Steam Frameのバッテリー持ちが最大12%改善|SteamOS 0.4.3 Betaで実際は何分伸びる?【2026年10月】
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SteamOS 0.4.3 Betaで実際は何分伸びる?
Steam Frameのバッテリーは21.6Whで、本体だけで『Half-Life: Alyx』を動かすと1時間ほど、PCからストリーミングしても2時間前後で切れます。Valveが米国時間2026年10月1日(日本時間10月2日)に配信したSteamOS 0.4.3 Betaでは、この駆動時間がフレームレートと表示内容しだいで最大12%延びます。
12%は、1時間の使い方なら約7分、2時間なら約14分です。電池切れが少し先に延びる改善で、遊び方が変わるほどではありません。それでも同じ21.6Whで12%長く動くことは、平均消費電力が約10.7%下がったことに相当します。ハードウェアを変えずにソフトウェア更新だけで出した改善幅としては小さくありません。
一方で0.4.3はまだBetaで、Betaに切り替えた利用者からは、装着中に画面が消える近接センサーの不具合報告が続いています。
目次
要点SteamOS 0.4.3 Betaで変わったこと
ストリーミングと本体実行の両方で駆動時間が最大12%延び、PCVRで出る「Error 17」と、一部の国で付属の無線アダプターがつながらない問題にも修正が入りました。配信はBetaチャンネルだけで、Stableへの配信時期は案内されていません。
0.4.3の変更点を、影響を受ける使い方ごとにまとめると次のとおりです。
| 変更 | 内容 | 関係する人 |
|---|---|---|
| 電力効率 | ストリーミングと本体実行の両方で駆動時間が最大12%延びる。伸び幅はフレームレートと表示内容で変わる | すべての利用者 |
| Error 17 | VRストリーミングの接続の安定性を改善。PC側もSteamVR 2.18.2以降が必要 | PCVRで使う人 |
| 無線アダプター | 一部の国で付属の無線アダプターがつながらない問題を修正 | 無線アダプターでPCとつなぐ人 |
| 利き目だけ追跡 | アイトラッキングを片目だけに限定するアクセシビリティ設定を追加 | 片目の追跡が不安定な人 |
| まぶたの開き具合 | ストリーミング中に、まぶたの開き具合をOSCでPC側のアプリへ送れるようになった(SteamVR 2.18.2と組み合わせて使う) | アバターの表情連動を使う人 |
| 操作まわり | 『Google Earth VR』『Thumper』などでコントローラー設定が読み込まれない問題を修正。つかむ・サイズを変えるハンドルの操作も改善 | 該当ゲームを遊ぶ人 |
何分最大12%で伸びるのは1時間あたり約7分
駆動時間が12%延びるということは、これまでの時間が1.12倍になるということです。60分なら約67分、90分なら約101分、120分なら約134分で、増えるのは1時間あたり約7分です。
発売時のレビューで測られた駆動時間に当てはめると、次のようになります。
| 発売時の条件 | 発売時の実測 | 最大12%が出た場合 |
|---|---|---|
| 本体で『Half-Life: Alyx』 Playtimeモード・72fps上限 | 63分 | 約71分(+約8分) |
| 本体で『Half-Life: Alyx』 Performanceモード・明るさ75% | 1時間11分 | 約80分(+約9分) |
| 多くのVRゲーム Performanceモード | 約1時間30分 | 約1時間41分(+約11分) |
| PCから『Half-Life: Alyx』をストリーミング Playtimeモード | 114分 | 約128分(+約14分) |
| 多くのVRゲーム Playtimeモード | 2時間超 | 2時間14分超(+約14分〜) |
どの条件でも、伸びるのは8〜14分ほどです。「1時間しか持たなかったのが2時間になる」ような変化ではなく、あと10分あればチャプターの区切りまで遊べた、という場面を減らす程度の改善です。
ここに並べたのは、0.4.3を入れて測った値ではありません。発売時の実測に、Valveが示した最大値の12%を掛けた計算です。2026年10月3日時点で、0.4.3の前後を同じ条件で比べた実測はまだ出ていません。
もう1つ注意したいのは、同じ『Half-Life: Alyx』の本体実行でも、計測によって63分と1時間11分という8分の差が出ている点です。明るさや遊んだ場面、計測した個体が違うだけで、0.4.3の伸び幅と同じくらいの差が出ます。毎回の遊び方がばらばらだと、アップデートで長くなったことを体感で見分けるのは難しいでしょう。
消費電力12%長持ちは消費電力が約10.7%下がった計算
「駆動時間が12%延びた」は「消費電力が12%減った」と同じ意味ではありません。駆動時間はバッテリー容量を平均消費電力で割った値なので、容量が21.6Whのまま時間だけが1.12倍になったなら、平均消費電力は元の1÷1.12=約89.3%、つまり約10.7%減った計算になります。
発売時に計測された消費電力に当てはめると、次のとおりです。
| 使い方 | 発売時の消費電力 | 12%長持ちに相当する消費電力 |
|---|---|---|
| 本体実行 Performanceモード | 17〜20W | 約15.2〜17.9W |
| 本体実行 Playtimeモード | 12〜14W | 約10.7〜12.5W |
| PCからストリーミング | 10〜11W | 約8.9〜9.8W |
ValveはSteamOS 0.4.3で何Wから何Wへ下がったかを公表していないため、右の列も計算値です。それでも最大値が出る条件では、本体実行で2W前後、ストリーミングで1W強の削減が起きていることになり、誤差と片づけられる大きさではありません。
自分の環境で効いているかを確かめたいときは、Steamオーバーレイに表示される消費電力(W)を見るのが手早い方法です。Betaへ切り替える前と後で、同じゲームの同じ場面・同じモード・同じ明るさにそろえて数字を比べれば、残り時間の感覚に頼るより正確に差が分かります。
理由21.6Whで1時間前後しか持たない理由
Steam Frameは、Snapdragon 8 Gen 3で動くゲーム処理のほかに、左右2枚のディスプレイ、頭とコントローラーの位置を追うトラッキング、アイトラッキング、無線通信、冷却ファンを同時に動かしています。本体でゲームを動かすときの消費電力は17〜20Wで、21.6Whを20Wで割ると約65分、17Wなら約76分です。

| 平均消費電力 | 21.6Whを使い切るまで | 近い使い方 |
|---|---|---|
| 20W | 約65分 | 本体実行・Performanceモード |
| 17W | 約76分 | 本体実行・Performanceモード(軽い場面) |
| 13W | 約100分 | 本体実行・Playtimeモード |
| 11W | 約118分 | PCからストリーミング |
| 10W | 約130分 | PCからストリーミング・Playtimeモード |
本体でSteam Frame版『Half-Life: Alyx』を動かし、20W弱で1時間11分という実測は、この計算とほぼ一致します。残量を最後まで使い切れるわけではなく、場面によって負荷も上下するので、実際の時間は計算から数分ずれます。
ストリーミングで消費電力がほぼ半分になるのは、ゲームの描画をPC側のGPUが受け持ち、Steam Frameは届いた映像の復号とトラッキングを処理するだけで済むからです。
Valveのソフトウェアエンジニア、Jeremy Selan氏も発売前の取材で「バッテリーと発熱が、このデバイスの最終的な限界になる」と語っています。頭に載せる機器である以上、重さを抑えるために電池を大きくする余地は限られます。0.4.3のように、ソフトウェア側で消費電力を削る改善が積み重なることには意味があります。
違い0.3.0は充電の速さ、0.4.3は電池が持つ時間を改善
Steam Frameのバッテリーまわりは、米国時間9月17日に配信されたSteamOS 0.3.0でも改善されています。ただし直した場所が違います。
| バージョン | 改善した点 | 使う側の変化 |
|---|---|---|
| SteamOS 0.3.0 Stable | 電源オフ・スリープ中の充電を大幅に高速化 | 電池切れからの充電待ちが短くなった |
| SteamOS 0.4.3 Beta | ストリーミングと本体実行の電力効率を改善 | 電池が切れるまでの時間が最大12%延びる |
発売時のSteam Frameは「1〜2時間で電池が切れるうえに、充電も遅い」という二重の弱点を抱えていました。0.3.0で充電側、0.4.3で消費側に手が入ったことになります。0.3.0でどれだけ充電が速くなったかは、SteamOS 0.3.0の充電改善(8W→最大42W)で実測値と充電器の選び方を整理しています。
Betaチャンネルでは、米国時間9月25日の0.4.1、9月29日の0.4.2、10月1日の0.4.3と、1週間で3回の更新が続いています。0.4.1と0.4.2は無線アダプターの接続、ダッシュボード、近接センサー、ストリーミング中の音声と接続の安定性が中心でした。発売から日が浅く、実際に使われて見つかった問題を短い間隔で詰めている段階です。
PCVRError 17の修正はPC側のSteamVR 2.18.2とセット
PCからSteam FrameへVRゲームをストリーミングするときに接続が切れる「Error 17」には、0.4.2に続いて追加の修正が入りました。ただしSteam Frame側だけを0.4.3にしても足りず、PC側のSteamVRも2.18.2以降にする必要があります。
SteamVR 2.18.2も、10月1日時点ではベータ版です。PCのSteamライブラリでSteamVRの歯車アイコンから「プロパティ」→「ベータ」を開き、「SteamVR Beta Update」を選ぶと切り替わります。Steam Frame本体の0.4.3にも、同じSteamVR 2.18.2が含まれています。
一部の国で付属の無線アダプターがつながらなかった問題も0.4.3で直っています。対象の国は示されていません。PCVR中心で使っていて接続の不安定さに困っているなら、12%の電池改善よりもこちらのほうがBetaへ切り替える理由になります。
アイトラッキングアイトラッキングを利き目だけに限定できるように
0.4.3では、アイトラッキングを片目だけに限定するアクセシビリティ設定が加わりました。VR Settingsで「show advanced settings」を有効にしたうえで、「General」の「Track Dominant Eye Only」をオンにします。
0.4.1でも利き目を指定する設定が追加されていましたが、こちらはSpectator View(PCなどでヘッドセット内の映像を確認する機能)やスクリーンショットに、どちらの目の映像を使うかを決めるものでした。0.4.3ではアイトラッキングそのものを利き目だけに絞れるので、片方の目をうまく追跡できない人が使える設定になっています。
同じ10月1日のSteamVR 2.18.2では、Steam Frameからストリーミングしているときに、まぶたの開き具合をOSCで出力できるようになりました(Steam Frame側は0.4.3以降が必要)。OSCはアプリ間で値をやり取りする通信方式で、VRChatもOSCで目の向きとまぶたの開閉を受け取る仕組みを公開しています。受け取る側のアプリがそのまま対応するかはアプリしだいで、OpenVR SDK経由での提供も今後のリリースで予定されています。
判断0.4.3 Betaに切り替えるべき人・待つべき人
0.4.3は、Steam Frame本体の「Settings」→「System」→「System Update Channel」でBetaを選ぶと配信されます。Stableへの配信時期は案内されていません。
- 本体実行が多く、数分でも駆動時間を延ばしたい
- PCVRでError 17による切断が起きている(PC側もSteamVR 2.18.2へ)
- 付属の無線アダプターがつながらない
- 片方の目のアイトラッキングが安定しない
- 装着中に画面が消えると困る(Betaで報告が続いている)
- 今のStableで不満がなく、電池も2時間前後で足りている
- 不具合が出たときにチャンネルを戻す手間をかけたくない
気をつけたいのは近接センサーです。Valveは0.4.1と0.4.2で、装着を検知する近接センサーの判定を改良しています。ところがSteamの不具合報告フォーラムでは、Betaに切り替えてから、かぶっているのに画面が消える頻度が増えたという報告が複数あり、0.4.3が配信された10月1日以降も「まだ起きる」という投稿が続いています。Stableに戻したら症状が軽くなったという声もあります。
Valveはこの症状を既知の不具合として告知しておらず、すべての個体で起きるわけではありません。それでもBetaに切り替える前に知っておきたい点です。Stableで困っていないなら、最大12%のためだけに急いでBetaへ移る必要はありません。電池の持ちを本当に延ばしたいなら、次の方法のほうが効果ははるかに大きくなります。
おすすめ長く遊ぶならモバイルバッテリーのほうが効く
Valveは、交換しながら使えるホットスワップ対応バッテリーと、Valve Indexのような耳から離して鳴らすスピーカーを備えた純正ヘッドストラップを開発中です。ただし価格も発売時期も決まっていません。それまでの間、駆動時間を大きく延ばせるのはUSB PD対応のモバイルバッテリーです。
Steam Frameの充電口は後頭部のバッテリー部にあるUSB-Cで、受けられるのは最大45W(15V/3A)です。Valveは充電器に最低27W、推奨45Wを求めているので、モバイルバッテリーも15V/3A(45W)を出せるものを選びます。モバイルバッテリーをポケットに入れてケーブルを後頭部へつなげば、遊びながら給電できます。
変換のロスを見込み、表示容量の7割が本体に届くと仮定して計算すると、延びる時間は次のとおりです。
| モバイルバッテリー | 本体実行(約18W) | ストリーミング(約10W) |
|---|---|---|
| 10000mAh 36Wh | 約1時間24分 | 約2時間31分 |
| 20000mAh 72Wh | 約2時間48分 | 約5時間2分 |
0.4.3で増える8〜14分と比べると、10000mAhでも延びる時間はおよそ10倍です。座って遊ぶなら壁のコンセントにつないだ充電器でも足りますが、歩き回るルームスケールの遊び方では、ポケットに入るモバイルバッテリーのほうが取り回しが楽です。
選ぶ基準は、USB-Cから15V/3A(45W)を出せることと、ケーブルが後頭部から手元まで届くことの2点です。Anker Nano Power Bank(10000mAh, 45W)は、引き出せる長さが約70cmの巻取り式USB-Cケーブルが本体と一体になっていて、重さは約230gです。もっと長く遊びたいならAnker Power Bank(20000mAh, 87W)で、容量は2倍、USB-Cは最大65W出力です。こちらの内蔵ケーブルは約14.5cmと短いので、本体側のUSB-Cポートに1m前後のケーブルをつないで使います。
FAQよくある質問
まとめまとめ|0.4.3で増えるのは8〜14分、長く遊ぶならモバイルバッテリー
SteamOS 0.4.3 Betaは、Steam Frameのストリーミングと本体実行の両方で、駆動時間を最大12%延ばします。発売時の実測に当てはめると、本体実行の63分は約71分、ストリーミングの114分は約128分です。
伸びる時間は8〜14分ほどですが、同じ21.6Whで12%長く動くことは平均消費電力の約10.7%減に相当し、ソフトウェア更新だけで出した改善としては小さくありません。0.3.0で充電の遅さ、0.4.3で消費電力と、発売時の弱点に順番に手が入っています。
ただし0.4.3はBetaで、装着中に画面が消える近接センサーの報告も続いています。Error 17や無線アダプターの接続に困っていなければ、Stableへの配信を待っても損はありません。今すぐ長く遊びたいなら、15V/3A(45W)を出せるモバイルバッテリーをつなぐほうが確実で、10000mAhでも計算上は本体実行で1時間以上延ばせます。
SteamOS 0.4.3でSteam Frameの電池問題が解決したわけではありません。21.6Whで本体実行1時間前後という制約は残ったまま、Valveがソフトウェア側から消費電力を削り始めた段階です。Betaに切り替えるのは、Error 17や接続の不具合に困っている人と、数分でも延ばしたい人。それ以外はStableへの配信を待ち、長時間プレイはモバイルバッテリーで補うのが現実的です。
出典:Valve「SteamOS 0.4.3 (Beta) for Steam Frame」、Valve「SteamVR Beta Updated – 2.18.2」、Steam「Steam Frame」製品ページ、Steamworks「Steam Frame setup」、PC Gamer「Steam Frame review」、PC Gamer「Valve working on Steam Frame strap that adds Index-like speakers and hot-swappable batteries」、ComputerBase「Valve Steam Frame im Test」、Ars Technica「Steam Frame: The Ars Technica review」、Steamコミュニティ「Proximity sensor unstable」、VRChat「OSC Eye Tracking」





