新作『STARCRAFT』は2030年春発売|オープンワールドシューター化、StarCraft 3ではない?「Dominion」との関係も解説
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
オープンワールドシューター化、StarCraft 3ではない?「Dominion」との関係も解説
出典:Blizzard公式YouTube「STARCRAFT | Announce Cinematic | Dominion」、GamesRadar+「Everything we know so far」、Video Games Chronicleにもとづきます(2026年9月13日確認)。
映像:© Blizzard Entertainment(「STARCRAFT | Announce Cinematic | Dominion」公式チャンネルより)。
Blizzard Entertainmentは2026年9月12日(米国時間)に開幕したBlizzCon 2026のオープニングセレモニーで、「StarCraft」シリーズの完全新作を発表しました。発表されたタイトルはシンプルに『STARCRAFT』。舞台はおなじみのコプルル・セクターで、時系列は『StarCraft II: Legacy of the Void』からおよそ70年後です。
ただし、この新作は『StarCraft III』ではありません。Blizzard自身が「オリジナルのオープンワールドシューター」と説明しており、シリーズの代名詞だったリアルタイムストラテジー(RTS)ではなくなっています。発売予定は2030年春。開発を率いるのは、Far Cryシリーズを長年手掛けてきたDan Hay氏です。
発表時点で公開されたのはシネマティック映像のみで、実際のゲームプレイは未公開です。視点、対応プラットフォーム、Co-opやPvPの有無なども現時点で正式発表されていません。さらに、この発表とは別に、韓国Nexonが『StarCraft』の新作開発権をめぐってBlizzardと交渉中という報道もあり、話がやや複雑になっています。1つずつ整理します。
目次
発表概要『STARCRAFT』は2030年春発売のオープンワールドシューター
今回発表された新作のタイトルは、現時点でシンプルに『STARCRAFT』です。Blizzard公式の発表では、コプルル・セクターへ再び戻り、オリジナルのオープンワールドシューターとして2030年春に発売するとされています。BlizzardのプレスマテリアルにはNorth American Spring 2030という表記がある、とwccftechなど複数メディアが伝えています。
ステージで新作を紹介したDan Hay氏は、「私たちのチームは、たった1つの目的とゴールのために作られました。星間戦争の中で生まれたこの宇宙へ帰るために」と述べたうえで、こう説明しています。
「これはまったく新しいものです。すべての一歩が積み重ねられていくオープンワールドシューター。上空からではなく、地面の上、泥の中、炎の中で。」過去を尊重しつつ、そこから踏み出す機会がある、ともHay氏は述べています。
『StarCraft II: Wings of Liberty』の発売は2010年7月です。その後『Heart of the Swarm』『Legacy of the Void』と展開し、2017年には初代の『StarCraft: Remastered』も登場しましたが、完全新作としては非常に長い空白を経てシリーズが再始動することになります。発表時点で公開されたのはシネマティック映像のみで、実際のゲームプレイはまだ公開されていません。
名称について『StarCraft III』が発表されたわけではない
今回の発表を見て、「ついにStarCraft 3が出る」と考えた人もいるかもしれません。しかし、2026年9月時点で『StarCraft III』というタイトルの作品は発表されていません。
新作の正式名称は『STARCRAFT』であり、Blizzard自身がジャンルを「オープンワールドシューター」としています。従来のRTSの系譜に連なる『StarCraft II』の後継作として扱うのは正確ではありません。GamesRadar+によれば、開発チームにはJeff Chamberlain氏(Creative Director, Story and Franchise Development)、Steven Chen氏(VP, Blizzard Animation)、Dan Hay氏(General Manager and Creative Director)、Paul Lee氏(Senior Game Producer)、Jens Sjöbergh氏(Senior Creative Director)、Benjamin Lee氏(Game Director)、Ben Dai氏(Senior Cinematic Director)ら、Blizzardの経験豊富なスタッフが名を連ねています。
とはいえ、シューターが発表されたからといって、RTSとしての『StarCraft 3』が完全に無くなったとも言い切れません。それを考えるうえで欠かせないのが、次に説明するもう1つの「StarCraft新作」の存在です。
別プロジェクトNexonがStarCraft新作の開発権を交渉中という報道も
今回のBlizzard発表とは別に、韓国のパブリッシャーNexonが『StarCraft』の新作開発権をめぐってBlizzardと交渉しているという報道があります。GamesRadar+によれば、韓国紙・朝鮮日報(The Chosun Ilbo)が2026年9月2日時点の情報として、NexonとIP保有者のBlizzardが契約締結の目前まで来ていると報じました。Nexonはこの権利をめぐって韓国のKrafton、Netmarble、NCSoftとも競合していたとされています。
GamesRadar+は、Nexon側の「仮のStarCraft新作」はBlizzard自身が手掛ける「仮のStarCraft新作」(今回発表された『STARCRAFT』)とは無関係と見られる、と伝えています。報道によれば、NexonはStarCraftのマップ制作者として知られるChoi Jun-ho氏と協力しており、Nexon子会社(無料FPS「Sudden Attack」を手掛けた部門)が開発を主導するとされています。ただしこの契約は2026年9月13日時点でNexon・Blizzardのどちらからも正式発表されておらず、ジャンルがRTSなのかシューターなのかを含め詳細は不明です。
つまり現時点では、「Blizzard自身が作るオープンワールドシューター」と「Nexonが権利を得て作るかもしれない別のStarCraft新作」という、2つの異なる話が同時に進んでいる状態です。後者が仮にRTSの系譜を継ぐ『StarCraft 3』的な作品になったとしても、それは今回BlizzCon 2026で発表された『STARCRAFT』とは別物である点に注意が必要です。
映像タイトル「Dominion」はゲームの副題ではない
発表映像のタイトルは「STARCRAFT | Announce Cinematic | Dominion」と表記されています。ここから新作を『StarCraft: Dominion』と紹介しているケースもありますが、注意が必要です。Blizzard公式のBlizzCon発表ではゲームそのものを『STARCRAFT』と表記しており、「Dominion」は今回公開されたシネマティック映像のサブタイトルとして使われているものです。現時点でゲーム本体の正式な副題が「Dominion」だと発表されたわけではありません。
映像の内容自体は、Dominion(人類側の統治機構)の兵士募集や軍事プロパガンダを強く意識した構成になっています。Video Games Chronicleが引用したBlizzardの紹介文はこう述べています。
「人類が最も必要としたとき、Dominionの息子と娘たちは呼びかけに応えた。彼らの勇気が戦線を支え、彼らの犠牲が私たちにもう1日をもたらした。今、その呼びかけはあなたに向けられている。彼らの強さを受け継いでほしい。どんな代償を払ってでも。」
海外メディアの報道によれば、映像自体はTerran Dominionの一兵士が訓練・装備を整えていく様子と、Zergを倒すことを鼓舞する演説を重ねる構成で、最後は主人公がZergと交戦し、戦闘後にボロボロになった彼の装甲が(本人不在のまま)Dominionの艦上で洗浄・修理される場面で締めくくられます。理想化された軍人像と、実際の戦争の過酷さの落差を意識した演出です。
開発体制率いるDan Hay氏はFar Cryの中心人物、Blizzardでは元々別プロジェクトを担当
新作を率いるDan Hay氏は、現在Blizzard EntertainmentのGeneral Manager/Creative Directorです。Ubisoft時代は2012年の『Far Cry 3』からエグゼクティブプロデューサーを務め、以降『Far Cry 4』『Far Cry Primal』、そして『Far Cry 5』ではクリエイティブディレクターも兼任するなど、Far Cryブランドを長年支えてきた中心人物です。『Far Cry 6』(2021年)を最後にUbisoftを離れました。
Hay氏がBlizzardへ加わったことは、GameDeveloper.comが2026年ではなく2022年12月22日の記事で報じています。当時Blizzard社長だったMike Ybarra氏が「2022年振り返り」の中で明らかにしたもので、Hay氏はその時点で発表前の新規サバイバルゲーム(開発コード名「Odyssey」)のゼネラルマネージャーとして紹介されていました。
TechRadarによれば、このOdysseyは2024年1月、Microsoftによる大規模レイオフの一環として開発中止になっています。Odysseyチームの大半は離職対象となった一方、一部のメンバーが残り、Hay氏のもとでStarCraftのシューター企画を「incubation(育成段階)」として進め始めたと報じられています。今回発表された『STARCRAFT』は、この残存チームから育った企画ということになります。
つまりHay氏にとってStarCraftは、Blizzardでの最初の担当タイトルではありません。サバイバルゲームの中止という経緯を経て、少人数のチームから育て直された企画である点は、単に「Far Cryの人がStarCraftを作る」以上の背景として押さえておく価値があります。
開発史StarCraftシューターへの挑戦はこれで3度目
Blizzardは過去にも2度、StarCraftをシューターとして成立させようとしてきました。最も有名なのは『StarCraft: Ghost』です。2002年に発表された三人称アクションで、Ghostである主人公Novaを主人公とする作品として開発されていましたが、開発会社の変更や延期を繰り返し、2006年には事実上開発が停止しました。
その後にも別のStarCraftシューター企画がありました。ジャーナリストのJason Schreier氏が報じた「Ares」です。VGCによれば、Blizzardは過去に「Ghost」「Ares」というコードネームで2度StarCraftシューターの制作を試みましたが、いずれも中止になっています。Schreier氏は自著『Play Nice: The Rise, Fall, and Future of Blizzard Entertainment』(2024年刊)の中で、当時未発表だったこのプロジェクトについて言及し、Hay氏のチームがStarCraftシューターの開発を続けていることを明かしていました。
「これは本の中に入れる価値がある、非常に面白くて有用な情報だと感じました。それはつまり――『ブロークバック・マウンテン』のあのセリフではないですが、『君を諦められない』――BlizzardはStarCraftシューターを諦めることができない、彼らはそれに別れを告げられずにいる、ということを如実に示しているからです。」
『Ghost』から20年以上、報じられていた「Ares」からも長い時間を経て、発売時期まで明記されたStarCraftシューターがようやく表舞台に出てきたことになります。
発売時期2030年発売は早すぎる発表? Dan Hay氏本人の説明
2026年9月の発表から発売まで、単純計算で3年半以上あります。GamesRadar+はBlizzCon会場でHay氏とAnaLee Haertling氏(Associate Director)に直接取材しており、「開発の初期段階でここまで早く発表してよかったのか」という質問に対するHay氏の回答を伝えています。
「間違いなく、です。私たちはこれにしばらく取り組んできました。とても誇りに思っていますし、手応えも感じています。だからこそ共有することが大切なんです。」「それは私たちが本気だという証明です。自信を持って言える発売時期だということの証明でもあります。」
Hay氏は、あえて早期に発売時期を明示することで開発チームの本気度を示す狙いがあると説明しています。もっとも、ゲーム開発の常として、この時期に発表された発売時期が変更される可能性は当然あります。『Ghost』『Ares』という2度の中止歴を持つIPだけに、今後ゲームプレイが公開され、本格的なマーケティング段階に入るまでは長い目で見ておいた方がよさそうです。
未発表事項プラットフォーム・視点・Co-opは正式発表されていない
新作StarCraftについて調べると、「三人称シューター」「Co-op対応」といった情報も見かけますが、Blizzardが今回正式に発表したのは「オープンワールドシューターであること」までです。カメラ視点、シングルプレイ中心かCo-op対応か、マルチプレイやPvPの有無について、Blizzardはまだ正式発表していません。
対応プラットフォームについても同様です。GamesRadar+は「StarCraftは少なくともPCとXboxには来ると予想されるが、PlayStationに来るかは不明」としたうえで、Blizzardは発売時期以外の詳細(プラットフォーム含む)を発表していないと明記しています。「Xboxが対応を確認した」という趣旨の情報が一部で出回っていますが、これは公式発表ではなくメディア側の予想である点に注意してください。
PC版必要スペックを今考える段階ではない
ゲーミングPCユーザーにとって気になるのはPC版の有無と必要スペックですが、対応プラットフォーム自体が正式発表されていない以上、現時点では確定情報として扱えません。StarCraftが歴史的にPCと関係の深いシリーズであることを踏まえればPC版を期待したくなりますが、正式発表を待つ必要があります。
必要スペックを今から予想する意味もほとんどありません。発売予定は2030年春です。使用エンジン、グラフィック品質、最終的なオープンワールドの規模が分からないだけでなく、発売時点ではPCハードウェアの世代そのものが現在とは大きく変わっています。今ゲーミングPCを選ぶ際は、2030年の新作ではなく、現在プレイしているゲームを基準にする方が合理的です。
FAQよくある質問
まとめ再始動したStarCraft、まず押さえておきたい3つの区別
Blizzard EntertainmentはBlizzCon 2026で新作『STARCRAFT』を発表しました。発売予定は2030年春、ジャンルはシリーズ伝統のRTSではなくオープンワールドシューターです。発表時点ではシネマティック映像のみが公開され、ゲームプレイ、対応プラットフォーム、視点、Co-opやPvPの有無、PC版の必要スペックなどは明らかになっていません。
整理すべき点は3つです。①今回の新作は『StarCraft III』ではなくジャンルもシューターであること、②映像タイトルの「Dominion」はゲームの正式な副題ではないこと、③今回のBlizzard発表とは別に、Nexonが開発権を交渉中という報道されるStarCraft新作が存在し、これは今回の『STARCRAFT』とは別プロジェクトであること。開発を率いるDan Hay氏は、Far Cryシリーズを長く手掛けたのち、Blizzardでは元々サバイバルゲーム「Odyssey」を担当し、その中止後に残ったチームからStarCraftシューターを育て直してきた人物です。『Ghost』『Ares』と2度中止になってきたStarCraftシューター構想が、今回どのような形で完成するのか、次に公開されるゲームプレイ映像が最初の判断材料になりそうです。



