最強ゲーミングCPU決定戦|Ryzen 7 9800X3D vs Core Ultra 9 285K 徹底比較

2026.1.20
最強ゲーミングCPU決定戦|Ryzen 7 9800X3D vs Core Ultra 9 285K 徹底比較

2025年、自作PC市場の頂点を争う2つのCPUが登場しました。ゲーミング性能で他を圧倒する「Ryzen 7 9800X3D」と、新世代アーキテクチャで電力効率とマルチ性能を磨いた「Core Ultra 9 285K」。どちらがあなたのPCに最適なのか、ベンチマークとスペックから徹底的に比較します。

スペック比較 アプローチの異なる2つの怪物

Ryzenは「巨大なキャッシュによるゲーム特化」、Intelは「24コアによる圧倒的マルチタスク」という、明確に異なる強みを持っています。

項目 Ryzen 7 9800X3D Core Ultra 9 285K
コア / スレッド 8コア / 16スレッド 24コア / 24スレッド (8P+16E)
最大クロック 5.2GHz 5.7GHz
L3キャッシュ 96MB (合計104MB) 36MB
TDP / 最大消費電力 120W / 162W 125W / 250W
内蔵AI (NPU) なし あり (13 TOPS)
ソケット AM5 LGA 1851
メモリ規格 DDR5-6000 (熟成の安定性) DDR5-8000+ (CUDIMMによる次世代速度)
外部接続 USB 4.0 / PCIe 5.0 Thunderbolt 5 (最大120Gbps)
参考価格 7万5000円前後 10万円前後

特に注目すべきは、単なるコア数以外の「次世代規格」への対応差です。Intel Core Ultra 9 285Kは、新規格メモリ「CUDIMM」に対応しており、従来のDDR5では到達できなかった8,000MT/s超の高速通信が可能です。また、次世代規格「Thunderbolt 5」をネイティブサポートするなど、2026年以降の最新デバイスをフル活用するための拡張性において、Ryzenを一歩リードしています。

ゲーミング性能 Ryzen 7 9800X3Dが「王座」を死守

ゲーミングベンチマークにおいては、Ryzen 7 9800X3DがCore Ultra 9 285Kを圧倒しています。特にフレームレートが重要な1080p環境では、平均で20〜30%以上の性能差をつけるタイトルも珍しくありません。

CPU 平均FPS (主要15タイトル平均) 1% Low FPS (安定性)
Ryzen 7 9800X3D 約 195 FPS 約 134 FPS
Core Ultra 9 285K 約 145 FPS 約 107 FPS

注目すべきは「1% Low(最小フレームレート)」で、AMDの方がカクつきが少なく、競技性の高いFPS(Valorant, Apex Legends等)において圧倒的な優位性を持ちます。

ただし、Intel側にも無視できない「伸び代」があります。Core Ultra 9 285Kは、超高速なCUDIMMメモリと組み合わせることで、データの転送遅延を極限まで抑え、Ryzenとの1% Low FPS(最小フレームレート)の差を大幅に詰めることが可能です。 さらに、24コアという圧倒的なリソースは、「ゲームをしながらDiscordで配信し、ブラウザで攻略情報を開く」といったハードなマルチタスク下で真価を発揮します。バックグラウンド処理をEコアに任せることで、実使用シーンにおける「体感の滑らかさ」では、数値以上の粘り強さを見せてくれます。

  • 3D V-Cacheの威力: キャッシュ配置を改善した第2世代3D V-Cacheにより、熱耐性が向上。高クロックを維持しながら、スタッター(カクつき)の少ない滑らかな描写を実現しています。
  • Intelの現状: Core Ultra 9 285Kは、前世代の14900Kと同等か、タイトルによっては下回るケースもあり、純粋なゲームマシンとしてはAMDに一歩譲る形となっています。

クリエイティブ性能 Core Ultra 9 285Kが「圧勝」

一方で、動画編集、3Dレンダリング、コードコンパイルなどのマルチスレッド性能では、Core Ultra 9 285KがRyzen 7 9800X3Dを「ダブルスコア」に近い差で引き離します。

CPU マルチスコア (Pts) シングルスコア (Pts)
Core Ultra 9 285K 約 2,520 約 142
Ryzen 7 9800X3D 約 1,350 約 130
  • 24コアの暴力: 物理コア数の違いがそのまま作業時間に直結します。クリエイティブな仕事がメインならIntel一択です。
  • 最新機能: 専用NPUを搭載しており、AIを活用したノイズ除去や動画加工において、将来的な恩恵が大きいのもIntelのメリットです。

2026年現在、このNPUは動画の自動カットやAIノイズキャンセリング、さらにはゲーム内のAI NPCとのリアルタイム会話処理など、日常的なシーンでフル活用されています。Ryzen 7 9800X3Dにはこの専用エンジンがないため、「クリエイティブとAIの融合」という点ではIntelが一段上のステージにいます。

実用化されたNPU(AIエンジン)がワークフローを変える

2026年現在、Core Ultra 9 285Kに搭載されたNPU(Intel AI Boost)は、単なるスペック上の数値ではなく、クリエイターの「待ち時間」を減らす実用的な武器となっています。

動画編集のバックグラウンド処理
Adobe Premiere Pro等での「自動字幕生成」や「被写体トラッキング」をNPUが肩代わりします。従来はCPU/GPUを占有していたこれらの処理をNPUに任せることで、エンコード中もプレビュー画面がカクつかず、別の編集作業を並行して進めることが可能です。

ライブ配信の「負荷ゼロ」高画質化
OBS Studioでの背景ぼかしやノイズ除去をNPUで処理。GPUのパワーを100%ゲームに回せるため、ストリーマーは画質を一切犠牲にすることなく、安定した配信環境を構築できます。

ローカルAI生成の高速化
画像生成AI(Stable Diffusion等)において、GPUとNPUを協調動作させることで生成時間を短縮。クラウドを介さないローカル処理により、プライバシーを守りつつ試行錯誤の回数を劇的に増やせます。

作業内容 従来(第14世代以前) Core Ultra 9 285K(NPU活用) メリット
動画の自動字幕生成 CPUが高負荷になり、作業が一時停止 NPUが裏で処理 作業が中断されない
Web会議の背景ぼかし GPUを消耗し、PCが熱くなる NPU専用処理 PCが静かで動作も軽い
AI画像補正 完了まで数秒〜数十秒待機 NPU支援で即時完了 テンポよく制作できる

最新インターフェースとメモリの進化

両CPUの最大の違いは、実は演算性能そのものよりも、「周辺機器やメモリと、どれだけ高速に通信できるか」というプラットフォームの設計思想にあります。

Intel CUDIMMとThunderbolt 5による「次世代の規格対応」

Core Ultra 9 285K(LGA 1851プラットフォーム)は、これまでのPCの常識を塗り替える2つの新規格を導入しています。

新規格メモリ「CUDIMM」のサポート
従来のDDR5メモリは、高クロックになると信号の劣化が問題でした。Core Ultra 200Sシリーズが対応するCUDIMM(Clock Unbuffered DIMM)は、メモリ基板上にクロックドライバを搭載することで、8,000MT/s〜10,000MT/sという異次元のメモリ帯域を安定して実現します。これにより、メモリ負荷の高い最新ゲームや、膨大なデータを扱う動画編集でのボトルネックが完全に解消されました。

次世代高速規格「Thunderbolt 5」
Z890マザーボードとの組み合わせにより、最大120Gbpsの転送速度を誇るThunderbolt 5をネイティブサポート。外付けSSDへの超高速バックアップや、高リフレッシュレートの8Kモニター複数枚への出力など、プロクリエイターが必要とする拡張性を備えています。

AMD AM5プラットフォームの「成熟と安定」

対するRyzen 7 9800X3D(AM5プラットフォーム)は、冒険よりも「ゲーマーにとっての最適解」を追求しています。

DDR5-6000(EXPO)の最適解
AMDは、無限ループ(Infinity Fabric)との同期効率が最も良いDDR5-6000付近を推奨しています。Intelのような超高クロックメモリは必要とせず、市場で安価に流通している高性能メモリで最大限のゲーム性能を引き出せるのがメリットです。

PCIe 5.0の全面採用
GPU(グラフィックボード)用とM.2 SSD用の両方でPCIe 5.0をフル活用できる設計です。2026年登場の最新ハイエンドGPUの帯域を余すことなく使い切ることができ、ゲームのロード時間を極限まで短縮する「DirectStorage」環境においてもトップクラスの性能を維持します。

消費電力とワットパフォーマンス

今回の世代交代で最も注目すべきは、両者ともに「扱いやすさ」が向上した点です。

  • Ryzen: ゲーム中の消費電力は非常に低く、空冷クーラーでも運用可能なほど。圧倒的な「ワッパ」を誇ります。
  • Intel: 前世代(14900K)の爆熱から一転、Core Ultra 9 285Kは消費電力を劇的に改善。高いマルチ性能を出しつつも、360mm簡易水冷で余裕を持って冷やせるレベルに収まっています。

運用コスト 電気代とパーツ選びの視点

比較項目 Ryzen 7 9800X3D 構成 Core Ultra 9 285K 構成
推奨CPUクーラー 空冷(5,000円〜) 簡易水冷(15,000円〜)
推奨電源容量 750W〜 850W〜1000W
年間電気代 (目安) 安い (ゲーム重視なら最強) 標準〜やや高い (作業量に依存)
パーツの将来性 AM5ソケットの継続性 最新規格(TB5/CUDIMM)の先行導入

CPU選びにおいて見落としがちなのが、購入後の「電気代」と、その性能を引き出すために必要な「周辺パーツ(冷却・電源・マザーボード)」のコストです。2026年の市場環境に基づき、両者の違いを徹底分析します。

維持費(電気代)のシミュレーション

Ryzen 7 9800X3D(省エネの王者)
ゲーム中の消費電力は極めて低く、多くのタイトルで100Wを切ることも珍しくありません。1日5時間ゲームをする場合、Intel環境と比較して年間で約5,000円〜8,000円程度の電気代削減が見込めます。

Core Ultra 9 285K(高効率だがパワーも使う)
前世代(i9-14900K)のような「無制限の電力消費」は抑えられ、ワットパフォーマンスは劇的に改善しました。しかし、24コアをフル稼働させる作業(動画書き出し等)ではそれなりの電力を消費します。ただし、低負荷時の省電力性能は高いため、事務作業や動画視聴メインの時間帯はRyzenと同等の低消費電力で動作します。

冷却システムのコスト差

Ryzen
発熱がマイルドなため、5,000円前後の高性能空冷クーラーでも十分運用可能です。これにより、ケースのサイズを抑えたり、ファンノイズを小さくしたりといったメリットが生まれます。

Intel
285Kは冷やしやすくなったとはいえ、マルチスレッド性能をフルに発揮させるなら240mm〜360mmの簡易水冷クーラー(1.5万円〜3万円)が推奨されます。

マザーボードと電源の選択

マザーボード
RyzenはAM5ソケットを継続しており、安価なB650から最新のX870Eまで選択肢が広いです。

Intelは新ソケットLGA1851(Z890等)が必須。初期投資は高めですが、最新のThunderbolt 5などの次世代インターフェースが手に入る「先行投資」としての側面があります。

電源ユニット
Ryzenなら750Wクラスで余裕。

Intelなら、最新GPU(RTX 50シリーズ等)との組み合わせを考慮し、850W〜1000W(ATX 3.1準拠)の電源を選んでおくと安心です。

結論:あなたはどちらを買うべきか?

「Ryzen 7 9800X3D」がおすすめな人

  • ゲーミングPCとしての完成度を極めたい。
  • FPSゲームで1フレームでも高いスコアを出したい。
  • 消費電力を抑え、静かなPCを作りたい。

「Core Ultra 9 285K」がおすすめな人

  • ゲームもするが、動画編集やAI活用、仕事がメインの「パワーユーザー」。
  • 最新のCUDIMMメモリやThunderbolt 5など、最先端のPC環境を構築したい人。
  • 「配信しながらゲーム」など、マルチタスク下での安定性を最重視する人。
特徴 Ryzen 7 9800X3D を選ぶべき理由 Core Ultra 9 285K を選ぶべき理由
主な用途 ゲーミング特化 (FPS, 大規模シミュレーション) プロ作業・AI (4K動画編集, 3D制作)
強み 低遅延、低消費電力、AM5プラットフォーム 多コア、内蔵NPU(AI対応)、Thunderbolt 4
弱み マルチスレッド性能は中堅クラス ゲーム性能が世代トップではない

総評: ゲーミング重視ならRyzen 7 9800X3Dが「最強」の名に相応しい選択です。しかし、1台のPCで何でもこなす「万能の怪物」を求めるなら、Core Ultra 9 285Kがその期待に応えてくれるでしょう。

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執筆者プロフィール

ゲーミングスタイル管理人|自作PC愛好家・ゲーム歴15年超

ゲーミングPC歴は15年以上。初めての自作PCに魅了されて以来、毎年のようにパーツを更新しながら最新のトレンドを追いかけています。現在も現役で自作ゲーミングPCを組み替えながら、より快適でコスパの良い構成を探求中。 当サイト「ゲーミングスタイル」では、初心者にもわかりやすく、でも上級者も満足できるような情報発信を心がけています。パーツ選びや比較記事、トラブル対処法まで、実体験に基づいたリアルな情報をお届けします。