Denuvoのハイパーバイザー対策は正規ユーザーに影響する? Galactic Racerで起動しない時の確認点
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起動しない時は、先に3つの確認とハイパーバイザーの切り分けを
新作のPC版を買ったのに、Steamで「プレイ」を押してもゲームが立ち上がらない。そこへ「Denuvoがハイパーバイザー回避を封じた」というニュースが重なり、自分の環境にも関係があるのか気になった方は多いはずです。
結論から言うと、10月10日時点で確認できた範囲では、Denuvoの更新が正規ユーザーの起動不具合の原因だと示す公式の説明はありません。Irdeto(Denuvoの運営元)は3月に「強化したセキュリティで、プレイヤーの性能は損なわれない」と説明しています。一方で、Galactic Racerでは「Windowsのハイパーバイザーを切ると起動できた」という購入者の報告が出ています。
起動しない人がやることは、ゲームファイルの検証やドライバー更新といった定番の確認が先で、ハイパーバイザーの切り分けは最後です。セキュリティ機能が止まるので、オフにするなら元に戻す手順とセットで試してください。
確認できた事実は3つです。Galactic RacerのSteamストアページにはDenuvo Anti-Tamperの表記があること、発売から数日たっても回避版が出ていないこと、Irdetoは新しい強化で「性能は損なわれない」と説明していることです。起動不具合とDenuvo更新の因果関係は、公式の説明が見つかっていません。
出典:TorrentFreak「Game Pirates Beat Denuvo with Hypervisor Bypasses — Irdeto Promises Countermeasure」(2026年3月31日)、TechSpot「Hypervisor-based cracks are breaking Denuvo protections in hours」、Notebookcheck「Denuvo blocks hypervisor bypass used to crack 60+ games」(2026年10月9日)、VGTimes「Denuvo Update Appears to Block Hypervisor Bypass in Star Wars: Galactic Racer」(2026年10月9日)、Steamストアページ「STAR WARS: Galactic Racer」、OC3D「Denuvo Removed from Star Wars Galactic Racer ahead of launch」(2026年4月30日)、Gamerblurb「Star Wars Galactic Racer Black Screen Fix」、Microsoft Learn「Virtualization-based Security (VBS)」、Microsoft Learn「BCDEdit /set」
目次
経緯何が起きたのか
ハイパーバイザー型の回避手法は、Windowsより下の階層で動くドライバーでDenuvoの確認処理をだまし、ゲームを起動させるものです。2026年春からResident Evil RequiemやCrimson Desertなどの大作が発売直後に回避されました。この手法を使うには、VBS、HVCI(メモリ整合性)、ドライバー署名の検証といったWindowsの保護機能を切る必要がある、とIrdetoは説明しています。
10月6日発売のStar Wars: Galactic Racerでは、この流れが変わりました。発売から数日たっても回避版が出ておらず、Denuvoが更新されて手法が通らなくなったとみられます。回避ツール作者の説明では、これまで切れていたプロセッサーのフラグが起動時に有効のままになり、回避版ではクラッシュするとのことです。
注意したいのは、これが「とみられる」段階にある点です。Irdetoやパブリッシャーが、Galactic Racerの更新内容を説明した発言は、確認できた範囲では見つかりませんでした。また、新しい対策が正規購入者に互換性の問題を起こす余地がある、という指摘も出ています。
4月末、SteamDBの履歴をもとに、Galactic RacerのストアページからDenuvoの表記が消えたと報じられました。ただ、10月10日時点のストアページには「Denuvo Anti-Tamper」と「5 machine activation limit(5台までの認証)」の記載があります。4月の「Denuvoなし」という情報は、現在は当てはまりません。
影響正規ユーザーへの影響はどこまで分かっているか
起動しない原因は、Denuvoとは無関係なこともあります。古いGPUドライバー、オーバーレイ、可変リフレッシュレートなどの影響でも、ゲームウィンドウが出ない症状は起こります。「ハイパーバイザーが原因」と決めつけず、順番に切り分けるのが近道です。
手順起動しない時の確認ステップ
- ゲームファイルを検証する。Steamのライブラリでゲームを右クリックし、「プロパティ」→「インストールファイル」→「ゲームファイルの整合性を確認」を実行します。
- GPUドライバーを更新し、オーバーレイを止める。NVIDIAやDiscordのオーバーレイをいったんオフにし、G-SyncやFreeSyncも一時的に切って起動を試します。Gamerblurbの対処ガイドも、この順で試すよう勧めています。
- ハイパーバイザーの状態を確認する。Windowsキー+Rで「msinfo32」を実行し、システム情報の「仮想化ベースのセキュリティ」が「実行中」かを見ます。「実行中」ならVBSが動いており、ハイパーバイザーも有効です。メモリ整合性の設定場所はメモリ整合性の解説記事にまとめています。
- それでも起動しない時だけ、ハイパーバイザーを切って試す。下の注意点を読んでから実行します。
切り分けハイパーバイザーを切って試す前の注意点
管理者権限のターミナル(またはコマンドプロンプト)で次のコマンドを実行し、PCを再起動すると、Windowsのハイパーバイザーが起動しなくなります。Gamerblurbの対処ガイドが紹介している方法で、Microsoft LearnのBCDEdit /setにもhypervisorlaunchtypeのOffとAutoの指定があります。
bcdedit /set hypervisorlaunchtype off
元に戻す時は、同じ手順で次のコマンドを実行して再起動します。
bcdedit /set hypervisorlaunchtype auto
Microsoft Learnによると、VBSはWindowsのハイパーバイザーが必要です。ハイパーバイザーを切ると、メモリ整合性などのVBSの保護が働かなくなります。WSL2やDocker Desktop、Windowsサンドボックスなど、仮想化を使う機能も動かなくなります。ゲームを遊んだら元に戻す前提で試してください。
起動できた場合は、ハイパーバイザーを「auto」に戻してもう一度起動を試し、再び起動しなくなるかを見てください。切ると起動し、戻すと起動しない、の両方が再現できれば、原因はこの設定側だと言えます。1回起動できただけでは、再起動や他の設定変更が効いた可能性を外せません。
セキュリティの面でも、ハイパーバイザーを切ったまま常用するのは勧められません。IrdetoがTorrentFreakで述べているとおり、VBSやHVCIはカーネル階層のマルウェアやランサムウェアから守るための機能です。切り分けが済んだら元に戻し、起動できない状態が続くなら、Steamのサポートやゲームのフォーラムに、OS・CPU・VBSの状態を添えて報告するのが確実です。
今後ほかのDenuvoタイトルにも広がるか
この対策は更新されたタイトルにだけ効き、すでに回避済みのゲームには、更新が入らない限り影響しないとみられます。つまり、Galactic Racerの結果が、そのまま他のDenuvoタイトルの起動条件になるわけではありません。
回避側の動きも続いています。ハイパーバイザー型の手法を広めた集団は9月末に解散したと報じられ、Denuvoは別のクラッカーを提訴しています。提訴の経緯はDenuvoがvoices38を提訴した記事で解説しています。次のDenuvoタイトルで同じ症状が出るかは、発売後の報告を見て判断することになります。
まとめまとめ|起動しない時は、定番の確認を先に、ハイパーバイザーは最後に
Denuvoの更新が正規ユーザーの動作を重くするという実測は、10月10日時点で確認できた範囲では見当たりません。起動しない不具合の報告は一部にあるものの、原因を示す公式の説明はありません。
起動しない時は、ゲームファイルの検証、GPUドライバーの更新、オーバーレイの停止を先に試します。それでもだめな時だけハイパーバイザーを切り、起動できたら「auto」に戻して再現するかを確かめてください。


