HDD価格が過去最高を更新|10月後半は東芝N300が1万円安、WDの大容量は34%高、ゲーム保存用はどれを買うか【2026年10月】
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10月後半の店頭は、東芝N300が1万円安、WDの大容量は34%高と割れました
HDDの大口取引価格は、7〜9月期に6四半期連続で上昇し、過去最高値を更新しました。日本経済新聞が2026年9月8日に報じたもので、上げ幅は15%です。背景はSSDからの代替需要と中国市場の底堅さで、SSDを避けてHDDへ流れた需要が次の値上がりを呼んでいます。
では店頭はどうかというと、10月17〜24日の秋葉原では銘柄ごとに逆向きに動きました。東芝N300の18〜24TB(バルク品)は約1万円下がり、24TBは139,900円です。一方でWD Red Pro 24TBは67,500円(34.4%)高の263,580円、WD Gold 22TBは61,700円(34.3%)高の241,680円まで上がっています。
ゲームのライブラリ保存用なら、これらのNAS・業務向けの大容量モデルを選ぶ理由はほとんどありません。同じ週にSeagate BarraCuda 24TBは82,980円の特売で、1GBあたり3.46円です。ただし特売は終われば戻る可能性があり、8TBや16TBの定価帯との比べ方で結論が変わります。
目次
要点報じられたのは大口取引価格です
7〜9月期のHDD指標品の大口取引価格は6四半期連続で上昇し、過去最高値を更新しました(日本経済新聞、2026年9月8日)。上げ幅は15%で、要因はSSDからの代替需要と中国市場の底堅さです。
ここで押さえておきたいのが「指標品の大口取引価格」という言葉です。これはメーカーと大口需要家の間で交わされる取引の価格であり、家電量販店やPCショップの店頭に並ぶ小売価格ではありません。両者は連動しますが、タイミングも幅もずれます。
大口価格が上がってから店頭に反映されるまでには時間差があり、その間に在庫処分の特価が入れば店頭価格は逆に下がります。逆に、大口価格が横ばいでも品薄になれば店頭は上がります。ニュースの数字をそのまま「自分が買う値段が15%上がる」と読み替えないことが、この種の報道を扱ううえで最初の分岐点になります。
10月後半東芝N300は下落、WDの大容量は30%台の急騰です
10月17〜24日の秋葉原の店頭価格では、同じ大容量HDDでも向きが分かれました。東芝N300のバルク品は6〜8%台の値下がりで、WD製の大容量モデルは30%台の上昇です。
| 区分 | 下がった例 | 上がった例 |
|---|---|---|
| NAS・業務向け大容量バルク・上位モデル | 東芝N300 24TBが10,000円安の139,900円、22TBが10,000円安の129,800円、18TBが10,100円安の109,800円 | WD Red Pro 24TBが67,500円(34.4%)高の263,580円、WD Purple Pro 22TBが61,900円(34.4%)高の241,680円、WD Gold 22TBが61,700円(34.3%)高の241,680円 |
| デスクトップ向け特売・特価の出入り | BarraCuda 24TBが11,020円(11.7%)安の82,980円、東芝MG 6TBが19,820円(33.1%)安の39,980円(いずれも特売) | WD Blue 4TBが6,180円(29.7%)高の26,980円、8TBが4,520円(11.9%)高の42,500円、12TBが4,800円(6.7%)高の76,780円 |
WDでも、WD Red Plus(2〜12TB)は最安値が横ばいで、平均価格の動きも最大1.9%高にとどまりました。急騰したのは22TB以上の上位モデルが中心で、WD Blueの上昇は特価の終了を含んでいます。東芝N300も一律ではなく、8TBは最安値が5,500円高の44,980円と、大容量とは逆に上がりました。
この週のBarraCuda 24TBの下落は特売によるもので、平均価格でも6,148円(6.1%)安の94,357円です。ブランドごとに「上がっている」「下がっている」と決めつけず、買う容量の型番で確認する必要があります。
9月まで9月前半までも、店頭は上げと下げが同時でした
10月に始まったことではなく、8月後半と9月前半の秋葉原でも店頭価格は一方向ではありませんでした。
| 時期 | 上がった例 | 下がった例 |
|---|---|---|
| 8月後半大容量が上昇 | BarraCuda 24TBが22.1%高の94,000円、16TBが22.8%高の79,800円 | WD Red Plus 6TBが5,300円安の39,980円、4TBが2,820円安の29,980円 |
| 9月前半大容量が反落 | WD Blue 4TBが特価ながら3,000円高の25,980円 | BarraCuda 20TBが6,000円安の83,800円、WD Blue 10TBが4,396円安の58,584円 |
8月後半に20%超の勢いで上がった大容量帯が、9月前半には数千円単位で下がっています。同じ2週間の中でも、WD Blueの8TBは横ばい、6TBは1,980円安、4TBは3,000円高と、容量ごとに向きが違いました。東芝のN300 8TBは在庫を置くショップが増えたことで4週間ぶりに4万円を割りましたが、中心価格は約5万円のままです。
つまり店頭では、特価と品薄と在庫状況が絡み合って、容量帯ごとに違う動きをしています。「HDDが値上がりしている」という大枠は正しいのですが、買う立場で意味があるのは自分が欲しい容量の実勢価格のほうです。
背景SSDから逃げた先が混んでいます
今回の値上がりが厄介なのは、原因のひとつが「SSDの高騰」そのものだという点です。NAND価格の上昇でSSDが手を出しにくくなり、容量単価で有利なHDDへ需要が移った結果、HDD側の需給まで締まりました。SSDの高騰についてはSSD高騰はいつまで続くかで実勢価格を追っています。
加えて、データセンター側の需要も無視できません。AI関連の投資でストレージ需要が伸びており、大容量のニアラインHDDはそちらへ優先的に割り当てられています。PC向けの大容量帯が真っ先に上がりやすいのは、この構造が背景にあります。
Seagateは会計年度2027年第1四半期(2026年10月2日終了)の決算説明会で、ニアラインHDDの供給容量の大半が2028暦年まで長期供給契約で割り当て済みだと説明しました。一部のクラウド顧客との契約は2030暦年までです。2027暦年分は構成と価格が決まっており、2028年分は今後数四半期で詰めていく段階とされています。
注意したいのは、この発言の対象がデータセンター向けニアラインHDDの供給容量だという点です。店頭のBarraCudaなど個人向けモデルが2028年まで買えなくなる、あるいは国内価格が確実に上がるという意味ではありません。国内小売への波及を示す数字は、この説明からは出ていません。買い急ぐかどうかは、この節の供給の話より、後述する欲しい型番の実売と必要な容量で決めるほうが確実です。
結果として、2026年のPCパーツはメモリ、SSD、HDDが揃って上がるという珍しい状況になっています。どれか1つが高いなら別のもので逃げられますが、保存領域の選択肢が3つとも高いとなると、構成を決める順番自体を変える必要が出てきます。
判断いま買うならどの容量か
値動きの傾向から、狙いどころはある程度絞れます。
まずゲームの保存先としてHDDを選ぶ必要はほぼありません。近年のタイトルはSSDを前提にしており、HDDへインストールするとロード時間や読み込みの引っかかりで不利になります。ゲーム用は2TBクラスのSSDを確保し、HDDは録画データ、動画素材、バックアップといった「容量は要るが速度は要らない」用途に回すのが基本の切り分けです。この使い分けはHDD vs SSD 完全比較で詳しく扱っています。
そのうえで保存用のHDDを選ぶなら、10月24日時点の最安値を1GBあたりの単価で比べるのが早道です。
| 容量とモデル | 最安値 | 1GB単価 |
|---|---|---|
| 24TBBarraCuda ST24000DM001(特売) | 82,980円 | 3.46円 |
| 20TBBarraCuda ST20000DM001 | 89,780円 | 4.49円 |
| 16TBBarraCuda ST16000DM001 | 77,980円 | 4.87円 |
| 8TBBarraCuda ST8000DM004 | 35,800円 | 4.48円 |
| 6TBBarraCuda ST6000DM003 | 33,800円 | 5.63円 |
| 4TB東芝S300 HDWT840UZSVA | 22,800円 | 5.70円 |
| 2TB東芝DT02 DT02ABA200 | 13,780円 | 6.89円 |
単価だけなら24TBの特売が最安ですが、前回の最安値は94,000円で、82,980円は11,020円下がった特売価格です。特売が終われば戻る可能性があります。それでも24TBは平均価格(94,357円)が20TBの平均(98,212円)を下回っており、20TBを選ぶ理由は薄い状況です。
保存したいゲームが数TBに収まるなら、8TBのBarraCuda(35,800円)が釣り合いのよい選択です。1GB単価は4.48円で20TB(4.49円)とほぼ同じなうえ、1台あたりの出費は半分以下で済みます。16TBは4.87円で、8TBや24TBの特売より割高です。
東芝N300の18〜24TBは1万円下がりましたが、24TBでも139,900円で1GB単価は約5.83円です。BarraCuda 24TBの特売と比べると約1.7倍にあたります。NASで常時稼働させる用途でなければ、価格差を払う理由は薄いでしょう。WD Red ProやGoldの急騰帯は、ゲームの保存用には外してかまいません。
4TB以下では、WD Blue 4TBが特価の終了で26,980円まで上がり、東芝S300(22,800円)やBarraCuda 4TB(23,980円)のほうが安くなっています。必要な容量が決まっているなら、待つより最安の型番を選んで買うほうが現実的です。大口価格が6四半期連続で上がっている以上、待てば全体が安くなるという前提は成り立ちません。ゲーム保存用のHDD選びはSeagate BarraCuda 24TBの使い方とWDのHDDの容量の選び方、値上がりの背景はSSD・HDD値上がりの理由で扱っています。
定点調査の「◯円安」は、同じ型番の中心価格が動いた場合と、特価が入った場合の両方を含みます。特価は期間が終われば元の水準へ戻るため、その値段が続く保証はありません。逆に「◯円高」も、前回が特価だっただけということがあります。1回の数字ではなく、数回分の推移で判断してください。
おすすめ内蔵・外付けHDDは接続方法と保存量で選ぶ
デスクトップPCに大容量の保存先を増設するなら内蔵型、ケースを開けずにノートPCでも使うなら外付け型がおすすめです。どちらも録画データやバックアップ、当面遊ばないゲームの退避先として選び、SSD必須のゲームを実行する場所とは分けてください。
※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
相場表の内蔵HDDの店頭価格と、上の購入先の販売価格は別です。外付け型はケースを含む製品価格で比較し、必要容量と接続方法が合うほうを選んでください。故障に備え、失いたくないデータは別のドライブにも複製しておくと安心です。
出典:Seagate第1四半期(2027会計年度)決算発表/同決算説明会の書き起こし(供給契約の発言)/Seagate BarraCuda公式データシート/WD Elements Portable公式データシート
FAQよくある質問
まとめまとめ|大枠は上昇、判断は容量ごとに
7〜9月期のHDD指標品の大口取引価格は6四半期連続で上昇し、過去最高値を更新しました。上げ幅は15%で、要因はSSDからの代替需要と中国市場の底堅さです。
ただし店頭価格は一律には動いていません。10月17〜24日の秋葉原では、東芝N300の18〜24TBが約1万円下がった一方、WD Red Pro 24TBやWD Gold 22TBは30%台の上昇でした。同じブランドでも、WD Red Plusのように最安値が横ばいのモデルがあります。
ゲームのライブラリ保存用なら、ゲーム本体は2TBクラスのSSD、HDDは遊び終えたタイトルや録画データの置き場に回す切り分けが基本です。HDDは1GB単価で選び、少量なら8TBのBarraCuda、大量に置くなら特売中の24TBが候補になります。急騰したWDの上位モデルは外してかまいません。




