ZALMAN「CNPS15X BP」登場、TDP最大285W対応の新型ツインタワー空冷|RDTHとAnti-Bending Systemが特徴
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TDP最大285W対応の新型ツインタワー空冷、Anti-Bending SystemとRDTHが独自色
出典:ZALMAN公式 CNPS15X BP BLACK製品ページ / ZALMAN公式 CNPS15X BP ARGB製品ページ / ZALMAN公式 CNPS12X BP製品ページ / ZALMAN公式 ZM-STC11製品ページ(いずれも2026年8月24日確認)にもとづきます。
大型のツインタワー空冷は、フィン面積とヒートパイプを増やすほど冷える一方で、重量も右肩上がりに増えていきます。片持ち構造の大きなヒートシンクを2本のヒートパイプ束だけで支える設計は、輸送中の衝撃でヒートパイプやフィンが歪むリスクと隣り合わせで、TDP対応値の競争の裏で見落とされがちな弱点でした。
ZALMANが投入する「CNPS15X BP」は、この歪み対策に正面から向き合ったモデルです。左右のヒートシンクタワー下部を金属ブリッジで連結する「Anti-Bending System」を採用し、公称TDPは最大285W。CPUとの接触部には「RDTH(Reverse Direct Touch Heatpipe)」と呼ぶ特許構造を使い、放熱面積9,997cm2・104枚フィンという大型の受熱系を組んでいます。ブラックファンの「CNPS15X BP BLACK」とARGBファンの「CNPS15X BP ARGB」の2モデルが用意され、現地時間2026年8月21日に発表されました。
この記事では、ZALMAN公式の製品ページを直接確認したうえで、下位モデル「CNPS12X BP」との仕様差を並べます。CNPS12X BPは同じ6ヒートパイプ構成でありながらCPU接触部が旧来の「DTH(Direct Touch Heatpipe)」のままだったことも、公式ページの原文を読んで初めて確認できた違いです。TDP最大285Wという数字をどこまで信じてよいか、購入前に確認しておきたいメモリ高さとケースの対応、そして国内発売日・価格が本記事執筆時点でまだ発表されていない現状まで、次に何をすべきかにつながる形で整理します。
目次
要点ZALMANが発表した新型ツインタワー空冷「CNPS15X BP」
CNPS15X BPは、φ6mm径のヒートパイプ6本と104枚のフィンを備えたツインタワー型ヒートシンクに、120mmファン「ZM-XF120」を2基組み合わせたサイドフロー空冷です。本体サイズは126×135×159(H)mm、重量は1,170g。放熱面積はZALMAN公称で9,997cm2です。ファン仕様は回転数600〜2,000rpm、最大風量71.14CFM、最大静圧2.06mmH2O、最大ノイズ32.9dB(A)(いずれも±10%)。対応ソケットはIntel LGA1851/1700/1200/115x、AMD AM5/AM4で、公式の製品説明文にはAM4/AM3世代を含む記載もあります。付属グリスは熱伝導率18W/m・Kの「ZM-STC11」です。


ZALMANはこれまでもCNPS9X・CNPS10Xなど複数のシングルタワー・ツインタワー空冷を展開してきましたが、CNPS15X BPで前面に出しているのは、冷却性能そのものよりも「大型クーラーの構造的な弱さにどう対処したか」という点です。次のセクションから、その中身を見ていきます。
耐久Anti-Bending Systemが防ぐヒートパイプの変形
ツインタワー空冷は、CPUに接するベース部分から左右2つのヒートシンクタワーへヒートパイプを分岐させる構造上、タワー同士を直接つなぐ部材を持たないのが一般的です。ZALMAN公式は、この構造を「片持ち構造の弱さ(Cantilever Weakness)」と表現し、外部からの衝撃が加わった際に構造的な負荷が分散されにくい点を課題として挙げています。
CNPS15X BPが搭載する「Anti-Bending System」は、左右のヒートシンクタワー下部を高強度の金属ブリッジ「BP Reinforcement Bridge」で連結する構造です。ZALMAN公式によると、このブリッジによって外部からの衝撃時に発生する構造的負荷を分散させ、ヒートパイプの変形を防ぐとしています。さらに、ブリッジで連結された左右のタワーが輸送時の物理的な衝撃を吸収・分散し、ヒートパイプを歪みから守るともうたっています。
この機構の効果を裏付ける直接的な数字は、ZALMAN公式ページには示されていません。なお、Anti-Bending SystemはCNPS15X BP専用の機構ではなく、下位モデル「CNPS12X BP」(重量750g)の公式ページにも同じ「BP Reinforcement Bridge」の記載があり、共通で採用されています。それでも同じ6ヒートパイプ構成でCNPS15X BPが1,170gとCNPS12X BPより約420gも重くなっている点を踏まえると、大型化・重量増と歪みリスクの高まりが表裏一体である以上、この機構を両モデルに標準搭載している判断は理にかなっていると言えます。
受熱RDTHが生む接触面積、CNPS12X BPとの決定的な違い
CPUとの接触部分には、ZALMANが「RDTH(Reverse Direct Touch Heatpipe)」と呼ぶ構造を採用しています。一般的なダイレクトタッチヒートパイプ(DTH)は、CPUに接する面へヒートパイプを直接露出させる構造ですが、ZALMAN公式によるとRDTHはこのDTH構造を反転させることで、ヒートパイプの接触面積を広げ、接触熱抵抗を抑える設計だとしています。ZALMAN公式ページにはこの技術に対応する特許番号(10-2019-0054423)も明記されており、ZALMAN独自の受熱技術として位置付けられています。
ここで見落とせないのが、CNPS12X BPとの構造差です。ZALMAN公式のCNPS12X BP製品ページを確認すると、CPU接触部の説明は「DTH(Direct Touch Heatpipe)」となっており、RDTHではなく従来型のダイレクトタッチ構造のままでした。ヒートパイプの本数(6本)や対応TDPの近さ(260W)から、CNPS12X BPとCNPS15X BPは兄弟モデルのように見えますが、CPUとの接触構造という受熱の根幹部分は別物です。ラインナップ名だけを見て「数字が大きい方が単純な上位互換」と捉えると、この違いを見落とすことになります。
読み方TDP最大285W対応をどう受け止めるか
CPUクーラーメーカーが示す対応TDPには、業界共通の統一測定規格がありません。メーカーごとに測定条件や算出方法が異なるため、同じ「285W対応」という表記でも、他社の285W対応クーラーと単純比較できるとは限りません。「285Wを消費するCPUなら何でも問題なく冷やせる」「360mm簡易水冷と同等の冷却力がある」といった解釈は、この記事の時点では避けるべきです。
現時点で確実に言えるのは、ZALMANがCNPS12X BPの260WからCNPS15X BPで285Wへ、公称TDPを25W引き上げたという事実と、その主な変更点としてRDTHとAnti-Bending Systemを新たに投入したという事実です。電力制限を解除したRyzen 9やCore Ultra 9クラスのCPUを、CNPS15X BP単体でどこまで冷やし切れるかは、公式スペックだけでは判断材料が不足しています。購入を急ぐ場合は、CPU側の電力設定を公称値の範囲に収めて運用し、限界に近い使い方をするなら第三者による実測レビューが出るのを待つのが無難です。
比較TDP・重量・受熱構造で見るCNPS12X BPとの違い
ZALMAN公式の両製品ページの数値をそのまま並べると、次のようになります。
| 項目 | CNPS15X BP | CNPS12X BP |
|---|---|---|
| TDP対応(公称) | 285W | 260W |
| 受熱構造 | RDTH(反転ダイレクトタッチ) | DTH(ダイレクトタッチ) |
| 本体サイズ | 126×135×159mm | 120×120×153mm |
| 重量 | 1,170g | 750g |
| ヒートパイプ | φ6mm×6本 | φ6mm×6本 |
| ファン回転数 | 600〜2,000rpm | 800〜1,800rpm |
| 最大風量 | 71.14CFM | 74.62CFM |
| 最大静圧 | 2.06mmH2O | 1.94mmH2O |
| 最大ノイズ | 32.9dB(A) | 32.2dB(A) |
| 付属グリス | ZM-STC11(18W/m・K) | ZM-STC8 |
| Anti-Bending System | 搭載 | 搭載 |
意外なのは、ファン単体の最大風量ではCNPS12X BP(74.62CFM)の方がCNPS15X BP(71.14CFM)よりわずかに数値が高い点です。TDP対応値はCNPS15X BPの方が上ですが、これは受熱面積(104枚フィン・9,997cm2)とRDTH構造による接触熱抵抗の低さが効いている結果で、ファン単体の風量だけで冷却力の優劣が決まるわけではないことがわかります。なお、CNPS12X BPの公式ページにはフィン枚数と放熱面積の記載がないため、この2項目は比較表に含めていません。
確認購入前に見ておきたいメモリ高さとケースの対応
CNPS15X BPは、ヒートシンクにRAM干渉を避けるための切り欠き加工を施しています。ZALMAN公式によると、標準状態で44mmの高さまでのメモリに対応し、この切り欠き部分を利用すると最大52mm程度の高さまで対応するとしています。高さのあるヒートスプレッダー付きのオーバークロックメモリを使う場合は、フロントファンの位置を上へずらして干渉を避けることもできます。
ただし、この場合は本体の全高159mmを超えることになります。手元のPCケースが公表しているCPUクーラーの最大対応高さが159mmちょうど、またはそれ未満の場合は搭載できない可能性があるため、購入前にケース側のクリアランスを確認しておく必要があります。ファンを標準位置のまま使うのであれば、全高は159mmで収まります。
価格国内発売日は8月24日時点で未発表
ZALMAN日本語サイトにはCNPS15X BP BLACK・ARGBの製品ページ自体は掲載されていますが、この記事を書いている2026年8月24日時点で、日本国内での具体的な発売日や国内価格は確認できていません。参考までに、韓国のオンラインショッピングサイトではCNPS15X BP(通常版)がおおむね5万〜6万ウォン程度で販売されている例が確認できますが、これは韓国国内での価格であり、日本国内価格を示すものではありません。国内代理店からの発表があり次第、本記事を更新します。
早見表向いている人・様子見すべき人
- 大型ツインタワー空冷を通販で購入していて、輸送時の歪みが気になっていた人
- 下位モデルCNPS12X BPより、さらに上のTDP対応・受熱面積が欲しい人
- RDTHのような受熱構造の違いを踏まえてクーラーを選びたい人
- 高さのあるRGBメモリを使っていて、干渉を避けられる空冷を探している人
- 実測の温度データを見てから購入を判断したい人
- 国内発売日・価格が判明してから検討したい人
- 手元のPCケースのクーラー最大対応高さが159mm未満、または不明な人
- 電力制限を解除した最上位CPUを確実に冷やせる根拠を求めている人
Q&Aよくある質問
まとめツインタワー空冷の耐久性に踏み込んだ新型モデル
ZALMANの新型空冷CPUクーラー「CNPS15X BP BLACK」「CNPS15X BP ARGB」は、現地時間2026年8月21日に発表されました。ツインタワー・デュアル120mmファン構成で公称TDPは最大285W、Anti-Bending SystemとRDTHという2つの独自機構が最大の特徴です。下位モデルCNPS12X BPと比べると、TDPや重量の数字だけでなく、CPUとの接触構造(RDTH対DTH)そのものが異なる点が、公式ページを直接確認して見えてきた実質的な違いでした。
ただし、285Wという対応値は実測での低温維持を保証するものではありません。CPUクーラーメーカーのTDP対応値に統一規格がない以上、電力制限を解除した最上位CPUでの冷却力は、第三者の実測レビューが出るまで判断を保留するのが妥当です。購入前には手元のPCケースがクーラー高さ159mmに対応しているか、使っているメモリの高さがRAMスロットと干渉しないかも確認しておく必要があります。
国内発売日・国内価格は本記事執筆時点(2026年8月24日)でまだ発表されていません。国内代理店からの発表があり次第、この記事を更新します。




