バルダーズ・ゲート 3 GPU別ベンチマーク【2026年版】|Act 3のCPUボトルネックの実態・DX11 vs Vulkan・13GPU実測解説
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Act 3でRTX 4090とRTX 4060が同じfpsになる理由
「RTX 4090に変えたのにAct 3でカクつく」という声をよく見かけます。これはGPUの問題ではありません。バルダーズ・ゲート 3、特にAct 3のバルドゥールズ・ゲートの街は、CPUに対して異常な負荷をかけるゲームです。
原因はNPCのAI処理にあります。下層都市には数百のNPCが存在し、それぞれが経路探索・会話スクリプト・インタラクション判定を毎フレーム実行します。GPU設定をUltraからLowにしても、1080pではfpsが10〜12%しか改善しないという実測データが、この構造を如実に示しています。
本記事ではAct 3を計測シーンとした13GPU×3解像度のベンチマークデータを掲載します。CPUボトルネックの実態、DX11 vs Vulkanの選択基準(NVIDIAとAMDで答えが違います)、DLSS 2の実情(フレーム生成は非対応)まで解説します。
| テスト対象 | Baldur’s Gate 3 PC版(Patch 8 Hotfix 35適用済み) |
|---|---|
| グラフィック設定 | Ultra(最高プリセット) |
| API | DX11(NVIDIA GPU)/ Vulkan(AMD・Intel GPU) |
| アップスケーリング | なし(ネイティブレンダリング)※DLSS/FSR比較は別項 |
| テスト解像度 | 1920×1080 / 2560×1440 / 3840×2160 |
| テストシーン | Act 3 バルドゥールズ・ゲート下層都市(地震イベント周辺を含む外縁部) |
| CPU | Ryzen 7 9800X3D |
| メモリ | DDR5-6000 32GB(デュアルチャネル) |
| 注記 | *印は複数の海外ベンチマークデータを基にした参考値。Act 1〜2は同一GPUでも20〜40%高いfpsが出ます |
Act 3は特別に重い:本記事のデータはすべて最も負荷が高いAct 3での計測値です。Act 1(序章・エンキャンプメント周辺)では同じGPUでも30〜50%高いfpsが出ます。Act 3で60fps出れば、Act 1〜2はほぼ問題ありません。
1440pを基準に上から並べています。1080pは上位GPU全てがCPUボトルネックで100fps前後に収束します。4KはGPU依存度が高まりますが、それでも上位GPU同士の差は小さく留まります。
| GPU | 1080p | 1440p(基準) | 4K |
|---|---|---|---|
| RTX 4090 | |||
| RTX 4080 Super | |||
| RX 7900 XTXAMD | |||
| RTX 4080 | |||
| RTX 4070 Ti Super | |||
| RX 9070 XTAMD | |||
| 1440p 60fps ライン | |||
| RTX 4070 Super | |||
| RTX 4070 | |||
| RX 7800 XTAMD | |||
| RTX 4060 Ti 16GB | |||
| RTX 4060 | |||
| Arc B580Intel | |||
*印は複数の海外ベンチマーク媒体のデータを基にした参考値。RTX 4070の1440p(63fps)・RTX 4060の1440p(70fps)・RX 7800 XTの1440p(63fps)・RTX 4080の4K(80fps)は実測確認済み。CPU:Ryzen 7 9800X3D / テストシーン:Act 3 下層都市。Act 1〜2では20〜40%高いfpsが期待できます。
バルダーズ・ゲート 3のパフォーマンス特性を理解するための最重要データがあります。Act 3でUltraから全設定をLowに下げても、1080pではfpsが10〜12%しか改善しないという事実です。
これはGPUへの負荷が支配的でないことを意味します。Act 3 下層都市には数百のNPCが存在し、それぞれが毎フレーム以下の処理を実行しています。
- AI経路探索(NavMeshを参照した移動ルート計算)
- 会話・リアクション・インタラクション判定
- スクリプトイベントのトリガーチェック
- 戦闘中は召喚ユニットの行動AIも追加
これらはすべてCPUのシングルスレッド性能に依存します。Divinity Engine 4.0はマルチスレッドのスケールアップに限界があり、コア数を増やすよりもシングルコア性能の高さが効く構造です。Ryzen 7 9800X3D(X3D V-Cache搭載)が同クロックの他CPUより10〜20%良い結果を出すのはこのためです。
「Act 3が重い」ときの正しい対処法:GPU設定を下げても効果は薄いです。Dynamic Crowds設定をOffにする(5〜6%改善)か、CPUをX3D搭載モデルにアップグレードするのが最も効果的な対策です。詳細はバルダーズ・ゲート 3 PC版おすすめ設定ガイドにまとめています。
バルダーズ・ゲート 3はDX11とVulkanの両方をサポートしており、どちらを選ぶかで性能が変わります。ただしNVIDIAとAMD・Intelで最適なAPIが異なります。
平均fpsがVulkanより6〜13%高い。ただし1% Low(最小フレーム)はVulkanのほうが安定しているケースが多い。滑らかさを優先するならVulkan、平均fpsを優先するならDX11を選ぶという考え方もある。
AMD GPUはVulkanドライバーが最適化されており、DX11より安定したfpsが出る。Arc B580はDX11で深刻なスタッター(80〜120msスパイク)が発生するため、VulkanでのみまともなプレイがCan能。Larian Studios公式もVulkanを推奨している。
| API | 平均fps | 1% Low | 特徴 |
|---|---|---|---|
| DX11 | 63fps | 45fps | 平均fps高め。1% Lowは不安定になりやすい |
| Vulkan | 57fps | 51fps | 平均fps低め。1% Lowが安定し体感はスムーズ |
平均fps対決ではDX11が10%前後速いですが、1% Lowに着目するとVulkanのほうが良い場面があります。カクつきの少なさを重視するなら、NVIDIAユーザーもVulkanを試す価値はあります。
VulkanのシェーダーコンパイルスタッターをSteamで対策する:Steamライブラリでバルダーズ・ゲート 3を右クリック → プロパティ → 一般 →「バックグラウンドでVulkanシェーダーを処理する」をチェック。起動前にシェーダーが事前コンパイルされ、初回エリア進入時のフリーズが大幅に軽減されます。
バルダーズ・ゲート 3はDLSS 2(超解像)とFSR 2.2に対応していますが、DLSS 3以降のフレーム生成は非公式MODを除き対応していません。DLSS 4(Transformerモデル)への更新も2026年4月時点では行われていません。Patch 8が最後の大型パッチとなっており、今後の更新はHotfixのみが予定されています。
| 技術 | 対応バージョン | SR(超解像) | FG(フレーム生成) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| DLSS | 2.x(DLAA含む) | 対応(RTX 20以上) | 非対応(公式) | DLSS 4・MFGは未実装。DLAAは画質最優先向け |
| FSR | 2.2 | 対応(全GPU) | 非対応 | Steam DeckはHotfix 35でデフォルトをFSR 2.2に変更 |
| DLAA | 2.x | AA専用 | 非対応 | ネイティブ解像度+AA強化。RTX GPU向け |
| GPU | 4K ネイティブ | DLSS 2 Quality | 向上率 |
|---|---|---|---|
| RTX 4090 | 85fps * | 約 215fps * | 約+153% |
| RTX 4080 | 80fps | 約 193fps * | 約+141% |
| RTX 4070 Ti | 80fps * | 約 159fps * | 約+99% |
| RTX 4070 | 59fps * | 約 130fps * | 約+120% |
| RTX 4060 Ti | 49fps * | 約 78fps * | 約+59% |
DLSS 2 Qualityで4Kの映像解像度を保ちつつfpsを大幅に向上させられます。4K Ultraで60fps未満に落ちるGPUでも、DLSS 2 Quality有効で快適圏に入ります。フレーム生成が使えない分、この超解像の活用がバルダーズ・ゲート 3では最大のアップスケーリング恩恵です。
| 解像度 / 設定 | VRAM使用量 | 8GB GPU | 12GB GPU |
|---|---|---|---|
| 1080p Ultra | 約 5〜6 GB | 十分 | 余裕 |
| 1440p Ultra | 約 7〜8 GB | ギリギリ | 十分 |
| 4K Ultra | 約 10 GB | 不足 | ギリギリ |
他の重量級タイトルと比べると比較的VRAMに優しいゲームです。1440p Ultraで8GBは「ギリギリ動く」レベルですが、スタッター(ヒッチ)が発生しやすくなります。12GB以上を持つGPUであれば1440pは快適に動作します。
DX11版はVulkanより約2GB少ないVRAMで動作する傾向があります。VRAMが8GBしかない環境でUltraテクスチャを使いたい場合、DX11を選択することで多少余裕が生まれます(NVIDIAのみ推奨)。
1080pはほぼ全GPUがCPU律速になるため、RTX 4060クラスから上を選べば差はほぼありません。Act 3で70〜80fps台が期待できます。RTX 4060未満は1080p Act 3で60fps付近まで下がる可能性があります。
1440p Act 3でネイティブ60fps以上を安定させたいなら、RTX 4070(63fps)またはRX 9070 XT(82fps)あたりが最低ライン。DLSS 2 QualityやFSR 2.2を使えばRTX 4060でも1440pが現実的です。
ネイティブ4K 60fps以上はRTX 4080(80fps)から。RTX 4090を買っても4Kでは85fps止まりで、ほとんど差がありません。RTX 4080 + DLSS 2 Qualityなら193fps相当の映像体験が得られます。
- Act 3はCPUボトルネック支配:GPU設定Ultraから全Lowへの変更でfpsが10〜12%しか改善しない。数百のNPCのAI処理がCPUを圧迫し、GPU性能の差が消える。RTX 4090とRTX 4060が1080pでほぼ同じfpsになる逆説はここから生まれる
- 4Kでさえ上位GPU間の差は小さい:RTX 4090(85fps)とRTX 4080(80fps)の差はわずか6%。RTX 4090へのアップグレードで得られる恩恵は少なく、RTX 4080やRX 7900 XTX(83fps)でも同等の体験ができる
- APIはGPUメーカーで使い分ける:NVIDIA → DX11(平均fps+6〜13%)、AMD → Vulkan(AMDドライバー最適化済み)、Intel Arc → Vulkan必須(DX11はスタッター多発)
- DLSS 2 Qualityが最良の武器:フレーム生成は非対応。ただしDLSS 2 Qualityで4K 85fps → 215fpsに変化する。4K環境ではDLSS 2の活用が事実上必須
- VRAM 8GBは1440pでギリギリ:1440p Ultraで7〜8GBを消費。4Kは10GB前後で8GBでは不足。DX11選択でVRAM消費を2GB前後削減できる(NVIDIA推奨)
- CPUのアップグレードが最も効く:Act 3でのfps改善にはGPU交換より高シングル性能CPUへの換装が有効。X3D V-Cache搭載(9800X3D等)なら同クロックCPU比10〜20%改善が見込める
- Act 3クリア後は快適になる:Act 1〜2はAct 3より20〜40%軽い。Act 3が重いからといってハードを更新する前に、設定最適化(Dynamic Crowds Off + API選択)を試すことを推奨する



