RX 9070 XTの新DXRでゲームも50倍になる?独立テストの負荷・解像度による違いと対応条件【2026年11月】
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倍率を左右するのは加速構造の構築負荷と解像度
RX 9070 XTで新しいDirectX Raytracing(DXR)を使うと、遊んでいるゲームも50倍速くなるのでしょうか。1.7fpsから91fpsという数値は、レイトレーシング用の加速構造を重くした専用サンプルで得られたものです。
大きく減ったのは、形状を光線で検索するための加速構造を作り直す負荷です。同じ独立テストでも、追加する構造が少ない設定では約2倍、重い設定を4Kにすると約17.5倍になり、50倍という倍率は固定ではありません。
一般プレイヤーは対応ゲームの実装と実測を待つのが基本です。SDKや開発者向けドライバーを、既存ゲームのfpsを引き上げる設定として導入せず、買い替えは遊びたいゲームの性能で判断してください。

目次
測定RX 9070 XTの1.7→91fpsは何を測った数値か
2026年11月4日の独立テストは、MicrosoftのD3D12RaytracingClusteredGeometryサンプルをRX 9070 XT・1600×920・カメラ停止の条件で動かしたものです。従来のBLAS(物体単位の加速構造)と、三角形の小さなまとまりを再利用するClustered Geometryを切り替えています。
追加BLASを10,000にした高負荷設定では、1.7→91fps、加速構造メモリは約7,518→771MBという結果です。91÷1.7で約53.5倍、メモリは約89.7%減になります。これはゲーム全体のVRAM使用量でも、製品間の性能差でもありません。
| 測定対象 | 従来方式 | Clustered Geometry |
|---|---|---|
| フレームレート | 1.7fps | 91fps |
| 加速構造メモリ | 約7,518MB | 約771MB |
| DispatchRays | 約8.5ms | 約8.2ms |
表は測定者の投稿文の値です。添付画面ではClustered側のAS memoryは771.18MB、renderは8.307ms、FPSは91と表示されています。最大値の一覧ではなく、画面には「91 frame mean」「same frame window」とあり、GPU処理時間とfpsは同じ91フレームの集計窓に対応します。投稿文の丸めた値と画面の値を混ぜて、厳密な処理時間の改善率を計算することは避けるべきです。
再構築は画面表示で2.605ms
投稿文の再構築時間は「600ms→2.6μs」ですが、添付画面のrebuild欄は2.605msです。内訳もtemplate instantiateが26.0μs、BLAS from CLASが2.398ms、TLASが181.4μsで、合計は約2.605msになります。2.6μsを再構築全体の時間として使うと、単位が約1,000倍違います。
画面のper-frame static AS rebuildはoffです。2.605msは、静的形状を含む全加速構造を毎フレームゼロから再構築した時間ではありません。アニメーション側の処理とTLASを含む、表示された設定でのフレームごとの処理時間として読む必要があります。
従来方式では約600msかかる再構築がフレーム時間を押し上げています。DispatchRaysが約8msのままでも、その前段の負荷が減れば全体のfpsは大きく上がります。
負荷追加BLASが100と10,000で倍率が変わる理由
この独立テストでは、既定の追加BLAS 100でClustered Geometryの優位が約2倍になり、10,000では50倍超になります。描く物体が増えるほど、従来方式で個別のBLASを構築するコストが増すためです。
公式サンプルは、独立したBLASの構築を意図的に重くする設計です。最適化されたインスタンシングとの比較ではありません。同じように変形する物体のコピーにも別々のBLASを作ります。実際のアプリケーションなら、同じ変形を使うインスタンス間で従来方式のBLASを共有する最適化も可能です。
そのため「多数の物体があるゲームなら必ず50倍」という対応関係にはなりません。比べるべきなのは三角形数だけでなく、個別構築が必要な物体数、形状の変化、BLASを共有できるか、毎フレーム何を更新するかです。
解像度4Kで約17.5倍へ下がる理由と低負荷時の違い
高負荷のまま4Kに拡大したテストでは1.6→28fps、計算上は17.5倍になっています。1600×920の約53.5倍より倍率は小さく、Clustered側の到達fpsも下がります。
加速構造を構築する仕事量は、同じ形状なら描画解像度を上げるだけでは比例して増えません。一方で画素数を増やすと、レイを飛ばす描画処理が重くなります。再構築を軽くできても、残る描画負荷が大きければフレーム全体の改善倍率は小さくなります。
さらに測定者は、追加BLASを100まで減らした4K設定で、従来方式とClusteredを同程度にできると述べています。低解像度・大量の個別構築で得られた倍率を、高解像度や軽いシーンへ持ち込まないことが大切です。これらはサンプル内の比較で、実ゲームの平均fps・最低fpsを測った結果ではありません。
ゲーム実ゲームの性能を判断するときにそろえる条件
Clustered Geometryは、動く形状や細かな形状をレイトレースする際の構築負荷とメモリを抑えられる技術です。ただし実ゲームにはシェーダー、テクスチャ、CPU側の処理などもあります。加速構造の短縮だけではゲーム全体の改善率は決まりません。
比較の数字を見るときは、同じGPU・同じ場面・同じ内部描画解像度に加え、追加BLAS数、rebuildとrefit、静的ASの再構築範囲、レイ数と反射回数をそろえてください。アップスケーリング後の出力解像度だけが4Kでも、内部の描画負荷は同じとは限りません。
Microsoftの公式表の測定GPUはRX 9070で、今回のRX 9070 XTとは別です。公式値と独立テストのfpsを並べても、条件を統一した9070対9070 XTの比較にはなりません。このテストはClustered Geometryの比較であり、シーンの変更領域を更新するPartitioned TLAS(PTLAS)まで含む合算効果としても扱えません。
対応RX 9070 XTで試す条件とプレイヤーが今すること
AMDが示す新DXR機能の対応GPUにはRX 9000シリーズが含まれ、RX 9070 XTも対象です。開発者向けにはAgility SDK 1.722-preview、DXC 1.10.2605.37-preview、AMD Software: Agility SDK Developer Preview Edition 26.20.12.01が必要です。
Windowsの開発者モードを有効にし、アプリ側でD3D12ExperimentalShaderModelsとD3D12RaytracingPreviewを有効にすることも条件です。実装では機能照会のClustersAndPTLASSupportedを確認します。ドライバーのインストール対象一覧にRX 7000があっても、Clustered Geometryの機能別対応一覧と同じ意味ではありません。
ゲームやエンジン側での利用が必要なため、今遊んでいるタイトルの更新内容と、対応後の同条件ベンチマークを確かめてください。対応条件の全体像は、Agility SDK 1.620と1.722 Previewの違いで確認できます。
16GBのGPUが「90%削減で実質160GBになる」という理解も誤りです。減る対象と購入判断の関係は、DirectX 12レイトレのVRAM90%削減の対象も参考になります。
FAQ新DXRとRX 9070 XTのよくある疑問
まとめ50倍は構築負荷が大きいサンプルの結果
RX 9070 XTの独立テストはClustered Geometryで加速構造の構築負荷を大きく減らせる例です。高負荷では約53.5倍でも、既定負荷では約2倍、高負荷の4Kでは17.5倍と、同じサンプルでも結果は変わります。
今の買い替え判断は遊びたいゲームの実測fpsと必要VRAMを基準にしてください。対応済みRX 9070 XTを持っている場合も、専用サンプルの倍率をゲームの改善予測へ置き換えず、タイトル側の対応と実際の効果を待つのが妥当です。
出典(2026年11月4日確認):Microsoft DXR公式発表 / AMD GPUOpenの導入条件 / Microsoft公式サンプルREADME / 独立テストの原投稿・測定画面 / 独立テストの数値 / 追加BLAS数の比較 / 4Kの比較

