HDD価格が過去最高を更新|7〜9月の大口取引は15%高、なぜ店頭では20TBが6,000円安になったのか【2026年9月】
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大口取引は15%高、それでも店頭は上げ下げが混在します
PCパーツの値上がりが続いています。メモリが上がり、SSDが上がり、そして今度はHDDです。日本経済新聞が2026年9月8日に報じたところによると、7〜9月期のHDD指標品の大口取引価格は6四半期連続で上昇し、過去最高値を更新しました。上げ幅は15%です。
背景として挙げられているのは、SSDからの代替需要と中国市場の底堅さです。SSDが高騰したぶんHDDへ流れた需要が、今度はHDDの価格を押し上げているという構図になります。「SSDが高いならHDDで」という回避策が、そのまま次の値上がりを呼んでいる形です。
ただしこの15%という数字を、店頭で買うときの値上がり率だと受け取ると判断を誤ります。大口取引価格と小売価格は動き方が違い、実際に9月前半の秋葉原では6,000円安になった20TBモデルもありました。この記事では両者を分けて整理し、いま買うならどの容量を狙うべきかまで見ていきます。
目次
要点報じられたのは大口取引価格です
日本経済新聞(2026年9月8日)によると、7〜9月期のHDD指標品の大口取引価格は6四半期連続で上昇し、過去最高値を更新しました。上げ幅は15%で、要因はSSDからの代替需要と中国市場の底堅さです。主要メーカーは米シーゲイト・テクノロジーとウエスタンデジタルの2社です。
ここで押さえておきたいのが「指標品の大口取引価格」という言葉です。これはメーカーと大口需要家の間で交わされる取引の価格であり、家電量販店やPCショップの店頭に並ぶ小売価格ではありません。両者は連動しますが、タイミングも幅もずれます。
大口価格が上がってから店頭に反映されるまでには時間差があり、その間に在庫処分の特価が入れば店頭価格は逆に下がります。逆に、大口価格が横ばいでも品薄になれば店頭は上がります。ニュースの数字をそのまま「自分が買う値段が15%上がる」と読み替えないことが、この種の報道を扱ううえで最初の分岐点になります。
実勢店頭では上げと下げが同時に起きています
実際の店頭価格がどう動いたかを見ると、一方向ではないことがはっきりします。秋葉原の定点調査から、8月後半と9月前半の主な動きを並べます。
| 時期 | 上がった例 | 下がった例 |
|---|---|---|
| 8月後半大容量が上昇 | BarraCuda 24TBが22.1%高の94,000円、16TBが22.8%高の79,800円 | WD Red Plus 6TBが5,300円安の39,980円、4TBが2,820円安の29,980円 |
| 9月前半大容量が反落 | WD Blue 4TBが特価ながら3,000円高の25,980円 | BarraCuda 20TBが6,000円安の83,800円、WD Blue 10TBが4,396円安の58,584円 |
8月後半に20%超の勢いで上がった大容量帯が、9月前半には数千円単位で下がっています。同じ2週間の中でも、WD Blueの8TBは横ばい、6TBは1,980円安、4TBは3,000円高と、容量ごとに向きが違いました。東芝のN300 8TBは在庫を置くショップが増えたことで4週間ぶりに4万円を割りましたが、中心価格は約5万円のままです。
つまり店頭では、特価と品薄と在庫状況が絡み合って、容量帯ごとに違う動きをしています。「HDDが値上がりしている」という大枠は正しいのですが、買う立場で意味があるのは自分が欲しい容量の実勢価格のほうです。
背景SSDから逃げた先が混んでいます
今回の値上がりが厄介なのは、原因のひとつが「SSDの高騰」そのものだという点です。NAND価格の上昇でSSDが手を出しにくくなり、容量単価で有利なHDDへ需要が移った結果、HDD側の需給まで締まりました。SSDの高騰についてはSSD高騰はいつまで続くかで実勢価格を追っています。
加えて、データセンター側の需要も無視できません。AI関連の投資でストレージ需要が伸びており、大容量のニアラインHDDはそちらへ優先的に割り当てられています。PC向けの大容量帯が真っ先に上がりやすいのは、この構造が背景にあります。
結果として、2026年のPCパーツはメモリ、SSD、HDDが揃って上がるという珍しい状況になっています。どれか1つが高いなら別のもので逃げられますが、保存領域の選択肢が3つとも高いとなると、構成を決める順番自体を変える必要が出てきます。
判断いま買うならどの容量か
値動きの傾向から、狙いどころはある程度絞れます。
まずゲームの保存先としてHDDを選ぶ必要はほぼありません。近年のタイトルはSSDを前提にしており、HDDへインストールするとロード時間や読み込みの引っかかりで不利になります。ゲーム用は2TBクラスのSSDを確保し、HDDは録画データ、動画素材、バックアップといった「容量は要るが速度は要らない」用途に回すのが基本の切り分けです。この使い分けはHDD vs SSD 完全比較で詳しく扱っています。
そのうえで容量を選ぶなら、いま荒れているのは大容量帯です。8月後半に20%超上がった16TB以上のクラスは、9月前半に反落したとはいえ振れ幅が大きく、タイミングによる当たり外れが出ます。急ぎでなければ、この帯は数週間ごとの価格を見てから決めたほうが無難です。
逆に4TBから8TBあたりは、上げ下げが数千円の範囲に収まっています。必要な容量がこの帯に収まるなら、大幅な値下がりを待つより、必要になった時点で相場から外れていない個体を買うほうが現実的です。大口価格が6四半期連続で上がっている以上、待てば安くなるという前提は今のところ成り立ちません。
定点調査の「◯円安」は、同じ型番の中心価格が動いた場合と、特価が入った場合の両方を含みます。特価は期間が終われば元の水準へ戻るため、その値段が続く保証はありません。逆に「◯円高」も、前回が特価だっただけということがあります。1回の数字ではなく、数回分の推移で判断してください。
FAQよくある質問
まとめまとめ|大枠は上昇、判断は容量ごとに
7〜9月期のHDD指標品の大口取引価格は6四半期連続で上昇し、過去最高値を更新しました。上げ幅は15%で、要因はSSDからの代替需要と中国市場の底堅さです。SSDが高いからHDDへ、という回避策がそのままHDDの値上がりを呼んでいる構図になっています。
ただし店頭価格が一律に15%上がったわけではありません。8月後半に20%超上がった大容量帯が9月前半には数千円下がるなど、容量ごとに動きが分かれています。ニュースの数字は相場の方向を知る材料として使い、実際に買う判断は自分が欲しい容量の実勢価格で行ってください。
用途の切り分けは変わりません。ゲーム用は2TBクラスのSSD、HDDは録画やバックアップといった容量重視の用途に回す形です。そのうえで容量を選ぶなら、振れ幅の小さい4TBから8TBは必要になった時点で買い、16TB以上は数週間の推移を見てから決めるのが現実的なところです。待てば安くなるという前提は、6四半期連続の上昇が続いている限り成り立ちません。

