Steam売上が9月過去最高の17億ドル|旧作が強い本当の理由、Bodycamは発売2年後に初動超え【2026年】

Steam売上が9月過去最高の17億ドル|旧作が強い本当の理由、Bodycamは発売2年後に初動超え【2026年】

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NEWS / Steam市場
Steamの9月売上が推計17億ドル
Bodycamは発売2年以上後に初動超え。売上のピークは発売月だけではない
大型アップデートで購入理由を作り直し、過去のファンと購入待ちの人へ再び届ける。Steamの再露出機能とカプコンのカタログ戦略が、その売り方を支えています。
9月売上は前年比13%増Bodycamは初動比約51%増発売後にも購入機会

Steamでゲームが最も売れるのは、発売直後だけなのでしょうか。2026年9月、2024年に早期アクセスを始めた対戦FPS『Bodycam』は、大型更新を経て発売月を上回る売上を記録しました。

ゲーム市場調査会社Alinea Analyticsの推計では、Steam上の9月ゲーム売上は17億ドルで、9月として過去最高です。Bodycamの同月売上は2,420万ドル。初動月の1,600万ドルを約51%上回り、発売2年以上後に新たなピークを作りました。

購入を見送ったゲームも、更新で遊びたい内容に変わることがあります。再検討するなら発売時の評判だけで決めず、現在の更新内容と直近のレビューを見比べるのが有効です。ただし、ヒット作の再成長をすべての旧作に当てはめることはできません。

目次

要点17億ドルはValveの利益ではなくゲーム売上の推計

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市場の売上総額と運営会社の取り分は別です

17億ドルにはゲーム会社側の取り分も含まれます。Valveの利益や手数料収入が17億ドルだったという意味ではありません。また、Valveの決算値ではなく調査会社の推計です。

9月の推計売上は前年同月比13%増でした。7~9月の第3四半期も過去最高の55億ドルとなり、1~9月の累計は165億ドルに達しています。

年間200億ドルを超えるには、残る3か月で35億ドル超、月平均で約11.7億ドルが必要です。第3四半期の月平均約18.3億ドルを下回る水準ですが、通期200億ドル超は予測であり確定実績ではありません。

内訳上位500本の売上は約3分の2が前年以前の作品

9月の発売年別集計は、Steam全作品ではなく売上上位500タイトルが対象です。この集団でSteam全体の月間売上のおよそ4分の3を占めます。

発売年上位500本の売上比率
2026年33.6%
2025年8.7%
2024年9.3%
2023年以前約48.4%(差し引き計算)

前年以前の作品は100−33.6=66.4%。さらに100−33.6−8.7−9.3=48.4%なので、2023年以前の作品だけでほぼ半分になります。公表値を差し引いた概算であり、丸めの影響は残ります。

同じ集計で既存IPは79.5%を占めますが、これは発売年とは別の分類です。今年発売された続編も既存IPに入るため、「既存IP79.5%=旧作79.5%」ではありません。

2026年上半期の旧作79%とも単純比較できません。上半期は市場全体の期間集計、9月の発売年別比率は上位500本の月間集計で、対象と期間が違います。

事例Bodycamは約2年3か月後に初動を超えた

Reissad StudioのBodycamは、Steamストア表記で2024年6月7日に早期アクセスを開始しました。発売月から約2年3か月後の2026年9月に、月間売上の最高記録を更新しています。

比較項目Steam売上の推計・計算
早期アクセス開始月約1,600万ドル
2026年9月約2,420万ドル
初動月からの増加約820万ドル・約51.3%
9月終了時の累計7,700万ドル超・約320万本

増加率は(2,420−1,600)÷1,600×100=51.25%です。累計を約7,700万ドルとして比べると、9月だけで約31%に相当します。いずれも丸められた推計からの概算ですが、単に低い売上を維持するだけでなく、発売時を超える販売の山を作れたことが分かります。

プレイヤー数にも再加速が表れました。SteamDBの記録では9月6日に同時接続3万8,958人へ到達し、過去最高を更新しています。同時接続数は購入本数ではありませんが、遊ぶ人が増えたことを示す別の指標です。

Bodycamのゲーム画面
Bodycamのゲーム画面(画像:Steamストア/Reissad Studio)

購入を待っていた人へ、内容そのものを更新した

大型無料更新「v0.8 Locked & Loaded」は9月2日17時UTC、日本時間9月3日午前2時に配信されました。武器アニメーション、装備セットと武器カスタマイズ、音響、新マップ、進行システムなどに変更が入っています。

更新の範囲は当初のコンテンツ追加から広がり、コアシステムや内部ツールの作り直しに至りました。値下げだけでなく、以前は購入を見送った人にとってゲームの内容が変わったことが重要です。

8月30日の告知ではウィッシュリスト300万件突破、告知制作中には310万件への増加も発表されました。購入待ちの関心が大きく残っていたことは確認できます。ただし、その何%が9月に購入したか、更新・割引・配信者の紹介がそれぞれどれだけ売上へ寄与したかまでは、この数字から分かりません。

仕組みSteamは更新後のゲームを再び見せられる

Steamには、発売済みのゲームを大型更新に合わせて再露出させる「Update Visibility Rounds」があります。早期アクセス中でも正式発売後でも利用でき、ライブラリ所有者やウィッシュリスト登録者のホームページに更新枠を表示します。

期間は最大30日、またはホームページで100万回表示されるまでの早い方です。常時掲載ではなく、対象のゲーム群からランダムに選ばれます。初期枠は5回で、早期アクセスと正式発売で共用です。大型季節セール中は通常の更新枠が表示されず、その日数も30日に含まれます。

Valveは大型更新に割引を合わせる方法も案内しています。20%以上の割引は、条件を満たすウィッシュリスト登録者への通知につながります。更新の告知はフォローしている人やライブラリなどにも届きます。

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制度の存在とBodycamの利用実績は分けて考える必要があります

これらはSteamの一般的な販売支援機能です。BodycamがUpdate Visibility Roundsを利用したと断定できる公開根拠は示されていません。再露出機能だけが売上を増やした、とも言えません。

それでも、内容の改善と購入待ちの人への告知を同時に行える仕組みはあります。発売後のゲームに新しい購入理由が生まれ、それを届ける機会も残る。この組み合わせが、いわば「2回目の発売」を可能にする土台です。

戦略カプコンは旧作を再び売る循環を経営に組み込む

カプコンの2026年3月期では、総販売5,907万本のうち4,946万本、83.7%がカタログタイトルでした。ここでのカタログは前会計年度以前の発売作品で、Steamの暦年分類とは定義が異なります。数字は同社の全プラットフォーム合計で、Steamだけの実績でもありません。

同社の決算説明資料では、新作発売に合わせた宣伝、映像コンテンツやeスポーツによるIP認知、価格施策がカタログ販売を伸ばしたとしています。旧作の需要が自然に残るのを待つだけでなく、新しい話題を過去作品の販売へ戻す循環を戦略にしています。

Bodycamはゲームの内容を更新して売上を再加速させ、カプコンはシリーズ全体の話題や価格施策を旧作へ還流させます。方法は違いますが、発売後も購入理由を作り直す点は共通しています。

注意旧作が強くても、すべての作品へ売上が広がったわけではない

上位500本が市場売上の約75%を占めるため、多数の小作品へ均等に売上が広がる市場と捉えるのは適切ではありません。発売年別比率だけでは、小規模な旧作がどれだけ稼いでいるかも分かりません。

基本プレイ無料タイトルも、上位500本では本数の16%に対して売上の25.6%を占めます。売上を生む仕組みが買い切り作品と異なるため、旧作全体を「昔買わなかったゲームをセールで買う需要」だけで説明することもできません。

Bodycamの再ピークは実例ですが、市場全体で発売後の最高売上更新が増えたと証明する時系列データではありません。旧作比率、上位集中、個別の復活事例は、それぞれ別の情報として読む必要があります。

選び方見送ったゲームは更新内容を基準に再検討する

気になったまま買っていないゲームは、ウィッシュリストに残して割引通知を受ける方法が使えます。更新そのものを追うなら、ストアのフォローと公式のお知らせも確認すると、新機能と購入機会を分けて追えます。

購入前には、見送った理由が今回の更新で変わったかを確かめてください。欲しかったモードの追加、操作の改善、動作の安定など、自分の不満に関係する変更があり、更新後のレビューでも改善が見えるなら再検討する理由になります。

逆に、売上や同時接続の最高記録だけで購入を決める必要はありません。Bodycamは現在も早期アクセス作品です。完成度、対戦の好み、手持ちPCの動作要件を確認し、今ある内容に納得できるかで選ぶ方が確実です。

FAQ売上データで間違えやすい点

旧作の売上が79.5%なのですか?
79.5%は既存IPの比率です。前年以前に発売された作品の比率は、9月の売上上位500本では66.4%になります。
Bodycamの売上増はSteamの推薦が原因ですか?
原因別の寄与は公開データから分かりません。大型更新後に月間売上と同時接続の記録を更新したことと、Steamに再露出機能があることは別々に確認できます。

まとめ発売後にも売上のピークを作れる

9月の推計17億ドルを支えたのは新作だけではありません。Bodycamは発売2年以上後に初動を超え、カプコンはカタログ販売を経営戦略に組み込んでいます。成功した作品を長く売るだけでなく、更新や新しい話題で購入理由を再び作れることが、旧作の強さの一部を説明します。

発売日は、すべてのゲームにとって売上の頂点ではありません。以前見送った作品を選ぶなら、発売時の印象と現在の内容を分け、更新後の評判から判断できます。

出典:Alinea Analyticsの9月売上推計 / Alinea Analyticsの上半期売上推計 / Bodycam Steamストア / Reissad Studioの公式告知 / SteamDBの同時接続記録 / Steamworksの更新時露出の条件 / Steamworksの露出・通知の説明 / Steamworksの大型更新の販売施策 / カプコン2026年3月期決算説明資料

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