Ryzen X3Dの偽物が相次ぐ|コアがない9900X3Dも報告、刻印・シリアル・裏面の確認方法と購入時の注意点
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コアがない9900X3Dも報告、刻印・シリアル・裏面を確認
出典:VideoCardz「Walmart customer receives fake Ryzen 7 9800X3D, retailer refused to refund」記事、Hardware Busters「Amazon Sold me a FAKE AMD Ryzen 7 9800X3D」記事、Notebookcheck「Fake Ryzen 7 9800X3D shipped to reviewer via Amazon turned out to be an AMD FX-4100」記事、AMD公式「How to Determine the Authenticity of an AMD Boxed Processor」記事(いずれも2026年9月19日確認)、およびVideoCardz「Amazon customer reportedly receives Ryzen 9 9950X3D2 with an Intel CPU underneath」記事、Wccftech「User Receives AMD Ryzen 9 9950X3D2 Dual Edition With An Intel CPU Substrate Inside Sealed Pack Box From Amazon」記事、OC3D「Buyer receives fake 3D-printed AMD Ryzen 9950X3D CPU from returns company」記事(2026年4月16日掲載)にもとづきます。 9900X3Dの事例はPCワンズの2026年10月27日の投稿と、Wccftechの10月28日の報道によります。
Ryzen 9 9900X3Dの偽物を疑う手がかりは、型番や部品番号の刻印、箱と本体のシリアル番号、基板や接点の外観です。PCワンズが公開した個体では、ヒートスプレッダ(IHS)を外した内側にコアがなく、印字も正規品と異なっていました。ただし、文字の見え方だけで本物・偽物を断定することはできません。
2026年10月16日、Amazonが販売・発送したRyzen 9 9950X3D2 Dual Edition(2026年4月22日の発売時の希望小売価格は899ドル)の裏面が、本来のAM5用CPUとは別物に見えるとする投稿がRedditにありました。購入者はどちらもAmazon販売・発送で、密封された箱で届いた2個を見比べています。新しく届いた個体は金色の接点がない広い領域があり、基板はIntelの旧世代デスクトップCPUに似ているという指摘が出ています。
高額なX3D系CPUを狙った偽装・すり替え事例はこれが初めてではありません。2026年9月には、米国Walmartの実店舗で購入した封印済みの9800X3Dで、CPU本体と箱のシリアル番号が一致しなかったとする報告もありました。2026年4月には、Amazon返品品を扱う二次流通業者から購入したRyzen 9 9950X3Dの中身が、本物のヒートスプレッダと3Dプリント製の台座を組み合わせた偽物だったことが報告されています。さらに2025年3月には、Amazon.de(ドイツのAmazon)で購入した封印済みのRyzen 7 9800X3D(購入者によれば販売元もAmazon)の中身が、旧世代のAMD製CPUだった事例も海外の検証メディアが報告しています。
つまり現在は、「マーケットプレイスや中古、極端に安いCPUだけ避ければ大丈夫」とは言い切れなくなっています。分かれ目になるのは、封印とセキュリティラベルの確認で終えるか、CPU本体のシリアル番号と裏面まで見るかです。AMD公式が案内するラベル・QRコード・シリアル番号の確認と、装着前の裏面チェックを組み合わせれば、すり替えに気づける可能性が高まります。
目次
9900X3D事例2026年10月、コアがない9900X3Dと刻印の違い
PCワンズは2026年10月27日、顧客から提供されたRyzen 9 9900X3Dを装う個体について、肝心のコアがないと報告しました。公開された写真には、IHSを外した基板とフタ、偽装された個体の表面、比較用の正規品が写っています。IHSの下には通常のCPUチップが見当たらず、型番「AMD Ryzen 9 9900X3D」や部品番号の文字の形・間隔も、比較用の正規品と異なります。
購入先をPCワンズと決めつけることはできません。投稿は顧客から提供された個体であると説明しており、どの店で買ったのか、どの段階で偽物が混入したのかまでは示していません。既存のAmazon返品品の事例と同じ経路だったとも断定できません。
購入前は商品名だけでなく、実際の販売元・新品か中古か・返品受付期限と開封後の対応条件を確認してください。受け取ったら箱の型番と注文内容を照合し、AMD公式のラベル・QRコード・シリアル確認を行います。開封後は装着する前に刻印と裏面を撮影し、同じ型番の正規品の写真と比べて、不審な接点配置や部品の違いがないかを確認してください。
空洞かどうかを確かめる目的での分解は避けてください。CPUを傷めたり、返品・保証の判断に影響したりするおそれがあります。刻印や外観に違和感があれば使用を止め、箱・ラベル・CPU両面・購入記録を残して販売元へ相談してください。外観が似ていることだけでも、正規品とは断定できません。
Amazon事例2026年10月、Amazon販売の密封9950X3D2にIntel基板の疑い
投稿したのはRedditユーザーのdanthebigbossさんです。Amazonが販売・発送した9950X3D2を2個購入し、どちらも密封された状態で届いたと説明しています。古いほうは正常なAM5の接点配置でしたが、最近届いたほうは裏面に金色の接点がない広い領域があり、2個の裏面が明らかに違っていました。
コメント欄では、基板がAMDのAM5用ではなく、Intelの旧世代デスクトップCPU(LGA1151系ではないかとの推測)に似ているという指摘が相次ぎました。ハード系アカウントのUNIKO’s Hardwareも写真を見たうえで、Intel製CPUの基板にRyzenのヒートスプレッダ(IHS)を載せたものではないかと推測しています。その根拠は、AMDのCPUは裏面の面積を接点に使うためコンデンサを表側に置く一方、Intelは裏面の接点の間に置けるという基板の作りの違いです。
Intel基板説は写真からの推測で、AMD・Amazonによる確認ではありません。Reddit上では、前の購入者がIHSを外して本物のRyzenを抜き取り、Intel製CPUに付け替えて返品したという説が有力視されていますが、これも未確認です。購入者は両方とも密封だったと説明していますが、それだけでは返品や改造が出荷前になかったことの証明にはなりません。報道の時点で、Amazonからの説明は示されていません。
これは米国のAmazonでの報告です。この事例で異常に気づく手がかりになったのは、開封したあとのCPU裏面でした。AMD公式のシリアル照合や封印の確認に加えて、装着する前にCPU裏面を見ると、異常に気づける可能性があります。AM5のCPUは裏面全体に接点が並ぶ作りで、手元に正規品の写真があれば見比べられます。AMD公式の製品ページに載っている画像や、メーカーのレビュー写真が比較に使えます。
Walmart事例2026年9月、Walmart店頭で購入した9800X3Dが偽物だったとの報告
海外の検証メディアが2026年9月19日に報じた事例では、Redditユーザーが米国のWalmart実店舗でRyzen 7 9800X3Dを購入しました。購入者によると、商品は店内のショーケースに保管されており、店員が取り出したパッケージには封印も残っていたとされています。
ところが自宅でCPUを取り付けてもPCは起動しませんでした。購入者はもともと別のRyzen 7 9800X3Dを所有しており、元のCPUへ戻したところPCは正常に起動したため、新しく購入したCPU側に問題がある可能性が高まりました。店舗へ返品しようとした際には、さらに大きな問題が判明します。購入者の報告によると、CPU本体に印字されていたシリアル番号とパッケージ側のシリアル番号が一致しておらず、店舗側はこのシリアル番号の不一致を理由に返金を拒否したとされています。購入者はその後、クレジットカード会社へ異議申し立てを行っています。
これらは購入者がRedditへ投稿した内容をもとに海外メディアが報じたもので、Walmart側が偽物の混入経路や返金対応について公式に説明したわけではありません。以前購入した人物が本物のCPUを抜き取り、偽物へ交換して再封印した可能性も考えられていますが、どの段階で偽物が混入したのかは確認されていません。少なくとも外から見て「封印されている」ことだけでは、本物と判断できない可能性があります。
今回の購入者は正常に動作するRyzen 7 9800X3Dも所有していたため、疑わしいCPUと本物を直接比較しています。掲載された写真では、疑わしいCPUは本物よりPCB部分が青みがかって見えるほか、ヒートスプレッダ上の文字配置にも違いがあります。さらに購入者はCPUのシリアル番号をAMDの検索システムへ入力したものの、該当する情報が見つからなかったとしています。
Amazon返品事件「中身が空っぽの9950X3D」事件の全容
購入者の投稿にもとづく海外報道では、この事件は次の流れで報告されています。
推測される手口考えられる手口|返品を悪用したすり替え
IHSとCCDとI/Oダイの塊であるCPUから、外装だけを残してシリコンを抜き取るというのは、もはや個人の悪戯レベルではありません。以下は報道や購入者コメントで想定されている流れで、確認された事実ではありません。
- Amazonで新品9950X3Dを購入
- CPUを「デリッド」してIHS(金属フタ)だけ取り外す——デリッド作業は専用工具があれば個人でも可能
- 3Dプリンタでダミー基板を作成し、IHSを接着——IHSは本物のため、刻印だけでは判別できない
- AMD純正パッケージに戻し、未開封風にシールを貼り直す——外から見えるのはIHS面だけで、裏面は確認できない
- 「誤購入」「使わなかった」として返品——返品時にどこまで中身が確認されるかは報じられていません
- 返品品が二次流通に回る——この経路をたどったとみられる事例もありますが、確認されていません
- 格安出品を善意の買い手が購入
外から見えるのはIHSと製品名ラベルまでです。封印を戻した状態では目視で見分けにくく、開封後にCPU裏面とシリアル番号を確かめることが最後の確認になります。
類似事例Amazon・Walmartで複数のすり替え・偽装が報告されている
いずれも海外の事例で、購入者本人の投稿や報告にもとづきます。
報告された主な事例は、2026年10月にPCワンズが公開した9900X3D(コアがない個体と刻印の違い)、同月のAmazon販売の9950X3D2(Intel基板の疑い)、2026年9月のWalmartの9800X3D(シリアル不一致)、2026年4月のAmazon返品品の9950X3D(3Dプリント製の台座)、2025年3月のAmazon.de販売の9800X3D(中身が旧世代CPU)です。共通するのは、IHSや外装は本物らしいまま、中身が別物になっている点です。高額なX3D系は、こうしたすり替えの対象になりやすいとみられます。2025年3月には、Amazon.de(ドイツのAmazon)で購入した封印済みのRyzen 7 9800X3D(購入者によれば販売元もAmazon)から、旧世代のAMD製CPUが見つかった事例を海外の検証メディアが報告しています。9800X3Dに見せかけるためヒートスプレッダにステッカーが貼られていたとされ、購入者はAmazonから直接・通常価格で新品を購入し、自身が最初に開封したと説明しています。「返品品を扱う業者だから」「相場より極端に安いから」だけがリスク要因ではないことを示す事例です。
確認方法AMD公式は「封印だけ」ではなく4段階での確認を案内
AMDは、パッケージ版Ryzenプロセッサーが正規品か確認する方法を公式サイトで公開しています。最初に確認するのは、箱が正しく封印され、改ざんされた形跡がないかどうかです。しかし確認はそこで終わりません。
AMDのセキュリティラベルには、見る角度によって色が変化するAMDロゴと、「VALID」の文字が入った透明なホログラフィックストライプが使用されています。さらにラベル上のQRコードを読み取り、AMDのサイトで製品情報を確認できます。そして特に重要なのが、箱の窓から確認できるCPU本体のシリアル番号と、セキュリティラベル側に記載されたシリアル番号が一致しているか確認することです。今回Walmartで報告された事例では、まさにこのシリアル番号が一致していませんでした。未開封に見えるCPUでも、開封する前にここまで確認しておけば、偽物やすり替え品を早い段階で発見できる可能性があります。ただし2026年10月のAmazon事例は「密封」と報告されており、ラベルやシリアルが正規だったかは報じられていません。封印やラベルを確認したうえで、さらにCPU本体の裏面とシリアルまで見る、という二重の確認が必要です。
自衛策正規新品を安全に買うためのチェックリスト
- Amazon.co.jp 本体(販売元「Amazon.co.jp」)の新品や、TSUKUMO・ドスパラ・パソコン工房などの専門店の新品を選ぶ。マーケットプレイス・Outlet・中古は避ける
- 購入後は開封前にAMD純正セキュリティラベルの色変化・「VALID」ホログラム・QRコードを確認する
- 箱の窓からCPU本体のシリアル番号を確認し、パッケージ側のシリアル番号と一致しているか比較する
- 開封したら、PCへ装着する前にCPU裏面(接点側)を撮影し、AMD公式の画像と見比べる。接点の配置や基板の部品位置が違えば装着しない
- 異常を見つけたら箱・セキュリティラベル・CPU両面・注文画面を撮影して残し、販売元に連絡する(返金や交換の可否は販売元の判断になります)
- 開封後はCPU本体のシリアル番号を控え、購入元へ連絡する場合に備えて写真とあわせて保管する
- 相場より極端に安い出品は、販売元・出品者評価・返品ポリシーを必ず確認する
- Amazon Outlet(アウトレット)の高額CPU(特にX3D系)——返品品が含まれる場合がある
- マーケットプレイス出品の「新品同様」CPU——発送元が海外倉庫のケース
- 相場より大幅に安い出品——価格だけで判断せず、販売元・商品状態・返品条件を購入前に確認する
- フリマアプリで「誤購入・未使用」と書かれた高額CPU——返品の可否は出品者との個別の条件しだい
- 海外直送のbinストア・リターンパレット業者——返品条件を事前に確認しにくい
- 出品者評価が少ない・極端に新しいアカウントからの購入
装着後に正常起動するPCで注文型番と認識された名称を照合する手順は、Ryzenの型番が注文と違うときの確認と販売元への連絡を参照してください。CPU-Z自体の機能は、CPU-ZとValidatorの使い方で確認できます。
参考正規新品を選ぶうえで確認したい9950X3D / 9800X3D
数万円の節約のために数万円失うのでは本末転倒です。高額なX3D系CPUを狙うなら、Amazon.co.jp本体の新品を正規価格で買うのが基本の選択肢になります。ただしAmazon.de・Walmartの事例が示す通り、販売元が大手で新品・封印済みであっても偽物が混入した事例は海外で報告されているため、購入後は前章のAMD公式確認方法もあわせて実施してください。
まとめまとめ|封印・大手販売元だけでは正規品の保証にならない
2026年10月にPCワンズが公開した9900X3D、同月のAmazon販売の密封9950X3D2、2026年9月のWalmart事例、2026年4月のAmazon返品品9950X3D事件、2025年3月のAmazon.de新品9800X3D事件——高額CPUを狙った偽装・すり替えは、特定の販売チャネルだけの問題ではなく複数の経路で報告されています。共通しているのは、外装が封印されていることや、販売元が大手であることだけでは正規品の保証にならないという点です。
信頼できる販売元から新品を購入したうえで、到着後はAMD公式のセキュリティラベル・QRコード・シリアル番号照合に加えて、装着前のCPU裏面の確認まで自分で行うのが現実的な自衛策です。自作PCは「組み立てた後に気付いても遅い」世界。入口のCPU選びから、信頼できるルートを使い、開封前の確認を習慣にしてください。






