Meta次世代MRヘッドセット「Phoenix」はQuest 4ではない|コンピュートパック外付けで110g、PCVR対応の可能性も
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Quest 4とは別ライン、110g試作機とPCVR対応の可能性
Metaが開発中とされる新型MR(複合現実)ヘッドセットの開発コードネームが「Phoenix」です。バッテリーと演算処理(SoC)の両方を、ケーブルで接続する外部の「コンピュートパック」へ逃がすことで、本体そのものを極端に軽くする設計とみられています。ただしこれは、Metaが並行して進めているとされる次世代Quest(Quest 4)の計画とは別物です。
PC VRを快適に楽しむうえで、ボトルネックになるのはGPU性能だけではありません。RTX 5080やRTX 5090のような高性能グラフィックボードを積んでも、頭にかぶるヘッドセットそのものの重さは変わらないからです。PC VR向けヘッドセットの多くは500〜700g前後あり、フライトシムやレースシムを長時間プレイすると、首や鼻まわりの負担がそのまま集中力を削っていきます。
そこに浮上したのが、Metaが開発中とされる新型ヘッドセット「Phoenix」です。海外の報道を整理すると、本体からバッテリーと演算処理を担うSoCの両方を、ケーブルでつながる外部の「コンピュートパック」へ移すことで、本体そのものを極端に軽量化する設計とみられています。開発初期のプロトタイプは110g未満の重量で確認されたと報じられており、これが事実なら一般的なメガネに近い装着感になる可能性があります。
この記事では、断片的な情報を時系列でなぞるのではなく、「Phoenixは次世代Quest(Quest 4)と何が違うのか」「PC VRゲーマーがSteam LinkやVirtual Desktopで使える可能性はあるのか」「軽量化と引き換えに何を失うのか」という3つの軸でPhoenixの現在地を整理します。
目次
要点Quest 4ではない、外付けコンピュートパックで100g級を狙う新ライン
本体からバッテリーとSoCの両方を外部ユニットへ逃がす設計で、初期プロトタイプは110g未満だったと報じられています。視線とピンチを組み合わせた操作方式や、新型チップ搭載の可能性など、細部の情報はHorizon OSのファームウェア解析や海外の報道の積み重ねによるもので、Meta自身による公式発表はまだありません。
Phoenixとは2024年「Puffin」から始まったコードネームの変遷
Phoenixという開発コードネームは、最初から使われていたわけではありません。2024年、海外メディアが最初にこのプロジェクトを報じた際の名称は「Puffin」でした。その後2025年7月ごろ、Meta社内での主要な呼称が「Phoenix」に切り替わったと報じられています。あわせてハードウェア候補自体の名称も変遷しており、当初の「Loma」から、2026年8月ごろにはMetaの販売パートナーとみられる小売店向けページで「Pegasus」という表記が確認されました。最終的な製品名はまだ決まっていません。
形状も従来のVRヘッドセットとは異なるとみられています。顔全体を覆う一体型ではなく、周囲が開いたオープンペリフェリー構造で、メガネに近い装着方法を採る設計と報じられています。ただし、XREALのような光学シースルー型ARグラスではありません。カメラ映像をディスプレイに映すパススルー方式のMR(複合現実)で、仕組み自体はQuest 3に近いとみられています。
開発機を確認した海外メディアの報告では、Quest 3・Quest 3S用のTouch Plusコントローラーをペアリングできたとされています。製品版に同じコントローラーが付属するかどうかは分かっていません。出荷目標は2027年前半とされ、価格については開発初期の名称が「Loma」だった段階で1,000ドル未満での提供が検討されていると報じられたことがありますが、いずれも正式発表ではありません。
Quest 4との違い別ロードマップ、別設計思想で進む2つのライン
PhoenixはQuest 4ではありません。混同されやすいポイントなので、まずここを整理します。
Metaには以前、「Pismo Low」「Pismo High」という名称のQuest 4候補が存在したと報じられていました。しかしこの計画は事実上中止され、その後、ゲーム体験を重視した新しい次世代Quest計画が別途スタートしたとみられています。Phoenixは、この仕切り直された次世代Quest計画とも異なる、独立した開発ラインです。
MetaのCTOであるアンドリュー・ボズワース氏は2026年7月、Metaのヘッドセット計画について、今後ロードマップ上に「2つのデバイス(two devices)」が存在するという趣旨の発言をしたと報じられています。Phoenixと、ゲーム向けの次世代Questが、それぞれ別物として並行して進められていることを裏づける発言です。
報じられている時期にも差があります。Phoenixの出荷目標が2027年前半とされる一方、Quest 4に相当するモデルはそれ以降、2027年後半以降になるとみられています。Phoenixは、Quest 4を待っている人にとっての代替や前倒し版ではなく、まったく別の使い方を想定した製品という位置づけです。
Quest 4はルームスケールVR・ゲーム体験を重視した本体一体型のヘッドセットとして計画されているとみられる一方、Phoenixはメガネに近い軽さを最優先に、演算処理とバッテリーを本体の外へ出す設計です。どちらが自分に合うかは、後述する用途の違いで判断することになります。
軽量化の仕組みバッテリーもSoCも本体の外、コンピュートパックへ
Phoenixの軽量化を支えているのが、「コンピュートパック」と呼ばれる外部ユニットです。通常のヘッドセットならこめかみからバンドにかけて配置されるバッテリーと、映像処理・アプリ実行を担うSoC(システムオンチップ)の両方を、ケーブルでつながる外部ユニットへ移すことで、頭に乗る本体側の重量を極限まで削る設計とみられています。開発機で確認されたコンピュートパックは、大型のモバイルバッテリーに近い形状で、上部には冷却用とみられる排気口が備わり、背面には腰やウエストバンドに装着するためのクリップが付いていたと報じられています。
搭載されるSoCは、Qualcommの「Snapdragon Reality Elite」になる可能性があると報じられています。根拠とされているのは、Horizon OSのファームウェアに残っていた「niobe」という参照名や、「Stanley/Niobe」という記載、XREAL Auraと同一の基板設計を示唆する情報などで、複数のデータマイナーによるファームウェア解析にもとづくものです。Meta自身がSoCを正式発表したわけではありません。
ディスプレイは、片目あたり2560×2560ピクセルのマイクロOLEDになるという報道もあります。事実であれば、Quest 3より高精細な表示になる可能性があります。視野角は一般的なVRヘッドセットより狭くなるとみられており、その分、画素密度(PPD)を高く保ちやすいという見方もあります。
操作方式も、これまでのQuestシリーズとは異なる方向に見えます。コントローラーではなく、視線を向けた対象を指でつまむように選択する「視線+ピンチ」(gaze-and-pinch)が標準になる可能性があり、Apple Vision Proに近い操作感になるとみられています。Horizon OSのファームウェアには、アイトラッキングの設定項目や視線+ピンチ操作に関するデータが多数含まれていると報じられています。あわせて、視線情報を使ったロック解除・認証機能「Eye Unlock」も開発中とみられ、Apple Vision ProのOptic IDに近い仕組みになる可能性があります。
軽量化の代償視野角・外付けケーブル、そして激しい動作への弱さ
110g前後という重量は魅力的ですが、その軽さと引き換えに失うものもあります。ひとつは視野角です。Phoenixは一般的なVRヘッドセットより視野角が狭くなるとみられており、周辺視野の没入感という点では、Quest 3やQuest 4系の本体一体型ヘッドセットに劣る可能性があります。もうひとつは、コンピュートパックとの接続です。バッテリーとSoCを外に出す代わりに、本体とパックをケーブルでつなぐ必要があり、完全な単体ヘッドセットとしての手軽さは損なわれます。パックを腰やウエストバンドに装着する運用が前提になるとみられ、ケーブルの取り回しは新たな不便として残ります。
PC VRとしての可能性Horizon OSが同じなら、Steam LinkやVirtual Desktopの対象になりうる
PCゲーマーの視点で気になるのは、Phoenixが実際にPC VR用のヘッドセットとして使えるかどうかです。PhoenixはQuestシリーズと同じHorizon OSを採用するとみられています。デバイス固有の制限が設けられなければ、既存のQuestアプリ・ゲームとの互換性に加えて、「Steam Link」や「Virtual Desktop」を使ったPC VRストリーミングにも対応できる可能性がある、と報じられています。Quest 3・Quest 3Sで既に確立されている、PCとワイヤレスで接続してSteamVR対応タイトルを遊ぶという使い方が、Phoenixでもそのまま踏襲される可能性があるということです。
PC VRのボトルネックは、長らくGPU性能だと考えられてきました。しかし実際には、ヘッドセットの重量そのものが体験を左右する要因でもあります。RTX 5080やRTX 5090のような高性能GPUを用意しても、頭にかぶる本体が500〜700g級であれば、首や鼻まわりの負担はGPU側の性能では解決しません。Phoenixが本当に100g前後まで軽量化されるなら、この負担そのものを減らす方向のアプローチになります。恩恵が大きいのは、フライトシムやレースシムのような座ったまま長時間プレイするジャンルや、仮想モニターとしての利用です。頭を大きく振らず、姿勢を保ったまま画面を見続ける使い方であれば、軽量化のメリットをそのまま享受しやすくなります。
一方で、前述の通りルームスケールVRや体を激しく動かすゲームでは、頭部にしっかり固定できるQuest型ヘッドセットの方が向いている可能性があり、Phoenixがすべてのジャンルで従来機を置き換えるわけではなさそうです。コンピュートパックとPCの接続方式が有線か無線かも含め、実際の対応状況は正式発表を待つ必要があります。
Meta Connect 20269月23〜24日開催、Phoenixの情報が出るかは未定
Metaは例年9月に、開発者向けイベント「Meta Connect」を開催しています。2026年は9月23日から24日にかけて(米国時間)、カリフォルニア州メンロパークの本社キャンパスで開催されると公式に案内されています。
開発者セッションでは、VR・ウェアラブルデバイス・メタバース・AIに関する最新情報が共有される見込みです。ただし、具体的なアジェンダはMeta自身がまだ公表していません。Phoenixに関する情報がここで公開される可能性はありますが、これはあくまで推測であり、Metaが正式に予告しているわけではない点には注意してください。
評価の視点歓迎できる材料と、まだ確定していない材料
- コンピュートパック方式で本体重量を大幅に削る、既存のQuest系にはない設計アプローチ
- Quest 4とは別ラインとして明確に位置づけられており、ロードマップ上の混同が起きにくい
- Horizon OS採用が事実なら、Steam LinkやVirtual DesktopでのPC VR利用に道が開かれる可能性がある
- Meta自身による正式発表はまだなく、匿名の関係者情報とファームウェア解析が情報の中心
- 視野角は一般的なVRヘッドセットより狭くなるとみられ、外付けパック+ケーブル接続という制約も残る
- 発売時期(2027年前半目標)・価格(1,000ドル未満との報道)・製品名すべてが未確定
FAQよくある質問
総括まとめ|Phoenixは別ライン、判断は用途と正式発表を待って
Phoenixは、Metaが開発中とされる超軽量MRヘッドセットの開発コードネームで、次世代Quest(Quest 4)とは別の開発ラインです。バッテリーと演算処理(SoC)の両方を外部の「コンピュートパック」へ移すことで本体を軽量化する設計で、開発初期のプロトタイプ「Puffin」は110g未満の重量だったと報じられています。この数値は最終製品の確定スペックではなく、あくまで初期試作機の実測値です。
Quest 4に相当するモデルは、これとは別に進められている次世代Quest計画から生まれるとみられ、出荷時期もPhoenixの2027年前半より後ろにずれる可能性があります。Horizon OSを採用するとみられることから、Steam LinkやVirtual DesktopでのPC VR利用に対応する可能性がある一方、視野角の狭さや外付けパック+ケーブル接続という制約も残ります。
着席型のフライトシム・レースシムや仮想モニター用途では軽量化の恩恵を受けやすい一方、ルームスケールVRや体を激しく動かすゲームでは、頭部にしっかり固定できる従来型のヘッドセットが向く可能性があります。正式発表はまだなく、9月23〜24日のMeta Connect 2026で新情報が出るかどうかも含め、今後の続報を待つのが賢明です。
Phoenixは、Metaが開発中とされる超軽量MRヘッドセットの開発コードネームで、次世代Quest(Quest 4)とは別の開発ラインです。バッテリーと演算処理(SoC)の両方を外部の「コンピュートパック」へ移すことで本体を軽量化する設計で、開発初期のプロトタイプ「Puffin」は110g未満の重量だったと報じられています。ただしこの数値は最終製品の確定スペックではありません。
Quest 4に相当するモデルは別ラインの次世代Quest計画から生まれるとみられ、出荷時期もPhoenixの2027年前半目標より後ろにずれる可能性があります。Horizon OS採用が事実なら、Steam LinkやVirtual DesktopでのPC VR利用に対応する可能性がある一方、視野角の狭さや外付けパック+ケーブル接続という制約も残ります。
着席型のPC VR用途では軽量化の恩恵を受けやすい一方、体を激しく動かすゲームには従来型ヘッドセットが向く可能性があります。正式発表はまだなく、9月23〜24日のMeta Connect 2026を含む今後の続報を待つのが賢明です。




