムを構築できるデュアルシステムケース
出典:Thermaltake公式「CAPO X Dual System Chassis」製品ページ / 国内正規代理店アスクの発表にもとづきます(2026年8月3日更新)。
配信用PCとゲーム用PCを分けたい、あるいはローカルAIの重い処理と普段の作業用PCを分けたいと考えたとき、多くの人が行き着くのは「2台のPCを並べて置く」という選択肢です。ただしこの方法は、ケースを2台分・デスクスペースを2台分確保する必要があり、電源タップやモニター切り替えなど周辺の配線も煩雑になりがちです。1台の筐体に集約できれば楽になるとわかっていても、そうした製品自体がほとんど存在しないのが実情でした。
Thermaltakeが発表した大型ケース「CAPO X」は、この課題に正面から取り組んだ製品です。1つの筐体の中に上段・下段という形で2つの独立したPCシステムを構築でき、電源ユニット・拡張スロット・前面I/Oまでシステムごとに完全に分離されています。本体サイズは幅305×奥行448×高さ691mmとかなりの大型で、カラー展開はブラックと「CAPO X Snow」の2色です。
この記事では、Thermaltake公式および国内正規代理店アスクの発表という複数の一次情報を突き合わせ、確定した価格・発売日、拡張性・冷却性能・想定用途までCAPO Xの仕様を整理します。あわせて、「CAPO Xを買えば配信環境が完成するのか」という観点から、2PC配信に本当に必要な人・そうでない人を、ハードウェアエンコーダーの進化を踏まえて整理します。
目次
要点まず何が起きたか
国内正規代理店アスクによると、ブラックモデルの予想市場価格は28,980円前後、ホワイトの「CAPO X Snow」は29,980円前後で、どちらも2026年8月7日に発売されます。電源ユニット・拡張スロット・前面I/Oまでシステムごとに完全分離されており、本体サイズは幅305×奥行448×高さ691mmです。拡張スロットは上下合計10基、GPU対応長は最大420mmまでで、大型GPUを2枚同時に搭載する構成も視野に入ります。ただし、ケースファンは付属しない見込みで、2システム分の冷却には別途ファンの追加購入が必要です。
スペックCAPO Xの主要スペック
まずCAPO Xの主要スペックを一覧で確認します。上段・下段のどちらも同じ規格のシステムを構築できる点が特徴です。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 型番 | ブラック:CA-12D-00S1WN-00/Snow:CA-12D-00S6WN-00 |
| 本体サイズ | 幅305×奥行448×高さ691mm |
| 対応マザーボード | MicroATX/Mini-ITX(上段・下段に1枚ずつ、合計2システム) |
| 拡張スロット | 上段5基・下段5基(合計10基) |
| GPU対応長 | 最大420mm |
| CPUクーラー対応高 | 最大180mm |
| 電源ユニット対応 | 上段・下段ともに奥行き最大250mm(電源は各システムに1台ずつ、合計2台が必要) |
| ストレージ | 上段:2.5インチ×3、または3.5インチ×1+2.5インチ×2/下段:2.5インチ×2、または3.5インチ×1+2.5インチ×1 |
| フロントI/O | 各システムにUSB 3.2 Gen 2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、HD Audio端子、電源/リセットボタン |
| 材質 | 厚さ1mmのSPCCスチールパネル |
| サイドパネル | 厚さ4mm強化ガラス(前面〜左側面に大型曲面ガラスを採用したピラーレス構造) |
| ファン対応 | 最大13基の120mmファン(詳細は後述) |
| ラジエーター対応 | トップ最大360mm・右サイド最大420mm・リア140mm |
| カラー展開 | ブラック、CAPO X Snowの2色 |
※Thermaltake公式製品ページおよび公式イベントページに記載の仕様(2026年7月時点)にもとづきます。


構造上下完全独立のデュアルシステム構造
CAPO Xの最大の特徴は、1つの筐体の中に2つの完全に独立したPCシステムを組める点です。上段・下段のそれぞれで、マザーボードから電源、拡張スロット、前面I/Oまでが分離されています。
| 項目 | 上段システム | 下段システム |
|---|---|---|
| I/Oの配置 | ケース上部 | 前面下部 |
| 拡張スロット | 5基 | 5基 |
| ストレージ構成 | 2.5インチ×3、または3.5インチ×1+2.5インチ×2 | 2.5インチ×2、または3.5インチ×1+2.5インチ×1 |
| 対応マザーボード | MicroATX/Mini-ITX | MicroATX/Mini-ITX |
| フロントI/O | USB 3.2 Gen 2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、HD Audio、電源/リセットボタン | 同上(システムごとに独立) |
※Thermaltake公式製品ページに記載の仕様(2026年7月時点)にもとづきます。構成次第でストレージは合計3.5インチHDD×2+2.5インチSSD×3、または2.5インチのみなら最大5台まで搭載できます。
冷却性能最大13基の120mmファンに対応する冷却設計
CAPO Xは最大13基の120mmファンに対応する冷却設計です。ファンマウントは天面・右サイド・底面・背面の4箇所に分かれており、120mm規格と140mm規格のどちらかを選ぶ構成になっています。
| 設置箇所 | 120mm規格時 | 140mm規格時 |
|---|---|---|
| トップ | 3基 | 2基 |
| 右サイド | 5基 | 4基 |
| ボトム | 3基 | 2基 |
| リア | 2基 | 2基 |
※Thermaltake公式製品ページに記載の仕様(2026年7月時点)にもとづきます。120mm規格をすべて選んだ場合の合計が13基です。
ラジエーター対応はトップ最大360mm、右サイド最大420mm、リア140mmまでです。トップとマザーボード側で360mmラジエーターを同時に配置することもでき、2システムそれぞれに簡易水冷を組み合わせる余地があります。
Thermaltakeは、ハイエンドクラスのCPU・GPUを搭載した2システムを同時に100%負荷で30分間動作させる検証を行ったとしています。上段・下段で電源・拡張スロット・冷却経路まで独立させた設計は、こうした同時高負荷の運用を想定したものです。
想定用途2PC配信からAI Agent Workspaceまで3つの使い方
COMPUTEX 2026で実機を取材した記事では、CAPO Xの用途として大きく3つのパターンが紹介されていました。
判断軸配信PCとして本当に必要か|1台構成との違い
CAPO Xが2PC配信を組むためのケースとして合理的な構造を持っているのは確かですが、「2台収納できるか」だけでは配信用途に向くかどうかを判断できません。重要なのは、現在の配信内容で本当に2台目のPCが必要なのかという点です。
OBSは、CPUで処理するx264より、GPUに搭載されたNVENC、AMF、Quick Sync Videoなどのハードウェアエンコーダーを一般的に推奨しています。NVIDIAも、GeForce RTXシリーズに搭載されたNVENCはゲーム描画とは別の専用部分でエンコードを処理すると説明しており、RTX 40シリーズ以降ではAV1配信にも対応し、1台のPCでもゲームとOBSを同時に動かしやすくなっています。したがって、1080p・60fpsで通常のゲーム配信を行うだけなら、RTX搭載ゲーミングPCを1台用意する方が安く、設定も簡単です。CAPO Xが有力になるのは、ゲーム側のGPU使用率が常に高い、配信と高画質録画を同時に行う、複数の映像を合成する、VTuber向けのフェイストラッキングや背景処理を加えるといった、負荷と構成が複雑な配信です。
NVENCのような専用エンコーダーを使っても、OBSの画面合成、ブラウザソース、映像の拡大縮小、AIエフェクトなどではGPUやCPUの一部を使用します。NVIDIAのOBSガイドでも、GPU使用率が95%を超える状況ではゲームが優先され、配信が遅延する場合があると説明されています。ゲーム用PCと配信用PCを分ければ、配信側の負荷がゲームのフレームレートへ直接影響しにくくなります。
なお、CAPO Xへ2台のPCを組み込んでも、ケース内部でゲーム映像が自動的に共有されるわけではありません。一般的な2PC配信では、ゲーム用PCのグラフィックボードから出力したHDMI映像を、配信用PCに搭載したキャプチャーボードへ入力する構成が使われます。CAPO Xの2システムは同じケース内にありますが、グラフィックボードとキャプチャーボードの端子はそれぞれ背面へ出るため、短いHDMIケーブルでケース背面を接続する形になると考えられます。CAPO XはあくまでPCケースであり、映像・音声ルーティング機能やKVM機能は搭載していません。
| 比較項目 | CAPO Xによる2PC配信 | 1台PCでの配信 |
|---|---|---|
| ゲームと配信の負荷 | 物理的に分離できる | CPU・GPU・メモリを共有 |
| ゲームPCの再起動 | 配信PCは継続可能 | 配信も終了する |
| 初期費用・キャプチャーボード | 高い・基本的に必要 | 低い・不要 |
| 電源ユニット・Windowsライセンス | 各2台分必要 | 各1台分 |
| 映像・音声設定 | 複雑 | 比較的簡単 |
初心者はまず1台のPCとハードウェアエンコーダーで配信を始め、実際に性能不足や配信停止の問題が出てから2PC化を検討する方が、無駄な出費を抑えられます。反対に、すでに2PC配信の必要性を理解している中級者以上や、高負荷ゲームと配信処理を完全に分離したい人、旧PCのパーツを配信用へ転用できる人にとっては、CAPO Xは有力な選択肢になります。
価格国内発売日と確定価格
国内正規代理店アスクによると、CAPO Xは2026年8月7日に発売されます。予想市場価格は次のとおりです。
| 製品 | 型番・カラー・価格 |
|---|---|
| CAPO X | CA-12D-00S1WN-00/ブラック/28,980円前後 |
| CAPO X Snow | CA-12D-00S6WN-00/ホワイト/29,980円前後 |
ケース単体で約3万円という価格は、大型フルタワーケースとして極端に高いわけではありません。ただし、同時に発表されたThermaltakeの新型ファン「SWAFAN 120 EX INFINITY ARGB Sync」は、CAPO Xとは別の型番・価格(1パック5,480円前後)で案内されており、CAPO Xの仕様にもケースファンの同梱数についての明記が見当たりません。2システム分の冷却を考えると複数のファンを追加する必要があり、一般的なPCケースより完成時の費用が膨らみやすい点には注意してください。
判断CAPO Xの検討価値がある人・様子見でよい人
- ゲーム用PCと配信用PCを1台の筐体にまとめたい人
- ローカルAI処理と通常業務を並行運用したい人
- 家族やルームメイトとPCを2台運用しつつケースは1台に集約したい人
- 大型GPU2枚と背面コネクターマザーボードまで見据えた拡張性重視の構成を組みたい人
- 1080p・60fps程度の配信ならGPU内蔵のハードウェアエンコーダーで足りる人
- 設置スペースに余裕がなく、高さ691mmの大型筐体を置く場所がない人
- 1システムだけで足りており、デュアルシステム自体が不要な人
- 電源ユニット2台分・ケースファン追加購入のコストを許容できない人
おすすめCAPO Xの購入先
CAPO Xは2026年8月7日発売にあわせて、Amazon.co.jpでもブラック・ホワイト(CAPO X Snow)の両モデルを確認できます。色以外の性能差はないため、部屋の雰囲気やほかのパーツとの組み合わせで選んで問題ありません。いずれもケースファンが付属しない見込みのため、購入時はファンの追加費用も見込んでおきましょう。
FAQCAPO Xでよくある質問
まとめまとめ|CAPO Xは配信初心者向けではなく中級者以上向けの新発想デュアルケース
2台のPCを1つの筐体にまとめるという発想自体は珍しくありませんが、CAPO Xは電源ユニットから前面I/Oまでを丸ごと2セット独立させた点で、既存のデュアルチャンバーケースとは踏み込み方が異なります。2026年8月7日の国内発売にあわせて、実機を使った温度・騒音レビューが出てくるかも引き続き追っていきます。
CAPO Xは、上下2段に独立したPCシステムを1台の筐体へ集約する、他に類を見ないデュアルシステムケースです。電源ユニット・拡張スロット・前面I/Oまでシステムごとに完全分離されており、2PC配信環境・AI Agent Workspace・2人でのケース共有といった複数の用途を1台でカバーできる設計です。ブラックモデルは28,980円前後、ホワイトの「CAPO X Snow」は29,980円前後で、2026年8月7日に国内発売されます。
ただし、CAPO Xを買うだけで2PC配信が完成するわけではありません。2台分の主要パーツ、電源ユニット、Windows、キャプチャーボードに加え、ケースファンの追加購入も必要です。現在はNVENCなどのハードウェアエンコーダーを使えば、1台のゲーミングPCでも小さな性能低下で配信しやすくなっています。通常の1080p・60fps配信を始める段階なら、まず1台構成を試す方が費用と設定負担を抑えられます。すでに2PC配信を必要としている中級者以上には向いていますが、これから配信を始める人が最初に選ぶケースではありません。





