Steamベータで非SteamのWindowsゲームが標準でProton起動に|Linuxでの変更点と手動設定・ベータ離脱の手順
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Linuxで「互換性ツールを手動指定」の手間が減る
出典:Steam Client Beta「Steam Client Beta – October 7th」、Steamworks「Steam Hardware and Proton」、ValveSoftware/Proton、Steamサポート「Steam Client Beta」にもとづきます。情報は2026年10月9日時点のものです。
Linux版のSteamにWindows用のゲームやランチャーを「非Steamゲーム」として追加しても、これまでは互換性ツール(Proton)を自分で指定しないと動かせませんでした。Protonは、WindowsゲームをLinux上で動かすためにValveが同梱している互換レイヤーです。Steam DeckやBazzite、SteamOS系のPCで、Steamの外で入手したゲームを遊ぼうとした人ほど、この手間に引っかかってきました。
2026年10月7日付のSteamクライアントベータで、この手間が変わりました。公式の更新内容のLinux項目に「Windows binaries registered as non-steam games will now run in Proton by default.」(非SteamゲームとしてSteamに登録したWindowsバイナリは、標準でProtonで実行される)と書かれています。同じ項目には、参照ボタンで実行ファイルを変えると起動できなくなる不具合と、外部ツールで起動したゲームを停止ボタンで閉じられない不具合の修正も入りました。
ただし、反映されるのはベータに参加しているクライアントだけです。既存の登録に遡って効くのか、どのProtonが選ばれるのか、標準動作をやめる設定があるのかは、公式告知に書かれていません。普段の遊び方を変えるなら、先に手動指定のやり方と、ベータから戻す手順を押さえておくのが安全です。
目次
要点10月7日のベータで何が変わったか
Linuxの非Steamゲームのうち、Windows用の実行ファイルはProtonで起動するのが標準になりました。Linuxネイティブの実行ファイルは、告知の文言が対象にしていません。
公式告知のLinux項目は3行で、日本語にすると次の内容です。
- 非SteamゲームとしてSteamに登録したWindowsバイナリは、標準でProtonで実行される
- 参照(Browse)ボタンで「ターゲット」の実行ファイルを変更したあと、非Steamゲームが起動しない場合がある問題を修正
- 外部ツールで起動したゲームを「停止」ボタンで閉じられない場合がある問題を修正
Linux以外の項目では、ビッグピクチャーにゲーム中のスクリーンセーバーを無効にする設定が加わりました。Steam Inputでは、Linuxの「コントローラーの並べ替え」画面で入れ替えが効かないことがある不具合が直っています。Steam Controllerのファームウェアは、接続先の機器が見つからなくてもBLEモードへの切り替えが解除されない問題が修正されました。ライブラリのプレイ時間が一時的に誤った値で表示される問題も直っています。
公式告知の日付表記は「October 7th」で、Steamコミュニティのフィード上の投稿は日本時間2026年10月8日9時台です。
従来との違い手動で指定していた操作が不要になる場面
非Steamゲームを追加する流れは、変更前後でほぼ同じです。違いが出るのは、追加したあとに互換性ツールを指定する操作だけです。
- ライブラリ左下の「ゲームを追加」から「非Steamゲームを追加」で登録する
- プロパティの「互換性」で、特定のSteam Play互換性ツールを強制する項目にチェックを入れる
- 一覧から使うProtonを選び、起動する
- 登録するところまでは同じ
- Windowsバイナリなら、互換性ツールを指定しなくてもProtonで起動する
- Protonの版を変えたいときだけ、プロパティの「互換性」で個別に指定する
プロパティの「互換性」から、ゲームごとに使うProtonを指定できる点は変わっていません。ValveのProton公式リポジトリも、Steamクライアントが用意するProtonの版を選べること、自分でビルドしたProtonを入れて使えることを案内しています。標準でProtonになることと、版を自分で選べることは両立します。
Protonの版による違いは、Proton 11.0-2の正式版を扱った記事で、起動しないときの切り替え方とあわせてまとめています。
未確認公式告知に書かれていないこと
告知はLinux項目の1行で、細かい条件が書かれていません。
標準で選ばれるProtonの版、すでに登録してある非Steamゲームへの適用、Windowsバイナリかどうかの判定方法(拡張子のないファイルやラッパースクリプトの扱い)、標準動作だけをやめる設定の有無は、どれも告知に出ていません。Steam Deckで同じ挙動になるかも明記がありません。
このため、「チェックを外せば従来どおりに戻る」「ベータをやめれば登録済みの設定も元に戻る」とは言い切れません。確かなのは、ベータに参加しなければこの変更は入らないことと、ゲーム単位で互換性ツールを指定すれば、その指定が優先される使い方が従来からあることです。
限界Protonで起動しても遊べるとは限らない
標準でProtonになるのは、起動の入口が楽になるという変更です。ゲームの互換性が上がるわけではありません。Valveの開発者向け文書には、ランチャーやメディア処理、アンチチート、DRMなどに関する既知の問題が載っています。Easy Anti-Cheatは開発者側でProton対応を有効にする必要があり、BattlEyeもタイトルごとの設定が必要です。
- Steamの外で入手したWindowsゲームを、Linuxで一つのライブラリにまとめたい人
- 互換性ツールの指定を毎回忘れて、起動できずに戸惑っていた人
- Steam DeckやBazzite系のPCで、ゲーム以外のWindowsアプリも登録している人
- Proton GEなど特定の版を使っている人は、登録済みの項目の指定が維持されるか先に確認したい
- カーネル級のアンチチートを使うオンラインゲームは、標準でProtonになっても動くとは限らない
- ベータはバグが出ることがあるため、ふだんの環境では安定版のままにする選択もある
EpicやGOGのゲームをLinuxで遊ぶ流れも進んでいます。ストアごとの対応状況は、Epic Games StoreのLinux対応とGOG GalaxyのLinux対応の記事で整理しています。
手順ベータへの参加、Protonの手動指定、ベータからの離脱
メニュー名はクライアントのバージョンで変わることがあるため、見当たらないときは設定のほかの項目も確認してください。
ベータに参加する
- Steamを起動し、左上の「Steam」から「設定」を開く
- 「インターフェース」タブの「クライアントベータ参加」のプルダウンを開く
- 「Steam Beta Update」を選ぶ
- 再起動を求められたら「今すぐ再起動」を押す
Protonを手動で指定する
- ライブラリの非Steamゲームを右クリックし、「プロパティ」を開く
- 「互換性」を開き、特定のSteam Play互換性ツールを強制する項目にチェックを入れる
- 一覧から使いたいProtonを選ぶ
項目名の表示は、日本語環境では訳語が異なる場合があります。ゲーム単位の指定は、全体の標準設定を変えずに別の版を試したいときに使えます。
ベータをやめて安定版に戻す
ベータ参加と同じ画面で、プルダウンから「NONE – Opt out of all beta programs」を選びます。Steamの再起動後は、安定版のクライアントになります。この操作で非Steamゲームの登録内容や、ゲームごとのProton指定がどうなるかは、公式告知に書かれていません。ベータ中に登録した項目は、離脱後に起動できるか一度試してください。
普段遊んでいる項目の設定を触る前に、テスト用の非Steamゲームを1本追加し、標準でProtonが使われるかを確かめておくと、影響の範囲を切り分けられます。
FAQよくある質問
WindowsのSteamにも影響しますか
公式告知で変更が書かれているのはLinuxの項目です。Windowsのクライアントは、Proton自体を使わないため対象外と考えられます。
Linuxネイティブのゲームは動かなくなりますか
告知が対象にしているのは「Windows binaries」で、Linux用の実行ファイルは文言に含まれていません。ネイティブの登録項目の挙動が変わったという記載もありません。
FPSは上がりますか
公式告知は性能の向上にふれていません。変更は起動時にProtonを使うかどうかの標準値で、Protonの性能そのものを変えるものではありません。
まとめまとめ|入口は楽になるが、版の指定と戻し方は自分で確かめる
10月7日のSteamクライアントベータで、Linuxの非SteamゲームのWindowsバイナリが標準でProton起動になりました。互換性ツールの手動指定は、ゲームごとの版を変えたいときだけ必要になります。一方で、既存の登録への適用や標準動作をやめる方法は公式告知に書かれていないため、普段の環境で試す前に、テスト用の項目で挙動を確かめるのが無難です。
変更はベータ参加者のLinuxだけが対象です。Protonでの起動は楽になりますが、アンチチートやランチャーの互換性までは変わりません。戻したいときはゲーム単位の互換性指定か、ベータからの離脱で対応します。




