ライアン・ハートは何者?日本で忘れ物2つが当日に戻った投稿と「ググってみ」返信の背景、EVO殿堂入りの経歴【2026年10月】
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
1998年に東京でKOF ’98の世界大会を制し、2026年3月にEVO殿堂入りしたイギリスの格闘ゲーマー
2026年10月23日、ライアン・ハート(Ryan Hart)氏が日本語で投稿した「日本最高すぎる!」がXで広く読まれました。電車に置き忘れたバックパックと、タクシーに忘れたスマホが、どちらもその日のうちに戻ってきたという内容です。その返信欄に「観光だけにしといてね。移民は歓迎してません」と書き込まれ、ハート氏の「今度俺の名前ググってみ!」という返答にも1万件を超える「いいね」が付きました。
ハート氏は、1994年から大会に出ているイギリスの格闘ゲームプレイヤーです。EVOでは『鉄拳』で2回優勝し、2026年3月にEVOの殿堂入りを果たしました。初めて日本に来た1998年には、東京ビッグサイトで開かれた『THE KING OF FIGHTERS ’98』の世界大会で優勝しています。日本語は独学で身につけ、通訳や大会の司会も務めています。
ただし、本人は「日本に住んだことはない」と書いています。今回は家族を連れた旅行中で、返信のあとには、日本で働くなら言葉と文化を尊重してほしいという投稿もしています。「移民の側に立った反論」とだけ受け取ると、本人の考えとずれてしまいます。
目次
要点3日間に起きたこと
10月23日19時20分(日本時間。以下同じ)に、忘れ物が2つとも戻った感謝の投稿をしました。24日4時36分に「移民は歓迎してません」という返信が付き、ハート氏は5時05分に日本語で反論しています。5時40分には英語で、日本で働く外国人も言葉と文化を尊重すべきだという投稿をしました。25日16時04分には「明後日帰ります」と書いています。
| 日時(日本時間) | ハート氏の投稿と、付いた返信 |
|---|---|
| 10月18日 | 「次は大阪です。」と投稿(日本を旅行中) |
| 10月23日 19:20 | 忘れ物が2つとも当日中に戻ったことへの感謝を日本語で投稿 |
| 10月24日 4:36 | 一般ユーザーから「日本に来るのは、観光だけにしといてね。移民は歓迎してません」と返信が付く |
| 10月24日 5:05 | 「今度俺の名前ググってみ!」で始まる日本語の返答 |
| 10月24日 5:33 | 時差ぼけと睡眠不足、家族連れで荷物が多かったことが忘れ物の理由だと英語で説明 |
| 10月24日 5:40 | 日本語も英語も話せないコンビニ店員を見たとして、住む国の言葉・法律・文化を尊重すべきだと英語で投稿 |
| 10月24日 22:29 | 「大阪でいい蒸しパンもらいましたぞー!」 |
| 10月25日 16:04 | 「明後日帰ります」と投稿 |
投稿電車のバックパックとタクシーのスマホが、それぞれ当日中に戻った
日本最高すぎる!2日間の間に、電車に全てが入ったバックパックを置き忘れて、タクシーにスマホを忘れたんだけど、どっちもその日のうちに無事に戻ってきた。
— Ryan Hart (@RyanJosephHart) 2026年10月23日
他の国だったら戻ってくる確率めちゃくちゃ低いと思う。日本、本当にありがとう!マジで最高!
投稿は日本語で書かれていて、10月25日16時40分の時点で表示は約373万回、「いいね」は約8万1,000件です。返信は900件を超えました。ハート氏はふだんから日本語と英語の両方で投稿していて、この感謝も日本の人に向けて日本語で書いたものです。
返信欄で多かったのは、戻ってきたことを喜ぶ声と、「忘れすぎ」という突っ込みでした。ハート氏は翌朝、英語で事情を説明しています。時差ぼけと睡眠不足のなか、子どもと家族を連れ、多すぎる荷物を抱えて日本を回っていたためで、「普段なら絶対に起きない」と書いています。
返信「移民は歓迎してません」への返答と、その後のコンビニ投稿
感謝の投稿から約9時間後、一般ユーザーから「あえて、言います。日本に来るのは、観光だけにしといてね。移民は歓迎してません。」という返信が付きました。この返信には約700件の「いいね」が付いています。
今度俺の名前ググってみ!
— Ryan Hart (@RyanJosephHart) 2026年10月24日
日本に住んだことはないけど、純粋に日本文化が好きだから、一生懸命文化を学んで、言葉も独学で覚えて、実際に何度も日本に行ったり、文化を尊重して、たくさんの友達を作って大切にしてきた。日本人が海外の俺の国に来たときに、家に泊めて、ご飯をご馳走して、友達として精一杯もてなしたよ。ビジネスでも、自分のバイリンガルスキルと知識を使って、数え切れないほど日本企業をサポートしてきた。
返答の要点は「日本に住んだことはないが、文化を学び、日本語を独学で覚え、日本企業の仕事も手伝ってきた」です。続けて、相手が誰と話しているのかを2分の検索で調べもせずに偉そうに言うな、という強い言葉で締めています。この返答は表示約79万回、「いいね」は約1万4,000件で、元の返信の約20倍です。
この返答に対して、英語で「自分にどれだけ尽くしたかで人の価値を測る考え方だ」と批判する人も現れました。ハート氏は「それは彼の考え方で、私のではない。同じ質問を返しただけだ」と答えています。
見落とされがちなのが、その35分後に英語で書いた長い投稿です。2日前に入ったコンビニで、日本語も英語も話せない南アジア系の店員が、日本人の客に「LINE PLEASE! LINE!」と大声で並び方を指示し、誰にも伝わっていなかったと書いています。そのうえで、受け入れられた国で暮らすなら、その国の言葉を覚える努力をし、国民・法律・文化・決まりを尊重してほしい、という考えを示しました。
本人が書いているのは「日本に住んだことはない」「1998年から日本を訪れている」「今回は家族旅行」「明後日帰る」です。10月18日〜25日の一連の投稿(感謝・返答・事情の説明・コンビニ・帰国)には、日本に移住したいという言葉はありません。外国人の受け入れそのものへの賛否も書いておらず、示しているのは「住むなら言葉と文化を尊重すべき」という条件だけです。
経歴ライアン・ハートは何者か
ハート氏は、2Dと3Dの両方の格闘ゲームで世界タイトルを取ってきたイギリスのプレイヤーです。『ストリートファイター』『鉄拳』『バーチャファイター』『THE KING OF FIGHTERS』で国内・欧州・世界の大会を勝ち、International Video Game Hall of Fameにも名前が載っています。Xのプロフィールでは、ギネス世界記録を5つ持つ複数タイトルの世界王者で、多言語の通訳・インタビュアー・司会者、そしてEVO殿堂入りの選手だと名乗っています。
| 年 | 主な出来事 |
|---|---|
| 1994年 | ロンドンのトロカデロで開かれた『ストリートファイターII ターボ』の大会が初出場 |
| 1996年 | イギリス国内大会で優勝。1996〜97年には『鉄拳3』『バーチャファイター3』『KOF ’96』『KOF ’97』でイギリス王者に |
| 1998年 | 初来日。東京ビッグサイトのアミューズメントマシンショーで開かれた『KOF ’98』の世界大会で優勝(当時19歳) |
| 2004年 | EVOの『鉄拳タッグトーナメント』部門で優勝 |
| 2008年 | EVOの『鉄拳5 DARK RESURRECTION』部門で優勝 |
| 2016年 | 2月16日、マンチェスターで『ストリートファイターV』の260人連続対戦に全勝し、ギネス世界記録に |
| 2026年 | 3月のEVO AwardsでEVO殿堂入り。「Best Dressed」部門も受賞 |
2016年の記録は、『ストリートファイターV』の発売を記念した企画です。午前10時30分に始めて午後9時6分まで、10時間36分のあいだに260人と戦い、全試合に勝っています。トーナメントのように相手が絞られていく形式ではなく、腕に覚えのある一般の挑戦者が次々に座る形式です。
EVOでの2回の優勝は、どちらも『鉄拳』シリーズです。EVOではこのほかに7回トップ8に入っています。
日本1998年の東京から28年、日本との関わり
ハート氏が初めて日本に来たのは1998年で、目的は格闘ゲームの大会でした。この年、ハート氏はスクウェアが発売した3D格闘ゲーム『エアガイツ』のイギリス大会で優勝し、日本で開かれる世界決勝への航空券を手にしました。世界決勝では敗れましたが、滞在中に東京ビッグサイトのアミューズメントマシンショーで開かれた『KOF ’98』の世界大会に出て優勝しています。
本人はのちのインタビューで、1998年に19歳で日本へ渡り、KOFの世界大会で勝ったことで「人生が変わった」と振り返っています。それまでお金もなく、貧しい家庭で育ったとも話していて、この優勝がプロの道に進むきっかけになりました。
格闘ゲーム以外の仕事でも、日本企業と関わってきました。サミーヨーロッパ、セガヨーロッパ、任天堂ヨーロッパの仕事を手がけ、通訳・インタビュアー・司会としても活動しています。今回の返答にある「数え切れないほど日本企業をサポートしてきた」は、こうした仕事を指しています。
10月の滞在中も、ハート氏は日本の格闘ゲームファンと交流していました。10月24日には「大阪でいい蒸しパンもらいましたぞー!」と、蒸しパンをもらったことを投稿しています。ハート氏は「Steamed Bun Man(蒸しパンの男)」のミームで知られていて、2026年のEVO Awardsでは、このミームがBest Meme部門の候補に選ばれていました。
現在2026年のハート氏、EVO殿堂入りと今の活動
EVOの殿堂入りは、2026年3月の第2回EVO Awardsで発表されました。同じ年に殿堂入りしたのは、アメリカのアーケード時代を支えたマイク・ワトソン氏と、日本の大貫晋也(ぬき)氏です。EVOは、ハート氏を欧州で最も実績のある選手の一人とし、欧州の格闘ゲームシーンを世界に知らしめた功績を挙げています。
ハート氏は発表を受けて、30年前に初めて大会で優勝してから通算300回以上優勝したとXで振り返りました。「Best Dressed」部門の受賞も同じ3月29日に報告しています。Best Combo部門でも、Combo Breaker 2025で決めたコンボが候補に入っていました。
今も選手、解説者、通訳として大会の現場にいます。10月上旬のEVO Franceでも、優勝した選手の談話や大会の結果をXで発信していました。配信はTwitchの「ryanhart」、日々の発信はXの@RyanJosephHartで追えます。
今回の件でハート氏を知り、本人が活躍してきた格闘ゲームを触ってみたくなった人には、『ストリートファイター6』と『鉄拳8』がPCのSteamで遊べます。スト6は推奨スペックがGeForce RTX 2070で、対戦は60fps固定なので、中級のゲーミングPCで足ります。
おすすめスト6・鉄拳8を始めるときの入力デバイス
ハート氏はレバーのアケコンで世界を取ってきた世代ですが、今はボタンだけで操作するレバーレスを使う選手も増えています。どちらも、PCとPS5の両方で使えるHORIの定番を選びました。
まとめまとめ|28年来の訪問者が、日本の落とし物の扱いに感謝した
ライアン・ハート氏は、1998年に東京でKOF ’98の世界大会を制し、EVOで『鉄拳』を2回勝ち、2026年にEVO殿堂入りしたイギリスの格闘ゲームプレイヤーです。日本語を独学で覚え、日本企業や日本の大会の仕事も重ねてきました。
今回の騒ぎは、家族旅行中の忘れ物が2つとも戻ったことへの感謝から始まりました。「移民は歓迎してません」という返信には強い言葉で返しましたが、本人は日本に住んだことがなく、住むなら言葉と文化を尊重すべきだという考えも示しています。どちらか一方の投稿だけで本人の立場を決めつけないことが大切です。
出典:ハート氏のX投稿(10月23日・感謝) / 同(10月24日・返答) / 同(10月24日・コンビニの投稿) / EVO公式 第2回EVO Awardsのまとめ / International Video Game Hall of Fame / ギネス世界記録 / British Esports(2026年5月6日のインタビュー) / British Esports(以前のインタビュー) / Laced Recordsのインタビュー / Wikipedia英語版。投稿の表示回数と「いいね」の数は2026年10月25日16時40分時点です。




