DLSS 4.5 Dynamic MFG 解禁3日後レポート——12タイトル実測・「期待通り」と「期待外れ」を正直に整理する

DLSS 4.5 Dynamic MFG 解禁3日後レポート——12タイトル実測・「期待通り」と「期待外れ」を正直に整理する

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POST-LAUNCH REPORT
出典:PCGamesN / DSO Gaming / Tom’s Guide / HotHardware(2026.03.31〜04.02)
DLSS 4.5 Dynamic MFG 解禁3日後の正直レポート

3月31日にNVIDIA Appベータチャンネルで解禁されたDynamic MFG——海外レビュアーが一斉に12タイトルを実測。「期待通り」のゲームと「使い物にならない」ゲームの差が予想以上に大きかった

3行でわかる解禁直後の評価
  • Dynamic MFGの実際の動作範囲は4x〜6xに限定されており、「1x〜6xの自動調整」という説明は誤解を招く。30fps台のシーンでも4x以下に落ちない仕様のため、アーティファクトが発生しやすいシーンでも強制的に4フレーム以上生成し続ける。
  • 12タイトル中、アーティファクトが実用レベルに収まっているのは7タイトル。Alan Wake 2とIndiana Jones and the Great Circleでは重大なゴースト・シマーが発生しており、現状では非推奨。Borderlands 4とOblivion RemasteredはほぼゼロでFixed 4x超えの品質
  • RTX 30/20系でDLSS 4.5を使うとデフォルト設定でfpsが最大24%低下する。原因はFP8演算非対応。Preset Kに切り替えることで回避可能——RTX 40系以下のユーザーは必ず確認してほしい。
目次

「1x〜6x自動調整」の実態——下限は4xで固定

NVIDIAの公式説明は「シーンの複雑度に応じて1x〜6xの範囲でフレーム生成倍率を動的に調整する」というものです。この説明を読んだ多くのユーザーは「低負荷シーンでは生成フレーム数を減らして品質を保ちつつ、高負荷シーンで6xまで引き上げる」と解釈しました。

しかし解禁後3日間のテストで、PCGamesNをはじめとする複数のレビュアーが同じ事実を確認しています。Dynamic MFGの実動作範囲は4x〜6xであり、壁に向かっているようなシンプルなシーンでも4x以下に落ちないのです。

DLSS MFG オフ
1x
ネイティブフレームのみ
Fixed 4x
4x
常に4フレーム生成(固定)
Dynamic MFG
4x〜6x
実際の動作範囲(下限4x固定)
NVIDIAの「1x〜6x」という説明は技術的には正しいが、実際に1x〜3xで動作するシーンは存在しない。実態は「Fixed 4xの上位互換」と考えるのが正確。

これが意味するのは、Dynamic MFGはFixed 4xより「悪い」シーンが存在しない代わりに、品質問題も4x以上が常に発生しうるということです。PCGamesNは「壁を向いていても4x以下に落ちないのは、ユーザーが期待した動作とは異なる」と批判的に評価しています。

12タイトル アーティファクト評価

DSO Gaming・Tom’s Guide・PCGamesN・HotHardwareの4メディアが実施した12タイトルのテストを集約しました。評価軸は「通常プレイ中に気になるアーティファクト(ゴースト・シマー・ブラー)が発生するか」です。

タイトルリリースアーティファクト評価備考
Borderlands 42025.09低(推奨)セルシェーディングとの相性が良好。高速移動時もゴーストほぼなし
Oblivion Remastered2026.04低(推奨)広大な屋外シーンでも品質が安定。Unreal Engine 5実装の優秀な例
Monster Hunter Wilds2025.02低〜中草木・水面でわずかなシマーあり。通常プレイには支障なし
Black Myth: Wukong2024.08低(推奨)Unreal Engine 5ベースで実装品質が高い。TAAとの組み合わせが有効
Hogwarts Legacy2023.02旧世代タイトルだがアーティファクトは少ない。フレームレート上限が課題
The Last of Us Part II2024.04雨・水しぶきシーンで顕著なシマー。乾燥した屋内は問題なし
Cyberpunk 20772020.12ネオンサイン・雨粒のゴースト。Pathtracing時はより顕著
Assassin’s Creed Shadows2025.03草木と水面でシマーが出やすい。静止シーンは良好
Marvel’s Spider-Man 22024.09低〜中高速スウィング中に視野端でゴースト。スロー移動時は良好
Death Stranding 22025.07雨中の荷物輸送シーンで顕著。屋内・晴天屋外は問題なし
Alan Wake 22023.10高(非推奨)ライティング変化の激しいシーンで重大なゴースト。Fixed 4x以下を推奨
Indiana Jones and the Great Circle2024.12高(非推奨)カメラ回転時に全画面アーティファクト。DLSS自体をオフにしたほうが快適という意見も

評価の傾向を整理すると、UE5ベースで新規実装されたタイトル(Borderlands 4・Oblivion Remastered・Black Myth)は品質が高く、複雑なライティング演出を持つタイトル(Alan Wake 2・Indiana Jones)は問題が大きいというパターンが見えます。

実測レイテンシデータ

フレーム生成は表示fpsを引き上げますが、入力レイテンシには注意が必要です。PC GuideがDynamic MFG有効時の入力レイテンシを実測しています(RTX 5080・Oblivion Remastered・1440p使用)。

MFG オフ(Quality)
67.1 ms
ベースfps:約45fps
Dynamic MFGオフ・DLSS Quality有効時のリファレンス値
Dynamic MFG 有効(Quality)
71.8 ms
表示fps:約175fps
フレーム生成でfpsは4倍近く増加したがレイテンシは横ばい〜微増
MFG オフ(Ultra Performance)
37.4 ms
ベースfps:約80fps
Ultra Performanceでベースfpsを高めた場合。レイテンシが大幅改善
Dynamic MFG 有効(Ultra Perf)
41.2 ms
表示fps:約320fps
高ベースfps + Dynamic MFGの組み合わせが最もバランスが良い

このデータが示す重要な結論が1つあります。「DLSS Quality + Dynamic MFG」より「DLSS Ultra Performance + Dynamic MFGなし」のほうが入力レイテンシが低いという事実です。動きのあるゲームやFPSでは、表示fpsよりもベースfpsを上げることを優先したほうが操作感の向上につながります。

なお、NVIDIA Reflexを有効にするとDynamic MFG有効時でもレイテンシを10〜15ms程度削減できます。Reflexに対応しているタイトルでは必ず有効にしてください。

Fixed 4x vs Dynamic MFG——どちらを選ぶか

今回のテストで明らかになった最も実用的な知見は、「Dynamic MFGが常にFixed 4xより優れているわけではない」という点です。

Fixed 4x が有利なケース
  • アーティファクトが問題になっているタイトル(Alan Wake 2等)
  • RTX 5060・5060 Ti など中位GPUでVRAMに余裕がない場合
  • 倍率を自分でコントロールして品質を安定させたいとき
  • フレームタイムの一貫性を重視する場合(固定倍率のほうが安定)
Dynamic MFG が有利なケース
  • アーティファクト評価が「低(推奨)」のタイトル(Borderlands 4・Oblivion Remastered等)
  • RTX 5070以上でVRAM・GPU性能に余裕がある場合
  • シーン負荷の変動が激しく、Fixed 4xだと重いシーンで破綻する場合
  • 映像鑑賞・探索メインで反射神経を要しないゲームジャンル

PCGamesNの結論は「Dynamic MFGはFixed 4xの上位互換ではなく、横並びの別オプション」というものです。アーティファクトに問題があるタイトルではFixed 4xのほうがクリーンな映像になりますし、品質が高いタイトルではDynamic MFGがfpsの天井を6xまで引き上げてくれます。

RTX 30/20系への影響——「DLSS 4.5を使うと遅くなる」の真実

DLSS 4.5はRTX 20系以降に対応しています。しかし解禁後3日間のテストで、RTX 30/20系での重大な問題が確認されました。

RTX 30/20系 ユーザーへ
デフォルト設定でfpsが最大24%低下する問題
原因
DLSS 4.5のデフォルトプリセット(Preset E)がFP8演算を使用しており、FP8非対応のRTX 30/20系でソフトウェアエミュレーションが走る
症状
RTX 3080 Tiで4K/RT Ultra設定時に約24%のfps低下が確認(DSO Gaming計測)。他の構成でも10〜20%の低下が報告されている
解決策
NVIDIA AppでDLSSプリセットを「Preset K」に変更する。Preset KはFP8を使わないため、RTX 30/20系でもfps低下なく使用できる
対象GPU
RTX 3090・3080 Ti・3080・3070 Ti・3070・3060 Ti・3060、およびRTX 2080 Ti以下の全モデル

RTX 40系はFP8に対応しているため、この問題は発生しません。RTX 50系はNVIDIA Tensor coreの世代が異なるためそもそも問題なし。影響を受けるのはRTX 30/20系のみです。

DLSS 4.5のアップスケーリング品質自体はRTX 30/20系でも恩恵を受けられますが、プリセット変更をせずに「最新のDLSSに更新しました」で有効にすると逆効果になるため、旧世代GPUユーザーは必ずPreset Kへの切り替えを行ってください。

Dynamic MFGの有効化手順(NVIDIA App)

Dynamic MFGはベータチャンネル限定機能として解禁されています。有効化にはNVIDIA Appのバージョン設定変更が必要です。

1
NVIDIA Appをベータチャンネルに切り替えるNVIDIA App → 設定 → システム → 「アップデートチャンネル」を「ベータ」に変更。ドライバーをベータ版(570.x以降)に更新。
2
ゲーム内でDLSSフレーム生成を有効化対応タイトルのグラフィック設定でDLSS Frame Generationを「有効」にする。Dynamic MFGはゲームが対応していれば自動的に適用される(ゲーム側の対応が必要)。
3
(RTX 30/20系のみ)Preset Kに切り替えるNVIDIA App → グラフィックス → 対象ゲームを選択 → DLSS設定 → 「スーパー解像度プリセット」を「Preset K」に変更。これをしないとfpsが低下する。
4
NVIDIA Reflexを有効化する対応タイトルではReflex(低遅延モード)を「有効 + ブースト」に設定する。フレーム生成による入力遅延の増加を軽減できる。
まとめ:「夢の新機能」ではなく「実用的なオプション」として評価する

解禁3日間のテストから見えてきた結論は、Dynamic MFGは「万能の解決策」ではなく「条件が合えば強力なオプション」だということです。対応タイトルでアーティファクトが少なく、RTX 50系の高性能GPUを持っているなら確かに体験できるfpsは別次元になります。

一方で「1x〜6xの自動調整」という説明から期待した人には、「実際は4x〜6xで固定下限がある」という現実は若干の肩すかしかもしれません。壁を向いていても4x以上のフレームを生成し続けるのは、品質面では懸念点です。

結局のところ、Dynamic MFGが本当に輝くのはOblivion RemasteredやBorderlands 4のように実装品質が高いタイトルです。使いたいゲームがこのリストに入っているかどうかを確認してから有効化するのが、3日間の実測データから導き出された最も実用的なアドバイスです。

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