Rockstarが新MODガイドライン公開|ストーリー改変・他作品移植・未発売ハード移植を制限、GTA6への影響は
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ストーリー改変・他作品移植・未発売ハードへの移植を制限、GTA6への影響は
出典:Rockstar Games公式「Mod Guidelines」 / Rockstar Gamesサポート「Policies and guidelines regarding Single-Player or Story Mode mods」 / PC Gamer「Rockstar asks modders to please take its games very seriously」 / GamesRadar+「Ahead of GTA 6, Rockstar releases modding guidelines…」 / GTA BOOM「What Rockstar’s New GTA Mod Guidelines Allow and Ban Before GTA 6」 / Rockstar Games Newswire「Introducing nopixel V」 / Game Developer「Rockstar acquires GTA and Red Dead community roleplay team Cfx.re」 / Insider Gaming「The GTA 5 Liberty City Preservation Project Has Been Shut Down」にもとづきます(2026年9月22日時点)。
RPサーバーの運営やシングルプレイMOD、生成AIを使った音声MODまで、GTAシリーズの周辺には長年独自のコミュニティ文化が育ってきました。そこに2026年9月10日、Rockstarが「Mod Guidelines」という統一ページを公開し、公式ストーリーの改変や他作品からのアセット移植、未発売ハードウェアへの移植などを明確に制限する内容が示されました。
一見すると「RockstarがMOD文化を突然締め付け始めた」ようにも読めますが、調べていくと従来方針からの連続性が見えてきます。新しいストーリーやミッションの制作、他のRockstar IPの持ち込みは2019年のPC版『レッド・デッド・リデンプション2』発売時点ですでに対象外とされており、今回はそれを含む複数の方針を1ページへ整理し直したものです。一方で、未発売ハードへの移植を独立した禁止項目として明文化したことや、ボイスオーバーの再利用・実在人物の肖像に関する条件は、これまでより踏み込んだ内容になっています。
今回のガイドラインで何が新しく明文化されたのか、旧方針から実際に変わった点はどこなのか、そしてFiveMやGTA6のPC版へどう影響しうるのかを、公式文書と一次情報にもとづいて整理します。
Rockstarは公開したガイドラインの中で「これはライセンスではない」と明記しています。個別のMODプロジェクトについて異議を申し立てる権利、方針そのものを変更・撤回する権利を留保しており、条件を満たせば削除されないという保証ではありません。
目次
要点Rockstarが2026年9月10日に新しいMODガイドラインを公開
今回のガイドラインは、ルールを大きく4つの柱に整理しています。Rockstar作品そのものを尊重すること、Rockstarや第三者の知的財産を侵害しないこと、クリエイターコミュニティやプレイヤーへ害を与えないこと、そして許可されていない方法で収益化しないことです。
特にPCゲーマーへの影響が大きいのが、ゲーム内容そのものを変更するMODへの制限です。Rockstarは、公式のストーリー・プロット・ミッション・キャラクターなど「確立された世界設定」を拡張または変更するMODを認めないとしています。さらに、あるRockstar作品のマップ・場所・キャラクター・ストーリー・ゲーム内アセットなどを別のRockstar作品へ移植するMODも禁止対象として明記されました。例えば『GTA IV』のリバティーシティを『GTA V』へ移植するようなプロジェクトは、このルールに直接該当します。
経緯「新しいストーリーやマップ禁止」は2026年に突然始まった話ではない
Rockstarは2017年6月、Take-Twoによる改造ツール「OpenIV」への停止要求をきっかけに、PCのシングルプレイMODについて初めて公式見解を示しました。当時の方針は、シングルプレイであること・非商用であること・第三者の知的財産を尊重することを条件に、Take-Twoが一般的には法的措置を取らないというものでした。
この方針はその後、2019年11月の『レッド・デッド・リデンプション2』PC版発売にあわせて更新されています。追加された条件では、マルチプレイやオンラインサービスへ影響を与えるツールに加え、「他のIP(他のRockstar作品を含む)の持ち込み」「新しいゲーム・ストーリー・ミッション・マップの制作」についても、法的措置を取らない対象から明確に外されました。現在Rockstar Supportに掲載されているシングルプレイMODの方針にも、この条件はそのまま残っています。
つまり「2026年9月から突然ストーリーMODが禁止された」という理解は正確ではありません。少なくとも「新しいストーリー・ミッション・マップ」「別作品のIPの持ち込み」については、2019年の時点でRockstarの容認方針の対象外になっていた領域です。今回大きく変わったのは、複数のサポートページやライセンス文書に分散していたルールが、一般ユーザーにも分かりやすい「Mod Guidelines」という1つのページへ統合されたことです。
比較旧方針と2026年のガイドラインでは何が違うか
これまでの経緯を踏まえると、今回のガイドラインには「以前から変わらない部分」と「新しく明文化された部分」が混在しています。項目ごとに整理すると次のとおりです。
| 項目 | 従来の方針 | 2026年9月のガイドライン |
|---|---|---|
| オンラインへ影響するMOD | 以前から制限あり | Creator Platform以外でのマルチプレイMODを明確に制限 |
| 新しいストーリー・ミッション・マップ | 2019年11月時点で対象外に | 公式世界設定の改変まで含めて明文化 |
| Rockstar作品同士のアセット移植 | 以前から対象外 | マップ・場所・キャラクター等を具体的に列挙 |
| 未発売ハードへの移植 | 独立した条項では目立たず | 単独の禁止項目として明記(詳細は次章) |
| 第三者IP | 以前から制限 | ブランド・実在ロケーション等の例を追加 |
| ゲーム内音声の再利用 | 従来方針では目立たず | ボイスオーバーの再利用を明確に禁止 |
| 実在人物の声・画像・肖像 | 一般的なIP問題として存在 | 書面による許可を要求すると明記 |
| MOD収益化 | FiveM側で以前から制限 | Creator Platformを公式収益化先として明確化 |
| ガチャ・暗号資産・広告 | RPサーバー向け方針等で個別規定 | 共通のMODガイドラインへ統合 |
この中でとりわけ目を引くのが「未発売ハードへの移植」です。従来のシングルプレイMOD方針でも目立った項目ではなく、今回初めて独立した一文として明記されました。
新規条項未発売ハードへの移植が独立した禁止項目に
Rockstarは今回、「公式に発売していないコンソール・ハードウェア・その他のプラットフォームで動作するようゲームを改造してはいけない」という文言を明記しました。これまでの方針でも他社IPの持ち込みや新規ストーリーの制作は対象外とされていましたが、「未発売ハードへの移植」という切り口が単独の禁止項目として書かれたのは今回が初めてです。
この条項が実際に当てはまる例として、海外メディアではNew Nintendo 3DS向けの非公式移植プロジェクト「reGTA」が名指しで挙げられています。reGTAは『GTA III』『バイスシティ』『リバティーシティストーリーズ』をRockstarが公式発売していないハードウェア上で動作させるプロジェクトで、まさに今回明文化されたルールが直接想定する対象にあたります。reGTAの技術的な仕組みや著作権上のグレーゾーンについては、既報のreGTAを解説した記事で詳しく整理しています。
実例Liberty CityをGTA Vへ移植するMODは以前から難しい領域だった
「Rockstar作品同士のアセット移植」を分かりやすく示す実例が、『GTA IV』のリバティーシティを『GTA V』上に再現した大型MOD「Liberty City Preservation Project」です。NPC・車両・地下鉄まで再現する大規模なプロジェクトでしたが、2025年1月16日、開発チームはRockstarと話し合った結果として配布を取り下げました。開発チーム側は、DMCAによる強制削除ではなく、Rockstarとの協議を経た友好的な合意だったと説明しています。
今回のガイドラインでは「あるRockstar作品のマップ・場所・キャラクター・ストーリー・ゲーム内アセットなどを別作品へ持ち込んではいけない」というルールが明記されました。Liberty City Preservation Projectのようなプロジェクトは、まさにこの条件に該当します。今回の明文化は、Rockstarが過去に大型MODへどう対応してきたかを、後から文章として整理した側面もあります。
音声AI音声MODにも影響しうる「ボイスオーバー再利用禁止」
Rockstarは、自社ゲームで使われたボイスオーバーを改変・再利用しないよう求めています。さらに実在人物の声・画像・肖像を使用する場合には、書面による許可が必要としています。近年は生成AIを使って既存キャラクターの声に似せた新しいセリフを作るMODも技術的に可能になっていますが、今回の文面を見る限り「元の音声ファイルを直接再配布していないから問題ない」と単純に判断できる内容ではありません。元の声優や実在人物の声を再現するAI音声MODについても、慎重に扱う必要がありそうです。
一方でRockstarは「AI音声MOD」という名称を個別に挙げて禁止しているわけではなく、生成AIによる音声生成のどこまでが「ボイスオーバーの再利用」に該当するのかは、今回のガイドラインだけでは判断しきれません。ここは今後の運用を見る必要がある部分です。
背景FiveMは終わらない、Rockstarの公式側へ移動している
Rockstarは2023年8月11日、FiveMとRedMを開発するCfx.reを正式に買収しました。買収後もFiveM・RedMの開発は継続されています。さらに2026年9月1日、RockstarはニュースワイヤーでGTA Vの大手RPコミュニティ「nopixel V」を公式に紹介しました。nopixel Vのクローズドベータは9月8日に開始し、Rockstar Games Launcherからアクセスする仕組みです。そのわずか2日後にあたる9月10日付で、今回のMod Guidelinesが公開されています。
Rockstarが「今回のガイドラインはnopixel Vのため」と公式に説明したわけではありません。ただし、FiveMを運営するCfx.reを買収し、Creator Platformとして制度化し、人気RPサーバーをRockstar Games Launcherへ統合したうえで、外部MODのルールと収益化方法を整理するという流れは一貫しています。この一連の動きは、MOD文化そのものをなくすというより、これまで自由に広がってきたMOD・RP文化を、自社が管理できるエコシステムへ集約していく方向性を示しているとみられます(以上は公式発表そのものではなく、時系列を踏まえた当サイトの見立てです)。
仕組みマルチプレイMODはCreator Platformが事実上の中心になる
新しいガイドラインでは、マルチプレイMODについてRockstarが正式にライセンスしたCreator Platform、またはRockstarが別途直接ライセンスした環境へ限定するとしています。RPサーバーもCreator Platformを通して利用可能であると案内されています。これは通常のGTA Onlineとは別の話です。GTA OnlineでMODメニューやチートツールを使う行為は以前から禁止されており、アカウント停止の対象になり得ます。一方でFiveMのようなコミュニティサーバーについては、Rockstar公認のCreator Platformという別の枠組みが用意されています。今後のマルチプレイMODは、「公式オンラインへ勝手にMODを入れる」方向ではなく、「Rockstarが認めたCreator Platform上でカスタム体験を作る」方向へさらに分離されていく可能性があります。
収益化MODの有料販売は全面禁止ではない
Rockstarは有料MODそのものを完全に禁止しているわけではありません。ただし、Creator Platformを「コミュニティがMODを収益化するための独占的にライセンスされた場所」と位置づけています。Creator Platform外のMODは原則として非商用である必要があり、有料化する場合にはRockstarが承認したデジタルストアを使わなければなりません。同時に、現金を使ったギャンブル・ルートボックス・ガチャ・ゲーム内通貨の現金販売・暗号資産・NFT・トークンなども禁止されています。第三者企業の広告やスポンサーコンテンツとしてMODを利用することも認められません。さらに、Rockstar自身が制作したゲーム内アセット・ミッション・DLCなどへのアクセス権をMOD制作者が有料販売することも禁止対象です。この部分は、大型RPサーバーの運営者やMOD販売者にとって、シングルプレイMODよりも直接的な影響が大きい部分といえます。
GTA6GTA6のMODが禁止されたわけではない
今回のニュースは「GTA6のMOD規制」として紹介されることもありますが、Rockstarが公開したガイドラインはGTA6専用のルールではありません。Rockstar作品全体のMODについて定められたルールで、ガイドライン本文でもGTA6専用とは説明されていません。さらに2026年9月22日時点で、GTA6のPC版そのものが正式発表されていません。現在発表されている対応プラットフォームはPS5とXbox Series X|Sで、発売日は2026年11月19日です。GTA6のPC版がいつ発売されるかを整理した記事でも触れているとおり、PC版の発売時期やMODツールへの対応についてRockstarから正式な説明は出ていません。今回確認できるのは、将来GTA6のMOD環境が登場した場合でも、この共通ガイドラインが基準になる可能性が高いというところまでです。
現行タイトルでは普通のシングルプレイMODは使えなくなるのか
現在もRockstar Supportでは、PCのシングルプレイMODについて、シングルプレイかつ非商用で、第三者の知的財産を尊重しているプロジェクトに対し、Take-Twoが一般的には法的措置を取らないという方針が掲載されています。つまりシングルプレイMODそのものを全面的に否定しているわけではありません。グラフィック改善・ReShade・UI変更・車両挙動の変更・オフライン用トレーナーといった定番ジャンルは、今回の4つの柱(公式ストーリーの改変・他作品IPの持ち込み・オンラインサービスへの影響・無許可の商用化)に触れない限り、これまでと同様に扱われると考えるのが妥当です。
ただし「許可されたMOD一覧」が公開されているわけではないため、個々のMODについては、公式ストーリーを改変していないか、他のRockstar作品や第三者のIPを使っていないか、オンラインサービスへ影響しないか、商用利用していないかを、利用者自身が確認する必要があります。そして重要なのは、Rockstar自身がこの方針を「ライセンスではない」としている点です。条件を満たしていても、削除や異議申し立ての対象にならないという保証にはなりません。
見立て今回のガイドラインで大きいのは「禁止項目」より公式MOD経済圏の形成
2017年のOpenIV問題を受けたシングルプレイMOD容認方針の公開から、2019年の他作品IP・新規ストーリー除外の追加、2023年のCfx.re買収、2026年9月のnopixel V統合とMod Guidelinesの一本化まで、時系列を並べると一貫した流れが見えてきます。Rockstarが目指しているのは「MODをなくすこと」というより、「MOD・RP・クリエイターの収益化を自社が管理できる仕組みに置くこと」ではないか、というのが今回の経緯を追ったうえでの当サイトの見立てです。特にFiveMのような巨大コミュニティを自社で抱えた現在、MODは非公式文化というより、ゲームを長期間遊んでもらうための重要なコンテンツになっています。一方でストーリー・キャラクター・別作品のマップ・実在ブランドを自由に使われる状態が続けば、知的財産管理や収益化の問題も大きくなります。「創作はCreator Platform内で支援するが、公式世界設定やIPを勝手に拡張することには線を引く」という形へ整理されつつあると捉えるのが、現時点で説明のつく解釈です。
展望GTA6 PC版では従来より管理されたMOD環境になる可能性も
現在のRockstarはFiveMを外部プロジェクトとして見る立場ではなく、その開発チームを自社に抱えています。Creator PlatformというMOD・RP向けの正式な仕組みもすでに存在します。そのため将来GTA6のPC版が登場した場合、『GTA V』初期のようにコミュニティが完全に独立してMOD環境を築くだけでなく、Rockstar管理下のCreator Platformがより大きな役割を持つ可能性はあります。ただしこれはあくまで現時点の材料から見た将来予測であり、GTA6のPC版そのものが正式発表されていない以上、確定した話ではありません。
影響今回のガイドラインで変わること・変わらないこと
- 未発売ハードへの移植が独立した禁止項目として明記され、reGTAのようなプロジェクトが直接の対象になり得る
- ボイスオーバー再利用禁止・実在人物の肖像に書面許可が必要と明文化
- マルチプレイMODの収益化はCreator Platformへ集約する方針が明確化
- 新しいストーリー・ミッション・マップの制作は2019年から容認対象外
- 非商用のシングルプレイMODは条件を満たせば引き続き大目に見られる
- ガイドラインは「ライセンスではない」ため、個別に異議を申し立てられる可能性は残る
Q&Aよくある質問
まとめまとめ|「ルールの新設」より「分散していた方針の一本化」
Rockstar Gamesが2026年9月10日付で公開したMod Guidelinesでは、公式ストーリーやミッション・キャラクターの改変、Rockstar作品間のマップ・アセット移植、未発売ハードへの非公式移植などが明確に制限されました。ただし「2026年になって突然MODを禁止した」わけではありません。新しいストーリー・ミッション・マップの作成や、別のRockstar IPを持ち込む行為は、2019年11月のPC版『レッド・デッド・リデンプション2』発売時点ですでにシングルプレイMOD容認方針の対象外となっていました。
今回とくに新しいのは、未発売ハードへの移植を独立した禁止項目として明文化したこと、そしてボイスオーバーの再利用・実在人物の声や肖像・MOD収益化について、ルールが一段具体的になったことです。reGTAのようなNew 3DS向け非公式移植プロジェクトは、この新しい条項が直接想定する対象の1つにあたります。
一方でRockstarはFiveM・RedMを開発するCfx.reを買収し、nopixel Vを公式に支援しています。そのため今回の動きは「MOD文化の終わり」というより、自由に広がってきたMOD文化をRockstar公式のCreator Platformへ再編していく動きと見るのが実態に近そうです。GTA6のPC版は2026年9月22日時点で正式発表されておらず、今回のガイドラインだけを根拠に「GTA6はMOD禁止」と断定するのは早計です。PC版やCreator PlatformについてRockstarが今後どのような方針を示すのかが、次の注目点になります。

