オンラインゲーム中にラグやカクつきが発生すると、プレイ体験が台無しになります。特にFPSや格闘ゲームのような反応速度が命のジャンルでは、回線環境の差が勝敗を分けることも少なくありません。
本記事では、ゲーマーに向けて「回線が遅い・ラグい」と感じたときの具体的な改善方法を徹底解説します。
ラグの原因は「通信速度」ではなく「Ping値」にある
まず知っておきたいのは、ラグ(遅延)は回線速度(Mbps)だけでは測れないという点です。
ゲームでの快適性を左右する指標は以下の2つです。
- Ping(応答速度):サーバーとの通信の反応速度。数値が低いほどラグが少ない。
- ジッター(応答のブレ):通信の安定性。値が不安定だとカクつきや切断が起きやすい。
いくら「下り速度」が速くても、Pingやジッターが悪ければ快適なプレイは望めません。
改善策①:有線接続に切り替える
無線(Wi-Fi)ではどうしても電波干渉や距離による遅延が発生します。オンラインゲームは可能な限りLANケーブルによる有線接続が推奨です。
特に以下のような状況では、無線だとラグが出やすくなります。
- 壁を複数枚挟んでいる
- 他の家電(電子レンジ・Bluetooth)と干渉している
- 家族で回線を共有している
カテゴリ6以上のLANケーブルを使うだけでPingが大きく改善されることもあります。
改善策②:IPv6接続を導入する
IPv4環境では、プロバイダや夜間の混雑によって通信が遅くなるケースがあります。次世代の通信方式「IPv6(IPoE)」に対応したルーターとプロバイダを使うことで混雑を回避できます。
IPv6にするためのチェックリスト
- 利用しているプロバイダがIPv6(IPoE)に対応しているか確認
- 対応ルーターに買い替える必要がある場合もある
- IPv6対応ゲーム(多くのゲームはIPv4が必要なため、DS-LiteやMAP-E対応が理想)
改善策③:ポート開放(NATタイプの最適化)
ゲームによっては、ルーター側で特定のポートを開放する必要があります。これによりNATタイプが「オープン」に変わり、接続エラーやマッチング遅延を改善できます。
例:PS5・Apex Legendsで必要なポート
- UDP: 3074, 3478-3479
- TCP: 1935, 3478-3480
ルーター設定画面で「ポート転送」または「UPnP」を有効にし、上記のポートを開放してください。
※固定IPの設定が必要な場合があります。
改善策④:ルーターの買い替え・設置位置の見直し
古いルーターや設置場所が悪いと、通信に大きな影響が出ることも。特に5年以上前のルーターを使っている場合、通信規格や処理性能の限界がラグの原因になっている可能性があります。
快適なゲーミングに適したルーターの特徴
- IPv6 IPoE対応
- Wi-Fi 6対応(IEEE802.11ax)
- MU-MIMO・QoS機能あり
- 高性能CPU搭載で安定性が高い
改善策⑤:混雑時間帯を避ける/QoS機能を使う
夜間(20時〜24時)は特に回線が混雑しやすく、Pingが悪化しがちです。ルーターのQoS機能を使えば、ゲーム通信を最優先に制御することができます。
また、ゲーム中は以下のようなバックグラウンド通信を停止・制限すると効果的です。
- Windows Update
- クラウド同期(Google Drive、Dropboxなど)
- 動画ストリーミング(YouTube、Netflix)
改善策⑥:プロバイダ変更やNURO光・auひかりへの乗り換え
それでも改善されない場合は、回線自体を見直すのも1つの選択肢です。
ゲーミングに強い光回線の例
回線名 | 特徴 |
---|---|
NURO光 | Ping安定性が高く、通信速度も優秀 |
auひかり | ラグの少なさで評価が高い |
フレッツ光+v6プラス | IPv6対応プロバイダとの組み合わせがカギ |
まとめ|ゲーマーにとって回線は「武器」になる
回線が遅い・ラグいといった問題は、正しい知識と対策で改善可能です。
特に「有線接続」「IPv6の導入」「ルーター見直し」は効果が大きく、勝率や快適性に直結します。
ゲームの実力を発揮するためにも、自分のネット環境を一度見直してみてはいかがでしょうか。