Intel Raptor Lake Nextは2027年初頭に登場?GIGABYTEがB760・H610対応BIOSを発表|DDR4も延命
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
DDR5メモリの価格が1年前の2〜4倍に高騰している今、新規でPCを組むうえで「DDR4のまま安く済ませたい」という需要は急速に膨らんでいます。ところがArrow Lake(LGA1851)もAMDのAM5もDDR5専用で、新しめのCPUが選べるDDR4対応プラットフォームはIntelのLGA1700が中心です(AMDのAM4もDDR4対応ですが、世代は古くなります)。
そんな市場の空気を突くように、Intelが第3回目のRaptor Lake Refreshを計画しているというリーク情報が複数の海外情報源から報じられました。ソケットはLGA1700を継続、Core i9は除外、Core i7/i5を中心にDDR4/DDR5両対応のSKUを2027年早期に投入する構想です。Arrow Lake(LGA1851)とは明確に棲み分けた、コスト重視層・OEM向けのラインアップになる見込みです。
DDR4のメモリとLGA1700マザーを持つ人にとっては、CPUだけを載せ替えてあと2〜3年使う延命策として現実的です。一方、これからマザーとメモリを揃える人は、DDR5価格が下がらない間でも将来性のあるプラットフォームのほうが無難、というのが現時点の見立てです。判断の分かれ目は、手持ちのマザーとメモリ、そして遊ぶ解像度です。
2026年10月9日には、GIGABYTEがB760・H610マザーボード全モデルについて「2027年早期に発売予定のLGA1700対応プロセッサー」向けBIOSの提供開始を発表しました。Intelはまだ新CPUを発表しておらず、型番も明かされていませんが、手持ちのマザーがその日を迎える準備を済ませているかどうかは、今から確かめられます。
目次
リーク詳細Raptor Lake Next(Raptor Lake Refresh 第3世代)の構成——LGA1700・Intel 7・DDR4/DDR5両対応
今回リークされた情報を整理すると、構成の骨子は次のとおりです。著名リーカーJaykihn氏による発信を起点に、複数の海外情報源が同様の内容を報じています。
Core 7の20コア構成と24MB L3特別版——2026年6月続報
2026年6月に入って新たなリークが出て、構成が一段と具体化しました。型番は「Core 200」シリーズ(”Raptor Lake Next”とも呼ばれます。旧Core iではなく現行の命名)を継続します。クラス分けは、最上位のCore 7が20コア(8P+12E・65W)、その下にCore 5の16コア(8P+8E・125W)と10コア(6P+4E・65W)、最小がCore 3の4コア(4P)という構成です。
とくに注目は10コア版で、無効化したコアのキャッシュを活かしてL3を通常の20MBから24MBへ増やした特別版になるという噂があります。一方で延命策ゆえの割り切りとして、Wi-Fi 7・APO(アプリ最適化)・Fast Throttle といった新しめの機能は省かれると複数の情報源が伝えています(このうちFast Throttleの省略は他の項目よりソースが弱く、流動的とみておくのが無難です)。
量産は2027年1月頃、市場投入は2027年前半が有力です。DDR4で組める数少ない新CPUとして、AM4を長く支えたAMDの延命戦略をIntelがなぞる形といえます。
ここで挙げた構成・時期は、いずれも正式発表前のリーク情報です。最終的なSKUや仕様は変わる可能性があります。
ノートPC版はまさかの格上——Core 9 200HXが24コアで最上位に
2026年6月中旬から下旬にかけて、デスクトップ版とは別にノートPC(HXシリーズ)向けの構成もリークされました。意外なことに、デスクトップ版では用意されない「Core 9」クラスがノートPC版にだけ存在し、8P+16Eの構成でハイパースレッディング込み24コア32スレッドという、デスクトップの最上位(Core 7・20コア)を上回るスペックになる見込みです。その下にはCore 7が2構成(8P+12Eの20コア、6P+8Eの14コア)用意されるとされています。展開はHXシリーズのみで、従来のH/P/U向けシリーズは計画されていません。またvPro(企業向け管理機能)・SIPPのサポートは今回から外れる見込みです。投入時期はデスクトップ版と同じく2027年早期で、次世代の「Nova Lake」と並行して展開される計画とされています。「安価な延命策」のはずが、ノートPC市場ではまさかの最上位フラグシップとして投入される点は注目に値します。
続報GIGABYTEがB760・H610の新型LGA1700 CPU対応を発表——確定したことと、手持ちマザーの確認手順
GIGABYTEの発表(2026年10月9日付)によると、同社はIntel B760・H610マザーボードの全ラインアップで、Socket LGA1700向けの未発表プロセッサーに対応するBIOSを提供開始しました。新CPUは「2027年早期に発売予定」とされ、DDR5モデルだけでなくDDR4モデルも対象です。案内されている手順は「BIOSをダウンロードして更新し、新しいCPUを載せる」の3ステップで、マザーボードの交換は要らないと説明しています。
ただし、発表文にCPUの型番・コア数・性能・価格はなく、「Raptor Lake Next」や「Core 200」という名称も使われていません。Intelからの正式発表も、10月9日時点で確認できた範囲では出ていません。ここまで見てきたRaptor Lake Next(Core 200)のSKU構成は、引き続きリーク情報の段階です。
手持ちのB760・H610マザーで確認すること
新CPUが出るまで急ぐ必要はありませんが、BIOSの配布状況は型番とリビジョンによって差があります。たとえばB760M DS3H DDR4(Rev.1.0)のサポートページには、2026年9月29日付のBIOS F25が載っており、変更履歴に「Preparation for upcoming processor support」とCPUマイクロコードの更新が記されています(GIGABYTE公式サポート)。一方、H610M H DDR4(Rev.1.0)のサポートページでは、10月9日の時点で最新が7月30日付のF35aで、DDR4メモリ互換性の改善にとどまり、新CPU対応の記載は見当たりませんでした(GIGABYTE公式サポート)。公開の順序や地域による差の可能性があるため、H610は未対応と決めつけず、発売が近づいたら再度確認してください。
- マザーボードの型番とリビジョン(基板上の印字、またはBIOSの表示)を確かめる
- メーカーのサポートページで、自分のリビジョンのBIOS一覧を開き、「upcoming processor」と書かれた版が出ているか見る
- 新CPUが発売され、CPU対応表に載った後に、必要なBIOSバージョンを確認してから更新する
- 更新は電源を安定させて行い、更新後はメモリの設定(XMP)を確認し直す
BIOSが「次期CPUの準備」を謳っていても、載せられるCPUの範囲は基板ごとの電源設計にも左右されます。GIGABYTEのサポートページも、対応CPUは個別のCPU対応表で確認するよう案内しています。発売前に新しいBIOSへ上げる必然性は薄く、動作に問題がなければ今のBIOSのままでも構いません。
買い替えの判断はこう整理できます。LGA1700のマザーとDDR4メモリを持っているなら、新CPUの価格と性能が出るまで待つ選択肢が現実的になりました。すでに載せているCPUが12世代や13世代の下位モデルなら、CPUだけの交換で済む可能性があります。逆に、これからマザーとメモリを揃える人は、2027年早期の発売まで数か月あるうえ、型番も価格も未発表です。発表を待つか、DDR5環境に進むかは、下の比較と結論の節を目安にしてください。
選択肢Arrow Lake Refresh / Ryzen との棲み分け——3プラットフォーム比較
DDR5が高騰している今、「何を買うか」はもはや性能だけの話ではなく、プラットフォームごとの総費用と将来性の読み比べになります。Raptor Lake Refresh第3世代の想定ポジションは、Arrow Lake RefreshとRyzen 9000シリーズに並べると下表のとおりです。
第3世代
- プロセスIntel 7(10nm)
- メモリDDR4 / DDR5 両対応
- 最上位SKUCore 7 の20コアまで(Core i9相当は Arrow Lake の Core Ultra 9 290K Plus と棲み分けるため除外)
- ゲーミング上限現行14700K 近辺
- 向いている用途DDR4延命・OEM・バジェット新規
Core Ultra 200K Plus
- プロセスTSMC N3B + N6(Compute + SoC)
- メモリDDR5 のみ
- 最上位SKUCore Ultra 7 270K Plus(上位のCore Ultra 9 290K Plusは2026年3月に開発中止・未発売)
- ゲーミング上限9800X3D に近い(270K Plus 時)
- 向いている用途生産性+ゲーミング バランス型
(AM5)
- プロセスTSMC N4 / N5
- メモリDDR5 のみ
- 最上位SKURyzen 9 9950X3D
- ゲーミング上限X3Dで最上位
- 向いている用途ゲーミング重視・長期AM5保持
Arrow Lake Refresh は「DDR5前提のメイン戦線」、Raptor Lake Refresh 第3世代は「DDR4資産を守る防衛線」と読むとスッキリ理解できます。両者はカニバリゼーションせず、並行して走る二本柱というのがIntel側のシナリオです。
なお「DDR4のまま延命する」という発想自体は、実はAMD陣営が一足先に実践済みです。AM4向けにRyzen 7 5800X3Dが2026年6月に再投入されており、こちらもDDR4資産をそのまま活かせる現行の選択肢です。Raptor Lake Refresh 第3世代が投入される2027年までにDDR4環境を延命したい場合、現時点で実際に買えるAM4という選択肢も比較検討の価値があります。
性能レンジ現行14世代の実測値から読むパフォーマンス帯
※第3世代リフレッシュはまだ未発売のため、以下は同プロセス・同アーキの現行13/14世代の実測値を参考値として掲載します。
主要CPUのゲーミング平均fps(1080p / 重量級10タイトル平均・参考値)
第3世代リフレッシュは現行13/14世代と同じダイがベースとされるため、ゲーム性能も14700Kなど現行モデルに近い帯に収まる可能性が高いとみられます。ただし、クロック・キャッシュ・電力設定が未発表で、ベンチマークも出ていないため、fpsの伸び率は予測できません。Ryzen 7 9800X3Dとの差は、上のグラフの現行モデルの実測値から読み取ってください。ゲーミング最強を狙う用途には向かず、DDR4のまま20万円以下でバランス型のマシンを組みたい層にマッチする性能帯です。なお同じLGA1700でも、組込み専用CPU「Bartlett Lake」(Core 9 273PQE)が改造BIOS環境の限定的なベンチマークで14900Kを上回った例が話題になりましたが、正規の組込みハードでは旧世代の13900Kにも及ばないという検証結果も出ており、そもそも一般消費者向けSKUではないため実用的な選択肢にはなりません。本Core 200はあくまで「DDR4で安く延命する」コスパ弾という位置付けです。
Intelの副社長Robert Hallock氏が、将来はプレミアム向けとメインストリーム向けで異なるCPUソケットに分かれていく可能性があると発言しました。LGA1700が低価格帯として長期的にどう位置づけられるかにも関わる話のため、Intel幹部の2ソケット化発言を整理した記事もあわせて確認してください。
リーカーのJaykihn氏が、8P+8E・125WのRaptor Lake Next SKUをCore i5-14600Kの後継と位置づけて投稿し、VideoCardz・TechPowerUp・Club386が2026年9月に報じました。現行のCore i5-14600K(6P+8E・14コア20スレッド)からP-coreが2基増え、Core i7-13700Kと全く同じ8P+8E・16コア24スレッドになるとされています。ただしProcessor Base Powerが同じ125Wでも、Maximum Turbo PowerはCore i5-14600Kが181W・Core i7-13700Kが253Wと大きく異なり、新型のMTPは記事執筆時点で公表されていません。コア構成の一致と電力仕様の違い、買い替え判断はCore i5-14600K後継の8P+8E化を専門に解説した記事で扱っています。
結論誰が買うべきか——DDR4延命 vs 新プラットフォーム移行
向いている人
- 既にDDR4-3200/3600 の32GB以上を所有しており、メモリ資産を流用したい人
- LGA1700マザー(B760 / Z790 など)を既に持っていて、CPUだけ交換したい人
- office / クリエイティブ用途がメインで、ゲームは1440p 144fps程度で満足できる人
- 自作PCの総予算を15万円以下に抑えたい人
- OEM / SIer がコストを抑えたビジネスPC用途として採用するケース
向いていない人
- 1440p 高リフレッシュを追求する人(9800X3D / 9950X3D を選ぶべき)
- 長期間PCを使い続けたい人(LGA1700 は今回で世代交代が確定、将来のアップグレード余地なし)
- PCIe 5.0 SSDの帯域を活かしたい人(LGA1700はPCIe 5.0 M.2に非対応・Gen 4までが上限)
- AI推論・生産性ワークの最新機能(AMX / NPU)を重視する人
- これから新規でマザーボードとメモリを揃える人(DDR5構成の方が長期的には得)
参考新規でDDR5環境を組むならこちら——Arrow Lake / AM5 おすすめCPU
マザーとメモリも新規で揃える方には、長期的なアップグレード余地が残るDDR5プラットフォームが堅実です。Raptor Lake Refresh 第3世代の代替として現実的なのは次の2製品です。
※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
Raptor Lake Refresh 第3世代は「ゲーマー向けの新世代」ではなく、DDR4資産を守る延命弾として理解すべきチップです。DDR5が1年前の2〜4倍に高騰している現状では、DDR4のまま15万円以下で組める選択肢は貴重で、既存LGA1700ユーザーの「もう1回だけ」の換装や、OEMのコストPC用途には非常にマッチします。ただし、新規でマザーから揃える人には、2〜3年後のアップグレード余地がないLGA1700を今から選ぶメリットは薄く、価格差を吸収できるならAM5 / Arrow Lake Refresh(LGA1851)に進むのが無難です。正式発表まではリーク情報である点を踏まえつつ、DDR5価格の推移とあわせて判断材料にしてください。






