Ryzen 5 8400F レビュー|Zen 4×6で20,800円・7500Fとの4,472円差をどう見るか【2026年9月】
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ハイブリッドなのは8500Gの方 ・ 7500F とは 4,472円差 ・ GPU には PCIe ×8
Ryzen 5 8400F は、AM5 を最も安く組めるクラスのCPUです。2026年9月13日時点の価格.com 最安は 20,800円。内蔵GPUを持たない代わりに、Zen 4 の6コア12スレッドをこの価格で手に入れられます。CPUクーラー(Wraith Stealth)も同梱されます。
この型番は8500Gとよく混同されます。8500G は2コアが Zen 4、4コアが省電力版の Zen 4c というハイブリッド構成ですが、8400F は6コアすべてが Zen 4 です。ダイサイズも PCIe レーン数も別物で、ここを取り違えるとグラフィックボードを載せたときに制約を受けます。
弱点もはっきりしています。L3 キャッシュが16MBと、同世代の Ryzen 5 7500F の半分しかありません。キャッシュが効く1080pのゲームでは、この差がそのままフレームレートに出ます。その代わり価格は4,472円安く、差額をグラフィックボードへ回せます。
目次
結論先に判断の分かれ目だけ
総額を詰めるなら8400Fです。20,800円でクーラーまで付くので、CPU まわりの出費はここで止まります。浮いた分はグラフィックボードへ回してください。
ゲームのフレームレートを取るなら Ryzen 5 7500F(25,272円)です。L3 が32MBと倍あり、キャッシュが効くタイトルでは差が出ます。差額は4,472円です。
世代で選ぶなら Ryzen 5 9600X や Ryzen 5 9600(31,999円)。差額11,199円で Zen 5・L3 32MB・PCIe 5.0 まで手に入ります。
スペック6コアすべてが Zen 4
| 項目 | Ryzen 5 8400F | 補足 |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | Zen 4 × 6 | Phoenix / TSMC 4nm / ダイ178mm² |
| コア / スレッド | 6コア / 12スレッド | 8500G のようなハイブリッドではありません |
| ベース / ブースト | 4.2 → 4.7 GHz | 7500F は5.0GHz、9600は5.2GHz |
| L2 / L3 キャッシュ | 6 MB / 16 MB | 7500F・9600 の L3 は32MB |
| TDP | 65 W | cTDP 45〜65W |
| PCIe | 4.0(合計20・使用可16) | GPU ×8 + M.2 ×4 + M.2 ×4 |
| 内蔵GPU | なし | グラフィックボードが必須です |
| 対応メモリ | DDR5-5200 | EXPO で DDR5-6000 も動きます |
| ソケット | Socket AM5 | A620/B650/B850/X670/X870 に対応 |
| 付属クーラー | Wraith Stealth | BOX版に同梱。別途購入は不要です |
| 発売 / 最安 | 2024年4月1日 / 20,800円 | 2026年9月13日時点の価格.com 最安 |
8500Gとの違いハイブリッドなのは8500Gの方です
8400Fと8500Gは同じ Phoenix 世代から派生していますが、中身は別のダイです。ここを取り違えると、グラフィックボードを載せたときに思わぬ制約を受けます。
| 項目 | Ryzen 5 8400F | Ryzen 5 8500G |
|---|---|---|
| コア構成 | Zen 4 × 6 | Zen 4 × 2 + Zen 4c × 4 |
| ダイサイズ | 178 mm² | 137 mm² |
| ベースクロック | 4.2 GHz | 3.5 GHz |
| PCIe レーン(合計 / 使用可) | 20 / 16 | 14 / 10 |
| GPU に使えるレーン | ×8 | ×4 |
| 内蔵GPU | なし | Radeon 740M |
| 最安(2026/9/13) | 20,800円 | 21,980円 |
省電力版の Zen 4c コアを積んでいるのは8500Gのほうです。Zen 4c はノートPC向けの高密度設計で、命令セットも IPC も Zen 4 と同じですが、クロックの上限が低く抑えられています。8500G のベースクロックが3.5GHzと低いのはこのためです。
8400F は6コアすべてが通常の Zen 4 で、ベースは4.2GHz。「8400F は8500GからiGPUを抜いたもの」という説明は誤りで、実際には8600Gから内蔵GPUを取り除いた構成に近いと捉えるのが正確です。
8500G がグラフィックボードに割り当てられるのは PCIe 4.0 ×4 だけです。8400F は ×8 を確保できます。価格も8400Fのほうが1,180円安いので、GPU を載せる前提なら選ぶ理由がありません。
キャッシュL3 16MB がゲームに効きます
8400F で最も見落とされやすいのが L3 キャッシュの差です。同じ Zen 4 世代でも、Ryzen 5 7500F は32MB、8400F は16MBと倍違います。
L3 は CPU とメインメモリの間に挟まれる高速バッファで、容量が大きいほどメモリアクセスを減らしてフレームタイムを安定させます。1080p の CPU 依存が強いゲームや、シミュレーション系のタイトルで差が出やすい領域です。海外レビューの集計では、7500F 比で平均3〜8%のfps低下が報告されています。
一方、GPU が先に上限へ達する1440p 以上では、キャッシュ差の影響は1〜3%まで縮みます。1080p で高フレームレートを狙うなら7500F、1440p 以上で GPU に予算を回すなら8400F、という選び分けになります。
比較同価格帯の5機種と並べる
| モデル | コア構成 | ブースト | L3 | 最安(2026/9/13) |
|---|---|---|---|---|
| Ryzen 5 8400Fクーラー付属 | Zen 4 × 6 | 4.7 GHz | 16 MB | 20,800円 |
| Ryzen 5 8500GiGPU あり・GPU は ×4 | Zen 4×2 + 4c×4 | 5.0 GHz | 16 MB | 21,980円 |
| Ryzen 5 7500FL3 32MB・ゲーム寄り | Zen 4 × 6 | 5.0 GHz | 32 MB | 25,272円 |
| Ryzen 5 8600Gグラボなしでも組める | Zen 4 × 6 | 5.0 GHz | 16 MB | 27,980円 |
| Core i5-14400FLGA1700・DDR4も可 | P×6 + E×4 | 4.7 GHz | 20 MB | 27,979円 |
| Ryzen 5 9600Zen 5・PCIe 5.0 | Zen 5 × 6 | 5.2 GHz | 32 MB | 31,999円 |
7500F とは4,472円差です。L3 が倍あるぶんゲームでは7500Fが上で、1080p 競技系を想定するならこちらが素直です。9600 とは11,199円差。Zen 5・L3 32MB・PCIe 5.0 と全方位で上位互換なので、予算が届くなら9600を選ぶ理由があります。
Core i5-14400F はマルチスレッドで上回りますが、8400Fのほうが7,179円安くなりました。LGA1700 は次の世代へ続かないのに対し、AM5 は2029年まで継続すると AMD が表明しています。長く使う前提なら8400Fが有利です。
ベンチマーク6コアとして順当な位置
仕様は AMD 公式「Ryzen 5 8400F」と同「Ryzen 5 8500G」によります(2026年9月13日確認)。価格は 価格.com の Ryzen 5 8400F ほか各製品ページの最安値(2026年9月13日時点)です。スコアは各種レビューの集計値で、メモリクロックやマザーボードで変動します。
Cinebench R23 — マルチコア
| CPU | Cinebench R23 Multi |
|---|---|
| Core i5-14400FP6+E4・16スレッド | 約 17,000 |
| Ryzen 5 9600Zen 5 | 約 15,600 |
| Ryzen 5 7500FZen 4・L3 32MB | 約 15,000 |
| Ryzen 5 8600GZen 4・iGPU あり | 約 14,500 |
| Ryzen 5 8400F本機 | 約 13,200 |
Cinebench R23 — シングルコア
| CPU | Cinebench R23 Single |
|---|---|
| Ryzen 5 96005.2GHz | 約 2,040 |
| Ryzen 5 7500F5.0GHz | 約 1,810 |
| Ryzen 5 8600G5.0GHz | 約 1,780 |
| Core i5-14400F4.7GHz | 約 1,750 |
| Ryzen 5 8400F本機・4.7GHz | 約 1,690 |
1080p ゲーム 5タイトル平均(RTX 4060 クラス)
| CPU | 平均fps |
|---|---|
| Ryzen 5 9600Zen 5・L3 32MB | 約 162 fps |
| Ryzen 5 7500FL3 32MB | 約 154 fps |
| Core i5-14400FIntel | 約 147 fps |
| Ryzen 5 8600GL3 16MB | 約 142 fps |
| Ryzen 5 8400F本機・L3 16MB | 約 133 fps |
マルチもゲームも、9600や7500Fには一歩届きません。8400F の価値は性能ではなく価格です。20,800円という最安値は9600より11,199円、7500Fより4,472円低く、その差額をグラフィックボードへ回せます。
TDP は65W(cTDP 45〜65W)で、付属の Wraith Stealth で足ります。小型ケースや静音構成でも扱いやすく、クーラー代が要らないぶん総額も抑えられます。
候補8400F と、隣に並ぶ3つ

※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
パーツ8400F と組み合わせるパーツ一覧
8400F で組むときの前提は3つです。クーラーが同梱されるので買い足す必要がなく、倍率も回さないのでマザーボードは B650 や B850 で足り、TDP 65W なので電源も大容量は要りません。削れるところが多いぶん、浮いた予算はグラフィックボードへ回すのが正解です。
グラフィックボード|ここが本体です
8400F は内蔵GPUを持たないのでグラフィックボードが必須です。そして1080p のフレームレートを決めるのもここです。CPU 側の上限がそれほど高くないため、RTX 5070 以上を載せるとCPUが先に頭打ちになります。RTX 5060 か RX 9060 XT あたりが釣り合います。
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マザーボード|B650 でも B850 でも足ります
8400F は A620・B650・B850・X670・X870 のいずれでも動きます。2024年春より前に出荷された600シリーズでは BIOS 更新が必要な場合があるため、購入時にショップへ確認するか、BIOS Flashback 対応モデルを選ぶと安全です。
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メモリ|L3 が少ないぶん効きます
公式サポートは DDR5-5200 ですが、EXPO 対応のキットで DDR5-6000 を通せるマザーボードが大半です。8400F は L3 が16MBと少ないぶんメモリ速度の影響が出やすく、DDR5-6000 CL30 を選ぶとゲームのfpsが1〜3%底上げされます。
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ストレージ|Gen4 の1TBが基準です
8400F は M.2 に PCIe 4.0 ×4 を2本割り当てられます。ゲームのロード時間は Gen3 と Gen4 で体感差が出ますが、Gen5 まで上げても差はほとんどありません。容量は1TBが基準で、総額を詰めるなら512GBから始めて増設する手もあります。
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クーラーと電源|どちらも大きなものは要りません
CPUクーラーは付属の Wraith Stealth で足ります。静音性や温度をもう一段下げたい場合だけ、4,000円台の空冷へ換装すれば十分です。電源は8400F 自体が65Wなので、容量を決めるのはグラフィックボードになります。RTX 5060 クラスなら650〜750Wで余裕があります。
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構成例24万円前後で組む
特にメモリと NVMe SSD の値上がりが大きく、この構成ではメモリ1点で CPU の3.5倍を占めます。グラフィックボードやマザーボードも在庫で動くため、価格は購入時に必ず確認してください。
| パーツ | 製品例 | 価格 |
|---|---|---|
| CPU | Ryzen 5 8400F BOX(クーラー同梱) | 20,800円 |
| マザーボード | ASRock B850M Pro RS WiFi | 21,596円 |
| メモリ | DDR5-6000 32GB(16GB×2・EXPO) | 73,199円 |
| SSD | NVMe Gen4 1TB | 32,980円 |
| グラフィックボード | RTX 5060 8GB/RX 9060 XT 16GB | 65,455〜73,981円 |
| 電源 | 750W 80PLUS GOLD(ATX 3.1) | 13,046円 |
| ケース | ミドルタワー(エアフロー重視) | 約8,000〜12,000円 |
| 合計 | CPUクーラーは付属品を使用 | 約236,000〜248,000円 |
総額を下げるなら、まずメモリを16GB(8GB×2)へ、SSD を512GB へ落とすのが効きます。この2点だけで4万円前後変わります。CPU をこれ以上削る余地はほとんどないので、削るならメモリとストレージからです。
完成機8400F 搭載機は、ほぼ流通していません
自作しないなら完成機という手もありますが、8400F を積んだ完成機はほとんど見つかりません。2026年9月13日にパソコンショップSEVEN・パソコン工房・MDL を当たったところ、3社とも取り扱いは0件でした。
完成機のエントリー枠には、内蔵GPU付きのAPUか、上位のRyzen 5/Core i5 が使われます。内蔵GPUを持たない8400Fは、グラフィックボードを必ず載せる自作でこそ意味を持つ型番で、メーカーが採用する理由が薄いためです。
Amazon では海外ブランドの完成機も出てきますが、同じ8400F + RTX 5050 クラスで32万円を超えるものが並びます。国内で買える価格帯とは差が大きいので、選ぶ理由はありません。
そのなかで唯一、国内メーカーの選択肢になるのが HP の OMEN 16L Desktop です。8400F に RTX 5060 8GB、DDR5-5200 16GB、1TB Gen4 SSD、400W 80PLUS Platinum 電源を収めたコンパクト機で、本体は約155×337×308mm。Wi-Fi 6E も内蔵します。
ただし完成機で選ぶなら、CPU の型番にこだわらないほうが選択肢は広がります。同じ20万円台なら、ほかのCPUを積んだ機種のほうが構成を選べます。
※価格・在庫・構成は変動します。最新情報は各商品ページでご確認ください。
価格BOX版とトレイ版の違い
8400F には国内正規流通の BOX 版と、並行輸入で流通する OEM トレイ版があります。クーラーの有無と保証が大きく違うので、購入前に確認してください。
| 種別 | 付属と保証 | 価格 |
|---|---|---|
| 国内 BOX 版 | Wraith Stealth 同梱・3年保証 | 20,800円〜(価格.com 最安) |
| Amazon の BOX 版 | Wraith Stealth 同梱・3年保証 | 22,000円〜 |
| OEM トレイ版 | クーラーなし・メーカー保証なし | BOX版より大幅に安い |
OEM トレイ版は安く見えますが、クーラーが付属せず、AMD のメーカー保証も基本的に受けられません。初期不良の対応はショップ依存になります。BOX 版には Wraith Stealth が同梱されるぶん、クーラー代を足すと差は縮みます。初めて自作するなら国内正規流通の BOX 版を選んでください。
総括削るならここまで、が明確なCPU
Ryzen 5 8400F は、AM5 を最も安く組むためのCPUです。最安は20,800円で、Wraith Stealth も同梱されます。6コアはすべて Zen 4 で、グラフィックボードには PCIe ×8 を割り当てられます。
弱点は L3 16MB と内蔵GPU非搭載の2点です。キャッシュが効くタイトルでは 7500F(+4,472円)に届かず、世代で選ぶなら9600(+11,199円)が上位互換になります。その1万円前後をグラフィックボードへ回したいかどうかが判断の分かれ目です。
混同されやすい8500Gとは別物です。ハイブリッド構成で GPU に ×4 しか割けないのは8500Gのほうで、グラフィックボードを載せるなら8400Fを選んでください。
- AM5 を最安で組みたい人(20,800円・クーラー同梱)
- CPU を削ってグラフィックボードへ予算を寄せたい人
- 1440p 以上で遊ぶためL3 の差が出にくい人
- AM5 に長く乗りたい人(2029年まで継続)

















